現役の頃、給料が安い、と不満を言う同僚がけっこういました。
そのたびに、だったら、もっと給料の高い会社に行くとかすれば、と内心で思ったものです。
たしかにサービス残業も多く、これだけ働いているのに・・・という気持ちもわかりますが。
ワンマン経営者ならともかく、働いた報酬は他人が決めるものです。
だから、自分の力量とは関係ない、そのくらいに思っていれば、不平不満は生じません。
ところが、自分には実力がある、と思っている人ほど、同じ給料を安く感じるようです。
でも、自分で自分を評価するほど当てにならないことはありません。
これも、評価は他人がするもの、それをとやかく言ってもしょうがない、と割り切ればいいのです。
そうは考えられないときは、これはもう自分一人で事業を始めるしかない。
歩合制でもない限り、働くことの結果は長い時間かけないと自分に戻って来ません。
報酬に見合うだけの仕事をするには、それなりの経験やスキルが必要です。
若い時からそれらを身に着けている人間なんていませんから、大事な仕事は任せられません。
長い時間かけて経験を積み、それを他人が評価して、だんだん給料も増えていく。
いカボチャだってナスだってイモだって、実になるまでには時間がかかるんだぞ。
いまどきの若い人にはそれも理解できないのか、すぐに仕事を変えたがると言います。
変えたところで、性急に対価を求める心性が変わらなければ、また離職の繰り返しです。
世の中全体が功利的になっているので、若者たちだけに責を負わせられないのでしょうが。
また、消費社会ということもたぶんに影響しているのでしょう。
モノを買う側はお金を払えばすぐに手に入り、売る側も売ればすぐにお金になる。
そこには時間の経過という要素がまったくありません。
しかし、働く、仕事をする、ということは、それとはまったく別次元のことだと思っています。