ANANDA・Cafe

独善的偏向偏執的毒舌紅茶&カフェのブログ 真実は香り高く甘くそして…渋い 良い紅茶のようにね

出来心のティーバッグ研究室 ダージリン到る処にマスカテルあり? コープVS日東 有機ダージリン対決!

2012年06月14日 | ティーバッグ研究室
人間到る処青山あり (じんかん、いたるところせいざんあり)

意味:人はどこにだって骨を埋める地があるものだ。
   また、そうであるから故郷を離れ世界に雄飛するのに躊躇してはいけないということ。


紅茶と悪口雑言のお好きな皆様、こんにちは!
最近調子に乗って、中身の無い記事を濫造しているNirvana・Cafeです
一気にPGtipsとヨークシャーティのデカフェVSをでっちあげようと予定していたのですが
なんでここでティーバッグ研究室なんだよ!
と、お怒りの諸兄・諸姉さまがたにはもう慣れっこでしたわよね

気力が続かんのじゃ
なんせ中身の無い記事を濫造しているからな!
(それでも威張りくさることは忘れませんよ。ええ)


うちの仕事場の控え室には、休憩用のティーバッグという備品がありましてね(いきなり本題かよ)
入れ替わり立ち替わり、お昼休憩にみんな弁当だのパンだの食べながらお茶を飲むんですが
そのお茶、誰が買うのか切れることが無いのですよ奇っ怪な話だが
日本茶とかハーブティとか紅茶なんですがね
結構アールグレイ率が高いんですなぜか
ほっと一息気分転換にベルガモットの香りが癒されるんでしょう
なんせ緊張感のある医薬系職場なもんですからね
でも誰が補填しているのか聞いていないので、遠慮してそのお茶は敢えて飲まず
いつもは自分専用ティーバッグをアルミ蒸着シールパック(DHCのカルシウムとか入ってた空袋)を持参しそれを飲んでいたが
せっかく安くて美味しい398円のトワイニングの平行輸入英国ブレンドアールグレイ50TBとか見つけたんで
クソまずい片岡トワイニングアールグレイが切れたころに並べておいたら
…1ヶ月しないうちに全部なくなった(笑)
リプトンのアールグレイは3ヶ月以上前からおいてあるのに、ある時期から誰も飲まなくなっちゃったし
みんな美味しいもの好きなんだね~

だからといって2回も同じものを買うのはつまんないので
先月の半ばに神戸コープに買い物に行ったついでに、紅茶売り場でふと出来心

《COOP有機ダージリンティーバッグ 2g・20P by三井農林株式会社》288円である

さすが有機ダージリンです
1P=14.4円!
去年レポしたコープ神戸セイロンTBは1P=4.8円
先ほどの並行輸入トワイニングアールグレーが1P=7.9円
そして終売したリプトンのブリスクは1P=5~7円
日東DAYLY CLUBは100均で買うと10P=100円(←100均だけに)つまり1P=10円
ちなみに東インド会社セイロンは1P=52.5円である(おおお)
だいたいのTB相場わかっていただけました?

さて、箱から出すとこんな感じです


しけないように5Pセットでポリ袋にパックされている
そしてタグにはこんなことが丁寧に書かれている


ほう…そうか…
ではぜひそんな風に淹れてやろうじゃないか

と、ドSなノリがにじみでてきたあたりで浸出開始!です

蓋付きマグカップでいつものとおり150mlの新鮮沸騰水をドバッと投入
すぐに蓋をして待つこと90秒
ティーバッグを取り出し、まず香りをかいでみる…

…ダージリンには違いない
だが、浅い…薄い…うう
いいか、2g/14円の茶葉だぞ
TBは割高になるからしかたないが、もうちょっとがんばってもいいんじゃないか?

その流れですでにがっかりしつつ、ひと口飲む
予想通りだ…やはり香りの薄いダージリンは飲んでも感動がない
ダージリンは風味込みの味、香気を飲んでいるといってもよい
だがそれがなんとも煮えきらない希薄さが痛い仕上がり
渋みはあまりないので、素直な茶葉だとはいえる
それは有機のなせる業なんだが、甘味はない、ボディーがない、薄い番茶に近い
あまりけなしたくはないが、久々にこのクラスのを飲んでちょっとがっかり
しかしこれはただのコープのティーバッグ、ルピシアやシルバーポットではないんだよ
有機とついたお茶にはご用心の分野のはずを、出来心で買ってしまったオレの負けだなベイベー

なんかわかってた崖からすべった感じすらした爽やかな5月の午後だった…

…と、普通はここで話が終わるんだが
そうはイカの金玉でございますわ
ここからが始まりなのだ!

