ANANDA・Cafe

独善的偏向偏執的毒舌紅茶&カフェのブログ 真実は香り高く甘くそして…渋い 良い紅茶のようにね

バービカンvs.キリンフリー…じゃない、いざヨークシャーティvs.PGtips デカフェ対決!

2012年06月29日 | 紅茶・デカフェ

さあ、とうとうこの日がやってきた
紅茶がなければ一日で死んでしまう(←勝手な想像)我がブログ読者の皆様!
もとい、ヤク中のレディース&ジェントルメ~ン(←もっと悪くなってる…)

そうです、この、税金以外はなんでもかんでもゼロ&フリーの現代社会で
紅茶もコーヒーも合法薬物入り危ない飲料ということなんですよ奥さん!
カフェインの危ない副作用については当ブログの
『カフェインは致死量のある立派な合法薬物です…カフェイン・ジャンキーの末路』
皆様すっかりご存知のはずなので、
そして虚弱にしてジャンキーのオレ様が愛すべき紅茶さまのおかげでどんな不幸な目に遇ったかも
すっかりご存知のはずなので、
そして、予定調和的に現れた「クスミティー・アールグレイ デテイン(カフェインレス)
のおかげで、オレ様はありがたくデカフェというものに目覚め
ついに、カフェイン・ジャンキーのけっこう辛い身体症状とか、離脱症状とかから
紅茶を飲みながら脱出できるかもしれないという希望を得たのだっ!


第2フェーズはイギリスご庶民ティー&デカフェ
ならば、イギリスご庶民デカフェといこうではないか~

それでは、恒例のwikiコピペタイムである
デカフェとはいったいなにか?

○デカフェ(英語:Decaf、decaffeinatedの略)とは、本来カフェインを含んでいる飲食物 からカフェインを取り除いたり、
 通常はカフェインを添加する飲食物にカフェインの添加を行わないことで、カフェインを含ま なくなったもののことを指す。
 ディカフェ、カフェインレス、カフェインフリーとも呼ぶ。
 単に「デカフェ」と呼ぶときには特にカフェインレス・コーヒー(後述)を指すことが多い。
 しかし、それ以外のカフェインを含む飲み物(茶やコーラなど)にもデカフェのものが製造さ れている。

デカフェの工程は、3種類ある
詳しくは、リンクからwikiに行って読んで頂ければと思うが
とりあえず
・有機溶媒抽出
・水抽出
・超臨界二酸化炭素抽出
の3つ
今の段階では、3つ目の「超臨界二酸化炭素抽出」が最も優れた方法だとのこと
味を損なわず、カフェインは0.1~0.2%まで除去する
ヨーロッパのカフェインレスの基準は「0.1~0.2%」「表示義務付け」だそうだ
調べると0.1%という記述と0.2%という記述がありよくわからないが、そんな程度の濃さである
カフェインレス基準は日本にはまだない
紅茶が好きで、妊娠中・授乳中・カフェインが負担になる病気中の人には
必要な分野だと身に染みて思うのだった

というわけで、デカフェ表示のあるヨークシャーとPGのデカフェは
0.1~0.2%だそうである

デカフェwikiはコーヒー寄りのデカフェ記事なので
紅茶寄りの記事・情報は、こちらのサイトがヒットしたので適当にリンク貼っておく
注文していないので味は知りません(また無償で広告を…ボランティア・ステマ乙)
「紅茶のお店ニュアージュ」http://www.nuagetea.com/noncaffein_tea_about.html
「デカフェjp.」http://www.xn--hckh7fpc.jp/caffeineless-tea-standard.shtml
「ビーンズゴトー」
http://item.rakuten.co.jp/beans510/10000196/

見ていただければ、ぼったくりエリズコーヒーのヨークシャー&PG
デカフェ分野ではどれほど安いか分かるだろう

まあ、能書きはこれくらいにして
それぞれの茶葉を見ていこう

まず、先行はヨークシャー・デカフェ
  

箱を開けた瞬間、いやな予感がした(またか)
このティーバッグの色…ドーセットティーと同じだ



急いで匂いをかいだ
……!
これは…デジャブだろうか?夢か?夢だと言え!
軽いめまいをおぼえる

なぜこの国には、いりこだしのパックしかないんだろうか?
なんなんだ!この魚臭い紙はぁぁぁっ!

80P全部この漁港臭のするティーバッグに包まれているヨークシャー・デカフェ
ちょっと途方に暮れるな(←すごく遠い目)
とりあえず、絶望感に包まれながらティーバッグを開けて茶葉を見てみる



ほぼ、ヨークシャーティーと同じだが、多少黒い
そしてもうすでに漁港臭が茶葉に染み付いていたorz

どーしろというんだ…250gの魚介フレーバーティー
こんなところに落とし穴があるなんてもうやだ
この臭い、イギリス人はどう思ってるんだ?
“soggyな”とか言ってるのは「不味い」ということなのか?
(詳しくはドーセットティーの記事見てくれ)

多少の虚脱感に打ちひしがれながらティーバッグを淹れる
このティーバッグは250gを80Pで割ってるので、正確には1Pあたり3g以上入っている
(1P=3.125g)
こういうの日本なら絶対やらない思考回路だよね
日本のティーバッグは2.2g×25Pとかで、55gとか数量の表示に書くが
英国は、まず全体量ありき!なんだな
で、だいたいマグカップで1Pでミルクティーが美味しい茶葉の量に切りの良い数で割ったんだろうな
考え方の違いがギャグのように面白い
だが、これをもとに湯量を推し量らねばならない
今回は英国ご庶民風にマグカップにティーバッグを入れ、その上から熱湯を200ml注ぐ
バッグはデカいし水を吸うので、これくらいで適当だろう

さて、熱湯をバッグにぶっかけ、待つこと3分
ヨークシャーティーと同じ、コーヒーのような濃い色のブラックティーが出来上がった
香りを嗅ぐ…
HEY!MEN!やっぱり漁港だぜ!
もういやだ、家に帰りたい、こんな埠頭まで連れてくるなんてどういうつもりだ?

