ANANDA・Cafe

独善的偏向偏執的毒舌紅茶&カフェのブログ 真実は香り高く甘くそして…渋い 良い紅茶のようにね

UK紅茶第2期の最後を飾る高級スーパーMARKS&SPENCER 自社ブランドM&Sデカフェ紅茶!

2012年10月29日 | 紅茶・デカフェ
“スーパー以上、デパート未満”

これがマークス&スペンサーというスーパーの地元民の印象らしい
またしても英国に足を踏み入れたことのない俺様のバーチャルUK紅茶記事である
My love 老子曰く『戸を出でずして、天下を知り』の境地ですなっ(←いろいろ間違ってる)

MARKS&SPENCER 略称M&Sは1894年開業の老舗スーパー
イギリスでは、国内に300店以上を展開している
第一の特徴が「プライベートブランド」。ブランド力が高いらしく、PBのほうが高い
普通、PBはセブンイレブンやイオンや西友なんかでも相場より安価なのが特徴だが
M&Sは高くて高品質という付加価値勝負が出来るということだろう
日本で言えば神戸のikari、東日本では成城石井っぽい感じなのかな?(←バーチャルなんでいまいちわかんないの)

マークス&スペンサーの解説リンクを2つ作ってあるのは
最初のリンク《関心空間》のぶっちゃけた話と《wiki》の通り一遍の説明を比較して頂くためだ
(↑バーチャルなんで、資料でカバー)
調べていくと、立命館大学の経営学の研究でM&Sについての論文が出てきた
(『第二次世界大戦以前のマークス&スペンサーの成長と発展』西川英臣・立命館大学大学院)
この論文を読むと、いかにしてM&Sが亡命露天商→100均チェーン店→中流向け大型スーパー
という変化を時代とともに遂げてきたかがよくわかる
さっすが金の流れを根本的に把握しているユダヤ人企業である


さて、肝心の紅茶の話に移ろう

そこのPB紅茶が今回俎上に上がるデカフェ:ディカフェ紅茶:80ティーバッグ(250g)・1,790円
(ちなみにM&Sの普及版カフェイン入り紅茶:エブリデイ紅茶:80ティーバッグ(250g)・1,500円)

このPBはフェアトレードで差別化、付加価値化されている
そして箱を開けると、これはびっくりである
なんと40袋づつアルミパックに入っている!これも付加価値だよな

 

普通のUKご庶民TB紅茶は直接ティーバッグが紙箱の中に詰め込まれていて
紙箱の中が紅茶のダストにまみれてる状態
だがM&Sは中流のお茶であることが今回中身を見て理解した
そして、箱の紙が魚臭さがない。まっとうな紙質である。これは期待できる
…と思ったのも束の間、アルミパックを開けてTBの匂いを嗅いだところ(なぜかTBは2個くっついてる)
やっぱりそれなりの魚臭が(笑)
まだテトレーのTBの方がマシだな、これと比べると
最後のデカフェレビューなんで、ティーバッグの魚臭さを全比較してみると

PG<<テトレー<M&S<<ヨークシャー<クリッパー

となる
中流でも気がつかないこの匂い…英国人の生活に深く入り込んでるんだな

茶葉は茶色味が強い。ケニアが多い感じ



さて、淹れますか
まずはティーバッグ・マグカップでUK式
下の写真がストレートの色



以下レビュー

・香り
紙の匂いは、やはりテトレーより臭い。つまり気になる。だがヨークシャーほどではない
紙に邪魔されているがわずかに蘭系の甘い香りがしてくる。ケニアっぽい匂いが強い

・ストレート
ストレートの飲み口は雑味少なくすっきりしているがコクはしっかり
若干の渋みがあるのが好感度高い
のど越しは大変よい

ではミルクを投入しよう



・ミルクティー
ミルクティーは繊細さがあるし、香りがいい
味も繊細な甘味を感じられるし、コクもある
PGより濃くテトレーより上品
多分渋みが上品なんだな
テトレーはすべてがスタンダードで濃厚だが、平坦でさほど面白みが無い
M&Sはそこにわずかな渋みやわずかな香りがプラスされて
全体的にお茶の優雅さと余裕がある。それが口に入れたときの立体感となる
より紅茶らしいデカフェと言えよう
なぜテトレーと比較するかというと、基礎の部分がテトレーに似ているからだ
TBの紙を取り除いて淹れると、大変良い
TB無しなら、デカフェのミルクティーでは今のところトップ成績かも知れぬ
TB有りだと、PGが一番おいしいと感じるが

