ANANDA・Cafe

独善的偏向偏執的毒舌紅茶&カフェのブログ 真実は香り高く甘くそして…渋い 良い紅茶のようにね

四度、野良セイロン到来…だがイカリの無銘セイロンは一味違った 《LUCKY LEAF SUPER FINE TEA》

2012年11月27日 | 紅茶・セイロン


(その際、旦那が再び無銘の野良セイロンを購入したことは後に触れようorz)

(『宿敵ユニリーバへの稀な賞賛 リプトン青缶《エクストラクオリティ セイロン》…と堀江さんの紅茶本』11月23日 当ブログ記事72~73行目参照)

後に触れようと言ったからには…
前回のリプトン青缶事件に引き続き
なんと今回、まさかのスピンオフです

「無銘セイロンハンター・うちの旦那!(まとめ)」

脳内にインストールされた美味いものGPSとコスパ判定ソフトを自在にあやつり
なぜか名もない無個性セイロンを針の穴を射る精度で選び抜く
それは無銘セイロンハンター・うちの旦那だ!

今までに3回やったからね
だから今回は4回目だ
(高尾珈琲セイロンは私の仕業だから数には入れません)
「二度あることは三度ある」とか「仏の顔も三度」とか言いますがね
それを突き抜けた記念すべき4回目…記事にしてやる!

1回目:萩原珈琲 野良セイロン200g・400円
2回目:スーパーTOHO 野良セイロン200g・400円
3回目:ロッコーコーヒー 野良セイロン100g・330円

そして今回が
4回目:三宮イカリ《LUCKY LEAF SUPER FINE TEA Finest Breakfast》セイロン 250g・1480円
である

らっきーりーふ…だと?四葉のクローバーマークといい、見たことがないメーカーである
そして…高い…これは高い
コスパ判定ソフトが働かなかったというのだろうか?
今までの100gで2~300円というラインから大きく上に外れている
100g・592円。無銘だが野良セイロンというには高級な価格帯だ

それにしても、この会社についてはなんの情報もないのか?
缶を見てみるがパック&プロデュースはスリランカとなっている



スリランカの会社なんだろうか? CTP Pre-Packed Exports(Pte)Ltd.…ゾウが可愛い
缶のデザインが案外ステキだったりするんだが
…と、裏返してみると



なんと例のセイロン・ティーボードのマーク入り
不味くはなさそうだが…

というわけで、ググってみた
クリティカルヒットしたのは1件
CTP Pre-Packed Exports(Pte)Ltd.

"CTPプレパック輸出(PTE)LTDは、"スリランカはプレパックフォームで最高のセイロンティーをエクスポートするためのプロジェクトを承認した投資委員会です。マーケティングセイロンティーワールドワイドにおいて、当社は、製品のそれの全体の範囲のための唯一の最高のメイングレードお茶を選択する戦略を踏襲している。(以下略)
(グーグル翻訳そのまま)

リンクに飛んでいただければお分かりかと思うが、スリランカの会社だった
PBを委託されたり、OEM作ったりという企業らしい
現在の輸出市場: フランス、オーストラリア、ボリビア、アルゼンチン、チリ、ウルグアイ
        ロシア、ウクライナ、ベイルート、イタリア、台湾、日本、サウジアラビア、
        ニュージーランド、英国、北米市場

残念ながら、オンラインストアもなく、価格も一切HPでは不明
日本のスーパーとか生協なんかもこういうところにプライベート・ブランド(PB)作ってもらって
セイロン・ティーボードのマークを付けてるんだろうな…という想像はできます
こういう中小零細企業はスリランカには多いんでしょうな

さて、いつもの能書きはこれくらいにして
SUPER FINE TEAがどのくらいのレベルのセイロンティーなのか見ていこうではありませんか


まず茶葉を見よう



発酵の高そうな、オーソドックスなセイロン・ブレンドの香りがする
ディンブラ系だ。無銘のセイロンはオーソドックスでなければならぬ
そしていかにもセイロン的な細かいブラックなBOP

しかし、この茶葉、茶葉の香りがやたらと新鮮である
ホコリ臭さの微塵もない。ツヤもある
個性はないが(またしても)、良質な茶葉には違いない


では、淹れてみることにする
いつものように3g・熱湯150cc・3分でいってみた

▼香り
蓋を開けると、茶葉と同じくいかにもセイロンらしいディンブラ系の
落ち着いたオーソドックスな香り
水色はかなり濃い、ブラックティーと言ってもいい
やはり個性はない。もう、ほんとにスタンダード
クセもひねりもなく、素直に良い香り
では飲んでみよう

▼味
控えめだが良い渋みと、かなりコクがある
ミドルグロウンの飽きのこないしっかりした味
甘めの味で、のど越しは良い
鼻の奥で少しハイグロウンな香りが立つ
これならストレートでも十分いける
やはり個性はない。もう、ほんとにスタンダード
クセもひねりもなく、素直に良い味わい

次は、ミルクだ
Finest Breakfastというからには、ミルクティーが前提だろう

▼ミルクティ
ミルクを入れるとコクはそのままにマイルドになる
香りも残り、しっかりしたボディで腰もある
華やかさはないが質の良さを感じる
安心して飲める安定感


▼総評
繊細さでも重厚感でも上品でも高級でもなく
《上質》《良質》という言葉がふさわしい
ドイツ人好きそう(←単なる偏見)
かつてない上質な無銘のセイロン
茶葉、香り、味わい…すべてが上質で健全
だがいつものように特徴は全くない!
美味しい紅茶のカサ増しにはもうぴったり
でも、これくらい質がいいと、これだけで飲んでみよう、という気になる
いまんところ無銘の野良セイロンの最上をマークする製品である
SUPER FINE TEAの名は伊達ではなかった
これが、あと100gにつき100円安けりゃ申し分ないんだけどなぁ…



