ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

コミュニケーションギャップ

2007-04-23 | ISO外論
人は自分の価値観で環境から自分にとって役に立つと思われるものを理解しようとする。
同じ本を読んでも理解の仕方、感動したところなど違うのは人それぞれの価値観、世界観があるからである。注意しないと自分の都合のいいところしか理解しようとしない。
人の好みや人に対するすき、嫌いも自分の潜在意識と照らし合わせて判断していることが多い。試しに、自分の好きな人、逆に嫌いな人を思い浮かべてその理由をメモしてみると良い。メモには自分の性格が反映されているはずである。
心理学では「シャドー(影)」「ミラー(鏡)」などと呼ぶのも、自分を写して人を見ているからである。

組織で意思疎通を図ろうとするには、聞く人の立場を考えて話さなければならない。
組織のベクトルをそろえるためにビジョンが大切だが、そのビジョンは理解されて力になる。
ビジョンを共有化すること、シェアーすることがなければ、単なる言葉にすぎない。

組織は役職の階層で出来ているというのは、既に古臭くなった組織のとらえ方である。
上位者が組織を描くからそうなる。
ISOの審査などで組織図を要求されるが、顧客重視を強調するなら、顧客との距離や顧客との関係で組織図を描けばいい。また、最近の製造業の組織上の問題を明確にしたいなら、役員、社員、派遣、外国人労働者という階層で考えらればよい。

品質に影響を与えるのは、現実には在りもしない組織の階層に関係するギャッツプが原因であることが多い。
誤った組織図に起因するコニュニケーションギャップである。
言葉の問題もコミュニケーションギャップの原因になっている。
最近の生産現場は外国人労働者が多い。その人たちを派遣が指導している。
当然文化の違いもある。
派遣社員としては同じ使われている立場から、外国人労働者に対しては好意的にみる。
信賞必罰なんてことは、派遣が外国人労働者に対して実行するのは無理なことだし、そこまで要求されてない。

そのような状況で正しい作業を教えるのは難しい。
現場は生き物である。多くの変動要因の影響で不良が発生し、製品の出来栄えはばらつく。
作業の意味、管理や改善の意義を身につけてもらう教育はいつの時代にも、ものづくりの現場では、必要なことである。このような教育の必要性を自覚している組織は少ない。人材を人財と言ったのは、つい最近のことであるが、今や人は使い捨ての時代である。

このような中にあっても品質の良いものを作るためには、改善という共通語を理解して、コミュニケーションをとるべきである。特にQC7つ道具の開発は日本の現場を強くしたことから考えても、これを活用すべきである。グラフや図は言葉以上に多くの情報を教えてくれる。
品質の良いものを作るよろこびは、言葉の通じない人々に共通の目標と価値観を与えてくれる。今こそ日本の品質文化を立て直すために、改善の教育を徹底すべきである。
前向きにものづくりの現場や品質を良くしようとする教育はコミュニケーションのギャップを解消してくれるだろう。
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