過激派、シーア派民兵と衝突=本格内戦突入も-イラク
【カイロ時事】イラク北部モスルなどを陥落させ、首都バグダッド入りを目指すイスラム教スンニ派の過激派「イラク・シリアのイスラム国」の武装集団は13日、南進を続け、首都北方約60キロのバクバ郊外でシーア派民兵組織と衝突した。ロイター通信などが伝えた。
宗派間抗争の構図が鮮明となれば、混乱収拾は一層困難となる。イラク情勢は隣国シリアのような本格的な内戦に突入するシナリオが現実味を帯びてきた。
イラクのシーア派最高権威シスタニ師はこの日、金曜礼拝で代理人を通じて「神聖な目的達成のため、志願して治安部隊に参加せよ」と訴え、シーア派信徒に決起を呼び掛けた。
イラク治安部隊は士気低下が深刻で、兵士らが「イスラム国」の脅威を前に相次いで持ち場から逃げ出している。このため、マリキ政権は支持基盤であるシーア 派の民兵や、クルド人自治区の民兵組織「ペシュメルガ」の協力を仰がざるを得ない状況に陥った。(2014/06/13-22:06)