つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

春を待たずして逝った友・・・

2020-03-23 | やりきれません

 春を待たずして、桜の花も観ることなく、大切な友が逝ってしまった。島崎藤村作詞の『惜別の歌』にも「別れといえば昔より この人の世の常なるを」とあるが、あまりにもあっけない別れに、いまだに心が騒ぐ。
 先月2月5日、久しぶりに会って、ケータイをガラホに変えるため2人でドコモショップに行った。終わってランチしながらおしゃべりして、次に会う日を約束して別れたが、これが最後になろうとはつゆほども思わなかった。
 彼女は2年ほど前に自転車で転んで肩を強打。以来、調子が悪かったらしいが、自転車に乗ってどこへでも出かけていたし、2人で週に1度のスイミングも頑張っていた。私が骨折してからは1人で通っていたが、昨年10月初め、プール仲間の紹介でいい病院が見つかったので肩の手術をすることにしたと言った。
 神戸の整形外科だそうで、入院日数は2泊3日。退院後はリハビリのため毎週金曜日、新幹線でご主人と一緒に通っていた。いつもリハビリの翌日には電話で報告してくれていたが、3月になってからそれが途絶えた。気にはなったが、うかつにも「便りのないのは無事の証拠」、そう思い込んでいた。
 先日県北の友人が来たときも、彼女も遊び仲間なので「コロナ騒動が収まったら一緒にお花見しようと言っていたよ」とメールした。が、3日経っても返事がない。変だなと思って日曜日にまたメールしたが、やはり何の音沙汰ない。
 18日、なぜか気になってしかたないので家に電話したら、ご主人が「2月29日に急死した」と、私は電話口で絶句した。肩と腰の不調以外、どこも悪い所はなくてとても元気だったのに…。「またランチしようね」と約束していたのに…。
 お風呂の中で異変が起きたようで、そのまま逝ってしまったという。「お知らせしなくて申し訳ない。突然のことで、まだだれとも話す気になれなくて…。携帯もどこへやったか見つからない」と言われた。そうだろう、仲の良いご夫婦だったから無理もない。私でさえ信じられないのだから…。ごく近い身内だけで密葬されたそうだが、子や孫だけで心静かに送りたいというご主人の気持ちが分かるような気がした。
 彼女は裕福なおうちの奥様だが高ぶることもなく、いつも穏やかでやさしくて、彼女に会うと心がほのぼのとした。ご主人にも一度お会いしたことがあるが、どんなに気落ちされているか、今はお会いしても掛ける言葉が見つからない。
 そういえば2月にあった時、「手術しない方がよかったかも…」と、珍しく弱音を吐いた。術後のはかばかしくない状態にうんざりしていたのか、神戸までリハビリに通うのがしんどくなったのか、満足に家事もできない自分がもどかしかったのか、それらが大きなストレスとなっていたのではないか。今になって何の力にもなれなかったことが悔やまれる。
 そしてもう一つ、悔やまれてならないことがある。ガラホに変えた時、代金を分割か、一括払いのどちらにしようか迷った。私が「3年先はどうなるか、死んだ後に借金があるのはイヤだから一括で払おう」と言って、一括で支払った。冗談にでもあんなことを言わなければよかった。私が縁起でもないことを言わなければこんなことにはならなかったかも…。なぜ私でなく彼女なのか、あれこれ考えたらいたたまれなくなる。
 もう一度会いたかったよ。ご主人が落ち着かれたころに、必ず会いに行くね。合掌

コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 暑さ寒さも彼岸まで・・・ | トップ | 結婚式が心配だなあ!・・・ »

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご友人のご冥福をお祈りいたします (sirousagi gamanoho)
2020-03-23 16:51:49
 夢ならば覚めよと叫ぶ電話口 貴女(きみ)は
   答えず永遠(とわ)の眠りに

 これからは思い出の中胸の中 語り合いたし
   笑顔の貴女(きみ)と
 
 思い出は綺麗に残ると他人(ひと)は云う
   この悲しみも薄れ消える日


返信する
Unknown (オールドレディー)
2020-03-24 11:22:26
★shirousagi gamanohoさま
shirousagi さん自作のお歌でしょうか? どの歌も今の私の胸中をそのままを歌ってくれているようで感動しています。
この歳になって大切な友と別れるなんてこたえますね。近くにいるただ一人の友だったのに、これからは赤穂へゆく目的もなくなってしまいました。彼女を思い、「ああ、もういないんだ」という虚しさ、いつまでも繰り返します。
本当の春が来たのに…。人生って儚いですね。
返信する
届きます、お気持ちは (sirousagi gamanoho)
2020-03-24 17:27:42
自分にはもう手の届かないに所に行ってしまった大切な人、ぽっかり穴が開いた空しさ、親友を失うことの辛い気持ち。
親兄弟、伴侶とはまた違った不思議な喪失感。

いつかsirousagiにもこういう悲しみがおそうのでしょうね。


こんな拙い短歌でも、オールドレディさんのお気持ちに寄り添えたなら、望外のよろこびです。
返信する
Unknown (オールドレディー)
2020-03-24 18:55:13
★shirousagi gamanohoさま
ほんとうですね。親兄弟との別れとは違った感情があります。物は断捨離したらすっきりするのに…。親しい友を喪うというのはこういうことか、初めての経験ですがこれほど虚しいとは、自分でも驚いています。

やはり自作のお歌でしたか。ありがとうございました。何度も読み返しています。
返信する
Unknown ()
2020-03-24 20:09:48
お気の毒に・・・。と言わなければいけないのでしょうけど、私にはうらやましいですね。
周りの人に迷惑をかけずにポックリ逝けるのはいいですね。私もそんな死に方をしたいです。せっかく貯めたお金を全部使いきってもまだ生きていたらと考えるとゾッとします。人生なんて、長く生きていても早く死んでも死んでしまえば同じです。  
残酷人間より。
返信する
Unknown (オールドレディー)
2020-03-25 08:59:09
★亀さま
私もこんな死に方をしたいです。が、先に逝かれるのはイヤですね。
私は思い残すことはないし、終活もすんでいるのでいつでもOK。(笑)が、「憎まれっ子世に憚る」でなかなかそうはいかないでしょうね。
「よい人」は早く逝くというようですが、本当にそうですね。いくらお金があってもこれだけはどうにもならないのです。
奥さまのためにお元気でいてあげてください。
返信する

コメントを投稿

やりきれません」カテゴリの最新記事