ノリの東京の友人の生きる糧(福岡編)

日々のちょっとした楽しみや悲しみを徒然に語ります。

30年分の捨てられないゴミの中から・・・ ~ カラー完全復刻版 のらくろ漫画全集 ~

2016年04月27日 | 

 同僚のNさんと私の2人で使っていた従業員休憩所が、ゴールデンウィーク明けに取り壊されることになりました。
 休憩所と言っても事務所の裏に建っている2階建ての古い一戸建てで、水道、電気、ガス、ソファー、冷暖房完備の快適な場所でした(広さは1DKくらいです)。2010年10月に入社してからずっと、この部屋で2人で色々な話をしたり、空いた時間に本を読んだりして過ごしていました。良い思い出ですね。来月から使用する昨年新築した倉庫の中に設置された新しい休憩所は、狭くてテレビや映画で出てくる警察の取り調べ室みたいな暗い感じでイヤ~んなので、現在の休憩所がなくなるのは本当に残念です。

 そう言うスケジュールになったので、先週から休憩所の片付けを始めました。ただし、我々2人が作業を行なえるのは2階建ての1階の部屋のみです。2階は経営者家族の私物が置かれているので我々が勝手に手を出すことはできません。そのため、片付けに経営者家族の1人が加わることになりました。3人で大掃除の開始です(私は月の後半は忙しいので、ほとんど手伝えませんでしたが・・・)。

 私は2階に何度か上がったことがあったので、「これを片付けるのは大変だぞ。」と思っていたのですが、まさにその通りでした。
 置かれていたのは経営者家族が子供時代(今は全員40代になっています)に使っていた教科書、ノート、テスト用紙(採点済)、雑誌、小説、絵本、漫画、オモチャ、衣服、等の私的なモノばっかりでした。ほとんどが紐で縛っているのですが、長い年月の間に紐も触るだけで簡単に切れてしまうように風化しています。更に、窓の近くに置いてあるモノは雨漏りの影響なのか少し湿って変色しています。もちろん部屋はホコリまみれです。変な虫がいないのだけは不幸中の幸いでした。
 そんな大量のゴミ達ですが、テスト等は個人名が入っているので、全てをエイ、ヤーで紐で縛る訳にはいかず、1つ1つを確認しながら分別しないといけません。時間と手間のかかる作業なので、3人とも頭を抱えてしまいました。

 毎日そんな手間のかかる作業を仕事が空いた時に行なっていたのですが、私が1階を片付けていた時に、2階で作業をしていた経営者家族から声がかかりました。

 「〇〇さん(私の名前)、これ、いる~~~。」

と言う問いかけです。その声を聞いて2階に上がった私の目の前に置かれていたのは『カラー完全復刻版 のらくろ漫画全集』の少しヨレヨレになった段ボール箱でした(記事の冒頭の写真)。私は速攻で、

 「ください。」

と返事をしました。なぜならば、段ボール箱に書かれている『カラー完全復刻版』の文字を見ただけで私は「あの本だな。」とピーンときたからです。「これは私が小学生の頃に読んだ『のらくろ本』だ。」と私の記憶がそう判断しました。

 そして、片付け作業中にもかかわらず、すぐに私はヨレヨレになった段ボール箱を開けました。その中身は私が思っていた通りでした(下の写真)。クラスの学級文庫だったのか、学校の図書館だったのかの記憶は定かではありませんが、これはまさに私が小学生の頃に生まれて初めて手に取って読んだ『のらくろ本』でした。本当に懐かしいですね。このハードカバー付きの豪華カラー本を手に取るのは約40年ぶりですね。

 

 その後、1冊1冊を確認しましたが、カバーについている帯が破けているものは何冊かありましたが、本の中身は綺麗なままでした(下の写真)。ヨレヨレになった段ボール箱が中の10冊の本を湿気や汚れから守ってくれたようですね。本の後ろの方を見ると、昭和44年(1969年)発行と書いてあるので、47年前に出版された本が綺麗な状態なのは本当に嬉しいですね。

 ちなみに、この復刻版の10冊全てが昭和44年初版発行ではないので、古本の収集家の人が興味を持つような本ではなさそうです。オリジナルの1冊目の『のらくろ上等兵』は昭和7年(1932年)発行、10冊目の『のらくろ探検隊』は昭和14年(1939年)の発行なので、この戦前の田河水泡先生(故人)が書いた漫画『のらくろ』が貴重な本なのは間違いないですけどね。

 

 

 その後、会社の経営者本人にこれを本当にもらっていいのかを尋ねましたが、「いいよ。」と言うことだったので、昨日、家に持ち帰りました。私が読書好き(漫画含む)なのは会社の全員が知っていたのでスンナリともらえたのかもしれませんね。本当に嬉しい話です。
 余談ですが、「これも持って帰って。」と言うことで、昭和58年(1983年)発行の小柳ルミ子さんの写真集ももらいました。この本も懐かしいのは懐かしいのですが、処理に困りますね。写真集をもらって喜ぶ年齢ではないですし、好みでもないですからね。


 以上、ゴミの中から発見したお宝の『カラー完全復刻版 のらくろ漫画全集』の話でした。
 せっかく手にした貴重な古い本なので、大切に読みたいと思います。そして、私が天に召される時は、本好きな誰かの手に渡って欲しいです。古い本は電子書籍では味わえない良さがありますからね。代々引き継いで欲しいものです。

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