ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

クラーク首相がやって来た!

2006-06-22 | 経済・政治・社会
なんだかここ数日、公私ともども忙しくしています。メルマガの更新も滞っていてすいませんTT 

「西蘭家も去年同様、最終日くらいはしっかり参加させてもらいましょう。」
前々回書いた「100万人のキャンドルナイト」(6月17-21日)も、その時間はバッチリ仕事になってしまい、とてもキャンドルの下でというわけにはいかず(電気なしではパソコンも使えませんし)、通常通りに過ごしてしまいました~T_T

昨日は日中に来客があり、西蘭家の昼の定番、アジア風ヌードルをかき込みながら、あれこれ話に花が咲き、思いがけず楽しいひと時でした。夕方からは、かのヘレン・クラーク首相が善の小学校に来ることもあり、私一人だけ学校へ。(子どもと夫はラグビーの練習)

なぜ時の首相が一公立学校にまで来るかというと、200万ドル(約1.5億円)をかけたスクールホール(日本の体育館に相当)の落成式への参加のためです。

(落成した「ブルース・マクラーレン・ホール」。マクラーレンはマクラーレン・ホンダとして日本人にもおなじみのキウイでこの学校のOB↑)

いくら父母や関係者を招いての式とはいえ、
首相を呼んでしまうとはスゴいな~
と思っていましたが、わざわざ首都ウェリントンから駆けつける、
首相もスゴいな~
と思いました。

しかも、その前日には、飼い犬へのマイクロチップ埋め込みの義務化を巡り、「すべての犬への義務化」を求めていたクラーク首相率いる与党労働党は、「牧羊犬や盲導犬など作業犬への義務免除」を主張していた野党国民党に対し、61:60の1票差で敗れたばかり。

これは閣外協力関係にあった緑の党(グリーン)の党員4人が急きょ国民党に同調したためで、これがなければ労働党案で可決されるはずでした。法案としては世間を揺るがすほど大きなものではないとしても(犬を飼っていない人にはほとんど関係ないですし)、与党連合初の足並みの崩れとして、大きく注目された出来事でした。

それだけに、その翌日に1人もSPらしき人をつけていない首相が、他の来賓と並んで目の前の折りたたみ椅子に座り、スピーチの順番を待ちながら他の人のスピーチに耳を傾け、ごく普通に過ごしている様子には、少なからず驚いてしまいました。

彼女のスピーチの番となり、明らかにスピーチライターが書いた原稿を読みながらも所々に自身の言葉も加え、落成したホールを褒め、成し遂げた学校関係者や保護者の労を労う様子は、彼女がこの学校に縁もゆかりもあったかのような錯覚を覚えるほど、自然なものでした。
(↑クラーク首相。右手の女性はブルース・マクラーレンの実妹)

「上手いな~」
いつものことながら、彼女のスピーチには舌を巻かされます。
ともあれ、目の前で首相のスピーチを拝聴し、その姿をしっかり写真にまで撮らせてもらい、一新移民としては思い出深い夜でした。労働党政権でなくなれば、移民政策がガラリと変わることは必至なので、思い立ってから永住権の取得まで今の政権のうちにできたことは幸いでした。

その後はちょっとしたカクテルパーティーになったのですが、東京との仕事の打ち合わせがあったので残念ながら帰宅してしまいました。あの調子だと、グラスを手にしながら、首相と一言二言でも言葉を交わせたことでしょう。
このフレンドリーさ、やっぱりニュージーランドならではです。

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