おばあちゃんのはこぶね
M・B ゴフスタイン 作・絵
谷川俊太郎 訳
すえもりブックス
90才になるおばあちゃんは子どもの頃にお父さんが
作ってくれたノアの方舟と木の人形を大切にしています。
旧訳聖書にテーマを借りて、年をとった人も
ずっと前は子どもだったことをユーモラスに描いています。
説明はいらない。こころがあたたかくなる絵本です。
みんながいなくなってしまったいま、
はこぶねはおもいででいっぱい
よろこびとかなしみは
にじのよう、
それがわたしをあたためてくれる
おひさまのように。
母のベットのそばで時をすごす
時間だけが流れていく
母はもう以前のように体も心も回復しないだろう
と感じた。
それを言葉に発してしまえば・・・・
その言葉に脅迫されそうで 発するまえに呑み込む。
心臓も 肺も 脳も 胃も 腸も 耳も 目も 口も 手も 足も
すべて自分のものなのに
それらが 心にも体にも 繋がらない母
若いころ、健康であったころには
意識すらしなかった体のことだけど
体感覚の重さが
いま、ずしり ずしりと迫ってくる。
時の流れの残酷さを思う。
でもねえ~
まだまだ・・・ がんばろ、出来る事をやろ。