というわけで、今回の無銘のセイロンは素晴らしかった
しかし、この無個性っぷりは堅持するんだよな…うちの旦那のセンサー
まあ、絶対に私が買わないラインナップではあるので
これもありっちゃありなんですがね

さて、その無個性な美味しい茶葉250gがその後どうなったかというと
なんだかんだでブレンドしまくって結局もう、ほとんど残っていない
実は、この茶葉1杯分に、リプトンの青缶をスプーン半杯足してミルクティにすると
得も言われぬ美味いミルクティになるんですよ!
セイロン同士だから相性がいいのだろう
こんなイレギュラーな楽しみも、自分と趣味とセンスの違う人間と暮らしていればこそ…
だが、青缶と共にこれをイカリのレジ袋から出した時には
「な、な、なんで敢えてこれ!?」と驚き呆れたのは事実ですがね(笑)


“無銘セイロンハンター・うちの旦那”はこれ以降も多分たまに活躍するのだろう
スピンオフがレギュラー番組になるケースも稀に有りますが
なんだか、『刑事コロンボ』の「ウチのカミさん」みたいだな(『ミセス・コロンボ』覚えてる?)
あんなつまんないスピンオフはなかった
『無銘セイロンハンター・ウチの旦那!』はせめて『鑑識・米沢守の事件簿』くらいのレベルは欲しいものである
(それは君次第ではないか?…はいそうです)


でも続く~っ!?

宿敵ユニリーバへの稀な賞賛 リプトン青缶《エクストラクオリティ セイロン》…と堀江さんの紅茶本

2012年11月23日 | 紅茶・セイロン
先日、といってもかなり前の話

夏の終わりに神戸は元町商店街をウロウロしていたときのこと
とある古本屋に入った
『学を絶てば憂いなし』的日々のNirvana・cafeは
最近はコミック以外にあまり本も読まなくなったのですが
たまに古本屋に入ってみるのです
あの古本屋の匂いが好きなんだよな

結構品揃え豊富な広い古本屋で、なかなかいいチョイスの買い入れ
往年の私なら即買いしてるだろうマニアックな国書刊行会の妖しいヤツなんかが
あちこちに並んでましたが
あるコーナーに大変珍しい出物があった

『紅茶の本 ー紅茶とじょうずにつきあう法ー』
『紅茶で遊ぶ観る考える』

ムジカのオーナー堀江敏樹氏の紅茶本である
しかも直筆サイン入り
いつも神戸ムジカにいくとこの本欲しいなぁなどと思っていつも買わないんでしたが
いやぁ、紅茶マニア執念の“引き”ですなこりゃ
といっても、神戸ムジカは元町なんだから地元に出物があってもおかしくはない
でもこのマニアックな本が神戸でも古本屋に出てるのは初めてだったんで
これは超ラッキーでしたよ。1冊300円だからね!(定価は1500円/1400円だから)


さて、早速『紅茶の本 ー紅茶とじょうずにつきあう法ー』から読み始めたんですが
最初の章がこんな題でした

『青缶は紅茶のバロメーター』

そうです
紅茶マニアなら、誰でも1度は口にしたことのある《リプトンの青缶》
正式名称は《エクストラクオリティ セイロン》という
1907年(明治40年)に日本で売りだされた、紅茶のデフォと言っても良いあのお茶です
セイロンのハイグロウンティーとはヌワラエリヤのことですが
日本にはじめての銘柄紅茶として輸入されたリプトンの日本人仕様のブレンドで
日本人の味覚に合うように、緑茶に近い爽やかで香りの良いブレンドにしたとか
この紅茶で、紅茶の味を知った紅茶の先輩方は多い

ですが私、もともとインドチャイから紅茶に入れ込んだというきっかけに端を発し
長いことアッサムを始めとするインド系の茶葉メインと、台湾・大陸系の中国茶を並行し
そして濃厚なアイルランド紅茶に横滑りしていった経緯があり
その順路で最後に辿り着いたのがセイロン系だったというのもあり
いつもこの青缶を横目で見ながら、この日この時まで全スルーしてたっていう外道っぷりですよ
もともとリプトンのイエローバッグがあまり好きではない
そして3~4年前からイエローバッグはとうとう品質も味もついに崩壊してしまったので
それ以来、もうユニリーバというかリプトンは見放そうと心に誓い
そして「クソ~」とか「宿敵」という名誉な称号を一方的に与えつつ
今まで(ブリスクとPGtips以外)悪口雑言を尽くし、口を極めて罵ってきたわけです(笑)
森永とサントリーのせいというのも多々あるが…
 
青缶が美味しいという噂は聞いていたが、今のリプトンの所業では
そのクオリティは保持されているかどうかなどわかったもんじゃない、という疑心
しかし、私がセイロン紅茶で最も愛するのが、ヌワラエリアのハイグロウンティだという誘惑
その葛藤にとりあえず終止符を打つに十分だったのが、この堀江さんの紅茶本だった
というわけ

『…実はこの青缶が私と紅茶の関わりにおいて、はじまりであると同時に今もずうっと基本になってるんです。
というのは、私にとって、この青缶がセイロン紅茶の味をチェックする時の基準になってるんですね。』
(『紅茶の本』P.10より抜粋)

基本独学で、そんなに紅茶本を読まないできたわけですが
まあ、あのムジカを作った人の言う事だ。とりあえず初心に帰って青缶を買ってみよう
…怖いけど(←ええ、下手するとクソまずい紅茶が1缶も我が家に残留するなんてホラーだよホラー)
どんだけ人様に信用ないんだ(笑)
まあ、ちまたの紅茶レビューを読んでどれだけがっかりする体験したかという現れでしょうね
自分で飲む以外ないわけです
でもそんな中でも堀江さんの話は、ムジカという信頼のティールームがあるからこそ信じるに値する
著者の実店舗で紅茶飲んできた強みでしょう

ですが、この本は1992年に書かれた代物。計算するとちょうど20年前なんですよあなた
この20年の間にどれだけリプトンが変質してきたか…
堀江さんの青缶に対する発言が、いまこの時点で「やはり変わらず美味しい」なのかどうかは
はっきりいってわからないいんだああああ

