ANANDA・Cafe

独善的偏向偏執的毒舌紅茶&カフェのブログ 真実は香り高く甘くそして…渋い 良い紅茶のようにね

COCO’Sよ、君は覚えているだろうか?僕らと交わしたあの日の約束を! ケニア紅茶 カンガイタ・ルクリリ 

2012年04月08日 | 紅茶・ケニア
おととしだか去年だか…つまり忘れるほど前
我々夫婦がとある用事で神戸の六甲道を訪れた
そのときのお話

歩き回って疲れたので、お茶でもしようとカフェを探していたとき
偶然見つけたのがファミレスの「ココス」だった
とりあえず、ドリンクバーでもいいや…とあっさり入店し
メニューを開くとどうしたことか
《35種類のプレミアムドリンクバー》なんて書いてあるじゃないですか!
なにがプレミアムなんだと内容を読んでまたびっくり

なんと、フェアトレードのケニア紅茶、「カンガイタ」「ルクリリ」しかも産地直送だという
そして「カンガイタ」はケニア紅茶には珍しいフルリーフ・オレンジペコ
ストレートでいけるらしい
ルクリリはCTCでいかにもミルクティー向けといったところ
早速、ドリンクバーをオーダーした

それが…最悪であった
なにが最悪かって?
ここのスタッフ、ストロベリーティーの空き瓶を洗いもせず
直接カンガイタの茶葉入れやがった…!
せっかくの珍しいフルリーフのケニアがストロベリーガムの合成香料まみれじゃねーか!
SHIT!!

仕方なく、汚染されていないCTCのルクリリだけ淹れる
ここはポットで淹れる仕様になっているので2杯分を淹れ
ドリンクバーメニューにあるホットミルクを別にカップに注ぎ、ミルクティーにして飲む
これは美味しかったが、カンガイタの香料ショックで全体的気分がかなり興ざめ
だが、それがなきゃルクリリのミルクティーも
こういうドリンクバーで飲める紅茶のグレードは軽くこえていたので
ああああ~まっとうな汚染されていないカンガイタが飲みたかったよ~、と
しばし涙に暮れるNirvana・cafeであった(←320円のドリンクバーに対する態度じゃないよね)


しかし、僕は許しても、こういうの許さないのがうちの旦那であった
家に帰り、早速ココスのHPを開き、『お問い合わせ窓口』のページを開くダーリン
基本、うちの旦那はアグレッシブでドSである
その中に『ココスのメニューやサービスに関するご質問にお答えいたします。』がある
ここを開くと、問い合わせのフォームが現れ、記入欄とこちらの連絡先の欄があり
問い合わせた質問や要望・意見に返信をいただけるというシステムである

で、ここにストロベリー汚染の一件をつまびらかに報告する
当然利用した店舗を書き入れるようにフォームが作られているため
どこでこうなっているか、改善を要求すれば、通常はその店に連絡が行くだろう
すぐに返信が来て、「すぐに改善いたします」とのこと
しばらくしたらその約束が果たされているか確認に行かなければ…という顛末だった


で、しばらくしたら…が1年後に(笑)
それがまさに昨日の昼下がりであった


まだやってましたよ、35種類のドリンクバー!
そして、カンガイタとルクリリ、そのまま据え置きで再会だ
席に案内され早速ドリンクバーを注文
今日はサイドにメキシカンケサディーヤというトルティヤで作ったメキシコ風ピザを注文
なぜか?メキシコ料理が好きだからだ
フードと合わせるとドリンクバーは180円になる
さあ、どうなった?ココス
あの時の約束を君は果たしてくれているだろうか?

