この記事には間違いがあります。
PGtips(UK)もTETLEYもタイフーもジクロロメタン抽出です
調べなおしたので、訂正入れます。
申し訳ありませんでした
※画像は超臨界二酸化炭素抽出マシン
1.どんな情報も鵜呑みにしないで自分で調べなきゃだめだよね
…という事件が起きたばっかりの日本のマスコミ
(もちろんisp細胞の臨床虚偽発表事件のことですよ!)
どこぞのTV局は責任者に処分が出ましたが、あれだけのガセ掴まされて、よく調べもせずに記事にしたもんです
それ以外のTV局は身内におとがめなしかよ(笑)まあ、とがめられるほどの信憑性が自分たちにはもうない
という、ある意味自覚があるんでしょうかねぇ。全社挙げて東スポかよ
まあ、なんかの陰謀…とか思うことにする。じゃなきゃお粗末過ぎて笑えませんからね
いや、マスゴミが~…とか言ってる場合じゃないんですよ
紅茶ゴシップ記事とか自称してるここのブログもある意味東スポ(紅スポ)っちゃそんなんですが
こういう風にWEBなんかで調べ物が簡単になり、無料でwikiなんていう百科事典のような詳しい情報が手に入り
質問サイトを検索すれば、自分と同じ悩みの回答が何個も出てくるこのご時世
こうしてブログなんか書いて、偏向情報とはいえ発信源になっている自分をつくづく恐ろしいと思うよね
と、なにが言いたいかっていうと、きっかけはなんのこたぁない
デカフェがいつの間にかあと2週間分しかないことに10月末にいきなり気がついたことなんですが(笑)
TetleyデカフェのTBを80個、エリズコーヒーさんに発注後
“英国紅茶、ハーブティー、雑貨をイギリスよりお届け”のEnglish specialitiesさんからお取り寄せの
マーク&スペンサー・デカフェ80個+クリッパー・デカフェ40個
計200個が8月初旬には我が家に届いていたにもかかわらず、3ヶ月後にはなくなってるこの事態…
え?200個÷90日=2.2222…?
旦那と私で1杯づつ飲んだら当たり前だって?
そーでした
なんか8月初めのデジャブのようじゃないですか…またしても認識が甘いだけだったorz
ええ…がんばって話を進めると、実は例の
Britstore、クレジットカードさえあれば日本に配送可
しかも、コスパが良い!ということがわかり(後で記事にします←使い方がわかったんですよなんと)
放置してあるクレカを整備するまでのつなぎに80個くらいデカフェを買っておこうと
3000円以上買えばイギリスから送料無料で直送してくれるEnglish specialitiesさんに
ぴったり3000円のお買い物を注文するべく、どのデカフェを買うか(また新しいのに挑戦だと?)
事前調査をしているときのことだったのでした
テスコかモリソンかタイフーか?とかなんとか悩んで、評判をググっていると
GitHubという見たこともないブログか何かに行き当たりました
そこにはこんな記述がポツポツとメモ書きのように記されておりました
2.GitHubという謎のサイト
それは、こんな感じの画面だった
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GitHub:gist
Description:デカフェ紅茶
デカフェ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7
脱カフェイン法
・有機溶媒抽出
・水抽出
・超臨界二酸化炭素抽出
Sally's Site: PG Tips Decaffeinated - Not Such a Good Choice http://sallys-site.blogspot.jp/2010/02/pg-tips-decaffeinated-bad-choice.html
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メーカーに問い合わせた人の話。
PG Tips と Tetley と Typhoo は有機溶媒抽出。
Clipper Organic Decaf Tea は二酸化炭素抽出。
Taylors of Harrogate の紅茶はすべて二酸化炭素抽出らしい。 本文中リンクはリンク切れ。 たぶん下の日本のサイトと同じ商品説明。
Red Bush はカフェインフリーである。
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Twinings
Frequently Asked Questions http://shop.twinings.co.uk/shop/Frequently-Asked-Questions#_How_is_tea_1
How is tea decaffeinated? All decaffeinated products for the UK retail sector are decaffeinated using methylchloride/dichloromethane. It results in a tea which is much closer to the original product in taste, as it is a shorter, lower temperature process and removes fewer of the flavour compounds of tea.