仕方ないので一口飲む
塩味がするのは、魚のイメージだからだろうか?
いやもういい、ヨークシャーティーはこの時点では紅茶に似た液体なのだ
それはもうわかってるぞ
ミルクだ

ミルクを入れた
生牡蠣の香りがした
海のミルク…
Nooooooooo!

まさか、まさかだ
ホントだったんだ、牡蠣は海のミルク♪…ってなんなんだよ…ちくしょー!
紅茶を味わうとかの気分ではない
どうすればこれを楽しく80P消費できるんだろうか
いや、最悪もう楽しくなくてもいい、捨てないで飲みきる、もうその一心である
バニラ…バニラオイルでフレーバー着けるか?

やってみたら、これが案外牡蠣臭さが消えた
香りがつくと、いつものヨークシャーティーの濃厚なミルクティーの多少気の抜けた感じ
くらいに落ち着いている
…ご、ごまかせる
それがわかっただけでも今日は充分だ
疲れた…これから80P分のバニラティーだ(またも遠い目)
ベルガモットの精油買おう…そしたら半分はアールグレイになるよね


さて、虚脱しただけでは終われないのが今回のVS
そうなのだ、次はPGtips(ピージー・チップス)のターンなのだ
ユニリーバのイギリスでの紅茶販売主軸は、いまやリプトンでもブルックボンドでもない
世界で最も売れてるのは(クソ)リプトンらしいが、イギリスで最も売れてるのはPGtipsらしい
だが、情報を総合すると、PGはどうやらブルックボンドの紅茶らしい
ブルックボンドはくそユニリーバに吸収されてから、あの赤い箱はとんとスーパーで見かけなくなってしまった
だが、アーサー・ブルックボンドという創始者は「茶葉のブレンド」という手法を初めて考案した偉いおっさんである

このブレンドは古い。なんと1930年に「PGtips」という名前でブレンドを世に出しているのだ
(資料『TEA and COFFEE Trade Journal』
もうやめてぇ!ヨークシャーデカフェのライフはゼロよ!
いや、このターン、同じくイギリス人のTBの好みを再確認するだけかもしれないじゃないか?
なんかを墓地に捨てるんだったっけ?リプトン…まあいいや
外装、茶葉など公開しよう

  

まず、箱は2段階で開ける
最初の蓋の中に、ティッシュの開封みたいにミシン目が入っていて
それを切り取ると、中から…
中から…ありゃ?これ、三角パックだね
これも、まず125gが決まっていて、40Pで割るから同じく3.125g=1P

 

しかもバッグの紙が白い
すかさず匂いを嗅ぐ
おおおおおお~!
これは普通の紙じゃないか
確かに少しは英国フィッシュフレーバーはあるものの、気にするほどではないようだ
酸臭が多少するが、ヨークシャーに比べれば問題無し!のレベル
なんか希望が湧いてきた
ブルックボンドありがとう

では、先ほどと同じ条件でいってみよう
マグに熱湯をぶち込み3分

おお、この紅茶は茶葉の香りがある
セイロンぽい香りで、ケニアの香りはしない
そりゃ当然だ。1930年のこのブレンドが作られた当時にはケニアで紅茶栽培はされてもいない
喉ごしがたいへんまろやかで、少し酸味がある
後口にかすかに渋み
味もセイロンが勝ってる感じ
濃厚さはやはりヨークシャーの勝ちだが、
この値段でストレートでも辛うじて飲めるというデカフェは貴重
ミルクを入れると、少し軽めのミルクティーになる
後口はさっぱりとした甘さが残るが、全体のコクは十分だ

これはデカフェじゃない普通のPGを飲んでみたくなった
この時点では完全にPGデカフェ>>>ヨークシャーデカフェという
圧倒的PGの勝利だった

ところが…だ


ここでただじゃ終わらないのがAnanda・cafeの怖いところである

詰め込まれていた紙箱すら濃厚な漁港臭がしたので
ヨークシャーティーの外箱は剥かれてばらばらに破かれて親の仇のように捨てられてしまいました
そして、TBはそのまま大きいジップロックに詰められ収納
PGの箱も紙箱で、こんな梅雨時の日本では保存に適さないため
紅茶の空き缶に詰められて収納され、外箱はゴミ箱行き
そして月日は流れ、1ヶ月が経とうとしていた

なんとヨークシャーの魚介フレーバーが消えてきているのだ
まったく消えているわけじゃない
だが、ミルクを入れると香りがわからなくなる、というところまで薄まっているのだ

慣れか?
そうかもしれないが
ジップロックに入れたり出したりしているうちに、あの臭いが揮発して消えているように感じる
するとヨークシャーは濃厚さにおいてはチャイの如し
それなりの飲めるミルクティーになりつつあるのだ
この濃さはしばらく飲んでいるとかなりクセになる濃さだ
デカフェじゃないヨークシャーティーも今ハマって飲んでいる
ストレートは依然としてクソだが、ミルクティーは日本の紅茶の追随できないブレンドなのだ
現地値段でっていう前提もあるが、それを越えてこれにしかないものがある
バニラとベルガモットで飽きないようにしてはいるが、
ここにきて、それがなくても飲めるようになっている