・総評
比べるものが増えたのでレビューしやすかった今回
M&Sは思いのほか健闘し、多少割高ではあるがリピートも視野に入れたいと思わせるデカフェだった
PGの繊細さとテトレーのコクを併せ持つ優良デカフェ。TBさえなければ(笑)
TBの紙臭がこの値段でPGとテトレーに劣るのだけが悔やまれる
中流の意地を見せてほしかったんだが…

ちなみに、なぜM&Sのデカフェを今回注文したかというと
他にラインナップがいろいろあって決めるのが面倒くさくなり
美味いものGPS搭載のうちの旦那に好きなのをチョイスしてもらうという作戦に出た
何の前情報もなく「これ~これが良い~マッカーサー(MARKS and SPENCERを旦那的に短縮したらしい)」
賭けに勝った気分です(笑)
ウィッタードとかトワイニングとかもあったんですけどね
それはまた第3弾でレビューしたいと思います


さあ、ここでお待ちかねの現地価格を発表しよう
Marks and Spencer Decaffeinated Tea 80 Teabags. £3.69
(UKのオンラインショップ Britstoreから)
3.69ポンド…なめてんじゃねーぞゴラァ日本円で473円だとぉ!?

ちなみに比較対象としてテトレーのデカフェは
・テトレー紅茶デカフェ80bags(250g)…1480円
 UKのテトレーHPでの販売価格=2.46ポンド(305円…fuck!) 1ポンドは現在124円
さっすが~やっぱりぃ~M&SのPBって割高だよね~…とか言ってる場合かっつーの!

…これ、いい加減どうにかしてUK紅茶を直輸入かまさないと割に合わんな
このBritstore(リンクは紅茶のページ)はどうやらワールドワイドで通販してるらしいし、UK紅茶品揃え豊富だから
送料・関税・手数料等が日本のぼったくりサイトよりコスパが良ければ一考の余地ありですよ
まあ、ボッタクリと言ってもこの直輸入の手間が面倒だからその分経費かけるわけであって
実際エリズコーヒーにもイングリッシュ・スペシャリティーズにも導入のきっかけには感謝している
感謝してはいるが…そろそろ卒業したいのはやまやまでござんす
病弱な身が災いして、すでにデカフェは生活の一部と化してしまった。
品質の調査は進み、これからは経費削減の研究がまっている
個人輸入にはクレジットカードを復活させるか、Paypalなるものを調べてみるか
それ以前に発注の方法が英語という関門を突破しなければ…
そして全体から見た手間と経費のコスパを分析

成功したら記事になること間違いない
がんばれ俺様(←いつ頑張るのかは敢えて問わないで下さい)









ようやくたどり着いたUKご庶民デフォルト紅茶  PGtips by Brookebond (ユニリーバ)

2012年10月22日 | 紅茶・ブレンド

PGtips…
それは英国で最も飲まれているといわれているブルックボンドのブレンド紅茶である
1930年「消化機能を助ける」というラテン語「Pre-Gest-Tee」という名前で売り出された。
やがて通称PGと呼ばれるようになり、後ろにtipsをつけて正式名となった。
毎日イギリスで3500万杯も飲まれていると言われている。
この紅茶はアーサー・ブルックが作ったらしい。
英国では庶民のみならず、エリザベス女王もPGを普段飲みしてるという話もある
(出典不明…誰か英国女王に尋いてくれ。ユニリーバのステマかも知れん)

以前の記事をお読み頂いている愛する酔狂な読者の皆さんはご存知のはずだが
私はオリジナルPGを飲まずに、この紅茶のデカフェを先に飲んでレビューするという
外道な記事を書くハメになっていた
…まあ、それは行きがかり上仕方のないこととは言える
(詳しくは『第2フェーズは英国ご庶民紅茶事情&デカフェの現状!』または
『いざヨークシャーティvs.PGtips デカフェ対決!』あたりをご参照下せぇ)
そして、そのデカフェは、リピートしても良いくらいのクオリティーであった

だってティーバッグが(ほとんど)魚臭くないんだもん!!
それってとっっっっっても大事なことだと思うの
何度さびれた漁港に連れていかれて、挙句の果てに漁船にまで乗せられて(←船の名前はクリッパー号…船だけに!)
生臭いミルクティーを私に…(ちょっとエロいかも♪)
ちがーう!!ここはオイスターバーじゃねぇぇぇぇんだぞ!!(ミルク入れると牡蠣風味になることもある)

と、UK紅茶の最大の罠(漁港に拉致られる)について熟知してしまったこの半年の経験値の中で
ただ1社だけティーバッグの紙臭について考慮してくれていたのが、あの宿敵ユニリーバのデカフェとは
人生皮肉に満ちてるなぁぁぁっ!と…


