ANANDA・Cafe

独善的偏向偏執的毒舌紅茶&カフェのブログ 真実は香り高く甘くそして…渋い 良い紅茶のようにね

UKスタディ後、トワイニングの赤缶を再評価してみる TWINING並行輸入イングリッシュ・ブレックファスト

2013年04月29日 | 紅茶・ブレンド
ロンドン五輪…だったからというわけじゃないが、去年1年かけてやってきたUK紅茶研究。
デカフェという新たな分野の開拓も含めて、今までの紅茶観の、あるエポックとまで感じた経験だった。

UK紅茶はミルクティーのために存在する…およそ95%くらい。

…というわけで、Nirvana・cafeは過去に犯したひとつの間違いに気づく。
それは、神戸に来る前に飲んでいた並行輸入のトワイニングの赤缶、
つまりイングリッシュ・ブレックファストを間違った認識で飲んでいたことだ。

それはまったくもって日本人の紅茶飲みらしい誤謬である。
香りを重視し、ストレートを評価することが紅茶の良し悪しと思っていたあの頃。
そんなんじゃない、そうじゃないんだ!UK紅茶、しかもE.B.Fはミルク以外の選択はない!
こんなに大人になれるなんて…ある意味感動。
同じ並行輸入のオレンジ・ペコにあの日負けたと決めつけたイングリッシュ・ブレックファストを
悔しいが、ここで過ちを正し、新たな視点から再評価しなおすことにした。

僕が未熟だったんだ。待たせてごめん。今から行くから…(←きゃー!やめてー!背中がゾクゾクするー!)

と、UK紅茶のティーバッグのような臭いセリフで、一路安い赤缶を買い求めに走った(←ガチの徒歩です)。
某輸入食料品店、価格は200gで598円。なんとその日はそこから10%オフ!ラッキー!
で、539円なりの取引を終え、100g/269円という、もう納得のコスパ過ぎて、神々しささえ感じる価格。
もうこれでいいじゃん、PGとか通販する必要がどこにある?
そう、美味しければこれでいいじゃん。歩いて買いにいけることが至上なんだよ、結局!
コスパを維持する戦いは、常に送料との戦いなのだ。550円…650円…もういやだ。
パトラッシュ… 疲れたろ…僕も疲れたんだ。歩いて…買いに行こうよ…

ええ…言いたい放題弱音を吐かせていただいたので、さっそくレビューに移る。
以下、茶葉の画像



茶葉はセイロン&インド。
あれ、ケニアって入ってなかったっけ?
確かに茶葉の匂いを嗅ぐと、あの酸味と日向で焦げたようなケニヤっぽい香りはしない。
そういう意味では、今どきないクラシックなブレンドかもしれない。
(TWアイリッシュ・ブレックファストはインド・ケニア)
細かいBOP。CTCはかけらも入っていない。
黒い茶葉の間にチラホラと少し撚りの浅い茶色の茶葉が見える。
香りはある方だ。まあまあ新しいが、ほんのり埃っぽい香りもしないわけではない。
ああ、だが、この値段なら、分相応。

さあ、再評価の時は来た。淹れてみよう。
いつもの通り、3g・熱湯160ml・4分、でいく。



さて、久々の再会。印象は変わっているか?

●ストレート

香りはセイロン主導。
以前より香りを感じるのはご庶民UK紅茶をたくさん飲んだからだ。
つまり、ミルクを入れないと発動しない風味のご庶民UK紅茶。
だが、地元民からはPOSHと言われるだけのことはある。
ストレートのうちからまあまあ香りがある…前は気づかなかった。
つーか、これ程度で“香りがある”という評価なんか下さなかった。
PG並には香りがある。PGより香るくらいである。
でも、リプトンのブリスクでも、これくらいは香るよな…
さて、味はどうか?
熱いうちから渋味がある。多少喉に来る。
案外濃くない。そこもPGに似てる。
そんなに上品さは感じない。
ブリスクみたいな低級品さの中のバランスを感じる。
茶葉自体の甘味はない。
多少青臭く、ニルギリぽさがほんのり。

●ミルクティー



ミルクを入れると渋味がコクに変身。
香りが残るのでパンチより繊細さが映える。
ミルクの甘味でカバー。若干の酸味。
他のUK紅茶に比べると案外軽い感じである。
ケニアがないからだろう。
3gでは物足りないかも知れないから茶葉は少し多めで…
うん、茶葉多めじゃないと、意味がない。
だってこれイングリッシュブレックファストだろ?
ミルクに負けないのは4gくらいじゃないかな?