そうすると、PGは香りはいいし、TBは臭くないけど
濃厚なミルクティーとしたらヨークシャーデカフェのほうがいいかなぁ…なんていう
買い込んだ当初からは考えられないような状況に、いつの間にかなってるのだ
80Pで遠い目になっていたのが、なにやら酬われたような気さえする
捨てなくて良かった…と思う今日この頃である
毎日がぶがぶ飲んでもいまのところめまいが起きていない
ただし、カフェインレスでもタンニンは温存されているので
胃の弱い人は飲みすぎないほうがよろしいと思う
ちょっと胃にくるな

とはいえ、PGのほうが好みなのは変わらないが

PGtips Strong oneというミルクティー用のがあるんだけど
250gで1380円

いや、この次は夙川の成城石井でデカフェじゃないPGを買うんだ

その次は…テトレーだろ?
それからテトレーのデカフェ…


今回の625gがなくなったらな!






出来心のティーバッグ研究室 ダージリン到る処にマスカテルあり? コープVS日東 有機ダージリン対決!

2012年06月14日 | ティーバッグ研究室
人間到る処青山あり (じんかん、いたるところせいざんあり)

意味:人はどこにだって骨を埋める地があるものだ。
   また、そうであるから故郷を離れ世界に雄飛するのに躊躇してはいけないということ。


紅茶と悪口雑言のお好きな皆様、こんにちは!
最近調子に乗って、中身の無い記事を濫造しているNirvana・Cafeです
一気にPGtipsとヨークシャーティのデカフェVSをでっちあげようと予定していたのですが
なんでここでティーバッグ研究室なんだよ!
と、お怒りの諸兄・諸姉さまがたにはもう慣れっこでしたわよね

気力が続かんのじゃ
なんせ中身の無い記事を濫造しているからな!
(それでも威張りくさることは忘れませんよ。ええ)


うちの仕事場の控え室には、休憩用のティーバッグという備品がありましてね(いきなり本題かよ)
入れ替わり立ち替わり、お昼休憩にみんな弁当だのパンだの食べながらお茶を飲むんですが
そのお茶、誰が買うのか切れることが無いのですよ奇っ怪な話だが
日本茶とかハーブティとか紅茶なんですがね
結構アールグレイ率が高いんですなぜか
ほっと一息気分転換にベルガモットの香りが癒されるんでしょう
なんせ緊張感のある医薬系職場なもんですからね
でも誰が補填しているのか聞いていないので、遠慮してそのお茶は敢えて飲まず
いつもは自分専用ティーバッグをアルミ蒸着シールパック(DHCのカルシウムとか入ってた空袋)を持参しそれを飲んでいたが
せっかく安くて美味しい398円のトワイニングの平行輸入英国ブレンドアールグレイ50TBとか見つけたんで
クソまずい片岡トワイニングアールグレイが切れたころに並べておいたら
…1ヶ月しないうちに全部なくなった(笑)
リプトンのアールグレイは3ヶ月以上前からおいてあるのに、ある時期から誰も飲まなくなっちゃったし
みんな美味しいもの好きなんだね~

だからといって2回も同じものを買うのはつまんないので
先月の半ばに神戸コープに買い物に行ったついでに、紅茶売り場でふと出来心

《COOP有機ダージリンティーバッグ 2g・20P by三井農林株式会社》288円である

さすが有機ダージリンです
1P=14.4円!
去年レポしたコープ神戸セイロンTBは1P=4.8円
先ほどの並行輸入トワイニングアールグレーが1P=7.9円
そして終売したリプトンのブリスクは1P=5~7円
日東DAYLY CLUBは100均で買うと10P=100円(←100均だけに)つまり1P=10円
ちなみに東インド会社セイロンは1P=52.5円である(おおお)
だいたいのTB相場わかっていただけました?

さて、箱から出すとこんな感じです


しけないように5Pセットでポリ袋にパックされている
そしてタグにはこんなことが丁寧に書かれている


ほう…そうか…
ではぜひそんな風に淹れてやろうじゃないか

と、ドSなノリがにじみでてきたあたりで浸出開始!です

蓋付きマグカップでいつものとおり150mlの新鮮沸騰水をドバッと投入
すぐに蓋をして待つこと90秒
ティーバッグを取り出し、まず香りをかいでみる…

…ダージリンには違いない
だが、浅い…薄い…うう
いいか、2g/14円の茶葉だぞ
TBは割高になるからしかたないが、もうちょっとがんばってもいいんじゃないか?

その流れですでにがっかりしつつ、ひと口飲む
予想通りだ…やはり香りの薄いダージリンは飲んでも感動がない
ダージリンは風味込みの味、香気を飲んでいるといってもよい
だがそれがなんとも煮えきらない希薄さが痛い仕上がり
渋みはあまりないので、素直な茶葉だとはいえる
それは有機のなせる業なんだが、甘味はない、ボディーがない、薄い番茶に近い
あまりけなしたくはないが、久々にこのクラスのを飲んでちょっとがっかり
しかしこれはただのコープのティーバッグ、ルピシアやシルバーポットではないんだよ
有機とついたお茶にはご用心の分野のはずを、出来心で買ってしまったオレの負けだなベイベー

なんかわかってた崖からすべった感じすらした爽やかな5月の午後だった…

…と、普通はここで話が終わるんだが
そうはイカの金玉でございますわ
ここからが始まりなのだ!

