ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

グライダーに乗る日

2021-06-22 | 私事・リタイア・人生
昨日ボランティアに行った時
普段なかなか会えない仲間に
ばったり遭遇しました


私たちは別のチャリティーで
15年前に知り合い、今の場所
でまた一緒に働いています。


世間話をしているとき、偶然
以前のボランティア仲間の訃
報に接しました。今年4月に
ガンで急逝したそうです。


「信じられない。今年に入っ
ても元気そうだったのに

と呆然とする私に、仲間はス
マホに残した新聞の死亡広告
の写真を見せてくれました。


「でしょ?だから私も思わず
写真に撮っておいたのよ。」
小さな白黒写真の中、トレー
ドマークだった艶々の白髪で
マージョリーは笑顔でした。


今年に入ってガンが見つかり
あとはあっという間でした。


まだ暑かった2、3月頃に一度
店に来てくれ、白い夏物のブ
ラウスを買ってくれました。


「こんなの何枚も持っていて
ホントは要らないんだけどね」
「みんなそう言って買うのよ」
と言いながら笑い合いました。


彼女は白が好きで、白い服を
清潔にパワフルに着こなし、
それが白く輝く髪に似合い、
明確な物言いと豪快な笑顔で
人を惹きつける人でした。


部屋を片付けながらふと見上
げると青い空と高い樹が見え
樹の淵から紫色のオーラが
出ているのが見えました。

(※写真に写らないのが残念)


その時急に、頭に閃いたのが
人はある日、目に前にスーと
停まるグライダーを見る。


それが来たらすべてを置いて
飛び乗らなければならない



よく「お迎えが来る」という
言い方をするのは、こういう
ことを指しているのか
心にストンと落ちました。


あんなに元気でハキハキして
いたマージョリーの前にも、
ある日真っ白なグライダーが
止まり彼女はそれに乗った。


そして上昇気流に乗ってどん
どん高みに行ってしまった。



そう思うと彼女がもうこの世
にいないことも、自分もいつ
かこの世を離れることも、急
にリアルに理解できました。



ひとり乗りのグライダーに乗
る日は、誰にでもいつか必ず
起きること。そう思うと恐怖
が遠ざかり、信号が変わって
発進していくときのような自
然な移行に思えてきました。



移住から2年目。まだまだNZ
での日が浅く、なんとか地域
社会に飛び込もうとボランテ
ィアを始めた私に、マージョ
リーは最初から友人のように
接してくれ、それは最期の最
期まで変りませんでした。


今年に入ってひとめでも会え
たのは、まるで最期に会いに
来てくれたかのようです

ありがとう、マージョリー
そちらでもお達者で





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