これは文字盤で私と話をしたい合図
透明の文字盤は彼女とのコミュニケーションツールです
彼女の目と私の目の間の文字を
一文字ずつ読み取って
何が言いたいのか伝えてもらう
「このびょうきになって・・・」っと
文字を拾う
この先を聞くのをためらう自分がいました
この病気というのはALSのこと。。。。
彼女のところに訪問看護に行き始めて4年と9カ月
病気も段々進行してきて
喋ることが出来なくなり
ペンも持つことが出来なくなり
呼吸も出来なくなり
今は呼吸器を装着して生活している
今、彼女が伝えたいことって何だろうか・・・
また文字盤で最後まで一文字ずつ拾っていく
「この病気になって・・・・
皆さんに支えられて感謝してます」
言葉にするとあっという間だが
一文字ずつ拾うとちょっと時間がかかる
そして最後の「感謝してます」のところで
感極まって涙している
私もなんだか泣いた。。。。
自分の涙もぬぐえない彼女。
彼女の頬を伝う涙を拭きながら
私も自分の涙を拭いた。
なぜ？そのことを急に私に伝えたかったのか・・・
今日の担当者会議の事だったらしい
医師やケアマネや訪問看護や訪問入浴、ヘルパー、薬局、福祉用具、リハビリ、マッサージ
彼女に関わっているみんなが集まり
彼女が自分らしく生きて欲しいと皆が願い
同じ方向へ向かって話し合いが進められたからだったと思う。
多くの人が自分のために
色々考えてくれていることに感動して
私に伝えてくれたのだと思う。
「病気は辛いけど
病気になって皆に支えられる幸せを感じてるんですね」
彼女はYESと大きな目で瞬きしてくれた。
そんな彼女といると私も彼女から
幸せをいただけていることに気付かされるのです
ありがとう