がっかりのコープ有機ダージリンを仕方なく職場に寄付
そうマズいわけではないが、煮えきらない香る番茶のようなもんで
とりあえず会社で適当に飲んでお茶を濁そうと思っていた

職場のお湯事情はお茶には最悪である
まず、浄水器があるのに、面倒だからとなぜかペットボトル入りのミネラルウォーターを使う
電気ポットは象印だかタイガーの電気ポットがこれまたなぜかいつも90℃の設定で保温
フロアの責任者が朝出社してきて、このようにセットする
私はパートなので、それから1時間後に出社し、いつもこの状態である
昼休みには私は紅茶のためにそれを再沸騰させ、オールド・ボイルド・ウォーターで紅茶を淹れる
まあ、あわただしいなかで飲むお茶だから、とりあえずお茶っぽければそれでいい
期待無しで飲むので、とくにストレスはないのだ

その日は特に仕事が忙しく、スタッフ同士の休憩の交代にも気を遣い
調理パンなどかじりながらお茶を淹れていた
蓋付きのマイカップが職場に置いてあって、再沸騰もさせない90℃のお湯を
カップも温めず、例のコープダージリンにぶっかけて蓋をした
携帯でニュースなんか見ながらパニーニをもぐもぐ…ふと気づくと

うわー、うっかりダージリン忘れてたわー!
しまった…なんか10分くらい経ってないか?
まあ、いいや、猫舌だし、どうせあの味だし~と
蓋を開けかなり濃厚なオレンジ色のお茶からティーバッグを引き出す
気にもせず、携帯のニュースに戻りながらひと口飲んだ瞬間

マ…マスカテル…

ふわーって、ふわーってなんだこりゃあ?
もうニュースどころじゃない
こっちのほうがニュースだってば!
試飲ではまったくシラケていた香りがそれなりのダージリンらしいマスカテルに
しかもボディーのコクも合格基準越え
こんなに置き忘れても軽い渋みでそれがまた良い
しかも甘い
なにが「熱湯で90秒」だとぉ?
冗談じゃない!
タグのとおりに淹れた2袋分返せ!
この値段でこのダージリンなら許すわ…いや文句無いわ

だがふと冷静に思い返す
いや、これ知ってたよな…
基本、発酵の浅い紅茶は日本茶に準じて淹れる方が香りが良いって
このブログにもどっかに書いてたよな…どこだっけ(思い出せません)
ダージリンだからマカイバリですかね?


『軽いダージリンは95℃
ゴールデンルールは香りを出すには良い
沸騰した湯で淹れると香りが立つ
だが低い温度で淹れると甘味が出る

刻んだ葉か、撚りの強い大きな葉か
はたまた発酵の度合い
旨味をどう出すか
タンニンの量
当然茶の種類
これらの条件により湯の温度は変えるべきだろう
ルールを遵守し身に付け
その後にそれを破る時がやってくるのである
茶は道である
タオである
守・破・離 などと昔からいうではないか?

えーらそー』

あーあーありました、やっぱりマカイバリ(独断と偏見で語る美味い紅茶ランキング1位)
ありましたが…このコープダージリン、高い温度は香り飛んじゃうの
BOPだからかね?
よりのしっかりした茶葉は高温で淹れても良いかもしれないけど
低級品ほど90℃くらいで淹れた方が美味しいんじゃないかな
でも高級品も90℃~85℃くらいでもよかった気がするんだが
文山包種のような軽発酵の青茶なんかは高級でも90℃~85℃くらいで淹れるしなぁ
ま…そういうところは楽しく固定観念を排除しながら試行錯誤だよね

というわけで、期待しない姿勢が思わぬ福を呼んだというお話


だがしかし、話はまだ終わらない

( ̄▽ ̄;)

まだあんの?
ああ、まだ続くんだ!


話は仕事場に戻る(そこに戻るのかよ!)
同僚のAさんとは同期で仲がいい
アロマセラピーの勉強してたり、香りにはとても敏感でサイキックなところも魅力的だ

そんなAさんに、控え室で私がいそいそとトワイニングを置いていたのを見咎められ
そんなボランタリイなことしてくれてるの、申し訳ないよ~とか言ってくれたのですが
私の趣味を妨げるな!とか本気で本音を申し上げたのですが、真に受けてくれず
「次は私が買ってくるからねっ」
「そんな~まだ試したいティーバッグあるのにぃ」
と、押し問答
そして、トワイニングアールグレイが尽きる寸前にいち早くコープダージリンを買ったのをまた見つかって
「わかった、それが美味しいのね。私もそれ買っておくからね!」
と申された
いや、この次はトワイニングの並行輸入ダージリン英国ブレンド買う予定なんだけど…
とかいってるうちに、義理堅いAさんはすぐにあるものを用意してお持ちになった

《日東紅茶 有機ダージリン 2g20TB》371円である

三井農林とは日東紅茶のことなのだ(ご存知とは思いますが)
三井紅茶だった商標を日東紅茶に変更したのは昭和5年
日本初の国産紅茶の製造・販売を手がけた会社である

つまり、三井農林がCOOPの紅茶をOEMで手がけたってことで
もしかしてこのコープ有機ダージリンと日東有機ダージリンは中身同じなんじゃないのか?

Aさん曰く「これだよね?」
私「違うけど…ほとんど一緒かな」
Aさん「えっ?違ったの?」
私(内心ほくそえみながら)「いや~ありがと~これ飲んだことないんで~」
Aさん「あーこれ、ピーコックで360円だったんだけどね」
私「Aさん、これ1パック(5個)もらっていいかなぁ」
Aさん「あ~、いいよいいよ、もってって」

飲・み・比・べ・だ!