だがしかし、不味くても美味くても、記事のネタになることは請け合い
前と比べて現在はあまり姿を見かけないリプトンの青缶の現状をレポートするのは
これ紅茶レビュアーとしてはもう義務なんじゃなかろうかと(笑)
なぜならググってみても「おいしい♪」「香りがいい」「爽やかで大好きです」
なんていうお洒落な画像満載の“買いました・飲みました♪”レビューしかなくてよー
…わかるけどさ。普通に香りが良くて爽やかで美味いんだよヌワラエリアは
ってことは、リプトンの青缶ならこのレビューがイチ押し!的な位置は俺様が確保…だな(ニヤァ)

ああ、がんばろう…恐怖に打ち勝ち明日への栄光をつかむんだ
だが、どこに売ってるんだっけ?

方々探した結果、旦那に仕事帰りに三宮のikariに寄って買ってきてもらう
(その際、旦那が再び無名の野良セイロンを購入したことは後に触れようorz)
110gで765円…あれ、わりとコスパ良好(美味しければね)
110gというグラムは珍しいが、100gで695円。
だいたい美味しい茶園物のヌワラエリヤは50gで7~900円が相場

で、とうとうやって来ました青缶です

 

缶の色といい、デザインといい、秀逸
さすが明治時代から変わってないというだけのことはある
こういう優雅さがいいね

では茶葉を見てみよう
蓋を開けると、新鮮な茶葉の香りがする
微かなホコリ臭さは許容範囲。酸味のある青草の若い匂い



実際より多少赤い画像になってしまったが、これを少し黒めに脳内修正して欲しい
いかにもセイロンな細かいBOP
発酵の浅いオリーブグリーンの茶葉と、濃いブラックな茶葉、あと明るいブラウンの茶葉が混在している
ブレンドであるのは間違いない
缶の後ろには「おいしいいれ方」がある



まとめると
・3g
・熱湯150cc
・2~3分
という仕様

もし、ヌワラエリア単体であれば、当然熱湯では淹れない
それはダージリンをマスカテらせるのと同じ技法を使う
曰く、90℃・5分抽出である
5分は短いんじゃないかという向きもあるが、これはヌワラエリアはだいたいBOP
渋くなりやすいのが特徴なので、敢えてダージリンより短めにセッティングすべき

しかし、青缶はヌワラエリア中心の“ブレンド”であるわけで
この場合熱湯のほうが香りがいいことも考えられる
温度はいろいろ変えてみて良いところを見極める必要があります

さて、試飲の時は来た
期待と不安の錯綜する中、2種類の仕様で淹れてみた
青缶は果たしてまだ生きているのか?
以下、レビュー
まずは熱湯でいってみた


▼熱湯・2分

ドキドキしながら蓋を開ける
おお、こ…これは!
香りはヌワラエリア独特の爽やかな良い青臭み
こんなにヌワラエリアっぽい作りなのか、とそれに感動
熱湯だと多少の香ばしさが出るような気がする
一口目でいきなり甘さがある
これは他のブレンドされたセイロンの味かも
そのせいで控えめな落ち着きがある
最初は渋みは控えめだが時間がたつと少しずつ強くなる
冷えると後口の渋みの後にウンシュウみかんの実の味がする


▼90℃・5分

より香りにヌワラエリアらしい若さと青さが出る
甘さ香りがマイルドで軽い口当たりが良い
冷えてもあまり渋みがでない
香りにも味にもフルーティさが少し加味される
甘めでほんのり柑橘系の葉っぱ的な
すだちの皮とかプチグレンとかみかんの葉っぱとか
だが、味にも香りにも酸味はない
冷えてくると香りが少しクリーミーになる


▼総評

堀江さんにそそのかされたことを感謝しなければ…という第一声
ユニリーバのくせに!リプトンのくせに!
美味しいじゃないか!悔しい~(←ポジティブな評価なのにねじまがっている)
期待がそれほどなかったのが功を奏して、このコスパでこの味だったら十分と思わせてくれた

熱湯・90℃、ともに特徴があって淹れ方でニュアンスの変化が出せる
キレのある味わいを楽しみたい時や、ミルクを入れるなら熱湯のほうがよい(ミルクなら熱湯3分かな)
90℃は、よりヌワラエリアの風味を楽しみたい時。ストレート推奨
実は1缶で2度楽しめる。発見だ。いや欲が深いのだ。

どちらも風味全体ではラバーズリープよりマイルドだがマハガストットより強い感じ
だからといってその二つの茶園には質は匹敵しない 。ブレンドだし
ヌワラエリア単体と比較すると爽やかさの中にミディアムな落ち着きもある
ゆえに飽きないで毎日飲めるように作られている
茶園物と比較すると繊細さは確実に劣る。それはこの価格帯では当然
でも、毎日飲めるお茶はそういうものだ
言ってみれば「高尾珈琲のセイロン・レストラン・ティ」に似ているなぁ
逆か。無銘の高尾セイロンが、青缶風にブレンドされてるんだ、きっと
高尾セイロンができる主任クラスの社員だったら、青缶は課長くらいですかね
でも出世はそこ止まりです。そういう控えめさが良いの

ちなみに、ムジカでは《Morning Breeze》というブレンドがある
これは堀江さんが青缶に敬意を表して作ったブレンドだそうな
私はまだ飲んだことがないが、226gで1050円だそうだ。
100gが464円…すばらしい。この青缶が無くなったら買いに行こう
(ステマと言うか?…まあいい)


さて、ヌワラエリアは酸味のない柑橘系の風味があると今回確認
これが前にちょっと言った「エスティ・ローダーのプレジャーズ」に似ているというところか?
(でもプレジャーズって柑橘系の香料入って無いんだよね。不思議)