ドリンクバーの前に立ち、カンガイタの瓶を開ける

そして茶葉の香りを確かめる

…おお
これは汚染されていない新鮮な茶葉のかおりだ!
ココスよ、ようやく僕はケニアのリーフティーに辿り着けた
あの約束は果たされていたのだ…!
備え付けのスプーンで山盛り3杯、スプーンが小さめなのでこれでだいたい6gぐらいだろう
トップ画像のティーポットに入れる(左・カンガイタ、右・ルクリリ)
湯を注ぎ席に帰り3分ほど待つ

1年あまりを待った感慨深い瞬間である
カンガイタをカップに注いでみる

な…なにぃ?
すごく変わってるこの風味
他にあまり似た紅茶を思い出せない、独特な感じ
甘い花…なんだこれは?
そうだ、わずかに梅の花の香りがする
梅ゼリーとか水戸名物“のし梅”系の香り
飲んでみる
香りも味も甘酸っぱいんだなこれ
発酵は少し弱め
多少の青臭さ
それが梅とかプラム系のフルーティさをさらに若々しくしている
軽めだが香りがほんと独特
アッサム系のようだが、赤紫蘇じゃなくて、梅のほう
これは他に類を見ない、若々しく可憐なお茶
冷めると渋みと酸味が少し強くなる 
ストレートが大変良い
ストレートの飲み口がとても良いので、ミルク入れてみるの忘れた(笑)


さあ、今度こそ気分良くルクリリである

 

細かいCTC
いわゆるミルクティー用
ストレートでは何の変てつもないアフリカ紅茶
アフリカ紅茶のクセってあるよね
あまり強くないが、少し草っぽいが発酵の強さを感じる香り
ブルンジとかにも同じように感じる少しスパイシーな…太陽に焼かれたような味(笑)

濃い目に淹れてミルク入れる
とたんにパンチのある独特の濃厚なミルクティーになる
ミルクを入れた方が冴える
香り味ともどもアッサムににてくる
イギリス人の好みだね
アッサムとブレンドしてミルクティー用にブレックファストにするのがよくわかります
濃い目はやはり渋いがミルク入れるとちょうどいい
フレッシュでなくホットミルクのメニューを使うこと(これ大事なんで重ねて申し上げます)


この2種類を飲み放題というだけで
単品320円で驚きのコスパの良さだ
そんなにがぶ飲みできる訳じゃないが、今時320円ではこのグレードは外ではまずない
(匹敵するものがあったら是非教えて欲しいものです)
茶葉は店頭売りもしている
だが、これ以外はそんなにおすすめはない
フレーバーティーは香りがかなり合成っぽい
チャイブレンドがいくらか飲める
シナモンの量が半端なく多いので、スパイシーなのは保証する
アールグレイはベルガモットが足りないように感じる
むしろレディ・グレイに似てるかな?青い矢車草とマリーゴールドの花弁が入っている
煮え切らないアールグレーだったな
季節の紅茶は「桜」だったが、香りがアメリカンチェリーのリップクリームみたいでむせた
全部は味見できなかったので、おすすめがあれば教えて欲しい

コーヒーも美味しかった
パプアニューギニアとペルーのこれもフェアトレード
酸味が少ない、香りの良い、こくも十分ある良いブレンドだったね


さて、実はこのケニア紅茶、あのセレクティーでもカンガイタ・オレンジペコルクリリの同じものを取り扱っている
セレクティーはケニアティーはほかにも豊富に取りそろえているようだ
一度これ以外のものを飲んでみようかと思う

ココス店頭では、50gで750円だったので
メール便ならセレクティーのほうがどちらもお得である

もし良ければ、話の種に飲んでみられると良い


ケニアはイギリス領だったため、いまでもブルックボンド(ユニリーバ)がケニア紅茶の多くを買い占めている
やはり、ここでも上等で美味しいものはイギリスに行くんだろう
最近は、ケニアの周辺国家も紅茶生産国になっている

気になるマラウィもその国の一つであるが
昨日のニュースでマラウィの大統領が亡くなったという速報が…
この前はじめてみかんさんのコメントで知ったばかりのマラウィ
欧州からは近くても、日本からはアフリカってやっぱり遠い国だとつくづく思う
知らないことの多い地域です
今回は大変勉強になりました