というわけで、本末転倒となりましたが
ようやく先日(もう過ぎ去った夏の日…遠い目)カフェイン入りの普通のPGtipsが手に入ったので、
(『あの地平線を目指せ! UKからの紅茶直送便3種類 PGtips・CLIPPERデカフェ・M&Sデカフェ』)
ようやくここまで来ました(この2ヶ月何してたんだ、とは言わないでね)
ほんとは夙川の成城石井で買おうと思ったんですが、なんか機会がなくて行きそびれたのですが
でも、前回行ったときに、新製品のPG・Strong One という、今UK全盛の“やたら濃い紅茶”が
置いてあったんで、それはいずれ買いに行こうじゃないの
そういえば、JR神戸駅にも成城石井が出来たんだよね
成城石井には、例のドーセット・ティーとヨークシャーティーも置いてある(もちろんTBですが)
漁港に拉致られたい物好きな方は是非お試しを(いやならTB外して飲めばいいだけですがね)
茶葉だけなら本当に美味しいし、コスパいいんだけどなぁ…

では、レビューです

淹れ方:いつもの英国ご庶民式。TBをマグカップに入れ、熱湯を200ml上からぶっかける。
    蓋をして待つこと4分。TBを絞り、その後おもむろに取り出す。

感想:香りがいい。当然PGデカフェよりも良いが、オリジナルの香りを嗅いでみて思うのは
   「PGデカフェ、大健闘じゃん!」ということである。
   香りにおいて6~70%の再現率という(主観的)評価。香りのあるデカフェは貴重。
   だが、オリジナルはさすがに繊細。
   セイロンはディンブラ系のオーソドックスな香りに、ほんのりとフルーティーさがある。
   このフルーティーさの修飾は残念ながらデカフェにはないかな。
   
   まず、ストレートで味見。
   味はしっかりしているが、濃厚過ぎないミディアムボディ。
   わりと甘さがあるのが驚き。
   程よい渋みのあるバランスのとれた味わいで、軽めに淹れたらストレートもOKな感じ。
   変わってるのは、玉露みたいな旨味があること。つまりアミノ酸の味。
   これは魚臭のするティーバッグのだしかも知れない。そうじゃないかも知れない。

   ミルクを入れる
   軽めのミルクティー。甘味のある比較的繊細な味。
   渋みが中和されてコクになっている。
   茶葉の香りもマイルドに楽しめる。日本人には馴染みのある風味のミルクティー。

いままで試してきたUK紅茶の中では、いちばん日本人好みですかね
とにかくティーバッグの臭いを気にしないで飲めるのが気持ち的に楽です
似てるところでは日東デイリークラブですかね
でも水色は全然違います。PGは濃厚なブラウン。日東は赤系
ブラックティーというより、ダークブラウンといったところ

でも、40bags(125g)で1000円は高い。100gで800円ですからね
デカフェじゃないし。そしたら並行輸入のトワイニング缶200g・700円で買うわ
しかし、UK地元価格は1.35ポンド! ただいま1ポンド=126.8円だから
40bags(125g)で171円…6倍弱でぼったくられた計算death。ありがとう
現地価格だったらコスパ最強です(しつこく毎回言うぜ!)


ともかく“英国でいちばん飲まれてる紅茶”の意味がそれなりに納得できましたね
これは美味しいし、飽きのこないブレンドですよ

訂正をひとつ
いつからかは知りませんが、PGtipsはインド・セイロン・ケニアのブレンドだそうです
気にならなかったけど、ケニアが入ってましたね。UKのサイトまで行って調べてきましたよ。
成城石井のオンラインショップ・サイトには「原産国ケニア」とだけあるんですが
…この風味でケニアオンリーはないだろう?ちゃんと飲んで書いてんのかボケェ!
あとでお客様問い合わせにツッコミ入れましょう♪















      



お待たせ致しました。硬水実験敢行!…そしていりこTBの匂いの正体が明らかに?

2012年10月09日 | 茶話
風邪をこじらせて嗅覚がほとんどなくなってはや1週間
これがデフォルトになったらこのブログ終わるな…
と、ブログ自体の存続の危機がひっそりと訪れていたんですが(笑)
だいぶ回復してきました

紅茶の繊細な香りが久々に鼻腔に届いてます
昨日あたりからですがははは

まあ、近況はこれくらいにして
前回のクリッパー・デカフェがNaturalでFairではあったが
&Deliciosではなかったという一件が、どうにも解せず
一方で、ありがたいことに参考になるコメントをいろいろ頂きまして
みかんさんの爆笑コントレックス・ティー・レポートとか
lakenunnuさんご紹介のクリッパーのUKブログやレビューサイトでの評判…等々
やはり、コメ返でも前のブログでも宣言しちゃったので、実行に移さねばならない日がやってきました

硬水実験です!みなさん!

