令和5年11月20日
熊を察知し追跡も 可動カメラとAIで逃走方向把握可能に
会津大の斎藤教授、開発進める
本日の瀬戸内海テレビのニュースで報道
熊の出没、人への被害が出ている中、既に2020年から研究がすすめられていましたが、
急に注目されたようになっている。
費用対効果を判断していては、遅すぎる地域も出ることになります。ネ!
本学齋藤寛上級准教授らが「野生動物検出システム」の効果を実証|会津大学 - University of Aizu (u-aizu.ac.jp)
福島民報(2023年9月24日)
福島県内で熊の目撃が相次ぎ人的・物的被害も出ている中、会津大の斎藤寛教授(48)は熊の出没を感知し、
逃げた方向を把握するシステムの開発を進めている。
逃げた方向が分かれば警戒や駆除活動が容易になり、住民の安全確保につながる。
斎藤教授は2020(令和2)年、熊の出没をいち早く察知する仕組み作りに着手した。
熊の画像を読み込ませた人工知能(AI)をカメラ付きの警報装置に搭載し、
撮影した動物の画像を熊と認識すると音や光を発し、メールで市町村職員や住民に知らせるシステムを完成させた。
現在は装置をさらに進化させ、首振りが可能な「パンチルトズームカメラ」を使い、動物の追跡を試みている。
従来の装置はカメラの向きを変えることができず、野生動物を検出しても、どこに向かったのか把握が不可能だった。
移動方向が分かれば、集落など人が暮らす場所に向かったのか、それとも山に帰っていったのか判断でき、
遭遇や事故を未然に防げると斎藤教授は期待する。
新たな研究は研究員の仙波翔吾さん(28)と共に取り組んでいる。
カメラは水平方向に360度、垂直方向に90度、動く。
装置に取り付けたセンサーが野生動物を感知すると、カメラが起動する。
AIが撮影した野生動物を熊だと認識すると、熊が移動する方向にカメラが自動的に向く仕組みだ。
5月から会津若松市と会津美里町に計6台設置し、実証している。
複数の個体を同時に検出した場合に正確に追跡できるようにするのが今後の改善点だという。
斎藤教授は「AI検出の精度を上げるなどして改良を重ねていく」と意欲を見せている。
■「出没警報」発令中 福島県、中通りと会津に
県は今月15日、中通りと会津を対象に「ツキノワグマ出没警報」を発令した。
熊による人身被害が相次いで発生しているのを受けた対応で、全県に出していた出没特別注意報を引き上げた。
期間は11月30日まで。
「出没警報」は昨年8月に福島市に発令して以来で、特定の地域全域に出すのは初めて。
今秋は熊の餌となるドングリやブナの凶作が見込まれるため、
食料を求めて熊が人里に下りてくると懸念されている。