Twinings UK は 有機溶媒抽出。
Twinings USA: FAQ http://www.twiningsusa.com/footer-content.php?id=3
Twinings teas are decaffeinated using water and liquid carbon dioxide.
Twinings USA は水抽出と超臨界二酸化炭素抽出。
同じブランドでも国によって違うとは。
日本では売ってないね。
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Taylors of Harrogate-Tea & Coffe Specialist | Products | CLASSIC BLACK TEAS http://www.taylorsofharrogate.jp/product003.php?category=28
紅茶本来の味を損なわず、特殊な二酸化炭素工法で自然にカフェインを取り除いた紅茶です。最高品質のアフリカ産茶葉の ブレンドティーで、口当り軽く、爽快な紅茶です。 【カフェイン:0.2%未満】
Yorkshire Tea Decaffeinated には言及なし。そもそも一覧にない…
(…以下略→全部読みたい方はリンクで飛んで下せえ by Nirvana・cafe)
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3.え?ちょっとまてや。ゆ…有機溶剤抽出?
デカフェを飲み始めて以来、おおむねデカフェのテイストについて言及してきました
どこのどんなデカフェが美味しくてコスパが良いか…
主にUKのデカフェを調査してきたのは理由があり、
1.欧州はデカフェの規格が設けられており、0.1~0.2%と決まっている。
2.日本にはデカフェの基準値がなく、80~90%除去が主流。
3.UKのデカフェはコスパが良い
4.日本のデカフェはコスパが悪い
まあ、なぜコスパが違うのかが実は問題だったんですが…
今年の正月から始まったトワイニング・スタディーが、勢い余ってイングリッシュティー・スタディーに変わっていったのもあり
クスミティー以来、UK紅茶とUKデカフェ紅茶を注文し続けたNirvana・cafeだったが
そのデカフェの製法については、
デカフェwikiにある説明を読んでわかったつもりになっていました
つまり“どうやってカフェインを抜くか?”という工程について、です
念のために、もう一度ここにデカフェwikiの製法についてのコピペを抜粋・整理して貼っておきます
1.有機溶媒抽出、あるいはケミカル・メソッド
2.水抽出、ウォーター・メソッド(スイス式水抽出法(Swiss water method))
3.超臨界二酸化炭素抽出(Carbon Dioxide (CO2) method)
んで、私はひとつ、大きな誤解をしていたのです
『…安価な方法であるものの、カフェイン以外の成分の損失が大きいため風味で劣ることと、有機溶媒を直接生豆に接触させるため消費者が安全面での不安を抱きやすいという短所がある。』(有機溶剤抽出)
『…さまざまな点において有機溶媒抽出法の欠点を補った、極めて優れた脱カフェイン法だとされている。(中略)…カフェインの効率的な抽出除去のため、圧力、温度と豆の湿潤処理方法がさまざまに工夫されている。』(超臨界二酸化炭素抽出)
ここらあたりを読んだ私は、
「もうてっきりデカフェ世界は、安全で優れた超臨界二酸化炭素抽出抽出に移行してるんだ~♪」
という大変な勘違いを起こしていたのです
つまり、いままで飲んだ、そしてこれから飲むであろうデカフェは、みんなCO2メソッドだという
なんつーお花畑な早とちりなんだよ…だいたいそんなことどこにも書いていてねーっての!
