ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

成功を維持するしくみを作る

2007-04-14 | ISO外論
人は自分の価値観で多くを判断する。新しいことに取組む時でさえ従来の考えを持ち出す。難しくなると何とかしようと考える前に「出来ない理由」を考える。誰もが言い訳をする名人である。組織の中で自分が守られていると言い訳で済ませることが可能だ。そのため現状維持はできても革新は難しい。組織やシステムは放置すると陳腐化する。守りが強く責任を回避する官僚的システムになる。それを現状打破するのは起業家精神である。一匹狼は言い訳を考えている間に自分の命を守らなければならない。現状打破や創造や開発は「殻」を破ることから始まる。新しいパラダイムで革新をすすめよう。

スポーツなどの勝者を賞賛する言葉に「勝つべくして勝った」というのがある。「勝つ」ために、今何をすべきかという目標が明確で全員が理解していることが大切である。このために現状把握をして早く失敗に気付けば、はやくやり直せる。「現状打破」のポイントを整理しておこう。

1)ISOを導入して従来の強い点や特色がなくなっては意味がない。独自の歴史、文化を活かすどんな強い点があるかを整理するため現状把握する。「改善とは強い点をより強くする事」であるが、自分の強い点や良い点を自覚してない事が多い。自覚してないなら、どのような事が強い点か示せばよい。これが方針である。

2)次ぎに勝つためには、強い点を育て、勝つための訓練を繰り返すことである。
これが教育訓練である。方針も教育も双方向でなければ成果が出ない。ありがたい話を聞いただけで、実行できると考えるのは危険である。ワークショップ形式で実行できる計画の作成まで行うべきである。一般にいうアクションプランとは、具体的で実行可能な計画をいうが、その場しのぎの計画でないか、注意が必要である。

3)顧客の要望、クレーム等顧客満足に関係する情報を集め、顧客満足の向上のため何をするかまとめる。客先に訪問調査するとよい。現状では、何が出来ているか、何が出来てないかまとめる。また、製品別に層別するとどのような傾向があるか、特定の顧客に集中した要望やクレームはないか、営業別にはどうか、そして、もっと大切な事は、離れていった顧客はどのような理由からだったか、など記録にない事も思い出してまとめると、自社の実力が評価できるだろう。

4)これらを一覧表にまとめると現状が理解しやすい。まとめの結果から、改善できる事は計画にしておく。ただし、初めのうちはあまり高度な事は狙わないで、短期的に成果が期待されることが良いだろう。半歩でも前に進みながら、自分に自信をつけることが大切である。「恋とは決して後悔しないこと」という名せりふではないが、「品質管理とは後戻りしないこと」という言葉もある。    

5)製品開発のプロセス(ISOでは製品実現のプロセス)にそって、従来の製品から成功例、失敗例を選んで、成功、失敗の原因がその製品の開発段階のどこにあたかをまとめる。まとめるときはあまり細部にこだわらず、部門間の連携や開発段階の引継ぎ、引渡し等段階の間の問題を明確にした方が良い。このようなまとめを、品質保証整備計画とよぶ。
問題は「間」にあると前に書いた。部門間、開発のステップ間に着目してみよう。眠れる金塊が見つかるはずである。

6)以上のまとめから、当面改善したいことを選び改善を実施する。ただしこの段階から短期に成果が確認できる事にとり組んだ方が、今後の動機付けになるだろう。大切な事は、改善の味を占めることであり、正しい改善のプロセスを実践する事である。

7)改善の成果の発表会を実施する。この発表会を内部監査といっても良い。
ISOの監査になじまないなら、逆監査とでもよべばいい。良い点を引き出す監査をすべきである。
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