●総評

再会して思った。それなりに印象は変わっていた。
だがやっぱり同じ値段でトワイニング買うなら、オレンジペコ薦める(笑)
赤缶は値段通りの味。不味くはないが、オレンジペコのほうが、風味全てにわたってコスパの良さを感じる。
赤缶、ブリスクの感じに似てるなぁ~。ちょっと紙の味がするんだよね。
でも、頑張って通販で送料払ってPGとかテトレーとかのUKご庶民紅茶を買うなら、
赤缶でなにも問題はないような気がする。だって100gあたりならPGの半額前後で買えるんだぜ?
もういいじゃん、これで(笑)

せっかくなので、最大限に美味しさを引き出そうと試みた。
粗塩をほんのひとつまみ入れて硬水にして150mlでミルクティー淹れてみる。
うん、これは美味しい。香りは多少なくなるが、渋みが減り、コクが出て甘みが増す。
口に入れた時の香りの立体感が増す。
硬水用の茶葉。ガチで硬水じゃなきゃこれは真価が現れない。
まあ、それはどのイングランドの紅茶でもそうなんですが。
粗塩は必須です。入れすぎると塩味がうるさくなるので、量は加減して下さいね。

でも、オレンジペコのほうが美味しいと思う。


再会してみて、印象はそれなりに変わっていた。
それでもやっぱりリピはない。塩入れて美味しいと言っても、きっとリピートしないんだろな。
それはいま、もっとコスパのいい日東のブレンドを見つけたからなんですけどね。
日東は日本の水に合ってるんですよ。当たり前だけど。いずれレビューします。
いちいち塩添加するのもめんどーなんで、毎日のことなんで。
でも、トワイニングの並行輸入オレンジペコはリピートすると思う。これは軟水でもいけるんだな。

それでは最後に、Amazonのトワイニング赤缶の通販に寄せられた、身も蓋もない素敵なレビューがあったんで
これをコピペして筆を置くこととしよう。
この人はわかってるな(笑) 罵倒するツボが同じ気がする。

ではまた!


▼問われる存在意義
『値段を考えたら文句言うのもなんなんだけどもこのEBFは日本的な使い方では茶葉として同社のセイロンOPに優る点が
ほぼ皆無である。じゃあ何がEBFなのかと言えば、ドサドサ茶葉入れて呑気に蒸らして濃厚な汁にミルクを大量投入する
英国庶民イズム。この局面においてのみこの茶葉はセイロンOPに初めて雑味のなさで優るのではないか。そんな飲み方を
する方だけにお勧めの香り低い凡庸な雑味の出なさだけが光る茶葉、でも安いから★4つ。』


ついにTyphooデカフェ登場! そんで、タイフーって台風じゃなくて大夫だったって知ってた?

2013年04月11日 | 紅茶・デカフェ
すっかり桜も散ってしまいました
今年の春は気が乱れてますね。激しい季節になってます
暗黒惑星ニビルが接近して、地球の地磁気も公転軌道も乱れているに違いない
NASAもNASDAもこの情報を隠蔽してるんだあああああ!
ああ…春なんで…まあ…通常運転ですから
皆様に置かれましては驚きもしないでしょうなっ

おっと…3月は2回しか記事を書きませんでした
あっと、去年もですね。
春は季節の変わり目、そんなに書いてたら身が持ちません
その割にけっこうお初の紅茶とか買っているのですが
書かないものもあるんです!(←丹波哲郎風に読んで下さい)
レビューする前に飲みきっちまってたりしてるんだよ
飲みながらレビュー文書くのがデフォなんで、飲みきったら書けないんだよ(笑)
「美味しかったです」以上終わり…ううう…記事にならねえ…

さてさて、与太話はこれくらいで許してやるとして(←え…誰を?)
ようやく記事にする気力と体力がにじみ出てきましたんで
今回は前回のコメントで、ひっそりお待ちいただいていたこれ

Typhooデカフェです

こちらはUKTyphooのサイトです。ご参考に…

ちなみにこのTyphoo(タイフー)、TETLEYとか東インド会社が
タタ・グループとかインド人の起業家に買収されたのと同じく
2005年、Apeejay Surrendraグループというインドの企業グループの傘下となっていた!
インド人やるぅ!
しかも、それ以前にTyphooはあのメルローズ(お歳暮とかで瀬戸物のキャニスターに入ってるヤツ)と
なんとH.M.Bで有名なリッジウェイを買収してるんですよ!
つまり、それらがすっぽりインド人の企業グループ傘下になっているということ
もう、復讐するは我にあり…って感じぃ
こうなったらユニリーバもやっちゃって♪

タイフーのwikiは英語のしかないので、グーグルのステキな翻訳で読んで頂くと…


・それは、ジョン・サムナー·ジュニアによって1903年に発足したバーミンガム、イングランド。
・1870年に、ウィリアムと彼の息子ジョンは、薬局/食料品事業を創設し
・お茶の心を落ち着かせる効果の彼の姉からのコメントに続いて(←だんだん怪しくなってきた!)
・1903年に、ジョン·ジュニアは、彼が彼の店で販売することを新しいお茶を作成することを決めた。

