ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

「与古為新」

2007-04-15 | ISO外論
最近、品質や安全に関する事故が増えている。保険会社の保険金不払いのように、事業の基本的目的や使命の不履行という事件も起きている。名前の通っている会社だから、一流企業だからというだけでは信用できない。電気や交通という公的機関がむしろ危ないというのは、この国のなにかに欠陥があるからと考えて、改善の要求を出すべきである。

継続的改善という地道な活動を忘れ、短絡的に成果を求めすぎるからだろうか。継続的改善は「飽くなき品質の追求」といわれるように、時に不合理と思えるほどの品質へのこだわりが基本にある。日本の伝統ある、ものづくりの職人芸が品質管理と融合したものが継続的改善である。

時の流れと人の考えが品質管理にも影響する。「安かろう悪かろう」といわれ輸出先から返品の山ができた時代には、危機意識と反省を基にした歯を喰いしばるほどの改善に対する取り組みがあった。恵まれた今の時代の人に昔の危機意識を要求するには無理がある。

「飽くなき品質の追求」や成果のプロセスからビジネスモデルを作りだす企業は創造的で継続性のある目標を持ち続けられる優秀な企業である。それと比べるとISOは組織であればどこでも取組める規格である。より上を目指す活動と一応知っておこうという程度では、成果一つとらえても大きな差があるのは当然である。各産業のエリート企業がNO1を目指すから産業全体を引き上げる効果がある。これからの発展のためには、この対称的な両者の良いところを統合して成果をあげることが求められる。

中国には、古いものと新しいものを融合させる「与古為新」、古きにあずかり新しきを為す、という言葉がある。また、日本にも、そのような精神を活かす「師の跡を求めず、師の求めたるところを求めよ」という弘法大師の言葉がある。この言葉は、芭蕉が旅を終え弟子達と別れるとき弟子達に与えた言葉だそうである。

さて、いまこそ、日本が一番元気だったときの成果とその時代の先輩たちの「求めたるところ」と新しいものの融合をしつつ現状打破すべき時である。
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