…そういえば、以前ミツティーさんの通販で
新茶到着!セイロンティー ヌワラエリヤ紅茶 みかんのような…♪ ペドロ茶園 BOP 40g
というのを見たことがある
「とんがってなく、飲みやすいのに、柑橘系! 
それも…みかん~!ヌワラエリヤ特有の刺激的な渋みも、
このみかん風味に隠れてぜ~んぜん、気にならない…。」

だったようです
でもわかるわそれ
実際飲んだわけじゃないのよねこれがははは
これは一度飲んでみたいヌワラエリアではあるな
(ステマ乙…じゃねーよ)



牛に引かれて善光寺参り
といった顛末ではあった今回の青缶事件ですが
これを飲んで思い出したことがある

5年くらい前、東京の実家の最寄り駅の近くに新しくカフェバーがオープンして
夕方6時以降はバーだが、昼はカフェだというので入ってみた
当然紅茶を頼むと、紅茶のメニューは1種類で、ミルクはポーションという有様
出てきたのは、水色の薄いカップティー
これは…ドツボだね。と半ば諦めて飲んだ瞬間驚いた
(ヌワラエリヤじゃないか…)
これが美味くてここに通ったのだ
「ストレートで」といつもポーションを排除して注文
ケーキが自家製で美味しかったし、この紅茶ならここらのカフェではもしや1番では?
(その駅の周辺にはろくな喫茶店がなく、そこができるまで紅茶はドトールだった)

いまならわかるあれはリプトンの青缶だ
そこのマスターはけっこういい年の親父さんだったんだよね
きっと紅茶はこれだけでいい、とか決めてたんだろうな

飲んではいたよ…知らないうちにね
そうさ、あれは美味しかったさ(ぐぐ…)



3代目“無銘のセイロン”はやれば出来る子だった ディレイで襲いかかる高尾珈琲セイロン

2012年01月27日 | 紅茶・セイロン
えー
毎度バカバカしいお話を一席

巷には、やれマリアージュフレールだのトワイニングだの
テイラーズオブハロゲイトだのロンネフェルトだの
フォトナム&メイソンだのハロッズだのとございますが
いわゆるブランドとは関係ない野良紅茶みたいなもんがございまして
大概がこう銀色のアルミ蒸着パックとか紙袋
中には日光が透けて通るのもおかまいなしといった
パリパリの透明ポリエチレンに入ったものもございまして
中身はと言うと大概がセイロンBOPですな
そのような紅茶はディンブラだのルフナだのウバだのという
野暮な記載はございませんで
いたってシンプルに“高級セイロン”やら“ホテル業務用”などと
書いても書かなくても変わらないといった風情がおつなものでございます

ブランドとは関係ないと一口に申しましても
業界では輸入会社が信用のある名前になっているところもございます
リーフルさんとかシルバーポットさんえいこく屋さんなんかも
その道の方ならよくご存じと思いますが
…そんなんじゃないのがこの紅茶

無銘のセイロンはだいたい200gで400円
よくお茶屋の軒先、チェーン店じゃないスーパーのお茶コーナー
コーヒー豆屋の紅茶コーナーにひっそりと置かれてるってぇシロモノ
そんな紅茶は君子危うきに近寄らず、避けて通るに限るとばかりに
スルーにスルーを重ねて参りましたが
昨今の私はコスパの追求でぐるっと方向転換
“安物の茶にも五分の魂、三分の理”(←ねつ造)という現実をかいま見てしまったわけでございます

それは萩原珈琲の200g/400円セイロン(一代目)から始まりまして
業務スーパー・セイロン・ティーバッグを経て
二代目が旦那の買ってしまった“おどろきの白いキャンバスのようなセイロン”
ここから「無銘のセイロン」という名が生まれたわけでございます


その無銘のセイロンが無くなり、慢性的な紅茶インフレが多少解消された昨年の12月
あのトワイニング・アイリッシュ・ブレックファストをなぜか置いてある
職場近くの普通の弱小チェーン展開スーパーのいつもの紅茶売り場を眺めていると(ヒマだな…おい)
そこに見慣れぬアルミ蒸着パックが並べられていたのだ

それが
味と香りの高級紅茶 CEILON RESTRANT TEA”by 高尾珈琲株式会社
お値段は200g・399円(スーパーの特価)である
HPでは200g価格(税込) 630円
この方…紅茶飲みの直感で値段以上のオーラを感じ購入した

『高尾珈琲は昭和25(1950)年の創業以来コーヒー一筋に経営を続けてきました。
味に厳しい人が多いといわれる大阪・鶴橋の地で、つねにお客様にご満足いただけるよう
品質にこだわり本物の味を追求してまいりました。』
以上高尾珈琲HPコピペである
…知らなかったこの会社
小さい焙煎珈琲会社ってほんといっぱいあるんだな
といっても他のブログを調べてみると京都・大阪ではよく見かけるらしい
珈琲一筋なんだが、今回は申し訳ないことに高尾さんでは1種類しか扱っていない紅茶のレビューを…
わざわざやるんですかね?
やるんですよ
なぜならこの子はそこらの名無しとは違うからなんです!

無銘の紅茶は我が家のデフォルトになっている
・ブレンドのベース
・匂いの濃いフレーバーティーの希釈
・高級茶葉をケチって香りだけ楽しみたいとき…などなど
一代目、二代目と使い道を開発してしまったために逆になくてはならない存在へと成長した
それはつまり無個性が基本性能であることを意味する
この高尾紅茶に対する期待はまさにそれである
だが間違えてはいけない
無個性と不味いは違う
個性を殺して相手を引き立たせるのには不味さは邪魔なのだ
これはソリストを決めるのではない
合唱の調和を求めるのである
へたくそも個性もいらないのだ

さてこれが茶葉である
紛れもなくBOP
写真より実物は黒っぽい


早速試飲してみた
だが思わぬ誤算が生じた

美味しいのである
普通に美味しいのである
言ってみれば片岡トワイニング・セイロン・オレンジペコなんかより
遥かに美味い

まず香りがある
強くはないが少し爽やかなわずかに青さのある感じの
しかし甘さもある
ディンブラではない
水色は真っ赤ではないが濃いオレンジ・ブラウン
味は軽く香りが舌から鼻へ抜ける
熱いうちはなめらかで渋みはほとんどない
喉ごしが良い
酒で言うと《上善如水》的な
ぬるくなると渋みが少し出てくるが気にはならない
上品?しっかり?芳醇?落ち着き?華やか?シック?
どれも違う
ものすごい個性に裏打ちされている訳ではないが
かといってこれは前回の“おどろきの白いキャンバスのようなセイロン”というわけではない
さりげない魅力だ
いつの間にか口の中が甘く後味が良い
高級ではない、安物でもない
うーむむむ
これはなんだ?!

