仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

強情灸 / 古今亭文菊

2019年01月24日 | エンタメ
落語『強情灸古今亭文菊
噺は、「俺んちの前を素通りはねえだろう、寄ってけよ。と職人仲間に声を掛けた男。聞くと、最近調子が悪かったので、熱いと評判の"峰の灸"を据えてきたというのだが・・・」という内容。
俺がこの町内で、いの一番に据えようと思ってたと悔しがる男に「ピリッと来るどころの騒ぎじゃないよ。俺だから我慢できたようなものだ。気の弱い男じゃ駄目だろうな」と自慢話を始めたのだが、聞いているほうは面白くない。
江戸っ子同士の意地の張り合いが度を越してしまうのだが、熱いと思うから熱いんだと言っても物事には限度があるだろう。
江戸っ子気質というのはどうにも厄介なものらしい。
(^。^)
さて、演者の古今亭文菊師匠は、二代目古今亭圓菊(1928年~2012年)師匠の弟子。
二つ目時代の平成21(2009)年には、NHK新人演芸大賞落語部門の大賞を受賞している。
また、平成15(2003)年入門の落語協会同期10人(柳家小八三遊亭ときん鈴々舎馬るこ、五代目桂三木助柳亭こみち、二代目古今亭志ん五古今亭駒治柳家小平太柳家勧之助古今亭文菊)で、"TEN"というユニットを組んでいたようだが、平成29(2017)年に解散しているようだ。

鮑熨斗 / 鈴々舎馬るこ

2018年05月26日 | エンタメ
落語『鮑熨斗(あわびのし)』 鈴々舎馬るこ
噺は、「腹をすかして家に帰り、"何か食わしてくれ"と言う甚兵衛だが、米がない。女房のおみつに言われたとおり、隣の山田さんに借りた五十銭で魚屋に尾頭付きを買いに行った甚兵衛だったが、鯛の尾頭付きは五円もするので買えない。それじゃと勧められた鮑を買い、それを鮑好きの大家の所へ若旦那の婚礼祝いとして持って行くのだが・・・」という内容。
信用がなくてお金を貸してもらえない甚兵衛だが、女房の名前を出すと「一円かい?五円かい?」と聞かれる。
これには甚兵衛さんも憤慨したものの、本人に信用がないんだから仕方がないことだ。
(^_^;)
おみつが考えた作戦は、この日に嫁を迎えるという若旦那のお祝いに尾頭付きを持って行き、お返しにくれるだろう一円をあてにするというものだったが、甚兵衛が尾頭付きを手に入れられなかったことで、はじめから作戦が狂ってしまった。
しかし、ここで作戦の変更をせずに突っ走るのが面白いところで、口上さえしっかり言うことができれば何とかなるだろうと踏んだのだろう。
まぁ甚兵衛にしてみれば、何から何まで女房の言う通りにしてるだけなので、何も分っていなかったのだろうが。
(^。^)
さて、演者の鈴々舎馬るこ師匠は、同じ日に(十一代目金原亭馬生師匠に)入門した桂三木助(五代目)師匠より香盤が一つ上だったことから、真打昇進が半年早かったのだという。
落語協会の事務局が履歴書を受け取った順で香盤が決まるとも話されていたが、この辺りの真偽のほどが定かでないエピソードも面白い。
(^_^)

大安売り / 鈴々舎馬るこ

2018年03月07日 | エンタメ
落語『大安売り』鈴々舎馬るこ
噺は、「贔屓にしたいと思っている関取を見かけた町内の若い衆が思い切って声をかけてみた。最近見かけなかったのは、親方と一緒に上方へ行き、土俵を勤めてきたからだという。10日間の取り組みの様子を聞いてみると、勝ったり負けたりだったとのこと。ワクワクするような勝った話をしてくれたなら祝儀をはずむつもりでいた男だったが・・・」という内容。
現在の相撲は一場所が十五日間だが、昔の相撲の取り組みは一場所十日間だったらしく、江戸と上方でそれぞれ十日間、計二十日間だったことから、「一年を二十日で暮らすいい男」などと言われていたのだという。
"勝ったり負けたり"ということだったが、調子よく勝つ話をなかなか聞けないのが面白い。
「四十五日で負けました」などと決まり手を説明する話っぷりは、関取というよりまるで落語家だ。
(^。^)
さて、演者の鈴々舎馬るこ師匠は、十代目鈴々舎馬風師匠の弟子。
プロレスのリングアナを務めることもあるそうで、"UWFプロレスのメインテーマ"を出囃子に使っているのだそうだ。
面白い。
(^_^)