ばくのメモ帳

『ばくのお宿』管理人の西みつのり、略して西みつのメモ帳です。ホームページに書き切れない雑多な情報を綴ります。

みなもと太郎先生『風雲児たち』と大黒屋光太郎

2023年11月29日 | みなもと太郎

みなもと太郎先生関連で、もう一冊入手できた資料があります。

令和2年、鈴鹿市で開催された「大黒屋光太夫と『風雲児たち』」展の解説図録です。三重県鈴鹿市にある「大黒屋光太夫記念館」の開館15周年記念特別展でした。

開会中に行くことができなかったので、図録があるなら入手したいと考えていました。運良くメルカリに出品され、入手することができました。

図録には『風雲児たち』の原画がたくさん収録されています。大黒屋光太夫記念館にもいつか行ってみたいですね。

図録ではワイド版『風雲児たち』が紹介されていますが、ここでは潮出版社の希望コミックス版で、大黒屋光太夫の物語を振り返ってみました。

第九巻 希望コミックス131 昭和60年5月1日発行

第十巻 希望コミックス140 昭和60年10月30日発行

第十二巻 希望コミックス158 昭和61年11月20日発行

第十三巻 希望コミックス164 昭和62年6月10日発行

第十四巻 希望コミックス171 昭和62年12月10日発行

第十五巻 希望コミックス178 昭和63年6月15日発行

第十六巻 希望コミックス184 平成元年3月20日発行

第9巻第5章「彦九郎運動する」の嵐の場面から始まり、第6章「漂流者たち」に続いていきます。

大黒屋光太夫の物語は、その他の物語の間を縫うように続いていき、最後は第16巻第6章「おらんだ正月」でした。なお、第11巻には収録はありません。

掲載誌は『月刊コミックトム』で、「彦九郎運動する」は昭和59年(1984年)10月号に、最終話の「おらんだ正月」は昭和64年(1989年)1月号に掲載されました。

『風雲児たち』の大黒屋光太夫のエピソードを原作として、令和元年(2019年)6月、『三谷かぶき 月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと)』として歌舞伎にもなっています。

「みなもと太郎まんが館」更新しました。

みなもと太郎まんが館

 

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みなもと太郎先生『ねこまんが』

2023年11月27日 | みなもと太郎

みなもと太郎先生の『ねこまんが』を入手しました。

発行:みにゃもと 発行日:2022年8月13日

昨年8月の発行でしたが、まったく気が付きませんでした。

今年の夏のコミケでみなもと太郎先生の作品が復刻され発売されました。コミケ終了後通販するとのことで楽しみに待っている時に、みにゃもと発行の『ねこまんが』の存在を知りました。コミケ等に行くことはないし、通販も終わっているようです。いったんは諦めたのですが、幸い書泉オンラインで見つけて入手することができました。

この元になったコピー本も全部購入しています。

(第6号の「ウナジの抗争」が見当たりません。購入はしているので、どこに紛れ込んだか探してみます。)

みなもと太郎先生手作りのコピー本です。

「コミケの前夜にコピー機をフル稼働させ、自分でホチキスで製本し、表紙と裏表紙を1冊ずつ手書きするという、大変な作業を続けるその姿を僕達はただ呆れて眺めるしかなかったものです。」(工藤稜先生)

コミケに参加することはできなかったので、「みにゃもと」発行の同人誌は通販で購入していましたが、これもみなもと太郎先生から直接購入できるという喜びがありました。

手作りの「通販送料免除券」も、もったいなくて使用することはありませんでした。

「サークルみにゃもと」の同人誌は全部で何冊になるのでしょうか。私の持っているのは『風雲児たち外伝』など37冊、『オルタナティブ』5冊、『ねこまんが』6冊になります。

「みにゃもと」から最初に発行された同人誌は『スターウォーズ・ドン・キホーテ』でした。

今回の『ねこまんが合本』は38冊目になります。各話ごとに静香先生の補足コラムが付いています。

更に後藤静香先生による第7話描き下ろし「猫は私がきらいだくそ!! 」も収録されています。ウナジの写真も見られたし、最高の1冊でした。

 

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吉田初三郎の銚子鳥瞰図 その3

2023年11月25日 | 銚子

吉田初三郎の銚子鳥瞰図、最終回です。

「吉田初三郎式鳥瞰図データベース」には、もう一枚銚子の鳥瞰図が掲載されています。このリーフレットです。

吉田初三郎の名はありません。クリエーターは不明になっています。

「国際日本文化研究センターでは吉田初三郎、および彼の影響のもと同時代の絵師が描いた鳥瞰図の網羅的な収集を行ってきました。」とのことなので、吉田初三郎の作品というわけではないんですね。

