令和4年4月30日
クリタマバチの大量発生の予測
岡山甘栗の葉の付き方が少ないようなので、生産者農家を訪れて確認する。
「クリタマバチ」の巣(虫こぶ)が穂先にびっしり付いているとの情報を得て、圃場を確認する。
栗の新芽に赤い塊りが付いている。
秋の収穫に大きな影響が予想される。
広域での対策が必要になると考えるが、私には未知の領域です。
#クリタマバチ
島根県農業技術センターのホームページから
○概要
昭和16年、岡山県で初めて発生が認められた。
その後全国のクリ園に広がったが、抵抗性クリ品種の普及で被害はほとんど見られなくなっていた。
しかし、昭和41年頃から一部の抵抗性品種にも被害が発生するようになり、現在では全国的に被害が問題になってきている。
○被害と診断
被害は芽に現れる。
クリの展葉がはじまる頃、前年夏に寄生された芽は伸長せず、肥大して虫こぶができる。
虫こぶは光沢のある緑色をしているが、のちに赤色となる。虫こぶの頂部には数枚の葉をつけているが新梢は伸びず、
クリタマバチ成虫が脱出したあとで枯れる。
虫こぶの大きさや量はクリの品種によって異なる。
クリタマバチに対して抵抗性の弱い品種では虫こぶは大きく、数も多い。
また、1個の虫こぶにたくさんの幼虫が寄生している。
抵抗性の強い品種では若齢幼虫のうちに死亡することが多く、虫こぶは少なく、小さいものが多い。
成虫は体長2.5〜3mmの小さい蜂で、全体が光沢のある黒色である。
雌だけが知られており、雄は見つかっていない。
卵は乳白色、楕円形で芽の組織内に産みつけられる。
幼虫は乳白色で老熟すると約2mmで脚はない。芽の組織内に卵形の部屋(虫房)をつくって加害する。
○発生生態
年1回発生する。成虫は6月下旬〜7月中旬頃虫こぶに穴をあけて脱出し、1芽に5〜6個ずつ産卵する。
産卵は品種や樹勢によって異なるが、枝の側芽や腋芽に多く、頂芽には少ない。
卵のふ化は8月上旬頃から始まり、幼虫は芽の生長点などに食入して加害する。
しかし、年内にはあまり発育せず、若齢幼虫のまま越冬する。
翌春4月頃になると再び発育を始め、5月下旬〜6月中旬に蛹になる。
成虫は羽化後数日間虫こぶの中に留まった後脱出する。