ANANDA・Cafe

独善的偏向偏執的毒舌紅茶&カフェのブログ 真実は香り高く甘くそして…渋い 良い紅茶のようにね

寄せ集めても一人前以下の楽しい消化試合ライフ…自家製粗スコーンと劣化バニラティー

2012年05月30日 | 分類不能…ただし茶の話・食の話ではある
やはりカフェイン中毒とかやると
先鋭的な斬り込みに欠けるものがあります

守りに入ったら人生おしまいだぜ
紅茶のせいのめまいで頭打って逝ったところで本望じゃねーか?
ジャンキーならジャンキーの生き方通してみろよ

とは言うものの
いや…言ってみたかっただけです
言うだけ番長は気持ち良いなぁ
BGMに吉田兄弟の津軽三味線とか流してくれ(←でも紅茶)

まあ…さておいて

この前から、みかんさんのコメントのおかげで
「ホットケーキミックスで作る簡単スコーン」に目覚めてしまい
もう2回も作ってしまった
(詳しくは『ついにキター!! これが今、巷でうわさのKUSMI TEA!』の記事のコメント参照)
この菓子を作らない私が…である
基本的に料理は嫌いなのだ
手間のかかることをしないのが私の料理の鉄則
だからスイーツはいつも鉄則の外に弾かれる運命にある

だが今回は訳が違ったらしい
なぜならば、安くて簡単で美味しい大好物のスコーンだ
紅茶マニアなら自分で作れるに越したことはない
しかも美味しいスコーンは外ではあまりお目にかからないのが世間様の実情である

さて「簡単なレシピがネットに沢山ありますよ~」
というみかんさんの上手い誘導に負けて検索
そこですぐさま網にかかったのが

豆腐スコーン

であった
こっ…これはっ

・材料が《ホットケーキミックス》《豆腐》以上終わり!
・レシピと計量が異常に簡単でタネが5分で出来る!

確かに簡単だ…コメントに偽りなし
卵もバターも牛乳も使わないこの異常に簡単な豆腐スコーン
その上ヘルシーなんて素晴らしいじゃないか!

では作り方を紹介しよう

《材料》
・ホットケーキミックス100g
・豆腐50g
(つまり、豆腐の量は常に粉の重さの半量だということだ…ここも高評価)

《レシピ》
1.粉100gに水をきらない豆腐50gを投入し、こねてひとまとめにする
2.4等分に丸めて平らにし、180℃に余熱したオーブンで15分焼く

終わり


詳しくはこのクックパッドのページ参照のこと
(ホットケーキミックスで豆腐スコーン)

まさかここにスコーンのレシピを紹介するとは思わなかった
特に粉菓子を作るのは晴天の霹靂と申せよう
しかもうちはオーブントースターしかない
だがこれはうちのオーブントースターで可能
(オーブントースターでは200℃余熱が良い)

最初はプレーンを作って試食
う…美味い
粉の味がたまらん
外はサクサク、中はしっとりじゃないか
作りたてというのもあるが
油も使わないのにこれはなかなかの食感だ
いそいそと旦那がハーゲンダッツのバニラアイスを買って来る
…しかもマカダミアナッツ入りのやつ
こういうことには腰が軽いのがうちの旦那さん
それを挟むとまたこれがたまらん
ジャムより美味しいなあ

旦那的には「もう少し甘くないのがいい」とのこと
すると後日食糧棚の奥から賞味期限微かに切れた薄力粉を発見
これと新しく買い込んだベーキングパウダーとレーズンをホットケーキミックスに混ぜて
第2回目は甘さ控え目豆腐レーズンスコーンとなった

最初は6個だったが、2回目は量を増やして18個
やはり甘さ控え目は良かった
その代わりにレーズンの甘さがアクセントになり
これはアイス無しでそのまま食べる
うまい…たまらん粉の味
だからといって粉っぽいわけではない
スコーンは小麦粉の味がストレートに近く出る菓子だ
そこが私がスコーンを好きな所以だ
下手すると米より小麦の方が好きなのかも知れない
ちなみに漢方的に言えば、小麦は肝臓に良く、米は肺に良い
内臓の奇形で肝臓の小さい私は小麦粉は薬も同然なのだ

ではこれ、冷えても、1日置いてもイケるのか?
というわけで、半分を次の日にとっておく
作りたては美味しいが冷えたらボソボソで味が落ちるとかあるかな?
翌日ドキドキしながら冷めたスコーンを食べてみる
うお!
大丈夫!イケるじゃないか
乾いてないし、味も落ちてない
表面もフニャフニャでない
偉いぞホットケーキミックス!

