裸のヤコブ

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【あ】つみきのいえ

2009年04月08日 | ある日の戯言

先日ひょんなことから
「つみきのいえ」というDVDを見ました。
恥ずかしながら”おくりびと”は知っていたのに
この作品のことはまったく知りませんでした。
アカデミー賞受賞作品だというのに。
世間知らずとはこういう人のことを言うのでしょう。

まず始まって最初に飛び込んできた
部屋でひとりぼっちのおじいさんの姿。
何で描いているのでしょうか。
パステル? 色鉛筆?
とにかく、すごく柔らかなタッチが印象的で
もうすでにそこから引き込まれてしまったのです。

内容を書くと…


ネタバレの可能性がありますので
今後の楽しみにしたい方はこれ以降読まない方がいいかもしれません。
(ネタバレしても十二分に楽しめる作品だと思うので書いているのですが)









《ものがたり》

どんどん上昇する水面にあわせて
家を上へ上へ建て増し続けるひとりぼっちのおじいさん。
ある日、上の新居への引っ越し作業中にお気に入りのパイプを
床の中央に空けた魚釣り用の穴から水の中へ落としてしまいます。
他のパイプでは納得がいかず
潜水服を着てパイプを拾いに行くことを決心するおじいさん。

ざぶん。

潜水服に身を包んだおじいさんは
ゆっくりと下の階へ、底の方へ潜っていき
パイプを拾い上げた瞬間、思い出すことがあります。
それはおばあさんとの記憶。
そこから
次々と記憶の糸をたどるように下の家へと潜っていくおじいさん。
そこには
平凡だけどあったかい、
だけどなぜか胸がぎゅっとする家族との記憶。
時間をさかのぼるように潜り続けるおじいさん。
そして…




平凡だからこそ
見ている人がそれぞれ自分の人生と置き換えられるのでしょう。
若い子は子供の立場で。
年をとった方はおじいさんの立場で。



私が見たのはナレーション入りのバージョンでしたが
とにかく、切なくも心温まる物語でした。
長澤まさみさんの声も優しく響きましたし。
(ナレーションがない方もとてもよくできています)


SPECIALじゃなくても特別な自分だけの宝物。
誰でも持っている、自分だけの宝物。


ん~、うまく伝えることができません。
ぜひ見てほしい作品です。


そして
誰もがこんな平凡だけど特別な物語を持ち
大切な宝物を持っていることを
理解しあえる世界でありたいなぁと思いました。
その宝物を尊重しあえる世界であってほしいと。



この気持ち。
見てもらえばわかるんだけどなぁ、きっと。
ん~、なまら文章ヘタクソだな。