なんか…いろいろ資料を読んでると


★ケニア-紅茶プランテーションでの重労働と危険な性交渉の実態

おいおい…こんなのが出てきたぞ
これは…ひっでーな

「毎朝、雨の日も寒い日も、傘をさすこともできず、とにかく茶を摘んで、
ほとんど賃金をもらえないなどという生活が考えられますか?」

興味ある方はリンク飛んでざっと読んでみてください

最悪だ
やはり大企業の搾取なんかほとんどケニヤ紅茶でググっても出やしない
マラウィのたばこ産業がひどい搾取に合ってる話を読んで、ケニヤは?
と思ったら案の上だぜ

これはフェアトレードで紅茶を購入する意味が出てくる

だがしかし…だ

そのフェアトレードの闇ってのがあると?

「その問題とは、制度が不必要に複雑で、
本当に貧しい人たちのためになっているのか、 わからないということ。」
(フェアトレードラベル~「“苦い”紅茶」でわかったその問題点)

ああ…もう調べれば調べるほど
ヨーロッパに搾取されてるアジア・アフリカの問題が次から次へと、終わらないんだけど!

ケニアのユニリーバ傘下のイースタン・プロデュース・ケニア(EPK)では、
労働者は固定給を貰うことなく、3ヶ月ごとに解雇されている。
(“苦い”紅茶 The Bitter Taste of Tea
制作:Borgen Production & Heinemann Media
ノルウェー/デンマーク 2008年)


ここまで来て、ではココスのフェアトレードはいったいどうなのか?
ということになる
(株)ゼンショーというのがココスの母体である
とりあえず、提携型フェアトレードなのでまだマシなのか?
(フェアトレードの認証マークは今後信用しないことにする)

この結論に至る理由は、フェアトレード情報室を読んでみてください


植民地時代なんか終わってないって












ついに並行輸入TWININGSプリンスオブウェールズ英国王子に出会う 見よ、この高貴なRacismを!

2012年04月04日 | 紅茶・ブレンド
もう題名がすべてを語っていると言っても過言ではない

こんにちは
TWININGSのストーカー、Nirvana・cafeです
コスパの良い、電車賃と送料のいらない美味しい紅茶を追って早や3年
そうです、ストーカーは徒歩圏内に限る!
しかも10分以内がベスト(←ストーカーなのに怠慢)

いやもうそういうことは語りつくしたのだ諸君
問題はポーランド王子を売っていた輸入食料品店に
先日、新商品が入荷していたことなのだ

トワイニング プリンスオブウェールズ 英国ブレンド 100g/378円 缶入り

とうとう来た、引いた
英国王子
本物のウェールズ王子である


ことは我が家の味にうるさい旦那が
「前に東京から引っ越すときに持ってきたオレンジペコのほうが、ポーランドのより美味かった」
と言ったのに端を発する
今年の1月に久々に買ったポーランドのものがとても香りがよく美味しかったので
その前の同じ缶に入ったセイロン・オレンジペコの味などすっかり忘れていたのである

だが、美味しいと言っているそばから
「うーん、あの前のセイロンのほうが美味しかったよ~、あれは英国ブレンドなんだよ~」
と言い続けるうちの旦那…
確かに美味しいから飲みかけを持ってきたのだが
実はこれには深いわけがある

基本的にデフォで紅茶と本とCDには金の糸目をつけない買い方をしてきた私は
東京に棲息していた時代100g/1000円前後の紅茶を飲んでいた
前にも書いたように思うが、神戸に来て紅茶生活で何が変わったかというと
「コストパフォーマンス」という概念の導入である

これは神戸生まれ神戸育ちの関西人の旦那の買い物の姿勢である
「高くて美味いのは当たり前だ、高くてまあまあにはだまされる。安くて美味いものこそが価値なのだ」
というものである
確かにある程度美味しい紅茶は飲んだ
だが安くて美味しい紅茶を意識的に探したことがあるかと言うと、否、である
その時代の最低ラインに並行輸入トワイニングのセイロン・オレンジペコ、ブレンドbyイギリスがあった
つまり、私にとってはその紅茶はワンカップ大関だったわけである

