食べても太らない人がいる一方でちょっとしか食べなくても太ってしまう人がいます。
太る体質があるのはなんとなく想像できますね。
それを科学的に説明しているのがこの本です。
太るということは体に脂肪が溜まるということです。
いつも言っていることですが、肥満の原因は糖質です。タンパク質や脂質では肥満になることはありません。
体の中で、消費されなかった糖質が脂肪に変換されて太ってしまうのです。
エネルギーとして使われなかった糖質はグリコーゲンという形で肝臓や筋肉に貯蔵されます。
グリコーゲンとして貯蔵する量には限界があるので、残った糖質(ブドウ糖)を脂肪に変えて体は貯蔵しようとします。
体質的に太りやすい人は糖質を脂肪組織に溜め込むことを優先しやすい、というのがこの本における肥満の原因の答えです。
このブログでも説明してきましたが、脂肪は体にとって必要です。
脂肪酸はすぐに使えるエネルギーですし、中性脂肪は脂肪酸からつくられる貯蓄用のエネルギーです。またコレステロールは細胞の膜やホルモンの材料となります。
体を元気に保つためには脂肪は大切なのです。
大切な脂肪ですが、それをひたすら溜め込もうとする体質があるそうなのです。
体の中の脂肪を肝臓や筋肉に貯めずに、脂肪組織に溜め込むことを優先する。
それはどういうことかというと、必要なところに脂肪がいかないということです。
体の中に脂肪はたくさんあるのに必要なところに脂肪がいっていないと、体は飢餓状態のようになります。
これを内在性飢餓というそうです。
たくさん脂肪を摂っていても体が飢餓状態になっているので、さらにたくさん食べたくなります。そして飢餓状態であるためカロリーを消費しないように動かないようにします。
太っている人が過食で運動しないことがあるのはこのためです。
過食で運動しないから太るのではなく、太っていながら体が飢餓状態にあるため過食で運動不足なのです。
これには遺伝的な要素もありますが、生活習慣が原因の場合もあります。
糖質を脂肪に変えるのは膵臓から分泌されるインスリンの働きによるものです。
インスリンが出れば出るほど糖質は脂肪に変わっていくので、インスリンは肥満ホルモンと呼ばれます。
ですからインスリンが出ないようにする糖質制限を行うことが肥満を防ぐのに最も効果的な生活習慣です。
では、脂肪を溜め込む体質は改善できないのでしょうか。
この答えがタンパク質と脂質の摂取です。
体を動かす基本の栄養素、タンパク質と脂質をしっかり摂ることで体は飢餓状態から脱してエネルギーを貯蓄する体からエネルギーを使う体に変わっていくのです。
脂肪の代謝を上げること、つまり脂肪を溜め込まないでエネルギーとして使うようになれば活動的になり太ることもありません。
究極はマラソンランナーでしょうか。
食べたものはみな運動の燃料として使うことができるので、細身でありながらエネルギッシュに動くことができるのです。
糖質を制限してインスリンによる脂肪の取り込みを防ぎ、タンパク質と脂質を積極的に摂ることによって栄養分を取り込まずエネルギーとして使うようにする。
これは健康な体をつくることでもあります。
低糖質、高タンパク質、高脂質。
いつも言っていることに収束しました。
院長