「愛していると言ってくれ」がテレビで再放送されていました。
1995年のドラマです。豊川悦司がカッコいいですね。
常盤貴子もちょっと危なっかしいけれど魅力的な女性でした。トヨエツの妹役は矢田亜希子だったのですね。再放送で気がつきました。
さて、この名作ドラマのストーリーもとても素晴らしいのですが、この1995年の時代背景がとても印象深かったので、その話をします。
25年前の1995年は、私が社会人4年目でした。バブルがはじけていたのにまだ日本人にはそれほど緊迫感がなかった時代です。
一番印象的なのは携帯電話がなかったことです。私は携帯電話を買うのが遅くて、初めて携帯を手にしたのは1999年でした。
携帯のあるなしで一番違うのが、待ち合わせではないでしょうか。
当時は待ち合わせにおいて、時間と場所をピンポイントで設定していました。駅の東口と西口で間違えるだけでも会えない可能性があって、「東口の改札の前」と場所を特定できるところにしていました。渋谷で言えば、「ハチ公の前」「モヤイ像の前」が定番で、それ以外では出会えないリスクもあったのです。
駅に伝言板があって、出会えなければ伝言板に「先に店に行く」などと書いたものでした。今では、「渋谷に5時。着いたら連絡する」という、限りなくアバウトな約束でも出会えてしまうようになりました。
当時は携帯電話がないためにトヨエツと常盤貴子はすれ違いまくります。ドラマの半分くらいすれ違っているのではないか、と思うくらい会いたいときにあえません。
これが、観ているものをドラマに引き込ませます。
今なら、ラインを使えばすぐに相手がどこにいるかわかるので、このような視聴者をやきもきさせるドラマはもうつくれないでしょう。
このドラマの主人公は耳が聞こえないので電話もできません。そこで登場するのがFAXです。
私は使ったことがなかったのですが、コンビニでFAXの有料サービスがあったのですね。
FAXがない時代に戻ってみると、何か団体の中で伝えたいことがあると、情報の一斉送信ができないので電話連絡網を使うことになります。
歯科医師会でも昔は電話連絡網があって、会員全員に電話で情報を伝えていた時代があったそうです。そして文字に残す必要のあるものはすべて郵送です。今では、その役目はメールにとって代わっていますが、実はメールをやっていない年配の会員もいるので、いまだに歯科医師会からの連絡はFAXでも来ます。
25年で全く違った世の中になっています。
そして現在は、コロナ感染症の影響で会議やセミナー、学会までもがオンライン開催する流れになっています。
私もかなりZOOMの使い方に慣れてきました。今後は人と実際に合わずにコミュニケーションすることが増えるでしょう。
常盤貴子に会いたくて、街中を走りまくるトヨエツのひたむきな姿が胸を打ちましたが、今となっては得難い熱い思いなのかもしれません。