いまや私のデフォは50パック188円のトップバリュ紅茶TB…その周辺ランク
もしくは200gで400円の無銘の野良セイロン…その周辺ランク
その中での200g600円のトワイニング・ポーランドブレンドは
相対的にワンカップ大関ではなくなっている
1本800円のイタリアワインとでも言おうか
高級ではないが、それなりの…というやつである

旦那はプリンスオブウェールズのイギリス版も
たぶんポーランドより美味しいはずだとしつこく言い続ける
そんなさなかに件の輸入食料品店にそれがいつの間にか入荷していたのである
しかも、100g缶
見たこと無いんだけど、この仕様!
200gは買えないが100gならなんとかいける
まさに天のお導きといえるこの状況にカフェイン中毒の一件はどこへやら
いそいそと400円でおつりをもらってまたしても茶葉を買う…orz


いつものことだが
買い物から帰ると真っ先に湯を沸かす(笑)
そして、ドキドキの紅茶缶開封の儀である

茶葉を見たとたん、軽く衝撃が走った
ポーランド王子の茶葉の白くすすけた感じが無いのである
あの新鮮な茶葉の証、ツヤすらある
それならばと香りをかぐと…くそ~、なんなんだ!
古い茶葉の香りがあまりしないじゃないか
新鮮な茶葉の香りをあらわす、フルーティーさがある
プラムとか杏のような甘酸っぱいバラ科の例の香り
(みかんさんが“干し梅”と称したあれ。しかも干した香りが弱い)

少し、怒りがこみ上げてくる

とにかく淹れよう、ということで
3g・150mlで4分
いつものように淹れた

……ああ、そう
あなたがたはいつもこんなお茶を飲んでるのか
ポーランド人には賞味期限切れた少し古い茶葉を詰め替えたような
日本人には賞味期限切れたティーバッグをバラして低級な茶葉とブレンドしてカサ増ししたみたいな
しかももう一度焙煎掛けたみたいな、香ばしくて紙の味のする茶葉か

くっそー!!
この値段でキーマンかと思えるような繊細さがそれなりに味わえるじゃないか!
軽く、スモーキーさも控えめで、甘みさえ感じる
いやな味がしない
のど越しも滑らかで、立体的に香りが来る
濃い目に淹れればミルクティーにしても良く合ってまろやかで香りも負けない上品なあじわいだと?
そうだよ、そのとおりだよ!

さらに腹が立ってきた
バカにするのもいいかげんにしろ
これが100gで400円の雲南紅茶なのか
それともブレンドに低級ながら5~6級のキーマンを使っているのか

皆さんにも3茶葉を並べた画像をお見せしよう



これである
どれが片岡王子で、どれがポーランド王子
そしてどれが英国王子かおわかりになるだろうか?

右の茎の入ってるのが片岡王子
左上の黒くてツヤのあるのが英国王子
左下の白っぽいのがポーランド王子、である

ヒマと好奇心と多少の経費を厭わない方は、この記事が本当かどうか是非味わっていただきたい
日本向けの茶葉がどれだけ不味いか
そしてその不味い茶葉が並行輸入と比べて高く売られている現実を

これを“高貴なRacism”とでも申しましょうか?

美味しい紅茶を飲んで腹が立つというのも不憫な話だ
だが我が同胞よ
我々は辺境のイエローモンキーに過ぎないのだ
しかもTwiningsというブランドで日本向けの不味い紅茶を有難がって買い続ける

まあ、以前も言った通り、これは紳士の英国人的ウィットなのだ
いつこの人たちはこれがクソ不味いと気づくのか、と
いや、もしかしたらもうバレているのかもしれませんな
そうだとしたら、なんと奥ゆかしい民族なんだ
きっと我々英国人に気を遣っているに違いない
たとえば、我々が輸入する茶葉を間違えたとか?
我々の栄誉のためにそんなミスを黙ってくれているに違いない
日本人は素晴らしい!


えっと…
こういうのを現実逃避って言うんだっけ?
もちろん、私が?

えええい!
いまいましい!