と言葉を探すうちにひとつだけ思いついた
「飾らない洗練」
気取ったところはないが素朴でもない
目立たないが味わうと魅力がある
サラリーマンのダークスーツみたいなもんだね
普段着るものだが普段着じゃないし高級でもない
だが着る人によっては男の魅力にも感じる


というわけで
それ以来このセイロンは単独で飲まれている
無銘のセイロンというには普段飲みに最適だ
トップバリュのジャワセイロンと双璧かもしれない
ブレンドにするには並行輸入トワイニング・セイロンのほうをなぜか使っている


昨日も淹れて飲んでいて
しみじみ美味いなあ…と思った
特にこの前買った片岡トワイニング・セイロンが美味くなかったのでなおさらだった
だが、少し熱さが取れたところでふとあることに気づいた

これ…ヌワラエリアの香りがする…!

はあぁぁぁ~?
なんで気づかなかったんだ?
いやヌワラエリアの香りそのものではないからだ
水色も茶葉も全く違うし
ミディアム・グロウンからロウグロウンで発酵は高い…はず
急いで出し殻の香りを嗅ぐ
…ウバにも少し似てる
なぜなら出し殻に微妙なサリチル臭がするのだ
ってことは???

ウダプセラワ系…?
確かに一番似ていると言えばそんな感じもするが
リプトン・ブリスク系の雰囲気も少しあり
もう少し標高低めかなあ
なんとも言えない味と香りなのであるが

リンク先のウダプセラワは以前レビューしたセレクティーのリデスデイル茶園のもの
これは美味しかった
たしかに
『茶葉は細かく撚られ、しっかり発酵されています。 ウバ紅茶と同じ刺激的なフレーバーがあります。
渋みのある、深いこくの力強い紅茶です。 ミルクティーやアイスティーがおすすめです。』
だし、水色が似てるかもね
たぶんこのあたりのどこともつかない境界外の名もない茶葉なのかも知れない
解説よりも渋みは少なめで、力強さより爽やかでマイルドなコク…なんですが
こんな微妙なものを扱ってるなんて
高尾珈琲も近所のスーパーも…まったく
なんてこの世はマーベラスでステキなんだ


というわけで急遽レビューしてしまった
いつかしようと思ってはいたのだが

というわけで近所のスーパーでこれを見たらお買い得だっ
(いや…そうそう見ないから)
近鉄・JR鶴橋駅徒歩1分ならどうだ
(そこは…どこだ?)

結局『人は見かけによらない』的な教訓だけを残して
去っていくいつものNirvana・cafeであった


おあとがよろしいようで…




















正月特番! 輸入トワイニング・セイロン・オレンジペコ VS.片岡トワイニング・セイロン・オレンジペコ!

2012年01月14日 | 紅茶・セイロン
…新年早々なんなんだこのキチガイじみたイミフな題名は
と、お嘆きの貴兄・貴姉の皆さんへ

あけましておめでとうございます

もう松もとれたというのに正月特番はないだろう?
とツッコミくらい誰か入れて下さいと願う昨今の孤独なカフェブログ生活ですが
まあ気にせず(←松が取れたことも、わずかなツッコミはほぼ花鑢さんのご厚意であることも)
一度やってみたかった大変に意地の悪い対決企画を特番でご公開いたします

つまり…
「海外平行輸入200g缶入りトワイニング・セイロンオレンジペコと、
片岡物産プロダクツ・トワイニング・セイロンオレンジペコを飲み比べてみよう!」


ええ
一度やってみたかったのです
リプトンにナメられ続けているにっぽんの皆さんに
同じ英国のトワイニングの日本向けを欧州向けと比較してレビューする
それに私、トワイニングのセイロンオレンジペコを
並行輸入フルリーフでしか飲んだこと無いもんですからぁ~

決まってますそれは安いからだ
コスパが全く違う
今回も並行輸入品は近所のユーロクラブという輸入食料品店にて正月セール品
200g缶入り・税込み664円
100g/332円だぜ?
そのレベルの紅茶が『独断と偏見による紅茶ランキング』で堂々の10位なのだ
いや、そのレベルでないから10位なのだが

日本でスーパー売りされているリーフカートンはリンクにもあるとおり
90g紙箱入り・473円
今回はあのアイリッシュ・ブレックファストを売っている変わったスーパーで
90g紙箱入り・470円で購入した(3円引いてる)
100g/522円

今回敢えて片岡物産のものをネットで調べたが
ざっとしらべても450円が最安値
24個もまとめ買いしても1個あたり472円にしかならないような通販が多く
やはり並行輸入もののようなダイナミックな値下げは見あたらなかった
スーパーの正月全品20%引き初売りセールで買っとけばよかった(泣)


