興浜(おきのはま)で候 

興(こう)ちゃんの手掘り郷土史

鶴林寺 国宝太子堂 檜皮ふき見学会へ

2008年07月13日 | 歴史散歩

  

 加古川市加古川町北在家にある鶴林寺では、国宝である太子堂が屋根修理工事を行っている。

 屋根の檜皮(ひわだ)ふき作業に入っており、今日と明日現地見学会がある事を知り行ってきた。

 聖徳太子創建の太子堂は1112年に建てられた。
26年ぶりのふき替えとの事で、約6万枚の檜皮(幅15cm長さ75cm)を使用し厚さは10cm近くなるとの事である。

 ちなみに興ちゃんが住む、姫路市網干区興浜にある金刀比羅神社の屋根は、明治25年に檜皮の葺き替えを行った記録がある。その後昭和26年の葺き替えは檜皮ふきではなく、銅版を張る屋根替えで今日に至っている。

  
すでに完成している軒先の部分。

        
左の黒い部分はまだ大丈夫なので葺き替えていないとの事。
古くからの伝統技法を守りながら、現在では軒の上に水切銅版を張り軒先の耐久性を高めていると、修理工事監督から説明があった。

        
使用材料である檜の皮ですが、この状態に加工されるまでには沢山の工程がある。

  
今日は横一列に並んで檜皮を張る作業を見学した。

        
檜皮ふきにはかかせない竹釘。
専門職人「竹釘師」により製造されている。
真竹を長さ3.6cm径3mmに裁断し、天日乾燥したあと焙煎するとの事。
見学をされた方は皆さんお土産にほしかったようですが、現場監督から貴重な材料なのでご遠慮下さいとの事であったが、興ちゃんは現場に竹釘が一本落ちているのを発見。あとはご想像にお任せします。
檜皮は30年~40年が葺き替え時期だが、この竹釘は傷みがないとの事。

        
水で濡らしておいた、檜の平皮を1.2cmほどの間隔で葺き重ね、竹釘を20~30本ほど口の中に含み、舌先で1本ずつ向きを揃えて選りだしては屋根金槌で打ち込んでいく。左手は檜皮を押さえ右手で竹釘を打つというこのすばやい職人技を見たかったのだ。