あ~ん♪
こんな馬鹿げた楽しい企画はなかなかないわ♪
AさんGJですわ!

さて、中身はこんな感じ


そしてやはり


タグめ…
分単位か秒単位の違いだが、蒸らし時間は一緒です
熱湯をぶちこめと書いていないだけ良心的なのか
しかしこの時間指定では良心的もくそもないわな

それでは、恒例の茶葉鑑賞と参りましょうか
 

左:日東             右:COOP

光の加減で少し右の茶葉が黒いが、見た目にはほとんど同じ
ただ、同じ2gだが、COOPが若干多く感じるのは気のせいでしょうか

さあ、鑑賞の次は味見だ
両方を90℃・4分で同時に浸出した

…これが、ぜんぜんたいしたことないんだよなあああああ!
やはり予想どおり、COOPと日東、両方飲み比べてさほど変わらない
ほんの少し茶葉が多く見えるCOOPの方が、若干キレがあるかな?程度
多分おおざっぱにいって、ほとんど変わらない
そして、熱湯・90秒よりはマシだし香りがあるが
職場でいい加減に淹れたあの素晴らしい風味はどちらも再現されず
香りは多少あるが、職場で飲んだマスカテルまではいかず
甘味は多少あるが、くせがなく、丸いだけ

これはどういうことだ?…と考えたところ

温めないカップに90℃のお湯を入れて
果てしなく忘れ去り、ティーバッグ放置プレイしたことを思い出す
なんてこった…90℃・4分なんてナメたことしてる場合じゃないのかもしれない
つまり、やってたことを総合して分析すると
80℃・8分
煎茶の温度でハーブティでも淹れるような変な設定(笑)

さて、日東有機ダージリンをもう1Pその設定で蓋付きマグカップの中に放置する
Aさんに1パックもらっておいてよかった
本気で忘れそうなころに出来上がる
バッグを引き出し、香りを嗅ぐと…

おおお!これだ!見事再現したぞ!
あの時のCOOPと同じこのマスカテル
さすがにフラワリーとまではいかないが、ダージリンのデフォの香りを標準クリア
そして甘さと少々の渋みを兼ね備えた軽いがしっかりしたボディ
この風味があったら私はなにも文句は言わないぞ
ティーバッグの手軽さだけが消滅した感は否めないですが
まあ、それはそれ
いままでマズい!と烙印を押した安物ダージリンを
淹れ方変えてもう一度チャレンジしてみたいくらいだ
(例えば以前コメントの中でみかんさんと話した国太楼(アバンス)の安さ爆発ダージリンとか)

最初にご紹介した『人間到る処青山あり』を頂いて
『ダージリン到る処にマスカテルあり』とお題にしたのはこんないきさつでありんした

意味:ダージリンはどんな茶葉だって淹れる方法があるものだ。
   また、そうであるから高級茶を離れ世俗の低級ダージリンをお試しするのに躊躇してはいけないということ。

みかんさん、やりましたよ!ダージリンのティーバッグ研究室!
転んでもただじゃ起きませんでしたよ、ええ、この二転三転の逆転劇
まるで推理小説みたいじゃありませんか?


さて
これで話が終わるかと思っていた終盤のことである
さきほど90℃・4分で淹れたダージリンの残りが少し冷えてきていた
飲んでみると当然ながら渋みが出てきている
冷めたところの香りをクセでなんとなく嗅いでみる

…え?…このかすかな香り
サリチル酸の香りがする…

はああああ?
なんだとおおお?

かすかだがウバの香りがするのだ
もしや…と思い、茶殻を嗅いでみた
すると、浸出液より少し強いウバの香りがふわっと香ってくる!
しかもCOOP・日東ともに…だ

え?え?え?これ100%ダージリンだよね
なんでダージリンにウバの香りが付いてくんの?
スリランカでダージリン作ってるの?
それとも?

ちょっと意味がわからない事態になってる
いや、一瞬で意味が分かった気がしたが、あまり考えたく無いな
メーカーサイド?
生産者サイド?

またしても業界の深淵をかいまみたのかな
熱湯で90秒だったらわからないのかなこの香り飛んじゃうから
私の舌の精度の問題ならいいのにな
旦那に味見させよう…おーい…来て来て
「わかるわかる~ウバの香りがほのかにする~」

( ̄▽ ̄;)

この物語はハッピーエンドの推理小説じゃなかったのかよ
エルム街の悪夢みたいなホラー仕立て?

このエンディングは予想の斜め上だわ…
ただの勘違いでありますように祈ります
美味しければ…いいんです







1に牛乳2に牛乳、3・4がなくて5に牛乳 ヨークシャーティーとはミルクティーのためのお茶

2012年06月12日 | 紅茶・ブレンド
前回の記事で申し上げたとおり、イギリスのご庶民の紅茶デフォルトは
「ミルクティー」「マグカップ」「ティーバッグ」である
もともとは紅茶より先にあったコーヒーハウスでのミルク+シュガーの習慣が
紅茶の導入に持ち込まれたらしい

『英国ティーカウンシル(The United Kingdom Tea Council)によれば、
イギリスで一日に消費される紅茶は1億6500万杯。
日本人からすると意外かもしれないが、
実はそのうちの96%はティー・バッグを使っていれられている。』

『さて、そのティー・バッグをマグにひとつ入れ、電気ケトルで沸騰させたお湯を注ぎ
色がしっかりでるまで待って、ミルク(牛乳)を入れて飲む、
というのが最も典型的なイギリスの紅茶の飲み方だ。
前述のティーカウンシルのデータによれば、98%もの人が紅茶にミルクを入れるという。』

