「歯が弱いからカルシウムをたくさん摂るようにしています。」
こうお話される患者さんがいらっしゃいます。
虫歯は歯のカルシウムが溶けてしまって歯に穴が開く病気です。ですからカルシウムを補給するのはいいことのように思えます。
しかし、摂取したカルシウムは歯にいきません。(骨にはいきます。)
歯のカルシウム量は生まれつき決まっています。カルシウムをたくさん摂っても増えることはありません。
ですから、妊婦の方が「赤ちゃんにカルシウムを取られる」ということもありません。歯のカルシウム分は増やすこともできなければ、減ることもありません。
ただ、唾液の中のカルシウムは歯の表面に取り込まれます。
虫歯になりそうになっても(脱灰)、唾液中のカルシウムが補給(再石灰化)することができます。
再石灰化させるためには「よく噛んで食べる」ことが有効です。
またフッ素も歯の表面に取り込まれます。
ですから、歯を強くするには、「よく噛む」ことと「フッ素を塗る」ことが有効です。
院長