というわけで、沢山作って次の日に分けて食べるのも可
1日では味も食感も落ちないことがわかった


はっ…?
なんで重傷を負ったセバスチャン・ミカエリスがスコーンを…?
うわぁ…いま寝落ちしてた
夢か!


さて、ここで紅茶だ
なんの紅茶でこのスコーンを食べたかである

以前『真っ白いキャンバスのような驚きのセイロン』
をレビューしたのを覚えていらっしゃるだろうか?
あのセイロンをまたしても旦那が購入したのである(100gで330円)
しかも初見の地元のコーヒー焙煎屋から(萩原ではない)試飲でコーヒー豆と共に購入
買った店も包装も違うのにシールが一緒なのはなぜだろう?
あのシール絶対コーヒー系の問屋で売ってるんだわ
高尾珈琲の例を狙ってたみたいですが、見事なまでの無個性っぷりがまたしてもまぶしい
そうじゃなくても紅茶インフレの消化試合気味なのに
…あんまりだマイダーリン

そのような中、スコーンを作る2~3日前
またもや期限切れのバニラオイルを発見した
そろそろルピシアのラ・バニーユが飲みたくなっていたその折り
「そうだ、このバニラであの紅茶をなんちゃってバニーユにしてみよう」
とひらめいた…正気とは思えない
試行錯誤の末、バニラオイルをしませたティッシュで茶葉をくるみ
瓶の中で振る、を繰り返すこと1日
バニラオイルの湿気を飛ばすためにシリカゲルを投入
その日に飲んだ偽バニーユはバニラの香りがほとんどせず
諦めてビンを放置すること3日目

戯れに試飲したら…なんと着香していた
成功するとは思わなかったのだが意外な結果に


バニラオイルはグリセリンとアルコールに溶けているため
うっすら甘い
バニラエッセンスと違い熱に強いため
熱湯を注いでも香りが温存される
賞味期限が切れているため香りがマイルドで(笑)
渋みもなく、わりと上品な仕上がりになってしまった
人生何が起きても驚くなかれ


さて、この偽バニーユと豆腐スコーンを合わせたのである

枯れ木も山の賑わいという言葉があるが
それはそれなりにどちらも危うく成立しているのが苦笑を禁じえない
だがラ・バニーユを買いに行かなくても済んだし
スコーンは18個200~300円程度の材料費
貧民のお粗末お茶会とでも言うほかあるまいが(参考:アリスの気違いお茶会)これもまた楽しい
ネタ的お粗末感を楽しむ
これはかなり高等な楽しみ方である
しかもそれなりに美味いのだから徒労感もなく
下手すると侘びさびに近いかもねとか言い出しかねない
自重しよう


しかし…これって落語の『茶の湯』みたいだなぁ
腹下さなくて良かった
皆さんは賞味期限は守りましょうね
あくまで自己責任ですからねっ!


※みかんさんのブログに、もっと詳しい簡単スコーンの記事があります
 下記リンクからお飛びくだされ~♪
http://super-flying-cat.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-2a90.html
(『第五話 手作りスコーン』)




ついにキター!! これが今、巷でうわさのKUSMI TEA!

2012年05月07日 | 紅茶・デカフェ
気がつけば1ヶ月ほど記事を更新していないでした
よく来る例の“紅茶インフレ”なんですよ
あの勢いでお年始から紅茶買ってたら当たり前にそうなるよね

自重しながら生きてたのに、あることが原因で4月半ば
出勤しながら道端で立ちゲロ吐くくらいの体調不良に襲われ
胃とすい臓が壊滅的ダメージ
紅茶すら飲めない状態が何日か続く
そして、ようやく飲めるようになって、またしても3日前からカフェイン中毒に(笑)
…バカ丸出しとはこのことだ、馬鹿者め!
くるっくるも小康状態になったので、新たな展開をご報告いたします

KUSMI TEAもらったー!!

