六畳の神殿

私の神さまは様々な姿をしています。他者の善意、自分の良心、自然、文化、季節、社会・・それらへの祈りの記。

ウェルカム♪オオカミ

2010年07月30日 | 自然関連
フォルクスワーゲンと生物多様性の保全


 ヨーロッパはいいなぁ。環境さえ整えて待っていればオオカミは戻ってきてくれるんだから。

 昨日は有休をとって、千駄ヶ谷の津田ホールで開催された(財)日本生態系協会 主催の国際フォーラムを聴きにいってきました。
 そのゲストスピーカーとして招かれたフォルクスワーゲングループの重役さんが「なぜ企業が生物多様性の保全に資金を出すのか?」と問われて「グローバル企業としての社会的責任・野生動物の生息地を奪い分断する道路を使用することで利益を得ている企業としての責任・そして、消費者を支える健全な人間社会の基盤である健全な自然生態系に貢献するのは当然の義務だから」と言っているのをきいて、さすが環境大国ドイツの一流企業だと感心しました。
 日本の大企業、見習ってよね 少しは日本の自然環境に目を向け、おざなりな「自然にやさしい」アピールのお子様向けパフォーマンス事業でお茶を濁すのでなく、社会的責任として、世論をリードするようなプロジェクトを支援して欲しい。この「ウェルカム・ウルフ・プロジェクト」のように、世論の危惧や反発を恐れず、真に生物多様性に貢献しそれに支えられる社会の発展に寄与するような態度を見せて欲しい。

 日本でオオカミが姿を消したのは、ドイツより最近の、たった100年前、明治の終わりです。
 なのに、日本にオオカミを呼び戻そう!と言うと、まるで「身長10cmのオジサンがリビングに居たんです」みたいな話を本気でしている人を見るような珍奇な視線を浴びてしまう。

 でも昨日のフォーラムで、他の講演者が「タカの生息地を保全しようと開発をやめて自然にやさしい整備をしていたら、何もしないのにホタルが戻ってきてたんですよ!」とうれしそうに言っていた。
 もし半島や樺太と日本が少しでも陸でつながっていたら(あるいは冬期結氷で一時的につながったら)オオカミもホタルと同様、自然に戻ってくるはずなのだ。それだけ今の日本にはエサであるシカが多い。

 でも惜しいことに大陸との間には海がある。だから、米国イエローストーン国立公園でやったように(あそこは陸続きではあったけれど、カナダから空輸しました)日本にもオオカミを人の手でもってこよう、と言っているだけなのに。
 なんでそんなに変な目で見られるかなぁ。


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