サムナーは、新ブランドのための彼の独自の基準を設定します。
…で(ここからは訳が更に迷走してくるので、やむなく余が翻訳するぞよ)

  ・商品名は個性的で、
  ・お客が言いやすく、
  ・登録商標として保護されるもの

Typhooは "医者"の中国語の単語から来ている(中国の伝統:大夫、漢語ピンイン:dài fū)


ええ、びっくりです。台風じゃない!
大夫は確かに中国語で医者です。正式には中国語では「医生」ですけど、
伝統的に大夫=タイフ(日本人が医者のこと「先生」っていうあれ)
北京語ではダイフですが、たぶん広東語発音?
つまり、この商標は日本人的な感覚で言えば「先生~」ってニュアンス
紅茶は身体にいい飲料ってことで、薬局で売られていたりしました
Typhooのサイトには、創業当時の紅茶のコンセプトとして
『彼女は非常に消化不良の治療法として紅茶をみなす』というステキな翻訳ですが
ダイジェスティブ・ビスケットとおんなじじゃん(←digestive=体内の消化作用を助けるという特徴を持つ食品)
ということは、イギリス人が紅茶でダイジェスティブ・ビスケット食べるのは
消化不良を改善する治療、もしくは健康法であると?
マジそうかもしんない

調べてみるもんです

それと、量り売りしかなかった紅茶の販売に
決まったグラム数でパッケージ売り始めたのがなんとタイフーらしい
それが功を奏して売上を伸ばしたんだとか

ティーバッグ作ったのはテトレーですが
パック売りっていうのも小売の革命ですな


さて、能書き垂れるのもこれくらいで許してやるとして(←ですから誰を?)
問題は味です!
味見なくしてレビューとはいいません(当たり前だよ)

  

外箱も中もいつものUKスーパーOEM仕様
でも紅茶メーカーとしてはオリジナルなサイズではないのは珍しい
初めてアルミ包装に自社ネームがデザイン印刷されていて、こだわりを感じます
こだわってる割に、印刷の文字と、賞味期限の印字が逆さまになっている(笑)

 

アルミ包装の中は…

 

すごい!
これは今までにはないわ!
ここにこだわるか…透かし入ってるよ!
で、この紙が…微妙に魚臭い(笑)

透かしいいからさぁ。臭いなくしてよ

でもこれはTETLEYよりほんの少し臭いが薄いです
UKティーバッグにしては健闘してると思われ
…いや、評価は淹れてみるまでしないことにする


では、いつもの通り淹れましょう
茶葉を見ますかね

 

アフリカっぽい赤い茶葉の繊維がたくさん
でもそんなにアフリカ臭くない
セイロンも入ってる感じはある
けっこう茶色いですな

では熱湯をぶっかけよう!

 

けっこう黒く出ましたね
色は濃いです
さて香りと味は?


・ストレート

香りはケニアかすかにセイロン
デカフェの中では香りがある方
あまり魚臭くない。これは助かる
PGとテトレーの間くらいの紙の臭い
それって優秀じゃないか?

味は甘味がある。これ特徴的ですね
酸味なし。渋みわずか
うん、ストレートでかろうじていける
冷めるとのど越しは多少引っ掛かるが
熱ければスムーズ

・ミルクティー

 

ミルクを入れると酸味が多少出てくる
アフリカ系になるがあまりいやな風味はしない
牡蠣味にならないのでもう合格
爽やかな軽いミルクティー
クセがない
甘味があるミルクティーになる
なぜか濃さがないのにそれがハンデにならないような味
不思議だなぁ…

・総評

軽いわりに味がまとまっている
コクとかキレとかしっかり…ではなくバランスの良いまとまり方
なんというか、今までのUK紅茶のコンセプトと違う
言ってみれば、大塚製薬のジャワティーみたいなもんを感じる
あれって普通の缶紅茶のコンセプトじゃないですよね
発売元は製薬会社だし
無糖で身体に良い、ガブガブ飲めて、気にならないし飽きない味…的な
でも、シンビーノのジャワティーは好きなんだよね
美味しいです、あれは。味がまとまってる

ええ、そういう感じなのよ
言わば“メディカル&スポーツ”

もともと薬局もしてたので、きっとコンセプトが似てたんでしょう
他のメーカーと被んないように気を付けてたってことですしね

それと、紙があまり臭いが気にならないのもいいです

ですがいつものように、普通のオリジナルなTyphooを飲まないで
外道にデカフェだけレビューしてます
そこ、お間違えないように

またR様に叱られるかもしれぬ
ぐぐぐ…

仕方ない
Typhooオリジナル購入するか
そういえばアベノミクスで円安気味になっちゃった
ポンド…153円だとぉぉ?
あーもー、せっかくVISA復活させたのにぃ…