がっかりのコープ有機ダージリンを仕方なく職場に寄付
そうマズいわけではないが、煮えきらない香る番茶のようなもんで
とりあえず会社で適当に飲んでお茶を濁そうと思っていた

職場のお湯事情はお茶には最悪である
まず、浄水器があるのに、面倒だからとなぜかペットボトル入りのミネラルウォーターを使う
電気ポットは象印だかタイガーの電気ポットがこれまたなぜかいつも90℃の設定で保温
フロアの責任者が朝出社してきて、このようにセットする
私はパートなので、それから1時間後に出社し、いつもこの状態である
昼休みには私は紅茶のためにそれを再沸騰させ、オールド・ボイルド・ウォーターで紅茶を淹れる
まあ、あわただしいなかで飲むお茶だから、とりあえずお茶っぽければそれでいい
期待無しで飲むので、とくにストレスはないのだ

その日は特に仕事が忙しく、スタッフ同士の休憩の交代にも気を遣い
調理パンなどかじりながらお茶を淹れていた
蓋付きのマイカップが職場に置いてあって、再沸騰もさせない90℃のお湯を
カップも温めず、例のコープダージリンにぶっかけて蓋をした
携帯でニュースなんか見ながらパニーニをもぐもぐ…ふと気づくと

うわー、うっかりダージリン忘れてたわー!
しまった…なんか10分くらい経ってないか?
まあ、いいや、猫舌だし、どうせあの味だし~と
蓋を開けかなり濃厚なオレンジ色のお茶からティーバッグを引き出す
気にもせず、携帯のニュースに戻りながらひと口飲んだ瞬間

マ…マスカテル…

ふわーって、ふわーってなんだこりゃあ?
もうニュースどころじゃない
こっちのほうがニュースだってば!
試飲ではまったくシラケていた香りがそれなりのダージリンらしいマスカテルに
しかもボディーのコクも合格基準越え
こんなに置き忘れても軽い渋みでそれがまた良い
しかも甘い
なにが「熱湯で90秒」だとぉ?
冗談じゃない!
タグのとおりに淹れた2袋分返せ!
この値段でこのダージリンなら許すわ…いや文句無いわ

だがふと冷静に思い返す
いや、これ知ってたよな…
基本、発酵の浅い紅茶は日本茶に準じて淹れる方が香りが良いって
このブログにもどっかに書いてたよな…どこだっけ(思い出せません)
ダージリンだからマカイバリですかね?


『軽いダージリンは95℃
ゴールデンルールは香りを出すには良い
沸騰した湯で淹れると香りが立つ
だが低い温度で淹れると甘味が出る

刻んだ葉か、撚りの強い大きな葉か
はたまた発酵の度合い
旨味をどう出すか
タンニンの量
当然茶の種類
これらの条件により湯の温度は変えるべきだろう
ルールを遵守し身に付け
その後にそれを破る時がやってくるのである
茶は道である
タオである
守・破・離 などと昔からいうではないか?

えーらそー』

あーあーありました、やっぱりマカイバリ(独断と偏見で語る美味い紅茶ランキング1位)
ありましたが…このコープダージリン、高い温度は香り飛んじゃうの
BOPだからかね?
よりのしっかりした茶葉は高温で淹れても良いかもしれないけど
低級品ほど90℃くらいで淹れた方が美味しいんじゃないかな
でも高級品も90℃~85℃くらいでもよかった気がするんだが
文山包種のような軽発酵の青茶なんかは高級でも90℃~85℃くらいで淹れるしなぁ
ま…そういうところは楽しく固定観念を排除しながら試行錯誤だよね

というわけで、期待しない姿勢が思わぬ福を呼んだというお話


だがしかし、話はまだ終わらない

( ̄▽ ̄;)

まだあんの?
ああ、まだ続くんだ!


話は仕事場に戻る(そこに戻るのかよ!)
同僚のAさんとは同期で仲がいい
アロマセラピーの勉強してたり、香りにはとても敏感でサイキックなところも魅力的だ

そんなAさんに、控え室で私がいそいそとトワイニングを置いていたのを見咎められ
そんなボランタリイなことしてくれてるの、申し訳ないよ~とか言ってくれたのですが
私の趣味を妨げるな!とか本気で本音を申し上げたのですが、真に受けてくれず
「次は私が買ってくるからねっ」
「そんな~まだ試したいティーバッグあるのにぃ」
と、押し問答
そして、トワイニングアールグレイが尽きる寸前にいち早くコープダージリンを買ったのをまた見つかって
「わかった、それが美味しいのね。私もそれ買っておくからね!」
と申された
いや、この次はトワイニングの並行輸入ダージリン英国ブレンド買う予定なんだけど…
とかいってるうちに、義理堅いAさんはすぐにあるものを用意してお持ちになった

《日東紅茶 有機ダージリン 2g20TB》371円である

三井農林とは日東紅茶のことなのだ(ご存知とは思いますが)
三井紅茶だった商標を日東紅茶に変更したのは昭和5年
日本初の国産紅茶の製造・販売を手がけた会社である

つまり、三井農林がCOOPの紅茶をOEMで手がけたってことで
もしかしてこのコープ有機ダージリンと日東有機ダージリンは中身同じなんじゃないのか?

