「とん ことり」の音がして

暮らしの中で 絵本と私

『ぼくは くまのままで いたかったのに・・・』

2009-08-13 21:55:16 | 書籍・絵本


                 

              ぼくは くまのままで いたかったのに・・・

                           イエルク・シュタイナー 文
                                       イエルク・ミュラー        絵
                           大島 かおり               訳
                                     ほるぷ出版

      一匹のくまが森に住んでいました。
           冬がきて冬眠をして 春になり穴から出てきたくまはあっけにとられます。
           森がなくなっていて、大きな工場になっていたのです。

       くまの前にあらわれた人間の所長に
          「とっとと 仕事につけ! 怠け者め」と どなられ
           くまは 「ぼくは くまなんだけど・・・」 と言いますが信じてもらえません。

      工場で働かされ、人間のようにふるまう くま
          やがてふたたび冬が訪れ、どうにも眠たくなったくまは
          木をゆする風の音を聞きながら
          「何か、大切なことを 忘れてしまったらしい」と考えて・・・。


      この絵本は1978年に出版されたものです。
           当時、子どもに毎晩読み聞かせをしていたのですが
           「変身ごっこ」に夢中だった幼い息子は このやりきれない変身に
           子どもなりにですが 自分が自分でなくなる哀しさを感じたようです。
           むろん、自然破壊の問題や社会風刺が理解できたわけでは
           ないのですが・・・。


           今朝、新聞を読んでいたら
           < パンダゾウの悲哀>というコラムが掲載されていました。

     

     パンダだゾウ!

           「パンダゾウ」の写真をみた。
           タイの古都アユタヤの観光施設でパンダに似せて白黒に
           塗られたゾウである。
           パンダ人気にあやかっての演出らしい。
           まあ、人間さまの勘違いだろう。     (略)

          きょうも各地の動物園で子どもの歓声がゾウたちを包むだろう。
          ありのままの姿で、それだけで人は感動するものを。
          「パンダゾウの悲哀」と見出しのついた記事は
          >ゾウの目は笑っていなかったと結ばれている。

      このニュースと「ぼくは くまのままで いたかったのに・・・」は
          問題とするところが少し違うけど・・・
          まっさきに この絵本の記憶が甦りました。
          絵本のくまも 写真のゾウも
          とても哀しそう

         

     にゃんは にゃんらしい目をしているね。
           動物がみせてくれるしぐさはとても和む