戦前から戦後にかけて、同様の鳥瞰図は数種類が作成されています。

銚子市役所発行の「観光の銚子市」です。

「復興の銚子市」とあるように、終戦後の復興の中で発行された観光パンフレットです。

収録されている鳥瞰図は、『関東第一の魅力 銚子市』の吉田初三郎の銚子鳥瞰図とほとんど同じです。

一番大きな違いは、学校が新制度の小中学校になっていることでしょうか。興野小学校、春日小学校、第四中学校などが描かれています。

次は昭和初期の鳥瞰図です。『大銚子鳥瞰図 町名入』

昭和5年10月1日現在のデータが載っているので、この頃の発行だと思います。この人口は昭和5年国勢調査人口ですね。

市制施行前ですが、「大銚子」に見られるように、町村合併、市制施行の機運が盛り上がっていた頃と思います。

旅館名や商店名なども詳しく記入されています。「町名入」の町名とは小字名でしょうか。

目出度町、今宮、西芝下町、野上冨田屋町などが記されています。

市制施行に伴い、市内の大字小字を廃して新しい町名が始まったのは、昭和9年5月15日でした。

上の地図には「清川町」、「栄町」が記されています。これらは新しい町名ですが、なぜこの地図に記載があるのか、よくわかりません。引き続き調べて見たいですね。

 

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吉田初三郎の銚子鳥瞰図 その2

2023年11月23日 | 銚子

吉田初三郎の銚子鳥瞰図はもう一点残されています。『関東第一の魅力 銚子市』です。

発行所は銚子観光協会です。このパンフレットについては『銚子市政史 昭和九・十年度』に記述があります。

昭和9年度第十二章「観光」第一節「観光協会事業概要」に次のように記されています。

3.高級パンフレットの印刷

吉田初三郎画伯の作にかかる高級パンフレット関東第一の魅力「銚子市」一万部を印刷し一般観光客を始め全国的に紹介宣伝に努めたり

銚子観光協会は銚子市と高神村を区域として、昭和8年5月27日に創立されました。同年2月11日の市制施行に高神村は加わりませんでしたが、観光については一体となって推進されていました。(創立時の観光協会会長は銚子市長、副会長は高神村長と銚子市助役)

大正15年発行の『大銚子遊覧鳥瞰図絵』と比較してみました。

『大銚子遊覧鳥瞰図絵』には旅館や事業所の名称が多く記されていますが、『関東第一の魅力 銚子市』には個別の事業所名は載っていません。

大正15年と昭和9年の違いも見て取れます。

一の島灯台が描かれています。一の島灯台の初点年月は昭和9年9月でした。

また前者には町役場があり、市制施行後発行の『関東第一の魅力 銚子市』には銚子市役所が描かれています。

松岸から佐原まで線路がつながりました。昭和8年3月11日の開通です。(昔は「佐松線」と言っていましたね。)

『関東第一の魅力 銚子市』については、「吉田初三郎式鳥瞰図データベース」に掲載されており、パンフレットを持っていなくても見ることができます。

このデータベースのパンフレット表紙裏は「銚子案内略図」ではなく、ヒゲタ醤油の宣伝でした。これもいろいろ現物を見たいですね。

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吉田初三郎の銚子鳥瞰図 その1

2023年11月21日 | 銚子

前々回のブログで紹介した『大銚子遊覧鳥瞰図絵』です。

このパンフレットは、銚子町「水戸屋菓子舗」の宣伝入りです。

他の広告主には「暁鶏館」「銚子鉄道株式会社」などの書影が確認できています。水戸屋菓子補と同様な広告ページがあったと考えられますが、これは実物を手にしないと確認できません。これらの企業がスポンサーになって発行されたものなのでしょうか。

「銚子遊覧交通名勝鳥瞰圖」は『吉田初三郎 鳥瞰図集』に収録されています。

2021年5月1日 1版1刷発行 昭文社

「折り込み企画」として、見開き1メートルを超える大きな鳥瞰図を見ることができます。

解説ページには

 出版物の表題 『大銚子遊覧鳥瞰図絵』
 著作兼発行印刷者 箕輪治三郎(東京)
 発行所 交通教育会(東京)
 1926(大正15)年6月25日印刷・6月28日発行
 個人所有

と記されています。

11月21日(火)、銚子ジオパーク・芸術センターの「暁鶏館資料展」に行ってきました。今回は『大銚子遊覧鳥瞰図絵』を持って行き、原画と細部を比較してみました。(資料展でもパンフレットの鳥瞰図が展示されています。広告主は海鹿島の仙松閣)

色彩を除いて、デザイン等はほとんど同じですが、細かい相違もありました。富士山や筑波山は原図はリアルに描かれていますが、パンフレットではかなり図案化されています。

地名などの名称の字体も異なり、原画は手書き文字です。また、パンフレットには原画にはないヒゲタ第一工場が描かれています。(現在の市役所の位置)

原画からどのように印刷用の鳥瞰図に変えていくのか、いろいろ調べてみたいですね。

 

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