つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

自民党は「うどん屋の釜(湯だけ=言うだけ)」?・・・

2009-06-11 | うんざりしてます
 自民党の「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」の河野太郎議員が8日、都内で開いた文部科学省との公開討論会で、今年度補正予算に盛りこまれた「アニメの殿堂」とも呼ばれる「国立メディア芸術総合センター」に、「百害あって一利なし。予算を凍結すべきだ」とかみついたという。
 この「アニメの殿堂」については、漫画家の里中満智子さんは、「漫画の原画やアニメのセル画、ゲーム基板などを収集し、メディアアートを発信する拠点として、施設は不可欠」だという。しかし、やくみつるさんは大反対、石坂啓さんも、「マンガは生き物。額縁に入ったものを見に来る人がいますか。喜ぶ漫画家はいない。私の作品は展示してほしくない」と批判的であるという。景気の良いときならまだしも、今のような経済情勢では誰が見ても不要だと思うだろう。
 この箱もの建設に計上された予算は117億円、一応、建設後の運営については独立採算が基本で国費を投入しないということらしいが、そうなるといずれはあの「私のしごと館」と同じ運命をたどることになるだろう。 
 予算は一括して賛否を問われるので個々には反対できないとして、いったんは河野氏らも賛成している。それなのに今さら「予算の凍結・執行停止」などと、よく言ったと誉めてあげたいところだが、それほど簡単にくつがえせることではなかろう。 
 そうでなくてもこのところの自民党は、言うだけで終る「うどん屋の釜(湯だけ)」みたいである。厚労省の分割問題、世襲制限の問題、議員定数・議員報酬の削減問題など、選挙前の効果を狙って突発的に打ち上げるのはいいが、族議員や一部の古狸が反対すればすぐに断念してしまう。まるで、目標地に達する以前にどこに落ちたかも分からない北朝鮮のミサイルみたいなものだ。「このアニメの殿堂」執行停止が生半可な掛け声だけで終るようでは、またまた国民を失望させ、いかにも選挙前の人気取りだと批判されるだけである。 

 いま一つ、いい加減にして欲しいのが、日本郵政の西川氏の進退問題である。たしかに「かんぽの宿」の売却価格は低すぎたかもしれないが、ならば、旧日本郵政公社が民営化前の2006年から07年にかけて、自治体や民間などに2度にわたり法外な安値で売却したことは問題ないのだろうか。
 年々増え続ける赤字、雇用維持を条件に5年以内に処理という期限付き、その上、昨年の経済情勢下でのバルクセールである。買ってくれるところならどこでもいいというわけにもいかないだろうし、果たしてあの価格以上で買ってくれるところがオリックス以外にあっただろうか。
 そもそもあのような箱ものを造った旧郵政公社や監督官庁の責任は問わず、その尻拭いの仕方が悪いから責任を取れとはいささか納得がゆかぬ。また、DM不正配送事件でも、旧日本郵政公社の当時の東京支社長が制度利用を承認、厚労省の係長の関与も明らかになっている。これらすべてに西川社長の監督責任、ガバナンス云々をいうなら、当時の監督官庁の責任も追及しなければ片手落ちというものであろう。
 それに、民営化した後の経営状態は良好で、2倍の利益を上げていると聞く。「かんぽの宿」売却問題は白紙に戻されており、なんら損害が発生しているわけでもない。西山氏は、郵政民営化にあたり「三顧の礼」を尽くして迎えられたというだけあって、『最後のバンカー』と称される、経済界でも名うての金融通だそうである。聞くところによれば、西山氏ご自身が辞任を申し出たならまだしも、鳩山さんが首を切ったあとに取って代わろうという人は経済界にはいないという。
 鳩山さんは、どうでも西川氏を引きずりおろしたいらしいがその理由は何だろうか。日本郵政は2008年12月、オリックス不動産に施設を一括譲渡すると発表しているのだが、その時点では鳩山さんはこの売却問題には全く関心を示していなかったという。それが年明け早々、騒ぎ出したというのは何かしらの思惑があったと邪推されても仕方なかろう。それに、鳩山さんはことあるごとに「正義を貫く」というが、この問題での「正義」とはどういうことなのか、よく分からない。
 どうせ鳩山さんが総務相の椅子に座っていられるのも後3ヶ月ほどである。だから、突っ走っているのかもしれないが、これまでも東京中央郵便局建て替え問題でも一人大仰に騒いでいたし、目立ちたがり屋症候群もここまでくれば重症である。
 9日の参院総務委員会では「西川氏個人には何の感情も持っていない」と、国民受けを狙って握手を求めるなどのパフォーマンスを見せた。また、「私の認可権限は取締役選任だけだ」と述べ、西川氏が取締役ではなく執行役などの立場で経営にかかわることには関知しないとか。要するに、振り上げた拳が下ろせなくなって独裁権を振りかざすしかなくなったのか。一方、麻生さんはといえば、どっちに転んでも自分が不利な立場にならぬようにと日和見を決め込んでいる。この2人にはもういい加減にあきれ果てているのだが…。 
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4 コメント

