シリーズ第８作目。かの探偵榎木津の目が見えなくなり、何の因果か関口が助手として付き添う形で鳥の城に赴く。その城（館）では過去４回に渡って嫁いだ花嫁が謎の死を遂げてきたという。そして今回５回目の結婚をするというのだ。物語は関口の視点と、過去４回事件を担当した伊庭という元刑事の視点で進む。可哀想な関口は前回の事件でボロボロであるはずなのに、「伯爵」由良昂允や花嫁の薫子の心情に囚われてしまう。木場は警察と伊庭との繋ぎのみで今回は事件には絡まない。伊庭と中禅寺の共通の知り合いの多々良と沼上が会話にのみ出てくる。
ローマに住む塩野さんからみた日本についてのエッセイ的な話だと思っていたが違った。古代ローマが王政から始まり共和政を経て帝政成立くらいまでをざっと紹介しつつ、古代ローマ人の生き方を現代日本人も参考にできますよって感じの話のようです。それにしても、塩野さんのですます調にどうしても違和感を感じてしまう。最後の付録の英雄たちの通信簿も面白い。
なんか世界とか救いてえ。とかなんとか言って始まる近未来ＳＦ。かつてのウィーンである犯罪都市ミリオポリスにて繰り広げられるハードボーイルドで悪ふざけのストーリー。登場するのは涼月：黒犬（シュバルツ）、陽炎：紅犬（ロッター）、夕霧：白犬（ヴァイス）の義肢装着の少女たち。３人はそれぞれに暗雲たる過去を持ち特殊兵として生きていくのです。冲方丁さんの本を初めて読んだのだが、最初に読む本はこれでよかったのかちょっと不安になった。いや、初めてではなかったですね。マルドゥック・スクランブル読んでた。
シリーズ第７弾。今回は会社で朝食フェスというイベントを開催することになった理恵が出店者といろいろ交渉していくストーリー。４つ目の話で、朝食フェス関係ないかなって思ったら、予想外の展開にほっこりする。最後の話が朝食フェス本番での話だが、冒頭から理恵に怨みを持っていると思われる男の独白から始まり、ちょっと緊張感が高まるのです。それにしてもなかなか進展しない麻野との関係に、理恵も作者も決意を固めたようですね。
豪華な著者達による６つの話のミステリアンソロジー。表紙のイラストからなんとなくコミカルな謎って印象で手にした。辻堂ゆめ「十四時間の空の旅」は重い空気から最後に一気に和やかな雰囲気に変わる感じがよかった。城平京「これは運命ではない」は５回の偶然の出会いはもはや偶然ではなく、まして運命の出会いでもないという話で、表紙のイラストにちょっとだけ関係してる。阿津川辰海「成人式とタイムカプセル」は謎もいいが恋愛未満感の出会いが心地よい。芦沢央「この世界には間違いが七つある」はドロっとした世界観と田中さんの笑顔がよい。
前回と打って変わって軽めのストーリー。理恵の新しい職場での話がメインです。えんとつ軒とか蝋燭軒とかが出てきて、なんと麻野とも絡んでくる。新幹線から見えた富士山が左側とあったので、おや？とは思ったが、東北新幹線からも富士山が見えるのかなくらいに思っていた。東京から４時間って広島か。そういえば駅弁に牡蠣が出てきてましたね。最後はハッピーエンドでよかったよかったって感じでした。ところで４つ目の話の登場人物達は初登場ですよね？
いきなり嘘から始まる。カトリーヌについてだ。相変わらず、これといって役に立つようなことは書いていない。まあ、ときどき自分の考えと同じようなことが書いてあって、そうだなと思ったりする。まずポケットから耳を出したらどうか。ドラえもんに対する助言だそうだ。クスッとはなる。
貧困、浮気、虐待、犯罪。今回はこれまでになくハードな内容でした。子ども食堂の手伝いに始まり、そこに関わるいろいろな親子、児童相談所の人たち、そして麻野の母の夕月逢子。登場人物多すぎてよく分からなくなってくる。理恵も当然のようにどっぷりと関わっていく。様々な親子の関係と麻野の母との関係、露と祖母との関係。それぞれの絆がよい感じになるとよいですね。
・・・・・。わけのわからない本だった。タイトルも分かるような分からないような。まあ、言いたいことが特にある訳ではないのでしょうが、なんなのだ？という気持ちにはなる。モーリィとクーリッキの会話は和む感じでした。
今回は露の友達の夢乃の話が２つ。伊予の友達のジビエ話が１つ。理恵の従妹の依咲の宝探しの話が１つ。理恵が今後の進む道で迷う話が１つ。相変わらずどれも優しい話。伊予を見習い、感謝の言葉と共に「好きです」と告げた理恵は、しかし、麻野の反応に戸惑う。さてさて、どうなるのでしょうか。
