現役時代、仕事が立て込んでくると、時にコピーペーストの術を使いました。
自分で自分をコピーし、一人は会議に出て、もう一人は顧客折衝に出かける。
コンピュータは簡単にコピーができるので、自分もコピーできるようになったのです。
子どもの頃、忍者ごっこで分身の術を使っていたせいもあるかもしれません。
あるいは、そういう超能力を生まれながらにして授かっていたとも考えられます。
どちらにしても便利な能力であることに変わりはありません。
ただ、分身の術を使うと、もともとの本身、本体がだんだん削られていきます。
理屈からいうとCRTやMRIのようなものです。
身体を薄く輪切りにし、その1枚を立体的に再製して分身を作り出します。
コンピュータの世界でたとえれば、近頃流行りの3Dプリンタの技術です。
平面図を積み重ねていって3次元の形を作る・・・・原理的にはそんなに難しくはありません。
でも、自分で自分を対象にしますから、けっこうコツは必要です。
始めの頃は、頭部だけ、手だけ、脚だけのコピーも・・・・これでは使いものになりません。
そのうち慣れて、本身と寸分違わぬ分身を作ることができるようになりました。
でも、生身を削って作るわけですから、乱用すると本身がだんだん痩せ細ってゆきます。
身を削られるようだ、それは分身した時の実感でもあります。
近頃、本身が忘れっぽくなって、これも分身に脳を分け与え過ぎたからでしょう。
今日の午後はダブルブッキングしてしまったので、分身の術を使います。
お花茶屋図書館の学習会、テクノの活用相談・・・・どちらにもわたしがいます。
午前中はコピペ2回、立石事務所、テクノ、子育てネットの事務所の3か所におります。
分身は本身を超えて拡大はできません。本身を削った分だけ縮小コピーになります。
小柄、痩身、白髪、毛少、眉白の老人をあちこちで見かけたら、それは私です。
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