つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

一連の薬物報道に対し批判的意見多数・・・

2009-11-07 | どう思いますか
 3日の新聞に次のような記事があった。『放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会は2日、芸能人の逮捕を受けた各放送局の一連の薬物報道に対し、「量および内容に疑問を抱かざるを得ない」として、青少年が薬物に興味を抱かないよう配慮を求める要望を、NHKと民放各局に行った。要望では、青少年が薬物を使わないよう導く番組制作 ▽薬物への興味を抱かせない配慮 ▽薬物事件を犯した個人だけでなく、背景や影響を含めた多角的報道-などを求めた。
 夏以降、覚せい剤取締法違反の罪に問われている元女優・酒井法子被告や、麻薬取締法違反の罪に問われている元俳優・押尾学被告らの相次ぐ報道に対し、視聴者から「青少年に興味を与えているだけ」など500件あまりの批判的意見がBPOに届き、同委員会で審議していた。』というものである。
 私も何度かブログにも書いたが、あの一連の報道の仕方は、事実を報道するというニュースではなく、単に有名芸能人の犯罪を興味本位に取り上げただけという気がしてならず、批判的な意見を持つ人がいても当然だと思っている。
 要望書に「量および内容に云々……」と指摘されているように、連日、同じような内容を何回も繰り返し、時には重要な政治関連ニュースや、社会のできごとをも中断し後回しにするような各局の報道の仕方には憤懣やるかたなく思っていた。それに今回は公共放送であるNHKにまで要望書が届いたということは誠に情けない限りである。ワイドショーならいざ知らず、れっきとしたニュース番組の看板を掲げながら、放送開始からこの内容を取り上げる民放各局の次元の低さにはあきれている。
 この9日には酒井法子被告の裁判が結審する。一方、夫の高相祐一被告は12日から27日に延期されたそうである。この両日にはまたマスコミが大騒ぎするのだろうが、判決の量刑はさておいて、今回のBPOの要望により民放各局の報道姿勢がどう変わるか、注目したいものである。

 話は変わるが、先日、押尾学被告に判決が下され、懲役1年6ヶ月、執行猶予5年という有罪判決であった。薬物事犯はよほど悪質でない限り、初犯であれば一度は社会内で自分の力で更生する機会を与えるのが相当と刑が猶予され、だいたい期間は3年というのが普通だという。だが、押尾被告の場合、「違法薬物との関係を断絶するための環境整備が十分にできているとも認め難い。そうすると、相当長期間にわたって再び違法薬物に手を出さないかどうかを見守る必要があると考えられる」として、執行猶予の期間を最長の5年間とされたという。しかし執行猶予期間中、家に閉じ込めておかない限り24時間行動を見守るなんてことは不可能であり、それほど再犯が危惧されるのならば実刑に処すればいいのである。
 薬物事犯の再犯率は60%といわれている。過去の芸能人の薬物事件でも、ほとんど執行猶予付きの有罪判決が下されているが、後に再犯で逮捕された者も少なくない。この執行猶予付きという判決には、いつも疑問を持つのである。逮捕されて身柄を拘束されている間は薬物への精神依存は抑制されるが、社会に戻るとまた薬の誘惑に負ける者が多いという。「自分ひとりではぜったい薬を抜くことはできない」と、未だに薬物依存症で苦しんでいる人がテレビで語っていたが、並大抵な覚悟では薬物依存から逃れることはできないようである。
 執行猶予をつけて社会に戻しても、またすぐに薬に手を出すようでは本人のためにはならない。薬物事犯に限り、たとえ初犯でも刑務所内か更生施設へ収容して薬物への精神依存がなくなるまで徹底的に管理して、そしてもう大丈夫だと確信できたら社会復帰させる。それが本人にとって一番いいと思うのである。
 「覚せい剤やめますか? それとも人間やめますか?」これは1983年頃に覚せい剤撲滅CMキャンペーンのキャッチフレーズである。人間をやめなければならないほど恐ろしいものであるということを分からせるためには厳しい処罰が必要である。そのためには、覚せい剤で逮捕されたら初犯であろうがなかろうが、文句なく「実刑」に処すべきである。そうすれば少しは再犯率の低下につながるのではあるまいか。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 国家予算から株式投資まで、... | トップ | 映画『愛と哀しみの果て』 ... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
興味本位 (おくだっち)
2009-11-08 05:09:19
麻薬の入手経路などについて書かれた雑誌もありますが、一般人でも実際に手に入る地域があるなどと書かれ・・・

検挙に協力する取材ならともかく、人に興味を抱かせ犯罪を助長するような、興味本位の報道は止めさせるべきでしょうね。
返信する
Unknown (オールドレディー)
2009-11-08 11:12:20
♠おくだっちさま
テレビの影響は子どもから年寄りまでに波及します。それだけに怖いですね。
さらっと判決の結果だけ報道すればいいことなのに、視聴率が優先されるテレビ業界の苦しいところでしょうね。
知りたければ週刊誌でも暴露本でも買って読めばいいのです。
返信する

コメントを投稿

どう思いますか」カテゴリの最新記事