(9:45 ~ 9:58 厚生労働省内会見室)
【厚生労働省広報室】
会見の詳細
《閣議等について》
(大臣)
おはようございます。今日は閣議がございまして、そこでの発言からまず始めたいと思いますが、まず、10月の完全失業率は前月に比べまして0.1ポイント改善をいたしまして3.5パーセント、有効求人倍率は0.01ポイント上昇いたしまして1.10倍でございました。現在、雇用情勢は一部に厳しさが見られるものの、着実に改善が進んでおります。ただし、消費者マインドの低下とか、あるいは海外景気の雇用への影響について注視をしていく必要があると思います。雇用情勢の地域差などの課題に対応しました雇用対策の推進や、正社員実現加速プロジェクトによる正社員就職の促進などにより、雇用情勢の一層の改善が進むように取り組んでまいりたいと思っております。
エボラ出血熱に関します緊急対応についてでございますが、本日、閣僚懇談会におきまして、官房長官から、エボラ出血熱については引き続き、政府が一体となった万全の対応が必要であることから、検疫所の体制強化、そして、国立感染症研究所の体制強化及びセキュリティ対策の強化、並びに国内における医療機関の施設等の整備など、緊急に必要な対策を講じて、エボラ出血熱に関する対応に一層万全を期すよう指示がございました。これに対しまして、私からは官房長官の発言を踏まえて、速やかに必要な措置を講じていくことを発言いたしました。
明後日、11月30日は、今年から新たに「年金の日」となりますので、当日の取組などについて御報告申し上げます。「年金の日」の趣旨は、国民お一人お一人に高齢期に備えて、その生活設計に思いを巡らせいただきたい、国民お一人お一人に年金ネット等を活用して、年金記録や年金受給見込額を確認していただきたいということでございます。「年金の日」当日は、13時から丸の内の東商ホールで「年金の日フォーラム」を開催しまして、年金シンポジウムや「私と年金」エッセイの表彰式などを実施いたします。今年から新設した厚生労働大臣賞は、沖縄の双子の高校生でございまして、当日は私がちょっといないものですから、山本副大臣が出席いたします。また、「年金の日」の趣旨に御賛同いただいた27の金融関係団体等と共同して、「ねんきんネット」の活用などを呼びかけてまいります。以上が私からの冒頭の発言でございます。
《質疑》
(記者)
エボラ出血熱についてですけれども、官房長官から発言があったということですけれども、これを受けて、必要な措置を講じてまいるということですけれども、具体的にはどのような措置を検討されているんでしょうか。
(大臣)
これまでも三位一体ということで体制を強化、万全を期してきたわけでありますが、水際対策、それから国内の感染防止対策に特に万全を期してきたところでございます。このため、官房長官の指示もあって、検疫所の検疫官、それから国立感染症研究所の研究員の増員、それから国立感染症研究所の村山庁舎のセキュリティ強化、さらに第一種感染症指定医療機関の未設置県に対する施設整備補助、そして第一種感染症指定医療機関等に対する個人防護服等の整備補助を検討いたしておりまして、こういったものを中心に対策強化を図っていくということでございます。
(記者)
全て予算も必要になると思いますが、補正(予算)なのか。あるいは検疫所の検疫官の増員などですと、通常の予算、来年度予算にも関わってくるのでしょうか。
(大臣)
この対応は、喫緊の課題であることは言うまでもないわけであって、今月18日に総理から検討指示がございましたけれども、この補正予算編成も見据えた対応を求められたものだというふうに理解をしております。大事なことはこれは速やかな対応というのが必要なので、厚労省としてもスピーディーな措置を講じていくようにしていきたいと思っております。
(記者)
補正(予算)と、通常の予算、両方で考えていくということで。
(大臣)
今日お話があったのは、補正予算編成も見据えた18日の総理の検討指示があったことを踏まえて行われた指示だというふうに理解をしていますので、主にこれは補正予算編成も見据えたものを、とりあえず、今日、御指示をいただいたものだというふうに思っています。
(記者)
昨日の専門家委員会で、「電子たばこ」の一部の商品の蒸気から、通常の紙巻きたばこに比べて10倍以上の発がん性物質が検出されたという報告がありました。これについて大臣の受け止めと、今現状、「電子たばこ」の規制がないことについて、今後どういった対応、規制をしていくというお考えなのか、教えてください。
(大臣)
