注文してあった『幻の戦争マンガ』(祥伝社新書)が届きました。
収録作品は「黒い隼」バロン吉元、「銃後(15)の春」木村直巳、「燃えよ番外兵」原作:小池一夫、作画:矢口高雄、「かわいそうなゾウ」北川玲子、 「初恋の桜」川島れいこ、の5作品です。
解説は日本漫画家協会理事長の里中満智子先生です。
『幻の戦争マンガ』祥伝社新書 2022年9月10日 初版第1刷発行
新書判ながら全528ページと充実しています。
バロン吉元先生の掲載作品は「黒い隼」で、『週刊少年サンデー』昭和48年1月14・18日合併号に掲載されました。
少年誌への登場は昭和46年、『週刊少年ジャンプ』連載の「4タロウ1ヒメ」が最初でした。翌47年には同誌に「おれは竜」を連載しています。
「黒い隼」はこれに続く作品で、『週刊少年サンデー』初登場でした。
先生の昭和48年の青年誌掲載作品を見ると、『ヤングコミック』に「十七歳シリーズ」、『週刊漫画アクション』に「現代柔侠伝」、『ビッグコミックオリジナル増刊号』に「どん亀野郎」、『週刊ビッグコミック』に「復讐師(リベンジャー)」など、質量ともに優れた作品を連載しています。
そのような中での少年誌への作品掲載で、『週刊少年サンデー』には、同年4月29日号から「黒い鷲」の連載を開始しています。
コミックスは双葉社の「POWER COMICS」として全4巻が刊行されています。なぜ小学館から発行されなかったのかは、よくわかりません。そう言えば『ビッグコミックオリジナル』に連載された「西郷伝」も双葉社のアクションコミックスでの刊行でした。
この第3巻に「(傑作短編)・黒い隼」が収録されています。
また、第4巻には『ビッグコミックオリジナル』昭和49年8月1日増刊号に掲載された「落日の葬送」(原作/斉藤忠直、構成・画/バロン吉元)全50ページが掲載されています。
なお「黒い鷲」は、中央公論社の『愛蔵版 黒い鷲』で再刊されています。