食農ステイション

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5/10の講義に関連して---穀物自給率の特別の意義とは

2005年05月10日 | 農業市場学
 穀物自給率の特別の意義とは何ですか?

 先進資本主義国では,穀物自給率が27%(2003年)と低位にあるのは日本だけです。
1億人以上の人口の国の穀物自給率をみると,中国95%,インド107%,EU108%,アメリカ127%,インドネシア87%となっています。

穀物は直接人間の食料として役立つだけなく,家畜の飼料としても不可欠のものです。
また,畜産物の自給率は一見すると高いように見えますが,日本人が摂取している畜産物の大部分が輸入穀物飼料が転化したものです。

 地球的規模の異常気象や国際紛争による貿易の停止,石油エネルギーの不足や海運ストによる輸送の混乱などによって,穀物の輸入が停止すれば,日本は食料不足となります。輸入穀物飼料の存在なくしてわが国の畜産は存在しえないのです。

 以上のことから,食料自給率の本当の水準を示すものとしては,穀物自給率が重視されるのです。