溜まりに溜まったストレスを終盤で爆発できるゲーム ～『DAYS GONE（デイズ・ゴーン）』 プレイ雑感 ～

　ゴールデンウィーク後半からプレイを始めたゾンビ系サバイバルオープンワールドロールプレイイングゲームの『DAYS GONE（デイズ・ゴーン）』のプレイがようやく終わりました。私が演じた主人公のディーコン・セントジョン（アメリカ人のバイカーで元軍人）の心情を代弁すると、

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　数ヶ月前のある日の明け方のことです。
　私が廃墟となったガソリンスタンドで役に立つ物がないか一通り探し終えた後、店外に出て愛車のバイクにまたがろうとした瞬間、あまりの恐怖に身体が固まってしまいました。

　私の目の前には何百人からなるゾンビの群れが小さな唸り声をあげながら綺麗な列を作ってゆっくりと行進していました。
　「奴らは朝になると巣に戻る。」と聞いていたので、私は夜の活動を終えて巣に戻る奴らと遭遇してしまったようです。私はこの大群と戦う術を持っていないので、ただひたすら、奴らが私に気が付ないことを祈りながら音を立てないように立ち続けました。この荒廃した世界で生き残るためには臆病でいることが肝心です。

　長い長い数分間が過ぎるのを耐え、奴らが全員大型トレーラーの荷台の中に入っていくのを見届けてからバイクのエンジンをかけキャンプに戻りました。

　そして、今。
　ナパーム火炎瓶と重機関銃で武装した私は再び廃墟となったガソリンスタンドを訪れました。今度は正面から奴らに戦いを挑みます。そして、私は勝つでしょう。私は今や大群を屠る者（大群スレイヤー）ですからね。奴らの巣は全て焼き払い平和な日常を取り戻します。

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と言った感じです。

　そんな、序盤は全く歯が立たなくて逃げるしかなかった恐怖の対象の敵に、話を進めていけば勝てるようになる理にかなった物語展開の面白さにのめり込んでしまいました。正直、最初は「イマイチだな。期待外れか。」と思いましたが、プレイすればするほど楽しくなっていきました。ネットの評価を読むと、序盤で投げ出した人が結構いるので、「もう少し話を進めれば面白いのに。もったいない。」と思います。

　さて、本作ですが、最初に『ゾンビ系』と書きましたが、正確にはゾンビ（生き返った死者）ではなく『感染者』が溢れている世界を舞台としたゲームです（アメリカの話です）。ブラピが主演の『ワールド・ウォーＺ』やウィル・スミス主演の『アイ・アム・レジェンド』の設定に近いですね。何かが原因で狂暴になって人を襲う病気になった人（感染者）と感染していない人達のサバイバルの物語です。

　政府や軍隊は機能していないので、生き残っている人間が武装して各地にキャンプを作って生活しています。主人公のディーコンと相棒のブーザーの2人はキャンプから色々な仕事を受けて暮らしている賞金稼ぎです。自分達だけのアジトを持っています（乗り物はバイクです）。溢れかえっている感染者だけでなく、敵対する人間や感染した動物（狼、熊、犬、カラス）からも突然攻撃を受けるので、無事にアジトやキャンプの中に戻れるとホっとします。本当に自分がサバイバル生活をしている感じになりました。

　仕事をもらうキャンプ（３ヶ所＋α）との信頼度が深まると、強力な武器やバイクの高性能な部品を買えるようになるので、ひたすら仕事に励みました。序盤はバイクの燃料タンクが小さくてすぐにガス欠になったので、「早くあの新しいタンクを買おう。」と汚い仕事も厭わずに頑張りました。 

　私がハマった物語（シナリオ）ですが、生き別れになって亡くなったと思われる奥さんの話と、なぜ感染者が溢れるこんな世界になってしまったのか、の２つの話が少しずつ進んでいき、徐々に真相が明らかになっていくのでゲームの止め時が難しかったです。１つ前にプレイしていた『隻狼』の時と同じように、気が付いたら０時を回っていた事が何回もありました。終盤に入って劇的に物語が面白くなった６月は少し寝不足でしたね。あるシーンでは、「よかったねぇ～。」と、思わず声を出して拍手をしてしまいました。

　そんなハマった『DAYS GONE』の評価は☆5つの満点を付けたかったのですが、☆４つです。ちょっと、バグ（不具合）が多かったですね。私はネットで書かれているようなゲームが進行できなくなる致命的なバグに遭遇することはありませんでしたが、目の前の敵が急に消えたり、主人公が何かを発見して叫び声をあげても周りに何もいなかったり、と言ったような細かい『残念』に遭遇することは多かったです。そんなバグに遭遇すると遊んでいてシラけてしまうので、もう少しテストや調整をしてから発売して欲しかったですね。


　以上、バグが多かったにもかかわらず、とても楽しめたゲーム『DAYS GONE』の話でした。

　私は全てのメインクエストとサブクエストを終わらせたのですが、まだ解明できていない謎もあるので、ひょっとすると続編が作られるのかもしれませんね（もしくは追加ダウンロード）。主人公のディーコンが気に入ったので、続編がプレイできれば嬉しいですね。『DAYS GONE』が新たな生きる糧になるかどうかは、今後のニュースを待ちたいと思います。