以上、asahi.comの記事『続発!観戦チケットめぐるトラブルと、英国流紅茶の飲み方』のコピペ
この記事は面白いからリンク飛んで読んで見てください
他にもいろいろ現地の紅茶事情が書かれています
(そういえば今年ってロンドン五輪だったっけ…この記事見るまで忘れてたわ)

とはいうものの、
テイラーズ・オブ・ハロゲイトのお初の茶葉がティーバッグというのは実力が量れないので
ヨークシャーティーは敢えてリーフにしてみた
軟水用である
250gしかなかったので、インフレに怯えながらも購入
トップの写真がそれである
レインフォレスト・アライアンスのカエルマーク入り
ううう…このマークが付いた紅茶もコーヒーも美味かった記憶が無い
胸騒ぎを覚えつつ開封する

中はこんな具合


こ…こまかい
ティーバッグの中身のようだ
細かいCTCと細かいBOPの砂礫のような茶葉である
香りは…ケニア系アフリカ茶が優勢で、低級アッサムがそれを追いかける感じ
少し埃っぽいが、カビの埃っぽさは無い…
1g=1円未満のお茶である
よしとしよう

原産国:ケニア、ルワンダ、ブルンジ、南アフリカ、インド、マラウイ、スリランカ、
    
なんつー身も蓋もないブレンドだ
安くて濃く出る茶葉を世界中からかき集めてある
なにしろ250g=242円なのだ
イオンTOPVALUのセイロン・ジャワTB、50P(90g)188円が高いお茶に見える

さあ、淹れてみよう
いつものとおりの3g/150mlでいく
細かいので蒸らしは3分ジャストで

注いだものがこれである


こ…濃い
これコーヒーかな?と見紛うばかりの濃さである
香りはない
ないわけじゃないが、なにかが香る、という香りは無い
現地の価格を知っているから驚かないが、日本価格の100g=700円だったら
間違いなくこれではなく、トワイニングのアイリッシュ・ブレックファストを飲むぞ
…と思いながらストレートで一口すする

いや~、これはないわ
渋くはないが、濃くて重くて風味がよくわからない
ココスのルクリリ系の感じだがルクリリより没個性じゃないか?
なぜこれをイギリス人は普通に飲んでるのか不思議になってくる
いや、不思議ではない。なんせ1g=1円未満のお茶なのだ。当たり前だ。
日東のDAY&DAYに文句を言っても無駄であるのといっしょ
日本人的に言えば、番茶を飲んでるのと変わらない感覚なのだ

実際ここでNirvana・Cafeは、もうがっかりしていた
しかし、ここで「ミルクを入れなければ始まらない」のがこのお茶だったのだ

ここで半ば諦めムードでミルクを投入する
だが、その色がすごかった


こ…この見事なゴールデンブラウンはなんだ?
もしや、まさか

あわてて飲んで衝撃が走る
う…美味い!
なんだこりゃ?
牛乳入れたら化けやがった
このキャラメルのような風味
香りまで甘くなってるってなんなのよ
なめらかでコクと甘味が一体となっている
ものすごくまとまりのあるブレンド
すべての風味に乖離がないのだ
まるで「ミルクティーという単体の物質」があるかのような感じ
この価格でこの味わいはないよな
すいません。私が間違ってました
ストレートで飲むのは法律違反でした
認識を改めますから許してください


ほんとに、日本人とイギリス人の紅茶の味覚の認識の違いを見せつけられた
ある意味、紅茶人生のなかの《事件》といってもいいくらいだ
(うん、ヨークシャー事件とでも名付けよう)
『98%の英国人が紅茶にミルクを入れて飲む』というティーカウンシルのデータが
今更ながらにリアルに迫ってくる
ヨークシャーティーをストレートで飲んだときの、絶望的な紅茶とも思えないような味を
英国人は誰も知らないのかもしれない、と思っちゃうくらいである
ミルクの、ミルクによる、ミルクのための紅茶!


「じゃあ、ミルクもイギリス式に《ノンホモ》《パス乳》でなければほんとの美味しさはわかんないんじゃないの?」


と、日本のマイナーな(神戸では有名な)『共進牛乳』を入れながら
そんなことをのたまうのは、もちろんうちの旦那であった

確かに日本の牛乳は外国人には不人気である
高温殺菌で焦げた味のする、脂肪分の均一なホモジナイズされた日本の牛乳は、
欧州では普通な低温殺菌(パスチャライズ)で、クリーム層のあるノンホモジナイズの牛乳よりまずいそうである
(資料:ホモジナイズとノンホモジナイズ)

では、イギリスの牛乳事情はどうなっているのか?

