9月です。秋刀魚の話題もちらほら出てきました。
8月が過ぎたからと言って「平和」について考えなくなるというわけではありませんが、ちょっと集中が切れてきました。
この話題は、折に触れて冷静に、身の丈に合ったかたちで考え、これからも少しずつ表現していきたいと思います。
そう思った背景に、ここ数日に観た、ふたつの映画があります。
ひとつは、チェコ映画祭でたまたま観た「セカルを消せ」 もうひとつは、楽しみにしていた「容疑者 室井慎次」でした。
「セカルを消せ」は、レンブラントを思わせる美しい画面に、濃厚な宗教色をたっぷり含ませつつも、世界のどこにも共通する《人間の醜悪さと切なさ》を描いており、チェコ映画の質の高さを感じました。
でも(それだからこそ)観ていて辛かった~。
人々がその存在を抹殺したがるセカルという人物。彼がいったいどうしてそこに居るのか。どうしてそうなってしまったのか。暗い時代背景、閉鎖的な村の狭い価値観、そこで生きることを定められた絶望感と無力感。保身、裏切り、偏見、他者不信、身贔屓、事大主義、そして宗教の衣を借りた自己正当化。
これが「人間というもの」の姿なのか。
・・ならば、美しい田園風景の中、野ざらしの十字架の前にただひざまずき、懺悔の頭をたれるしかないじゃないか・・そんな気分にさせられる映画でした。
そして「室井慎次」。
これもまた、現実だな~と思わされました。特に灰島弁護士。いるんだよねー、現実にこういう人が。そういうタイプの人を敵に回した時の、何とも言えない絶望感と戦慄を、思い出しちった。
そういった《見たくない現実》から目を逸らすことは、ある意味、思考停止ではないのか。
つい、そう自問してしまって、げんなりする。
こういう現実をまざまざと見せられてなお、人間を信じる勇気を、自分はもてるかどうか?を問われている気がするわけですよ。
・・まぁ、私がそゆことで一人ドンヨリ してようがいまいが、日常は動いていくわけで。
であれば、よどんでるだけ損とゆー気もしますが。
「容疑者 室井慎次」は、「地味だ」とか「つまんない」とか酷評されてるみたいですが、私は「交渉人 真下正義」より断然評価するなぁ。
正しさは、時に人を追い詰める。力をもつ分、その意図がないのに、人を傷つけてしまう。
小此木啓吾もかつて、そんな事を言っていたっけ・・何に書いてあったかは忘れたけど。その一言だけがすごく印象に残っている。
「室井さんのような人は、必要だと思うか?」
この問いかけって、けっこう重いなぁ。
8月が過ぎたからと言って「平和」について考えなくなるというわけではありませんが、ちょっと集中が切れてきました。
この話題は、折に触れて冷静に、身の丈に合ったかたちで考え、これからも少しずつ表現していきたいと思います。
そう思った背景に、ここ数日に観た、ふたつの映画があります。
ひとつは、チェコ映画祭でたまたま観た「セカルを消せ」 もうひとつは、楽しみにしていた「容疑者 室井慎次」でした。
「セカルを消せ」は、レンブラントを思わせる美しい画面に、濃厚な宗教色をたっぷり含ませつつも、世界のどこにも共通する《人間の醜悪さと切なさ》を描いており、チェコ映画の質の高さを感じました。
でも(それだからこそ)観ていて辛かった~。
人々がその存在を抹殺したがるセカルという人物。彼がいったいどうしてそこに居るのか。どうしてそうなってしまったのか。暗い時代背景、閉鎖的な村の狭い価値観、そこで生きることを定められた絶望感と無力感。保身、裏切り、偏見、他者不信、身贔屓、事大主義、そして宗教の衣を借りた自己正当化。
これが「人間というもの」の姿なのか。
・・ならば、美しい田園風景の中、野ざらしの十字架の前にただひざまずき、懺悔の頭をたれるしかないじゃないか・・そんな気分にさせられる映画でした。
そして「室井慎次」。
これもまた、現実だな~と思わされました。特に灰島弁護士。いるんだよねー、現実にこういう人が。そういうタイプの人を敵に回した時の、何とも言えない絶望感と戦慄を、思い出しちった。
そういった《見たくない現実》から目を逸らすことは、ある意味、思考停止ではないのか。
つい、そう自問してしまって、げんなりする。
こういう現実をまざまざと見せられてなお、人間を信じる勇気を、自分はもてるかどうか?を問われている気がするわけですよ。
・・まぁ、私がそゆことで一人ドンヨリ してようがいまいが、日常は動いていくわけで。
であれば、よどんでるだけ損とゆー気もしますが。
「容疑者 室井慎次」は、「地味だ」とか「つまんない」とか酷評されてるみたいですが、私は「交渉人 真下正義」より断然評価するなぁ。
正しさは、時に人を追い詰める。力をもつ分、その意図がないのに、人を傷つけてしまう。
小此木啓吾もかつて、そんな事を言っていたっけ・・何に書いてあったかは忘れたけど。その一言だけがすごく印象に残っている。
「室井さんのような人は、必要だと思うか?」
この問いかけって、けっこう重いなぁ。