最新の審美&インプラント日記

天王洲アイル・天王洲インプラントセンター 小川勝久先生による審美とインプラント治療の日記と情報

『骨移植の難しさ・・・・』

2009-07-12 00:23:39 | Weblog
『骨移植の難しさ』とは・・

7日のブログの事で、歯科医の先生には、もうチョッと補足しようと思って・・。
骨移植では、外科的手技の難しさは、いわゆる健康な骨を何処からどのようにして採取して、どのように固定するかという3つの問題がありますよね。

写真は、上の前歯を失って、骨が痩せてしまった部位へ‘下あごの奥’から骨を採取して、ピンで留める‘ブロック骨移植法・ベニアグラフト’の写真です。 写真で判るように麻酔医の下、静脈内鎮静法(深鎮静法)で、手術を私が行いました。

まず、上アゴの陥凹(骨が溶けて吸収した所)の形状や大きさに合わせて、下あごのレイマス(下顎枝前縁~大臼歯部)からピエゾを用いて骨を採取。採取した骨を、その陥凹にピッタリ適合するように削って調整します。
骨は骨髄血から再生が促されるので、移植される骨側(母床骨)に、デコルチケーションと呼ばれる小孔を開け、骨髄血を出させます。
移植骨にも小孔を開け、血流を確保し、ピンにてしっかりと固定します。この固定は重要で、しっかり固定しないと生着しない場合もあります。(動くと骨芽細胞は、繊維芽細胞に変異し、骨化しないのです)

この後、粉砕骨等にて、母床骨との隙間を埋めて、丁寧に縫合します。この時、写真のようにピッタリした適合性が得られていれば、ゴア膜等は必要無いのです。(むしろ、膜が介入する事で血流が阻害される事もあるのです)

このように骨の移植は‘大胆さの中に繊細さ’を持ち合わせて、ないかつ的確かつ丁寧な手技が要求されるのです。

PS 患者さんの皆さんへ。怖い写真と、専門的な説明ですみません。ただ、‘骨の移植は簡単ではない’と解って頂けると良いとおもいます。患者さんの協力と理解には本当にいつも感謝しております。

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