『イギリスでは、毎日飲むのは「パスチャライズド牛乳」で、
あまり買い物に行かない無精者や料理用に使う時だけの「高温殺菌牛乳」と分かれているのに、日本では毎日飲むのは「高温殺菌」、
高級な牛乳は「パスチュライズド(低温殺菌)牛乳」とぜんぜん違うんです。』
(BLOG:Rose Grove Notes ガルゲイトの花屋より)

で、そんな牛乳どこで売ってるの?
ということで旦那がネットで調べた結果
「木次ノンホモ牛乳」1000ml・368円
というものが阪急Oasisにて販売されているらしい

ノンホモでパス乳
まさにこれ…さすがに高いが
阪急Oasisは職場からどうにか歩いていけるらしいので、仕事帰りに寄ろうと思いきや
そういう日に限って、久しぶりの残業で寄り道の時間が無い
仕方ないので、いつも行くスーパーの牛乳コーナーを見ると
共進ジャージー牛乳4.6無調整」なるものが置いてある
たしか、ジャージー種ってイギリス産だったよな…というあやしい記憶を元に
異常に乳脂肪分の多い兵庫県産ジャージー乳をお買い求めした

さて、ノンホモでもパス乳でもないが、イギリスの牛の乳でミルクティーにしてみた

これがまあ、美味い
牛乳自体も美味いが、ジャージーのヨークシャーティーのミルクティーは格別だった
脂肪分が多いと香りが立つのだろう
香りの揮発成分は油性だからだ
普通の3.7牛乳より華やかな仕上がりになった
ジャージー乳を入れるとアッサムの香りとケニアの渾然とした感じになる
コクは申し分なし
(だが500mlで238円は高いぜ)

のちほど調査した結果、イギリスでもホルスタインの牛乳が92%で、ジャージー乳は2.3%らしい
『イギリス ジャージー事情』OHAYO乳業のサイト
イギリスではみなジャージー乳を飲んでる、というガセネタもあるが、そうではない
これはイギリスでも日本でも高級品なようだ
《ノンホモ》《パス乳》はデフォルトのようだが…
だが、英国人はそのよく言われる「ノンホモ牛乳のクリームライン」とやらを
ミルクティーに入れて飲んでるんだろうか
基本的にこれは攪拌して手動的にホモジナイズするんだろ?
そのためにあの取っ手付きのプラスチックボトルに入ってるような気がするのは私だけか?

住んだことのない国の日常を推し量るのは、並大抵のことではない
ミルクティーを飲むのに、牛乳を振るか、振らないか?
そんなことはググっても、正しい答えが書いてあるかないかなどわからないのだ

ちなみに、先ほどの「イギリスでははとんどがジャージー乳である」という誤情報は
『ミルクティーには、どんなミルクが合うのか 紅茶専門店 TEAS Liyn-an(ティーズリンアン)』
に、書かれている
この店はよい紅茶葉を扱っているわりと有名な優良店だから、信じる人も多いだろう
この実験記事自体は、とてもよいレポートなので参考になった
だが、ジャージー乳については間違ってる!
情報とは、ほんとにきわどいものである

ジャージー乳は、元来イギリス王室御用達の高級品で
ジャージー島は英国王室の属領であった
いわゆる“ロイヤル”ミルクというのはそういう意味らしい
じゃあ、ロイヤルミルクティーはジャージー乳じゃなきゃ成立しないのか!
(注:イギリスでは“ロイヤルミルクティー”なるものは存在しないらしい。和製英語とのこと。)


さて、阪急Oasisに行ってきた
残念ながら、ノンホモはなかったが、木次のパスチャライズ乳(1000ml・340円)があったので購入


実は私の実家は生活クラブの会員なので、実家暮らしのころは毎日ガラス瓶のパス乳だった
だから、美味しいのはよく分かっている
しかし、ヨークシャーティーに入れて飲んだことはない
いよいよレビューである

牛乳先入れで、上からヨークシャーティーを注ぐ
きれいなゴールデンブラウンは変わらず
香りはどうかな?
ジャージー乳の時よりケニアティーの香りが強く出る
味はすっきりさわやかで依然としてマイルド
牛乳の甘さがあり、それが紅茶の濃さとマッチしている
このさりげなさは、毎日飲むのに適している
ジャージー乳はコクと華やかさがあるがちょっとぜいたくな味だ。太りそうな(笑)
パス乳は落ち着いたまろやかさと後味がいい。高温殺菌の牛乳臭さがなく、舌に残らない
焦げた乳臭さが無いパス乳は、紅茶の香りをそのまま出すようだ
ケニアに代表されるアフリカ紅茶の独特の香りがお好みでないかたは、
美味しい高温殺菌の無調整牛乳をおすすめする


総評:この値段で、このミルクティーは、日本では破格に美味しい
   ストレートで飲む価値は考慮されていない。あくまでも、ミルクティーで飲むべき
   しかし250g=1780円(100g=712円)のお茶の価値はない
   その値段を払うなら、日本円で同じコスト(100g=700円)のトワイニングの
   アイリッシュブレックファストのミルクティーを飲んだ方が確実に良い
   ミルクはそれぞれの良さがあるので、好みによる 


私はチャイから紅茶に入ったのでミルクティーは大好きだが
美味しい日本茶で育ったために、ストレートの紅茶の香りは当たり前に重要だった
しかし、ほぼミルクティーしか飲まない国からの輸入品のレビューで
ストレートの紅茶の香りを云々するのは「お門違いである」ということを
このヨークシャーティーで学んだように思う
そして、明らかにわかったのは
「私は、ストレートでもミルクでも香りの良い紅茶を飲みたい」という自分の好みである
遅まきながらそれをはっきりと認識した
だが、しかし…


ちょっと紅茶の世界認識が変わったな…
いや…なんか固定観念がひとつ拭われた感じ
いくつになってもこういうことがあるのは人生の豊かさというものに相違ない
散財が報われるというもんだ





   