買い物行ったらエビアン500mlが100円で売られてたんで決行(←高かったらやんなかったのか?)
ちなみにエビアンは硬度304mg。一方UKはロンドンの水道水は硬度220mg前後らしい
(ukiukiせっけんライフ『世界の水の硬度』参照)
みかんさんにコメントで示唆して頂いたように、浄水を加えて硬度を300から200に薄めます
計算して100mlのエビアンに50mlの浄水で、ちょうど200前後
この比率でお湯を沸かしました

さて、使うのは最も魚臭かったデカフェティーバッグ2種
・クリッパーデカフェ(画像:上)
・ヨークシャーデカフェ(画像:下)



さて湯が沸いた。早速行ってみよう!
まずはデカフェ対照実験だ
淹れ方はUK庶民方式
2個のマグカップにクリッパーとヨークシャーTBを入れ熱湯をぶっかけ蓋をして4分
さあ、どうなるのか…

出た!出ました!クリッパーのカップに油膜みたいなのが浮いてます!
(みかんさん、これは日本ではなかなかお目にかかれませんよね~)
工事現場の水たまりに落ちた油が水面に膜張ってる…みたいな(食い物に使う比喩じゃねーよ)

おや…変だな。ヨークシャーのには油膜がかかってない!
確か、ヨークシャーでもデカフェには硬水用・軟水用の区別はないはず
この油膜みたいなのは硬水中のミネラルと紅茶のタンニンが結びついたもの
…てことは、タンニンの低い茶葉を使ってるのか?

さて、この時点ですでに違いが出ました
では飲んでみましょう

まずは香りから
ここがまず大事なポイント
この水で無漂白のTBのいりこだしパック臭が変化するのか否か?

ああああああ~
変わりませんよ~
クリッパー・ヨークシャー共に変わりませなんだ
特にクリッパーTBはこうやって改めてテイスティングすると…ヨークシャーTBの生臭さが子供に見える
考えてみりゃ当たり前か、アルカリは生臭いんだよもともと
こんにゃくが生臭いのは水酸化カルシウム(いわゆる消石灰)のせいだし
ピータンとかあくまき(南九州の郷土食品)とかもアルカリの匂いだ(両方好きだけど)
硬水はミネラルが多く、エビアンはPH7.2、いわゆる弱アルカリですな
この件については、
「ものごころついたころから英国人はTBはこういう味だと思ってるから気にしない」
としか言いようがないですな

では味です
とりあえずストレートで飲む
まずはクリッパー
あらっ?これはどういうこと?
腰が出てるじゃないですか!
軟水で入れたら腰がなかったのに、硬水ではコクと若干の渋みがある
甘さとまではいかないが、アッサム特有の重さが出ているぜ

ヨークシャーも同じく、軟水抽出では見られなかった渋みがあり
もともとコクがあった味わいに、キレが加味されている
これは両者ともミルクが期待できそう

というわけでミルク投入
クリッパーのあっさりシャバシャバした感じがなくなり、コクとまろやかさのあるミルクティーに
香りは依然として、こりゃないわ…の漁港臭だが、味が格段に改善されている
これは、ティーバッグから出してポットで淹れれば問題ないんじゃないか?

ヨークシャーのミルクティーは多少魚臭さはあるが、クリッパーに比べればマシに思える
もともとヨークシャーデカフェはコクは十分なので、硬水では更にパンチの効いたミルクティーになった

せっかくなんで、クリッパーのTBなしバージョンをポットで淹れる
TBの移り香はあるが気にしなけりゃ気にならない程度
もともとこのデカフェはわりと香りがあるので、コクさえあればそれなりのミルクティーになるのだ
ようやくオーガニックの素性の良さが好意的に味わえる
後味が良く、コクとそれなりに香りのある素直なミルクティーになった
これならなんとか消化試合にはならないです


というわけで、地元では皆さん、コクのあるクリッパーを飲んでいらっしゃるとわかった
だからといってティーバッグの匂いは硬水でも変わりはないこともわかった
「無漂白のティーバックは風味に影響ない」という英国人のレビューには今のところ確実に賛同できない
次からクリッパーを飲むときは、TBを取り除き、エビアンで淹れよう…

