キキリ・キキリ・キキリ

-北海道の昆蟲と自然-

北海道の昆虫の写真を中心に、身近な生き物や自然を紹介しています。

今年初のカミキリ

2006年05月12日 | 採集記・撮影記
札幌近郊の山を登った。
標高は300mないが、経路は3km以上ある。
途中、山菜採りグループと数回すれ違う。
皆「行者ニンニク」、「タラの芽」、「フキ」などを袋一杯にして、
談笑しながら下山してくる。
こちらはダニよけの為、暑くてもカッパ上下を着て、
弁当と飲み物の入ったザックを背負い、片手に捕虫網を持ち、
腰にナタと毒瓶をぶら下げ、首にもデジイチをぶら下げ、
ゆっくりゆっくり登るのだ。

「頂上まで残り1000m」
かなり足に疲れが溜まってきた。
肝心の虫は林内の散策路の為か、ブユしか寄って来ない。
たまに、目の中に飛び込んできて、非常に不愉快だ。

日が差し込んでいる林内にオオウバユリの葉が開いている。
所々、虫食い後があるが、これはカタクリハムシの食痕だ。
注意深く探すと・・・いたいた!



やっと、甲虫に巡り合えた


散策路沿いは標高が高くなるにつれ、時間が少しずつ戻るかのように、春植物に覆われる。


エンレイソウ


キクザキイチゲ

他にエゾエンゴサク、ヒトリシズカ、フクジュソウ、
オオバナノエンレイソウなどでいっぱいだ。


植物を楽しみながら2時間程で頂上に着いた。
意外とアップダウンが激しく、時間が掛かった。
天気は良いが風が強く、期待していたほど虫採り(虫撮り)はできていない。
頂上で昼食を食べていると、キアゲハが飛んできた。
が、風と共に去っていった。
黒っぽいチョウも見えた。ミヤマカラスアゲハだ。
ヤナギの花に止まり吸蜜しているが、網を振りかざすと瞬時に身をかわして、
風と共に去っていった。
まあ良いか。恐らく人より、一足先に目撃したのだから。


頂上は風がより強い。
しかし、日当たりが良い為、ハナアブが多い。


ニッポンクロハナアブ


ヒラタアブの一種



地表にはお馴染みのビロウドツリアブ。
針の様な口を真っすぐに伸ばし、ひなたぼっこ。





昼食後、すぐ下山。
風の弱いところではエゾスジグロシロチョウがヒラヒラ飛んでいる。
中には御取り込み中のカップルも。



気温はどんどん上がり、風は弱くなっていく。
他の虫も動き出した。

地表をごそごそ歩き回っているのは、センチコガネ。



笹の上で休んでいるのは、エゾアオカメムシ。





毎年、この時期に見たくなる虫がいる。
それは「タラノキ」に付く「ネジロカミキリ」である。
1cmもない小さなカミキリで、綺麗な虫ではない。
しかし、自分にとっては甲虫シーズン幕開けを知らせてくれる虫なのである。

タラノキは日当りの良い伐採地に沢山生えている。
しかし、十数本のタラノキを観察しても、ネジロ君は姿を現さない。
「おかしい。これだけタラノキがあるのに・・・」

30本目位に、目線の上の方に黒白のコブを発見!。



うーん、地味!
しかも、あまり保護色になってない。小鳥の糞、もしくはクモに化けているのだろうか?
それでも、一年ぶりの再会は嬉しいのだ!


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