興浜(おきのはま)で候 

興(こう)ちゃんの手掘り郷土史

謹賀新年 長安周得『竹に虎図』

2010年01月01日 | 歴史散歩

 平成22年は干支では庚寅(かのえとら)に当るので、長安周得が安政元年に描いた「竹に虎図」で今年はスタートである。

 長安周得は赤穂出身の日本画家であり、文政10年(1827)朝廷から法橋位に叙せられた。

 興浜の偉大な日本画家である小野周文の師匠であり、河野鉄兜とも交友があったようである。

 現在赤穂花岳寺の本堂前の天井に揚げられている縦5間半×横1間半の大作である。
 この絵は周得後裔(こうえい)の長安淳二氏が赤穂の某旧家より収得したものを、花岳寺に寄進されたものである。
 周得67歳、安政元年(1854)寅年の作である。紙幟(五月幟)であり、画題が竹に虎であることから、男子出生に因んで、周得に描かせたものであろう。紙幟が仰ぎ見るものであるため、仰角で見た場合に正常の頭身に見えるように、虎の姿が長細く描かれている。

田淵記念館冊子『法橋長安周得』より