厚労省としては、いわゆるこの「電子たばこ」の健康影響及び未成年者に対する影響について、この専門委員会、たばこの健康影響評価専門委員会で、更なる検証を進めていくという予定でございまして、この電子たばこについてはニコチンを含む場合にはこの法律として、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、いわゆる「医薬品医療機器等法」によって規制をしているわけです。ニコチンが入っている場合は。今後とも「電子たばこ」の規制のあり方について、この専門委員会の検証を踏まえて、今後関係する省庁がいくつかございますので、そこと連携して検討していかなければならないと思っております。
(記者)
「電子たばこ」から発がん性物質が、普通のたばこよりも高い濃度で出たことについてはどう受け止めですか。
(大臣)
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレインなどの発がん性物質が含まれているという御指摘があったと聞いておりまして、この専門委員会での御指摘は正面から受け止めて、今後どういう規制がありうるのかということを検討するということであります。
(記者)
幼児教育についてお聞きしたいんですけれども、今朝の一部報道で、年収360万円以下の5歳児の保育料の無償化の実施が厳しくなったということがありました。下村大臣も実施は難しいというような発言をされているということを聞いていますが、それについて、大臣のお受け止めは。
(大臣)
下村大臣は私の隣に、閣議が始まる前に座っていて、今日のこの話をしてきましたが、そういうような慎重な発言ではなく、むしろ報道は正確ではないんじゃないだろうかということを言っておられました。この幼児教育の無償化については今年の7月に、「幼児教育無償化に関する関係閣僚・与党実務者連絡会議」の取りまとめて、環境整備と財源確保を図りつつ、5歳児からの段階的に無償化に向けた取組を進めることというふうになっていて、その対象範囲とか、あるいは内容とか、これらについては予算編成過程において検討ということになっていたわけであります。したがって、今日、一部新聞報道がありましたけれども、何もまだ決まっていないにもかかわらず、ああいうものが出たというふうに受け止めていて、今後、(平成)27年度の予算編成過程において財源とあわせて無償化の対象範囲や対応等について関係省庁と連絡しながら検討していくというふうに私たちは考えておりまして、それは何も変わっていませんから、これから検討ということでございます。
(記者)
関連してなんですけれども、この5歳児の保育料の無償化。塩崎大臣としては来年度から実施すべきだというお考えなんでしょうか。
(大臣)
これは先ほど申し上げたように、連絡会議で取りまとめられた方針があるわけですから、これに則って予算編成過程の中で、関係各省が議論を深めるということだろうというふうに思っています。今日、この新聞報道が出たことについて、さっき申し上げたような形で、いろんな人が何でこんなものが出るんだろうかというふうな思いが強かったように感じました。
(記者)
エボラ出血熱に戻って申し訳ないんですけれども、国立感染症研究所の村山庁舎のセキュリティ対策の強化というのは、セキュリティを強化することで住民の理解を得てBSL-4の稼働に結びつけたいと、そういうことなんでしょうか。
(大臣)
住民の理解を深めるということについては、単なるセキュリティを強化したらできるというような簡単な話ではございませんので、市長さんともよく話し合いながら、そして関係者ともよく話し合いながら理解を深めていく努力を粘り強くしていかなきゃいけないというふうに思っております。
(記者)
その関連でエボラ対策なんですけれども、検疫官の増員と感染研(国立感染症研究所)の研究員の増員、これは具体的には何人ぐらいの増員を見込んでいるんでしょうか。
(大臣)
これについてはまだこれからの議論でありまして、具体的な数字は補正予算を決めていく中で決まっていくことだというふうに思っております。
(記者)
具体的に例えば検疫官ですと、医師とか看護師とかいらっしゃいますが、具体的な職種とかですね、そういったものは決まっているんでしょうか。あと、いつから増やすということは。
(大臣)
中身についてはこれからの議論であって、タイミングについては急ぐからこそ補正予算もということだと思います。
(記者)
このタイミングで、さらなる体制、対策強化というのは、これまで3件の事例があったわけですけれども、これまでの体制では不足しているという認識なんでしょうか。
(大臣)
私の理解では、例えば、第一種感染症指定医療機関がまだないところが7つ残っていますけれども、スピードアップするということじゃないでしょうか。
(了)
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