では茶葉の画像を公開しよう

こちらが並行輸入品
ブレンド国ポーランド


対してこちら片岡物産
日本向け


なぜか日本向けはBOPなのが不思議だ
紙箱をコンパクトにする目的なのだろうか


さて先によく知っている輸入セイロンからレビューしよう

バカランキングを見ていただければ分かると思うが
この茶葉はこの値段にしては大変香りがよい
『《理由および評価》
一応香りがある。
ティーバッグがスーパーに置いてある。
200g缶ならカルディなどで安売りで600~700円台で買える。
これはいわゆる輸入品ってやつ。
手に入りやすい。
どこでも自転車で店舗買いできるのは重要。
通販の送料はバカにならない。
決してすごいわけではないが、
この味と香りはいわば紅茶の合格ライン
紅茶ドランカーにとってはワンカップ大関のノリではある。
(毎日飲むからね。茶葉はケチるのはいやだし)。
定価で買わないこと(損した気分になる)。』
(『独断と偏見で語る美味しい紅茶ランキング  第10位』)

…自分で書いた記事をコピペするのはどうかと思うが
2010年の8月にはこんな記事を書いていた
我ながら甘いレビューを書いたもんだと失笑を禁じ得ない

この2年
“掃き溜めの鶴”というコンセプトで
安くて美味しい紅茶を追求してきた
それ以前の私はコスパと言う概念が希薄だったと言える
これは関西に来てから得た貴重な視点と言っても良いだろう
良いものは良い
だが高くて良いのは当たり前だ

この輸入トワイニングの残りを持って神戸に来たときは
まだこの紅茶のすごさが分からなかったと言っても良い
あれを飲み終わってから2年
今年新たにこの紅茶を正月4日から飲んでいるが
このコストパフォーマンスはずば抜けていると言っても過言ではない

では新たにレビューをすることにしよう

平行輸入トワイニング セイロン・オレンジペコ

缶を開けるとフルーティーな新鮮な茶葉の香りがしてくる
フルーティーなのは甘みと、多少酸味が有る香りだからだろう
茶葉は黒めで多少ツヤがある

茶葉3g・湯量150ml・浸出3分でどちらも淹れる

カップから立ち上る香りはセイロンの割に濃厚でなぜかアッサムに近い
青臭さはなく甘さのある香りである
華やかというよりまったりとしているが
立体感のある香りが楽しめる
ディンブラとは違う
ミディアムからローグロウン系の雰囲気である

飲んでみよう
味は香りと同じように濃厚で甘みがある
時間が経つと渋みが出るがコクは良い
微妙なカラメル風味…やはりアッサムに少し似ている

ミルクを入れてみる
やはりアッサム風のコクが出るがそれほどクセのある感じではない
ルフナっぽい重みがあり、甘みがミルクに消されない
ミルクと合わさると渋みがスパイシーに変化する
香りにもマイルドなミルキーさが甘さのある香りと融合する


あれまぁ…
こんなに美味しかったっけ?
なんか前には分からなかったことが分かるようになっている気すらする
こうやって五感を確かめながら文章に起こしているうちに
以前には掴めなかった微妙さのコントラストが少し明確になっているようだ

とそんな感慨をおぼえながら
お初の紙箱日本仕様トワイニング・セイロン“BOP”にとりかかる

片岡物産 トワイニング・セイロン“BOP”

紙箱の中には中袋があり(たぶんポリエチレン)、茶葉が入っている
そこに「高品質と環境保持のために」セラミック蒸着している旨が記載されている
封を開けると少し赤みがかったBOP
そこからえもいわれぬ香気が…

立ち昇らねぇ
そして忘れもしないあのセレクティーのシウプル茶園茶葉に似たつまり経年変化臭
ホコリ臭い
あれほどではない
だが確実にする一夏越えちゃった臭

これ…最近どっかでデジャブったよなあ
(…ほう…まだ覚えていたのか…この私を?)

きょえーっ!
まだ居たのかよ!ウィンザー城の亡霊!
こっち来んな!
イギリス王室御用達はみんなこうなのかよ?

思わず前回レビューした忘れもしない《Darvilles of Windsor ロイヤルティーアッサム》の缶を開け
臭いを嗅ぐ
うっわー…改めてほんとホコリ臭いわ…
カビのはえた服を乾かしたあとの土埃くささ
もしくは“古本の匂い”(←うちの旦那曰く)

そして片岡物産トワイニングを改めて嗅ぐ
…これほどではないがこの匂いの半分くらいは臭ってるよなー

orz

古いんだ
賞味期限2013年5月なのに

そして青臭いリプトンのイエローラベル風の香りさえする
つまり安いティーバッグのセイロン

だからといって凄まじく壊滅的な訳ではない
リプトンよりは全くマシだし
ダービラスオブウィンザーよりも全然マシである
しかし問題は、欧州向けとは全く茶葉の質が違い
ヘタすると茶葉の種類すら異なる可能性がある

それってありなのか…?

ええ…
とにかく先に進もう
淹れるぞ

さっきと同じ条件で同じカップで淹れる

茶葉の青臭さがそのまま出る
渋みのある鋭い香り
そして鼻腔に広がるホコリの匂い
だからといって凄まじく壊滅的な訳ではない(←2度目)

では飲んでみる
甘みはあまりない
濃い割にコクがない
そしてかなり渋い
喉に突き刺さる渋さがある

ミルクを入れると腰が無くなる
茶葉の甘さはあまり出ない
ミルクと合わせると青臭さが強くなる
あまり好きな青臭さではない

だからといって凄まじく壊滅的な訳ではない(←3度目)
ただ、対決してる相手が悪い
これだって100g/500円なんだから当たり前っちゃ当たり前なのだ
だが萩原の100g/200円のセイロンの方が味は確実に美味いと思うし
100g/200円の無銘のセイロンの方がまだ飲めるかも知れない
しかしそのレベルだと「好み」ということでカタが着く範囲とも言えなくもない

問題は…だ

欧州向けとは全く茶葉の質が違い
ヘタすると茶葉の種類すら異なる可能性がある

ということだ


●結論
勝負は淹れる前から着いてた感が満載
古い茶葉を廃棄する前に少しでも金に換えておけってか

イエロー・モンキーにはこの程度の茶葉で良い
という英国紳士の配慮をしみじみと再確認したNirvana・cafeであった


並行輸入以外トワイニング二度と買わねえ
だからといって凄まじく壊滅的な訳ではない(←4度目)
リプトンよりタチが悪いのか
マシなのか?
















