安東伸昭ブログ

安東伸昭の行動日記

節電要請を前に「ひっ迫注意報」初発令

2022年06月28日 | 情報

令和4年6月28日

 

東京の都心で、26日に6月として観測史上最も高い36・2度を記録するなど、関東を中心に猛暑日が続いている。

政府は東京電力管内で、初となる「電力需給ひっ迫注意報」を発令した。

他方で、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、電気料金の上昇が続いている。

電力をめぐり「不足」と「高騰」という二つの「危機感」を高まる中、参院選でもエネルギー政策、

特に原子力発電所の再稼働の是非が大きな争点の一つとなりそうだ。

 

7年ぶりの節電要請を前に「ひっ迫注意報」初発令

3月の地震で福島県内の火力発電所が停止、一部の復旧が遅れる中、電力は危機に陥りかけている。

政府は6月、5年ぶりとなる電力需給に関する関係閣僚会議を開催した。

松野官房長官は、冷暖房が多く使用される今年の夏と冬について、「電力需給が厳しい状況にある」と強調した。

その上で、今年の夏については「一律の節電の数値目標は定めない」としたものの、

東北・東京・中部電力の電力需給が非常に厳しくなるとの見通しを受けて、7年ぶりに節電要請を出した。

期間は7月1日から9月末までだ。

ところが、7月を待たずに6月下旬に関東を中心に記録的な酷暑となり電力需要が高まる中、

政府は初の「電力需給ひっ迫注意報」を発令した。

さらに千葉にある休止中の火力発電所の再稼働を決めている。

また政府は、節電を促しながら高騰する電気料金を実質的に軽減するための「節電ポイント」制度を打ち出した。

制度に参加した家庭に「2千円相当」のポイントを支給した上で、さらに節電した場合、ポイントを上乗せすることを検討している。

政府関係者は「節電ポイント」制度について、「電力需給緩和と負担軽減」の2つの狙いがあるとした上で、

「夏に制度のプログラムを開設し、冬の前には効果が出てくる」として先手の対策だと説明する。

節電や火力発電所の再稼働など「電力危機」への様々な対策を政府が打ち出す一方で、

「ウクライナの状況次第では不測の事態があるかもしれない」(政府関係者)と懸念の声は消えない。

 

綱渡りの「エネルギー」 原発再稼働でスタンス割れる

日本の「エネルギー」を巡り綱渡りの状態が続く中、10日に投開票日を迎える参院選でもエネルギー政策が大きな争点の一つとなりそうだ。

特に原発の再稼働、是非を巡っては各党のスタンスは割れている。

自民党は「政策集」で脱炭素に向けて「安価で安定的なエネルギー供給確保に万全を期すため、再エネや原子力の最大限の活用を図る」とした。

連立与党を組む公明党は「原発の再稼働は基準を満たした上で取り組む」とした上で、

省エネ・再エネを進めて「将来的に原子力に依存しない社会を目指す」としている。

日本維新の会は「徹底的に短期間は安全な原発を動かそうと提案していた。

政府が原発の再稼働を決断し実行してくれていたら、この夏の電気料金が上がることも抑えられたし、

供給不足に悩むことがなかった」(松井代表、22日)と原発再稼働の必要性を訴えた。

国民民主党は「富の海外流出を防ぐため、安全基準を満たした原発は再稼働するとともに、

次世代炉への建て替えを行う」と主張している。

NHK党は「安全が確認された原発について、現状においては電力供給の重要な選択肢として、

再稼働の検討を政府に積極的に求めていく」としている。

一方で、立憲民主党は再生可能エネルギーの導入を進めるとして、

「原発の新増設は認めない」「廃炉作業を国の管理下で実施する体制を構築する」とのスタンスを取る。

共産党は「即時原発ゼロ、石炭火力からの計画的撤退を進める」として、再生エネルギーの優先利用の原則を確立すると訴えている。

れいわ新選組は「地震大国の日本では原発は即時禁止」「大胆な『自然エネルギー』の地域分散型の普及を目指す」としている。

社民党は「世界一の地震大国・日本で原発を運転することはあまりに危険」として「脱原発社会の実現」を訴え、

「2050年までに自然エネルギー100%を目標」としている。

 

「電力危機」で原発再稼働の行方は

世界的に脱炭素の流れが強まる中、国は再生可能エネルギーの割合を引き上げる一方で、火力発電の割合を引き下げる方針だ。

ただ再エネの主力の一つである太陽光発電は気象に左右される欠点がある。

こうしたことを考えると、一部の政党から原発再稼働を求める声が出ていることは自然な展開とも言える。

しかし、東日本大震災での福島の原発事故を受け、原発再稼働には高いハードルが控えていることも事実だ。

季節外れの酷暑で表面化した「電力危機」を前に、原発再稼働を含めた日本のエネルギーの在り方について、

各党の公約を見ながら、参院選をきっかけに考えていく必要がある。

 

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