先日モスクワで、ウクライナ軍の地雷による爆発で亡くなった、ロシアのTVジャーナリスト、イーゴリ・コルネリューク氏の告別式があった。彼と共に非業の 死を遂げた音響技師のアントン・ヴォロシン氏の葬儀は、もう少し後になる。彼の遺体は、爆発の際に、生前の姿が分からない程ひどい損傷を受けてしまったの で、DNA鑑定が必要だからだ。2人の死の瞬間は、当時彼らと一緒に働き、奇跡的に生き残った撮影カメラマンが偶然ビデオに収めた。それは、現場ではいか なる軍事作戦も実施されていなかったことを証拠立てている。当時ロシアのジャーナリストは、避難する女性や子供、老人達を撮影中だった。ドネツク及びルガ ンスクの義勇軍防諜部には、ウクライナ軍が数日にわたり、コルネリューク特派員の撮影班を明らかに標的にして、狩りのように追いかけていたとの報告があ る。コルニューク氏とヴォロシン氏は、今年初めからウクライナで亡くなった4人目そして5人目のジャーナリストとなった。
ロシアのジャーナリストは殺害されるばかりでなく、逮捕もされている。彼らは殴る蹴るの暴行を受け、自分達がウクライナで起きている出来事について嘘をつ いている事、ウクライナ軍の犯罪を「でっち上げ」ている事を認め署名するよう求められ、それをしなければ命はないと脅迫されている。先日ウクライナ保安庁 は、すぐさま拘束すべき人物のリストを公表したが、その中にはロシア人ジャーナリストも含まれている。
南部・東部ウクライナからロシア人ジャーナリスト退去させようとの企てにより、彼らは故意に脅威にさらされている。他の外国人ジャーナリストはすべて、こ うした「ホット・ポイント」での取材経験が豊かなジャーナリストも含め、皆すでに危険な地域から去り、よりましなケースでもキエフから、ルポルタージュを 送っている。キエフ当局が、南・東ウクライナの出来事を自分達にとってのみ都合の良い形で報道されるよう努めている事は、全くもって明らかである。例え ば、ウクライナのマスコミが伝えるようにだ。彼らの解釈は「ウクライナの軍と治安諸機関は、ロシアに支援されたテロリストや分離主義者らと戦っており、ロ シア軍の攻撃はほぼ撃退されつつある」というものだ。その際「テロリスト」の死者数は過大に伝えられ、ウクライナ軍の損失は何倍も少なく発表される。一般 市民の犠牲者に関して言えば、ウクライナのマスコミや当局は、罪があるのは「分離主義者」らで、彼らが南部・東部の町や村を計画的に砲撃したり、爆撃した りしていると発表している。彼らの言う「分離主義者」の側には、重兵器もなければ、まして爆撃機などない事については、キエフのジャーナリストは、平気で 口をつぐんだままだ。
それゆえ、ウクライナでの真実を物語り、世界にそれを発信する事ができるのは、ロシアのジャーナリストだけなのだ。そしてウクライナ軍による砲撃やキエフ に奉仕する民族主義者らによる略奪からロシア領に逃げ込み救われた、難民達について伝えられるのも、ロシア人ジャーナリストだけだ。
先日、ロシア領ロストフ州の難民受け入れポイントを、ロシアにおける国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の代表、バイサ・ヴァク-ヴォイヤ氏が視察し た。彼は「受け入れポイントは素晴らしく組織されており、難民達は必要不可欠なあらゆるものを手にしている。ロシアは、インターネットやSIMカードを含 め、あらゆるものを難民に保証する事を約束した」と述べ「これは、国際機関や国際共同体の援助や干渉もなくなされた」と強調した。しかし彼は、難民ではな く、今もウクライナ軍の攻撃にさらされている同国南部・東部に残された何十万人もの一般市民の援助についての質問には、何も答えなかった。それは、一般市 民やジャーナリストに対するテロを展開する「反テロ作戦」を、キエフ当局に止めさせて初めて可能になるからだ。
西側は、キエフ当局に「ストップ」の合図を出す事を欲せず、自分達のマスコミの中では、真実の姿を伝えていない。それゆえ南・東ウクライナの状況は、ます ます悪化している。23日ウクライナの戦闘員らは、ロシアの貨物列車を含め、2カ所で鉄道線路を爆破した。スナイパーらは、人道援助物資を運ぶトラック隊 を狙い撃ちしている。ウクライナ軍は、一般市民の間に新たな犠牲者を生みロシア領への難民流入を増やす、義勇兵達に対する決定的な攻撃開始のため、配置換 えの最中だ。地域の一連の都市では、ウクライナ軍がポンプ場を破壊したため、飲料水が尽きている。修理する事も出来ない。南部・東部ウクライナでは人道的 破局(カタストロフィ)の可能性が、確実に近づいている。
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