キキリ・キキリ・キキリ

-北海道の昆蟲と自然-

北海道の昆虫の写真を中心に、身近な生き物や自然を紹介しています。

道東採集行(2008.7.4~6) 中編

2008年07月13日 | 採集記・撮影記
●7月5日(土)



AM5:00起床

峠の上は雲の中。しかし、東の空は期待通り晴れている
昨晩の計画通り、晴れているほうに移動するしかない。
寝る前に計画したルートで珍なトラに会いに行こう!



AM6:00 いざ出陣!



林内には眩しい朝日が差し込んでいる。
今日は暑い一日になりそうだなぁ。


移動中、路傍で咲いている花に、夜露に濡れた甲虫発見!



トラハナムグリ[Trichius japonicus]

一晩中、こんな感じでここに居たのだろうか?
同様な状況で4頭採集♪



移動中、ポイントがあれば車を停める。
オニグルミの枯れ枝を叩くと・・・



「かたひげ」ドイカミキリ[Mimectatina divaricata divaricata]



ゴマダラモモブトカミキリ[Leiopus stillatus]


これは!と狙った枝から落とすのは爽快です



峠付近では皆無だったツルアジサイを発見!



スウィープすると、ミドリ、ツヤケシハナ、クロハナが落ちる。
普通種だが昨日より虫が多い。(あたりまえか



標高を下げると、花が目立つようになってきた。
多分、エゾスミイロのいるあの峠では1~2週間後がベストなんだろう。
それにしても蒸し暑さが増してきた。
早くトラに会いたい!


更に標高を下げ、目的地に近づくと外気温は25℃を越す。





こんな伐採跡地では・・・



シラフヨツボシヒゲナガカミキリ[Monochamus rosenmuelleri]


暑くて虫は居ないと思ったが、彼らは期待を裏切らない。



ヒトオビアラゲカミキリ[Rhopaloscelis unifasciatus]

彼らも粗朶に沢山集まっていた。



「曇天の一日採集より、晴天の一時間」

昨日の不振が嘘の様だ。もっとコマメにチェックするといろいろ採れるのだろう。


AM10:00 


現地到着。めっちゃ天気が良い!



花も多いぞ!(恐らくアマニュウ)



そして常連さん達もたくさん居る



エグリトラカミキリ[Chlorophorus japonicus]



カタキハナカミキリ[Pedostrangalia femoralis]



ミドリカミキリ[Chloridolum viride]



キスジトラカミキリ[Cyrtoclytus caproides caproides]



アオアシナガハナムグリ[Gnorimus subopacus viridiopacus]

低地にこれがいるなんて、さすが道東!って感じなのだ。

他にはクロハナ、ヤツボシハナ、ハネビロハナ、ホクチチビハナ、
ツヤケシハナ、キタセスジヒメハナ、シロトラ、シロヘリトラ、その他甲虫など。



そろそろ本命出てこないかなぁ・・・

などと考えながら歩いていたら、ホストのサンザシを発見!





「よーし、この付近で待ってみよう!」

数分もしないうちに、重役出勤の彼らが飛んできた。



ムツボシアオコトラカミキリ[Chlorophorus simillimus]自己初

国内では北海道にのみ分布する北方系のカミキリ。
局所的に分布し、確実に採集できる産地は少ない。


貴重なカミキリの撮影に成功!
上品なライトグリーンに六つの星。
小さくて綺麗なトラカミキリだ。


AM10:30以降、ホスト直近のセリ科の花にポツポツと飛来。
天気は快晴。気温は27℃を超えている。









正午近く、気温が30℃を超えるかどうか位で、飛来はパタリと止んだ。
ハッピータイムは約1時間だったが数頭採集できたので良しとしよう


難なく目的達成!
午後は高地性のハナカミキリを狙おうかな?



来た道を戻ると、だんだんと雲行きが怪しくなってくる。
遠くでは雷が鳴り、時々雨が落ちる。
そんな状況でも、北海道特産の甲虫をいくつか採集しつつ(後日紹介)、
PM4:00頃に峠付近まで戻ってきた。




ホシガラスという高山に生息するカラスの仲間を初めて観察。
歓迎してくれたのですかね?


高標高地であらためて花を探すものの、ホントに全く見当たらない。
ショウマ自体は沢山あるのだが、数日中に咲く様な気配は感じられなかった・・・





同時にアラメハナとキタクニハナが居ないかアカエゾマツの立ち枯れも探したが、
これも結果が出ないのである。
ハッピータイム午後の部は無いのだろうか?



PM5:00頃、最後に峠付近のかなり熊っぽい獣道のような道を歩いてみた。





すぐ脇に沢が流れていて、周りの音が聞き取りづらい。
周囲はだんだんと薄暗くなりひんやりしてきた。
恐怖感は相当なものだった。
100mくらい進むと、獣が地面を掘り返した跡が・・・
腰に付けていた鈴をブルンブルン振り回し勇気ある撤退!


「あぁ、怖かった~。ふぅ・・・」


安堵のため息をして車に乗り込む。
狭いスペースでハンドルを切り返し、国道に戻ろうとした時、
運転席側の窓の外のフキに止まっているゾウムシの様な甲虫が見えたのだ。


高山性のアナアキゾウか?


気になったので車から降りると、なななんと!




アラメハナカミキリ[Sachalinobia koltzei]自己初


想像していたより大きく、鞘翅が荒々しくてカッコイイ。
以前から憧れが強かった虫の一つ





想定外の出会いで、本日は終了。
明日はいよいよ最終日。ハナカミキリより先に花を見つけなければ、何も始まらない・・・。





PM6:00過ぎ、再び湿地付近で2泊目の車中泊をしたのである・・・。





つづく・・・


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2 コメント

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Unknown (micromyu)
2008-07-13 21:10:20
山形は月の輪メッシュ保有率全国一らしいのですが
まだ足跡も見かけたことがありません。会いたくはないけれど・・・

トラハナムグリかわいい・・・夏ですねぇ(^^)。
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Unknown (O-jiro)
2008-07-14 00:32:28
聞くところによると、ツキノワの方がバッタリ出会ったときに襲ってくる可能性が高いとか・・・。

お互い気をつけましょう(^^)
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