ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

粉ミルク・スキャンダル

2013-08-05 | 経済・政治・社会
週末からNZは大変なことになっています


世界最大の乳製品輸出業者の酪農協フォンテラの工場で製造された
乳幼児用粉ミルクとフォローアップミルクの材料に
ボツリヌス菌混在が発覚し、
写真の粉ミルクのリコール中です。



ボツリヌス菌は生物兵器にもなるほどの猛毒。
抵抗力のない乳幼児にはあってはならないことが起きてしまいました
リコールのお知らせ
(※乳幼児がいる方もいらっしゃるかと思い、リンクを張りました)



製品の輸出先は中国、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、タイ、サウジアラビアで、日本は入っていませんが、香港でも販売されているようで香港の新聞サウスチャイナ・モーニング・ポストの一面にもなりました。

なにせ一人っ子政策の中国人たち、国産粉ミルクにメラミンが混入し、
死者が出た事件をきっかけに、
「エサに異物が混入しない
という論理から牧草で育つNZ牛、特にそのミルクからできる粉ミルクに
盲目的な信頼を寄せています。


その結果、中国国内だけでなく、アジア一円、NZのスーパーからも
中国人の買占めでNZ産粉ミルクが消える
ということがたびたび起きてきました。
(この話はコチラでも)


「粉ミルクの中国国内直送サービス」

と中国語だけで宣伝しているマウント・アルバートの薬局
対象が100%中国人だし、キウイの神経を逆なでするであろうしで、
あえて英語がないのでしょう 


その『安全神話』が根底から崩れるような、今回の事件。



今年3月にはフォンテラは問題を把握していたというのですから、事態は深刻です。まだ問題の全容が明らかになっていないので、これからいろいろ出てきそう 菌の混入も工場の不衛生なパイプからということで、雪印の事件を彷彿させます。
(※その後、雪印がどうなったかはご存知の通り)


フォンテラは製造者でもありますが酪農協なので、屋台骨は全国津々浦々から組合員の牧場が生産する生乳を収乳車で集めてくること
問題は全生産量から見ればごくわずかですが、対応を誤れば信頼が崩壊します。


この話は全世界に報じられ、リコール製品の輸出先ではないロシアまでフォンテラ製品(輸出市場ではほぼNZの全乳製品に匹敵)の輸入禁止措置に出ています こうした動きは問題が解明されるまで、世界に広まりそうです。



今や身の回りに乳幼児がいる人もいなくなり(孫もいないし~
粉ミルクとは縁遠い西蘭家。
株価(フォンテラ3%安)や為替(乳製品は最大輸出品目)を見ていたら、


「ママ、ボク日本円売る


学校から戻ってきた善(16歳)が仕事部屋にやってきました。
スキャンダルでNZドルが急落しているので、この機に持っている円で

NZドルの一手買い
と言うわけです。
(※と言っても軍資金2万円


7月末の1NZドル=80円台から

今日は1NZドル=76円台(5%の円高ドル安)に

単純に月末に両替をしていたよりも
1000円ぐらいお得


こういう相場に反応したこと自体、
我が家では高く評価されるので、
親が円を買い取ることに。
(こんな金額だと、まともに両替しても手数料でチャラでしょう


まぁ、チャートから見て75円台もアリかな~
と、親はさらに先を見てます。
子どもから利食うつもりはないのですが
(※どこかでチャートの見方も教えねば
フォンテラと政府が対応を誤ればさらに下がる可能性も。


NZ乳製品への世界的な需要は他国が代替できないほど大きいので、
今のところ輸入禁止措置が出ている中国もロシアもあの手この手で
NZ安に乗じて買いを入れる方法を模索していると思うのですが、
問題は問題。
需要に奢らず、きちんと決着してほしいです。


前回の中国でのメラミン混入粉ミルクでの乳幼児死亡事故では
出資していたフォンテラの対応に非常に不満でしたから~
今回は誰のせいにも、知らぬ存ぜぬの申し開きもできない状態。

威信をかけた誠意ある対応を望みます。


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