試験が終わり、夏も終わり、一夏越した2011年マハガストット・ヌワラエリアを味見する

2011年09月02日 | 紅茶・セイロン

今年の8月は素晴らしい月だった

2度の熱中症
月末には合格率50%の難関資格試験
旦那はギックリ腰になるわ
仕事で大ポカこいて商品買い取りな始末←月初めからすでに財政逼迫状態
(店長から同情されたし)
治した奥歯は知覚過敏で室温のキュウリのサラダすら冷たくてしみる←激痛
おまけに反対側のC2の奥歯を中旬に削り、仮詰めとなり
右でも左でも噛めず、予約は3週間先ときた
同時期に新しく買ってきた抗菌綿棒で耳かきしたら
その夜中エビカニ・アレルギーが耳の穴と耳管(喉の開口部にまで!)に出現
よく見たら《キトサン抗菌綿棒》だった
1週間ほどかゆみと腫れが治まらず、聴覚まで低下する始末

うん、素晴らしい
赤飯を炊け←ヤケ食い

熱中症は2003年からの付き合いだが一夏に2回は初めてだ
頭痛と吐き気、だるさ、筋肉の痙攣
試験勉強の最後の追い込みをさせない有難い取り計らい
その都度、スイカやらメロンやら冬瓜やらニガウリでとりあえず終息させる
カロリーオフのくせに1本100Kcalもあるアク○リアスを1日1本
経費がかさみそして

肥えた


さて、紅茶はカフェインのせいで利尿作用が高く、しかも熱性のある飲料なので
こんな時にはあまり飲まない方がよい
8月の頭から熱中症になった私はカフェイン断ちを敢行した
2日目から離脱症状の頭痛が…
これがかなり痛い
カフェイン中毒の私はこの痛みが5日くらい続く
どのみち痛いのである



そんなこんなで気がつけば
8月の記事の更新が…無かったね(ははは)
7月8月毎日勉強漬け
または闘病の日々
微妙な陶酔感すらあるね

だが今はもう秋 
誰もいない海
知らん顔して夏が暑すぎても
私は忘れないお茶にに約束したから
痛くても…不味くても
捨てはしないと~♪
(いちいち引用がアナクロなんだよね)

そう、9月です
試験終了の虚脱感を抱えつつ
台風なんか来てとりあえず涼しいし

お茶飲むか…
だがしかし


ええ、そうです
この夏の暑さと湿度でどう考えても風味落ちてるよなって思うし
長かったですからね

そこで、繊細なヤツを試しに飲んでみた

そう、例のヌワラエリア
マハガストット BOP 2011年新茶(ルピシア)

である

いやあ…レビューする気力がなくてしなかったが(←いや、書くべきだろ、それは)
今年のマハガストット
大変出来がよいのだ

パンチと鋭さのあるラバーズリープが好みだったが
なんか宗旨替えしそうなくらいですよ

まず香りが素晴らしい
凍頂烏龍茶とジャスミンのブレンドがほのかに香る
それがあの青草のような若い香りとベストマッチ
繊細で爽やかな香気…なのである

そのうえ、味ときたらこの渋みの少なさ軽さがたまらない
ヌワラエリアを蓋椀式で飲んでも良いくらいの舌触り
高原を渡る風とでも申しましょうか

昔、香水に凝っていた時期がありまして(ええと…20年ぐらい前)
基本はティーローズ(パフューマーズワークショップ)だったんですが
エスティーローダーのプレジャーズが発売され一時期はまりました

このヌワラエリアは冷めるとプレジャーズを彷彿とさせる香りがする…
…いやアフィリなんか仕掛けてないって


てなわけで
早速夏越の払え…じゃない夏越したマハガストットを味見した

美味いのは変わらぬが
はあああ…
ジャスミン香が飛んでる
トップノートは揮発しちまった

いや…まごうことなきヌワラエリアなんですけどね
美味しい普通のヌワラエリアに♪

ルピシアのアルミ袋をぐるぐる巻きにして空気を抜き
紅茶缶にいれて保管してもこんなです
長く、湿気た長い夏
繊細な旬の紅茶は早く飲め
肝に銘じてあと残り10g弱
濃いめに淹れて飲みきります
渋みの少ないのは相変わらずだから
蓋椀式で香りを温存しながら頂く

お?
それでも冷めてきた頃にそこはかとなくプレジャーズの香りがする

こんな時にはヒグラシが鳴いていて欲しい夕暮れであった…


ああ
歯が痛いよー












ようやく届いた件のフェアトレード紅茶 シングルガーデン茶葉3種試飲 気分はハーレム?

2011年05月20日 | 紅茶・セイロン

すったもんだありまして(笑)(←詳しくは5/19の記事のコメント参照ヨロシク)
ようやく届きました!
セレクティーのフェアトレード紅茶


入金が17日で商品到着が19日
割と早かったです

しかし…
最近こう、ちまちまと紅茶を買うクセがついていたところに
いきなりお初が3種類も来てしまい
な~んて贅沢な状況
まるでハーレムにおけるアラビアのスルタンな気分
3人の初々しい踊り子の華麗な7枚のベールの踊りである
さて、どんな踊りを見せてくれるのかね?的な
味覚とエロスは紙一重…いやすでに同じかも
この程度でそんな気分になれるのだ
倹約は美徳と言えよう


今回はあくまでも試飲である
なぜなら単一茶園だのフェアトレードだのレインフォレスト・アライアンスだの
オーガニックだのブランドだのというのはただの肩書きにすぎない
それらは紅茶の美味さとは関係がない
飲んで初めてその価値がわかる
痛い目には遭っておくモノである
痛い話は世の中に溢れている
犬も歩けば棒に当たる…痛いなあ
まあ…痛覚の麻痺した人が多いのも事実ではあるが!