…というわけにはいきません
毎回クリッパーのためにエビアン買うっていう選択はない
コスパが聞いて呆れます
では、どうするのか?
キッチンで安くお手軽に硬水を手に入れるにはどうしたらよいのか?
即座に出た答えがこれ…

「塩を入れる」

これでおうちで即席硬水の出来上がりだ!
安い・早い・美味い!
三拍子揃ってまるで吉野屋のようではありませんか
いや…美味ければね
いや、美味しいはずなんですよ
塩をミルクティーに入れるってのはよく聞く裏技ではあります
特にチャイに入れてコクを出すというのはたまにやっていましたね
しかし、今回入れる理由は、塩味がコクを出す…のではなく、
硬水はミルクティーに合う、という理論からの推察であるわけで
(理由がどうであれ美味しくなりゃなんでもいいんだけどね)
カルシウムやマグネシウムの多い粗塩を使って、例の被膜が出ないかな~という実験も含めてね

というわけで、もう一つ実験
「塩の硬水ミルクティー」です
耳かき1杯くらいの粗塩を茶葉と一緒にポットに投入し、上から熱湯を注ぐ、というもの
また、クリッパーで実験だ

さて、長くなってきたのでざっくりつまむと
「被膜が出た!」
「塩味はそんなに気にならない」
「美味しいし、ミルクティーにコクが出る」
という良い結果が出た
これは後日、普通のセイロンティーで実験したが、やはりミルクティーはコクが出て美味しかった

硬水の実験中にサイトを検索していてヒットしたのがこれ
《Liyn-an Tea Club No.15 ミルクティー編・水の硬度と紅茶の美味しい関係》
コントレックスと硬度0の水を割って、6種類の硬度の水を作り、
ディンブラ・ダージリン・アッサムをその水で淹れて、ストレートとミルクでそれぞれ評価して
点数をつけて硬度と美味しさの関係を研究したものである
リンアンさんは科学的でいいなぁ
そしてみかんさんの言う通り、コントレックスの硬度1551のお茶は美味しくなかったと出てました
私のいい加減な実験でご不満な方は、ぜひこちらをご参照ください



さて、実験はいろいろしてみたが、ここで、重大な発見をご報告したい
塩でミルクティーを作ったあと、試みに自宅にあるアルカリ性の添加物で紅茶を淹れてみた

「重曹紅茶」である

重曹は炭酸水素ナトリウムといって、ナトリウムはミネラルである
塩は塩化ナトリウムなので、塩からさが多少出るが、重曹は塩素がないので塩味がしない
だから塩味のないミネラルを紅茶に添加したらどんな味になるのか、試してみようという魂胆
ポットに普通のセイロン茶葉に重曹を耳かき1杯入れ、上から熱湯をぶっかけるいつもの方式で淹れた

さあ、3分経ったというところでカップに注ぎ、まず香りを嗅いだその瞬間
衝撃が鼻腔を貫いた

「さ…魚臭い…!」

なんということだろうか
なんと、あの忌まわしいUK紅茶のいりこだしティーバッグの紙の臭いが如実に再現されているじゃないか!
衝撃冷めやらぬまま一口飲む
うっ…イギリスのTBの味が、ただのセイロン紅茶を台無しに…!
これはまじか?
UKティーバッグの合成香料を発見しちゃったじゃないか
これさえ入れれば、あの漁港臭を誰でも完璧に再現できるのだ
偶然とは恐ろしい。こんな風に青色ダイオードも発明されたに違いない!

思うに、パルプの製造工程で、木材から繊維を取り出すときに洗浄剤に苛性ソーダなどを使い
それを中和する工程で消石灰などを使う
私はパルプ製造なんか知識があるわけないのでググってみた程度のことしか分からないが
どこかで、炭酸水素ナトリウムが使われているか、使われた薬品が反応してそのようなものになるか
なんらかで、これ、または類似した生臭いアルカリ性の薬品が紙に残留しているとしか思えない
この後で、パルプの漂白の工程に移る。漂白の前にこの臭いがつくのは無漂白のTBのおかげでわかった
日本の工程では発生しないこの匂いが、英国のパルプ製造の製法の特徴なのか、
それとも水のせいなのかは、私の知識では判然としないのだが

誰か知ってる人がいたら、ぜひ教えてほしいものである


というわけで、私が言う「漁港臭」をぜひ経験してみたい方は
UKのTB(もちろんクリッパーかヨークシャー)を買うか、
最近は100均でも置いてある重曹をひとつまみ紅茶に入れて頂ければ、お分かりになるであろう
なにもかもが台無しになるので、その破壊力を味わっていただければと思います
茶渋落とすのには重宝なんですけどね!重曹!