例のハロッズNO.16とM.Fのバビロニアをふるまってくれた紅茶好きの後輩さんからである
(詳しくは『実家で紅茶難民化する! 起死回生のティーバッグ研究室…救援物資はハロッズNo.16 』で)
実はその前に、イギリス土産に「レオニダスのフレーバーティ」を頂いていたのだが
トワイニングの魔窟に迷い込んでいたために、美味しく頂きながら
すっかりレビューの順番が後回しになってしまった
すみません、いろいろお世話になってるのに…不義理な人間で

さて今回頂いたKUSMI TEAは、最近SNSの紅茶コミュとかでよく見かけるようになったブランドである
もう、基本姿勢がノーブルでおっとりしていて上品な私としては
最新の情報なんて「あら、そう?」的に優雅に流してしまうのですが
目の前にするとさすがにドキドキしますわね!
詳しくは高森清八郎商店さんのHPを見ておくんなさい

リンクを飛んで頂ければ分かるが
『クスミティの創始者クスミチョフはその帝政ロシア時代の1867年セントペテルスブルグにて創業』した
モスクワに行ってロモノーソフ紅茶器6客セットとサモワールを担いで帰ってきた私としては
ロシア人の紅茶屋というのは、なんとも感慨深いものがある
KUSMI TEAはフレーバーが良いとの評判があるが
水が不味すぎるロシアでフレーバーティが受けるのも無理からぬ話ではある
水は本当に不味かった…うっすら黄緑だったし

さて、可愛いおしゃれな缶は25g入り
カフェイン中毒になりやすい私を気遣ってくれたのか
デカフェ(カフェインレス)のアールグレイである!
優しさがあふれてます
正式名称は『アールグレイ デテイン ウィズ シトラスフルーツ』という

缶を開けると…


良質な大振りの中国茶葉に柑橘系の香り
当然ベルガモットだが、たしかに裏にレモン、ライムが隠れてる
この香りはジンライムに似てる
エディアールブレンドはオレンジ系の甘め柑橘系だが、ライムは新しいな!
これは東欧風なんだそうだ
レモンティって東欧風なのか、知らんかった

では、淹れてみましょう
3gで150ml、いつもの分量でGO
さあ、お味はいかがでしょうか?

まず爽やか系シトラスの軽い香りがふわっと香る
ケミカルっぽくないのが上品で良い
アールグレイの押し付けがましいのは鼻につくし、喉に痛い
さすがに高級茶葉だけあって淹れるとマイルドな香りになる

味は、渋み、刺激感はなく、喉ごしが滑らかで、舌触りもすっきり
爽やか系のシトラスだけあって、全体的に軽やかさを演出している感じ
ライムが案外効いてる
デカフェだが風味はよく温存されていて、コクより軽さの演出が効を奏している
茶葉の甘さが後口に残るのでいい茶葉だと分かる
ただ、カフェインレスであるが、カテキンやタンニンはそのままなので
空腹だと胃には少し来ます
朝より、寝る前に飲む方があってるかもしれません


これを飲んでいるとモスクワのサーカスを思い出す
レモンとライムの香りは、少し駄菓子やシトロンや子供の遊びの感じを思い出させる
同時にカクテルのジンライムやレモンとコロナビールみたいな大人の遊び心でもある
そしてサーカスは大人も子供も興奮する
ライムグリーン・レモンイエロー、ピエロのアンブレラとサーカス小屋のカラフルな天蓋のようだ

ロシア人はサーカスが大変好きで、1年中サーカスを常打ちしている
サーカスは移動式のテントではなく、立派なサーカス専用の常打ち大劇場がモスクワに2つもある
どれだけ好きなんだ(笑)
昔からある「オールド・サーカス」と、1971年創設の「ニュー・サーカス」の2軒があって
私は優秀なガイドさんのおかげで旅行中に両方見に行けた
サーカスにはなぜか、よく不可抗力的に連れていかれる
アレグリア系のものも含めたら、人生で5回は観に行ってるんじゃないだろうか?
私はあのある意味完成されたサーカスという娯楽はとても好きである
あの独特の雰囲気は映画も芝居も遊園地もマネできない何かがある
明るさと暗さと無邪気さと艶かしさが同居し、動物も人間も普通じゃできないことを
平然とやってのける
目的は、ただ楽しむためだけに…
この世の中の投影のような世界ともいえる

ちなみにロシア人の子供のなりたい職業NO.1は、サーカスのピエロだそうである
今から15年くらい前の情報ですけどね

懐かしいことを思い出させてくれた紅茶でした
ハラショー
スパシーバ!