夕方届いたお茶だが
封を切る前に画像をおさえ
早速開封した
とにかく今回の目的は「安くて美味いアッサムを見つける」である
当然アッサムからの試飲となった


今回のラインナップ
・シウプル茶園アッサム
・ストラスペイ茶園ディンブラ
・リデスデイル茶園ウダプセラワ

この順番でレビューする


《シウプル茶園アッサム》


してはいけない期待をしつつ開封
まずそこで茶葉の香りにアッサムらしさが無いことが判明
あるボーダー以上に必ず見られる《赤紫蘇》の香りは…わずか
パックに鼻をつっこんで茶葉を揺すりながらくんくん嗅いでみる←犬か?
…やはりわずか
紅茶の香りはあるのだが輪郭に乏しく普通のセイロンブレンドに近い香りである
やられたクサイ
この時点である程度予想がつくのが淋しい

ゴールデンルールに従い浸出
水色は濃厚なレッド・ブラウン
では香り

…やはり紫蘇の香りは無し
茶葉の香りに準じて輪郭はぼけてる
悪い香りではないのだが
多少若い青臭さがある

では一口頂くとしよう

…アッサムの味…なのか?
特徴が出ていない
濃いしコクはある
甘みは足りない
多少の渋みはある
香りと同じく輪郭に欠けるなあ

ミルクを入れる
ミルクを入れた方が美味い
風味がわかりやすくなる
そこだけアッサムっぽい
そのかわり青臭さが出る
アッサムの高発酵・フルボディな感じはない
ミルクを超える甘さにも欠ける
味はしっかりはしている
だがそれはトップバリュのティーバッグでも出せる

・総評:残念ながらアッサムに似たミルクティー用のセイロンブレンドのティーバッグ
    最初パッケージのシール貼り間違えたと勘違いした
    一緒にディンブラ買っておいて良かった(比べると違いが分かる)


…これによりひとつ宿題ができてしまった
無印良品のシウプル茶園アッサムティーバッグを追試するorz

アッサム・ジプシーは続く


《ストラスペイ茶園ディンブラ》

シウプルで完全に期待というブロックがはずれ自由なNirvana・cafeである
これはペットボトルストラスペイの雪辱戦にはならないかもね…

茶葉はBOP
封を切ると多少若い青臭い感じの甘めの香りがする
なんか独特のクセが

淹れてみる

香り…どうも香りが少々飛んでる気がする
悪い香りではないのだが
オーソドックスなディンブラより少し青臭い

では飲んでみる

甘い
このディンブラは甘みがある
故にストレートでもOK
舌の上に多少の青臭い風味がある
少し渋いが後口は喉まで甘い
この甘さは良い
不味くはない
だがこれも、オーソドックスなディンブラか?
と言われると
ん~セイロンですねぇ、と答えるかな

ミルクを入れる
甘さがへたらないのはすごい


・総評:甘い!この甘さは特筆すべき。
    ではディンブラとしては?というとまあまあ…ボーダーすれすれ
    なぜなら香りがいまいちだからだ
    香りは良いが甘さのない茶葉にブレンドするとよいかもね


《リデスデイル茶園ウダプセラワ》

ラストを飾るのはこれこそほんとのお初
セイロンの分類は
ディンブラ・ウバ・ヌワラエリア・キャンディ・ルフナ…の5つだったが
最近は6つ、このウダプセラワが入る
と思ったら7つですって!
「マスケリア」
キャンディとディンブラの中間

いや?ちがうな
『低地栽培のルフナ紅茶を従来のルフナとサバラガムワ(Sabaragamuwa)に分け…』とある

マスケリアはディンブラの北東にあるそうな
サバラガムワはスリランカのティーボードが7つ目だってそう言うんだから
そうなんだろう

いや…逸脱した

さて、ウバとヌワラエリアが好きならこれはどうだろう?
ウバに似た風味?
ヌワラエリア寄りの香り?
バラのようなフラワリーな香り?
Webのレビューはいろいろ
飲むまでわからんということだ


さあ開封
軽い青臭い香りがする
どちらかといえばヌワラエリア寄り

淹れてみよう

穏やかなサリチル香
そして青臭さが中和されている
…バラのような香りではないな
悪くない…よく言えば繊細
素朴な感じはする

とりあえず味見

この味はヌワラエリア寄りだ
青臭さがようやくマッチする
軽い味わいにやはり甘さがある
ウバやヌワラエリアほど渋味は強くない
ほどほどの渋み
冷えても渋さは強くならず飲める
水色はウバ寄り
味も3種の中で一番納得できる

これにミルク…試しに入れてみる

少し濃いめに淹れれば軽いミルクティーになる
茶葉の甘みはミルクを入れてもへたらないが
香りはあまり温存されないかな
だが私はヌワラエリアのミルクティが好きなので
これはあり
アッサム・ミルクティ派のかたは物足りないかも知れない

・総評:素朴な美味しさ。3種類中最も納得の風味
    ハイグロウンの軽さと香りと甘さはバランスとしてコストパフォーマンス良好と思える
    ただし50g/275円のキャンペーン中に限るかな
    キャンペーン終了後は500g/3300円で(100g/765円送料込み)購入ならなんとか





さて、スルタンのオーディションは終わった…
総じて言うとこのセレクティーの茶葉は香りの輪郭が全部曖昧だ
淹れる前の茶葉の匂いが3種類が3種類とも同じようなクセのある共通の匂い
保管場所?冷蔵庫の匂いか?
香りが飛んでいる可能性すら想定してしまう
他のを飲んでいないのでこれ以上何とも言えぬが
これが半額の秘密だったらうなずける
そうでなければ、このままではすべて宿題ということも…

その中でウダプセラワはまあまあいける
いずれ500gでリピートが考えられるのはこれ
しかし、この先暑い夏が控えている
購入は夏越してからが無難だろう
しかし半キロ
来年の夏まで有りそうな気もする


結果:1勝1敗1引き分け 的な気分
勝率5割か(←遠い目)