Aさん曰く「これだよね?」
私「違うけど…ほとんど一緒かな」
Aさん「えっ?違ったの?」
私(内心ほくそえみながら)「いや~ありがと~これ飲んだことないんで~」
Aさん「あーこれ、ピーコックで360円だったんだけどね」
私「Aさん、これ1パック(5個)もらっていいかなぁ」
Aさん「あ~、いいよいいよ、もってって」

飲・み・比・べ・だ!

あ~ん♪
こんな馬鹿げた楽しい企画はなかなかないわ♪
AさんGJですわ!

さて、中身はこんな感じ


そしてやはり


タグめ…
分単位か秒単位の違いだが、蒸らし時間は一緒です
熱湯をぶちこめと書いていないだけ良心的なのか
しかしこの時間指定では良心的もくそもないわな

それでは、恒例の茶葉鑑賞と参りましょうか
 

左:日東             右:COOP

光の加減で少し右の茶葉が黒いが、見た目にはほとんど同じ
ただ、同じ2gだが、COOPが若干多く感じるのは気のせいでしょうか

さあ、鑑賞の次は味見だ
両方を90℃・4分で同時に浸出した

…これが、ぜんぜんたいしたことないんだよなあああああ!
やはり予想どおり、COOPと日東、両方飲み比べてさほど変わらない
ほんの少し茶葉が多く見えるCOOPの方が、若干キレがあるかな?程度
多分おおざっぱにいって、ほとんど変わらない
そして、熱湯・90秒よりはマシだし香りがあるが
職場でいい加減に淹れたあの素晴らしい風味はどちらも再現されず
香りは多少あるが、職場で飲んだマスカテルまではいかず
甘味は多少あるが、くせがなく、丸いだけ

これはどういうことだ?…と考えたところ

温めないカップに90℃のお湯を入れて
果てしなく忘れ去り、ティーバッグ放置プレイしたことを思い出す
なんてこった…90℃・4分なんてナメたことしてる場合じゃないのかもしれない
つまり、やってたことを総合して分析すると
80℃・8分
煎茶の温度でハーブティでも淹れるような変な設定(笑)

さて、日東有機ダージリンをもう1Pその設定で蓋付きマグカップの中に放置する
Aさんに1パックもらっておいてよかった
本気で忘れそうなころに出来上がる
バッグを引き出し、香りを嗅ぐと…

おおお!これだ!見事再現したぞ!
あの時のCOOPと同じこのマスカテル
さすがにフラワリーとまではいかないが、ダージリンのデフォの香りを標準クリア
そして甘さと少々の渋みを兼ね備えた軽いがしっかりしたボディ
この風味があったら私はなにも文句は言わないぞ
ティーバッグの手軽さだけが消滅した感は否めないですが
まあ、それはそれ
いままでマズい!と烙印を押した安物ダージリンを
淹れ方変えてもう一度チャレンジしてみたいくらいだ
(例えば以前コメントの中でみかんさんと話した国太楼(アバンス)の安さ爆発ダージリンとか)

最初にご紹介した『人間到る処青山あり』を頂いて
『ダージリン到る処にマスカテルあり』とお題にしたのはこんないきさつでありんした

意味:ダージリンはどんな茶葉だって淹れる方法があるものだ。
   また、そうであるから高級茶を離れ世俗の低級ダージリンをお試しするのに躊躇してはいけないということ。

みかんさん、やりましたよ!ダージリンのティーバッグ研究室!
転んでもただじゃ起きませんでしたよ、ええ、この二転三転の逆転劇
まるで推理小説みたいじゃありませんか?


さて
これで話が終わるかと思っていた終盤のことである
さきほど90℃・4分で淹れたダージリンの残りが少し冷えてきていた
飲んでみると当然ながら渋みが出てきている
冷めたところの香りをクセでなんとなく嗅いでみる

…え?…このかすかな香り
サリチル酸の香りがする…

はああああ?
なんだとおおお?

かすかだがウバの香りがするのだ
もしや…と思い、茶殻を嗅いでみた
すると、浸出液より少し強いウバの香りがふわっと香ってくる!
しかもCOOP・日東ともに…だ

え?え?え?これ100%ダージリンだよね
なんでダージリンにウバの香りが付いてくんの?
スリランカでダージリン作ってるの?
それとも?

ちょっと意味がわからない事態になってる
いや、一瞬で意味が分かった気がしたが、あまり考えたく無いな
メーカーサイド?
生産者サイド?

またしても業界の深淵をかいまみたのかな
熱湯で90秒だったらわからないのかなこの香り飛んじゃうから
私の舌の精度の問題ならいいのにな
旦那に味見させよう…おーい…来て来て
「わかるわかる~ウバの香りがほのかにする~」

( ̄▽ ̄;)

この物語はハッピーエンドの推理小説じゃなかったのかよ
エルム街の悪夢みたいなホラー仕立て?

このエンディングは予想の斜め上だわ…
ただの勘違いでありますように祈ります
美味しければ…いいんです