今国会閣議決定へ準備=集団的自衛権、本格議論へ-政府・自民
政府・自民党は、集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈の変更について、安倍晋三首相の強い意向を受け、22日までの今国会会期中に閣議決定する準備に入った。自民党は10日の安全保障法制整備に関する協議会で、本格的な議論を始める方針で、慎重姿勢を崩さない公明党を押し切ってでも突き進む構えだ。
政府高官と自民党幹部は6日に会談し、会期内の閣議決定を目指す方針を確認した。政府・自民党は、公明党との協議が調えば、首相と同党の山口那津男代表による党首会談で正式に合意した上、閣議決定する段取りを想定している。
6日の安保法制協議会では、座長を務める自民党の高村正彦副総裁が政府側に閣議決定の原案を作成するよう要請。菅義偉官房長官はこの後の記者会見で「協議の中で、与党に政府の考え方を示していくことになる」と、高村氏と足並みをそろえた。
閣議決定の時期に関し、首相はこれまで、年末に控える日米防衛協力の指針(ガイドライン)再改定に反映させることが「理想的」と述べるにとどめてきた。し かし、6日に訪問先のローマで記者団に「与党として決めるべき時に決めていくべきだ」と語り、公明党に早期の決断を促した。
政府・自民党がここにきて、発言のトーンを強めているのは、会期末まで残り2週間となる中、結論の先延ばしを狙う公明党に圧力をかけるためだ。ただ、同党内には政府・自民党のペースに巻き込まれることへの警戒感も依然強い。
このため、政府は10日の協議会で、公明党への説得材料として、集団的自衛権の無制限な行使に歯止めをかける方策を提示する見通し。硬軟使い分けながら、来週中にも合意形成を目指す考えだ。(2014/06/07-17:35)