第2フェーズは英国ご庶民紅茶事情&デカフェの現状! そして1ポンドは現在122円

2012年06月10日 | 茶話

しばしば陥るカフェイン性のめまいに結構悩まされていて
そんな中、貢いでもらったクスミティーのデテインが美味しく
じゃあ、デカフェという選択もありだな…という
晩酌の止められないお父さんが会社の健康診断で
肝機能にD判定もらってノンアルコールビール飲んでるのと同じ状態(笑)
なんかわかっちゃたよ、その気持ち…
ワンカップ大関でも飲みたい薬物依存ジャンキーが次に理解する、病んでも飲みたいってやつがさ!
さらに、今年の前半にトワイニングに光と闇を見せてもらったので
じゃあイギリス人のご庶民は何をいくらで飲んでるのか?
という、素朴な疑問がわいてきたというのもあり、いつもの身も蓋もない調査を開始した

とにかく、いろいろ調べた結果、イギリスでは
「ハロッズやF&MはPOSH(気取っている)で普通の人は飲まない」
「トワイニングすらPOSHであるという人もいる(まあ、王室御用達ですからね)」
「ロンドンの一般人はTetleyかPG tipsかYorkshire teaをスーパーで買う」
そして
「イギリスではミルクティーがデフォ。砂糖を入れるかどうか聞かれても、ミルクを聞かれることはない」
「基本、マグカップで飲む」
「ほとんどがティーバッグで、1日に2~3杯を消費する」
「家飲みが普通。ティールームにはあまり行かないし、それほど店舗もない」
「ウィッタードを知らないイギリス人もいる(2008年に経営破綻してるし、若者の紅茶離れもある)」

そうか、ご庶民ティーはTetleyかPG tipsかYorkshire teaだって?
え…ヨークシャーティーですって?
なんと!あのテイラーズ・オブ・ハロゲイトはイギリスのパンピー用のお茶だったのか!
という、間違いじゃないが、正しくもない認識を持ったのは5月下旬のことであった

お待たせしました(←誰が待ってるのかは不明)
第2フェーズはついにテイラーズ・オブ・ハロゲイトだ!
らららら~

ノーブルがゆえに世事にうといNirvana・Cafeは、2年前くらいからテイラーズ・オブ・ハロゲイトの存在を知り
興味が有りつつも、まだ飲んだことがなかったが
水質によってブレンドを変えてくるという繊細さに感心し、いつかは飲みたいと思っていた
こちらが日本向け公式サイトーTaylors of Harrogate
この「ヨークシャーティー飲んでみてぇぇっ!」という紅茶マニアの魂のようなものが
デカフェだのなんだのを大義名分とした、今回の散財の原因である

よし、せっかくだから、ヨークシャーティー・デカフェだっ!
元が分からないと話にならんな
よし、ヨークシャーティーのリーフ行こう!
デカフェの比較が無いな
よし、PG tipsのデカフェだ!
(ユニリーバめ!きっと本国ではまともな茶葉使ってるに違いない!)
え? 紅茶インフレ? それは人の名前かなんかですか?(←完全に逃避)

というわけで、気がつけばネットで安い通販を探していたのだった
んで、とりあえず一番安くて品揃えのあった

紅茶通販テトリー(TETLEY, テトレー)コーヒー通販 ダウエグバーツ(Douwe Egberts)とデカフェの店「エリズコーヒー」
と取引決定

・ヨークシャーティー リーフタイプ(Yorkshire Tea Traditional)250g 1,780円
・ヨークシャーデカフェティー 80bags(250g) 1,480円
・PG tips デカフェ 40bags(125g) 930円

以上3点、送料・コンビニ決済手数料込みで、4740円
茶葉100グラムあたり約760円か
初期投資としてはまあまあ、か?

そんなこんなで6月頭に荷物が届く


さあ、心ときめく新しい世界だ!
…と、喜んでばかりはいられない

実は、このヨークシャーティー・トラディショナル、
テイラーズ・オブ・ハロゲイトのUKサイトでは、250gで1.99ポンド=日本円にして242円
なんと1gが1円未満、という冗談のようなお値段
エリズコーヒーの通販価格は、公式オンラインショップの2100円より320円安いとはいえ
UK価格のじつに7倍以上…!
驚きのボッタクリっぷりである。イギリスブランド詐欺とでも言おうか?

ちなみにデカフェでない通常のPGtipsのTBは500gで4.18ポンドだった
日本円にして100gで102円…こちらもほぼ同じコスパである
PGのデカフェは500gで4.76ポンド。100gで116円
エリズコーヒーの輸入PGデカフェは、100gで744円
UKのPGのパックは大入り袋で割安とはいえ
とてもじゃないが同じ商品とは思えない価格の落差である(約6倍)
だがそれでも日本のオンラインショップではかなり安いのだ…orz

欧州危機でユーロが下がり、英ポンドも凋落を免れない昨今
1ポンド=122円だぜ?
輸入業者!少しは円高差益還元しろっての!
2010年の4月には140円前半だったポンドも、2011年の秋に底値の118円台をマーク
冬に多少盛り返したものの、再び118円を割り117円にまで下がる
2012春には130円まで復活するも、6月に入るとズルズルと120円に
いまはなぜか少し持ち直してるけど
ロックフェラー・ロスチャイルド提携の影響でもあるのかね
ちなみに10年前の今頃(2002年6月10日)は1ポンド=181円だった
がんばれイギリス


今後の流れとしては、単純なコスパは語れない
日本では100g=700円だが、現地では本気で安い100g=100円のご庶民ティーということをふまえたレビューとなる
心してかからねばならない
この際、コスパという概念はおいておこう
イギリス人は、何を、いくらで、どう飲んでいるのか?
茶葉の高いのはお勉強代ってことで
ロンドンに行くより安いからな!

そんなこんな書いてたらくたびれてしまった
今回は英国事情ってことで(行きもしないで英国事情語るバーチャルなブログです)
紅茶のレビューは次回以降に…

To be continued!