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Unknown (ばーば)
2009-06-11 16:06:59
>目標地に達する以前にどこに落ちたかも分からない北朝鮮のミサイル
のところで思わず爆笑しました。
政府の朝令暮改もここまで極まると、ガッカリを通り越して虚しさを感じます。

郵政の問題、簡保の宿など大規模な箱物を無責任に造り、膨大な赤字を出した官僚と監督官庁の責任が、何故問われないのか切歯扼腕たるものがあります。
でも「郵政民営化」とは、何なのか?
いまいち、解らないことがあるのです。
4年前の選挙で、亀井静香さん達が離党してまで反対を貫き通した訳は? とか「郵政民営化」イコール「郵政米営化」と懸念される訳は? と私の中でまだ解らないことがたくさん有ります。 ネットを廻ってどの意見が自分の中にストンと落ちるか、考え中、思案中なのです。 社民党の保坂さんのブログ「保坂展人のどこどこ日記」など読むとその中に探している答えがあるような気がしています。
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Unknown (オールドレディー)
2009-06-11 18:38:54
♠ばーばさま
郵政民営化、私もよく分かりませんが、とにかく郵便局に集まる莫大なお金を官僚たちが勝手に使えないようにするということ。そして、民営化した株売却代金を有効に役立てるということに賛成、それぐらいしかわかりません。
現に2倍の利益を上げているということは親方日の丸根性がなくなったからだと思います。

今度の問題では野党はすべて西川氏辞任で、続投となれば問責決議案を出すそうですね。
でも、経済界の反応としては、経営者の立場からは西川氏擁護が多いとか聞きます。
とにかくこの問題で与野党間の政争が始まるのはさけてもらいたいです。

私は単に鳩山さんのはしゃぎようが気に入らないので西川氏続投を支持する気になったのかもしれませんね。いい加減なのは私かも…。
それと、悪の元凶である元郵政公社のお偉方の責任に触れないことに一番腹が立ちます。
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湯だけ (おくだっち)
2009-06-13 06:33:14
風呂屋の釜をよく例えに使いますが、今の自民党議員は二世三世で器が小さくなった分、うどん屋がお似合いですね^^

利権をもって利ざやを吸い取れるだけ吸い取った後に赤字再建で、民間へ放り投げた郵政。
鳩山氏は今更何を口出しするのかと思います。
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Unknown (オールドレディー)
2009-06-13 09:09:28
♠おくだっちさま
今の郵政公社の不祥事、不利益がすべて西川氏の経営下で発生したことなら当然責任は問われるでしょう。が、西川氏は民営化にあたり過去の尻拭いが仕事です。旧郵政公社時代の責任を問わず、なぜ西川氏の責任のみ追求するのかが分かりません。
鳩山さんは西川氏続投に反対なら、ここがこう、あそこがこうともっと具体的な説明をすべきでしたね。
まるで駄々をこねているとしか思えませんでした。
でも、ここまでこじれたのはひとえに麻生さんの決断力のなさだと思いますね。
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