潜在的な願望が事実をねじ曲げた瞬間だったね
ある意味ホラーですよホラー
自分の脳みそが怖い…ざわ…ざわ…
自分勝手な誤解が解けただけ、なんだけど、衝撃といえば衝撃でしたよね
欧米は先進的♪という偏見のなせるわざってか、いや、どんだけ経費かかるの?CO2法ってさ
このGitHub(なんかサンフランシスコ発のSNSの一種?)の記述は、どうやらこのブログが元ネタらしい
Sally's Site 「PG Tips Decaffeinated - Not Such a Good Choice」
これはgoogleのブログ【Blogger】で記事を書いていらっしゃるUKはケント州のアート系の女性サリーさん
詳しいプロフィールに:好きな音楽「レッド・ツエッペリンとピンク・フロイドとバッハ」
とあるのが、大変親近感の湧くパーソナリティーですね
このかた。当該記事を読んでいただくとお分かりになると思いますが
デカフェの安全性に疑問を持ち、脱カフェイン法について、紅茶の各主要企業に質問のメールを送り
それの企業からの回答をまとめてレポートしてくれたという大変貴重な作業をしてくれた奇特な人物です
それをメモ書きにしてまとめたのがGitHubの記述であった、というわけ
4.有機溶剤抽出の問題点
それから自分で調査開始
有機溶剤抽出はなんで問題かというと、溶剤はケミカルな化学物質なので、人体に対する安全性の問題があるという
よく使われているのが
・酢酸エチル(ethyl acetate):PGtips、タイフー
・ジクロロメタン(塩化メチレン・Methylene Chloride):UKトワイニング、テトレー
PGとテトレーは、サリーさんのサイトにはジクロロメタンになっているが、
両社ともUKサイトにFAQがないので、他の調査を参考にすると、
PGについては酢酸エチルに変わっているようだ
UKトワイニングは自社のFAQでジクロロメタンとある
[酢酸エチル]
日本でも香料に使用されているが、他の用途は限定されていて
『…酢酸エチルは、食品衛生法第 10 条に基づき食品添加物として指定されている(指定添加物)。
「食品、添加物等の規格基準(厚生省告示第 370号)」において成分規格及び使用基準が
定められており、着香の目的以外に使用してはならないとされている(以下略)』
(食品安全委員会『酢酸エチルの概要について』)
パイナップル・バナナ等天然の果実油の中にも広く含まれる果実臭成分の一つ
でもマニキュアの徐光液の主成分と聞き、うーむむむ
でも、調べてもあまり毒性は取り沙汰されていないのよね
劇物指定ってのも、シンナー中毒者の薬物取締りの法制のためだったらしいし
まあ、なんの添加物でも体は肝臓で分解しなきゃならないんですが
天然の酢酸エチルは、発酵過程でワインや日本酒にも微量存在するって
カフェインの副作用と比べるとどっちが優先されて排除対象になるんでしょうかね?
[ジクロロメタン]
『常温では無色で、強く甘い芳香をもつ液体。非常に多くの種類の有機化合物を溶解する。また難燃性の有機化合物であることから、広範囲で溶媒や溶剤として利用されている。特に金属機械の油脂を洗浄する用途で多用されているが、
環境負荷とヒトへの毒性の懸念からPRTR法により利用と廃棄が監視される物質でもある。』
『ヒトに対しては、皮膚または目に接触すると炎症を引き起こす場合があることが知られている。蒸気を大量に吸引すると麻酔作用を示し、中枢神経系を抑制する。慢性毒性として肝機能障害が知られている。ヒトへの発癌性は証明はされていないものの、動物実験では発癌性が示唆される IARC発がん性リスク評価で Group 2B に分類されている化合物である。』
(以上ジクロロメタンwikiより)
・とりあえず調べた主な会社のFAQなんかを下にリンクします
・UKトワイニング(How is tea decaffeinated?)
・USAトワイニング FAQ(Decaffeination Process: The Twinings Way)
・クリッパー(Decaffeination…the Clipper way)
・テイラーズ・オブ・ハロゲイト(Decaffeinated Breakfast)
5.しょうもない結論
結論は、UKのご庶民デカフェは有名どころはだいたいが有機溶剤抽出でしたね
クリッパーはさすがにCO2抽出。
テイラーズ・オブ・ハロゲイトは高いラインはCO2になっているが、ヨークシャーティー・デカフェについては明言なし
変なのはトワイニングで、UKは溶剤抽出でしかもジクロロメタン、USAはCO2抽出。
全般的に、USAはCO2抽出のデカフェを売っているプロダクツが多く、UKは少ない
なぜなら、デカフェwikiにもあるとおり、有機溶剤法は安価だからです
金が掛かるからケミカル法。UKは美味しくてコスパが良い紅茶の国です
超臨界二酸化炭素法は経費がかかるので、理念のあるメーカーでないと価格競争に負けるんでしょう
その安い紅茶に便乗してる私も、有機溶剤かぁ…と思うとミルクティーが美味しいような(笑)
だからといって、現在デカフェにはそんな経費かけられないし(大量消費中なので)
とにかくカフェインの副作用と天秤にかけて、いまんとこカフェインを排除したいな
酢酸エチルもジクロメも、沸点が低い(それぞれ77.1℃/40℃)から残留はしないらしいが、
そうでもないようなうわさもあるという煮え切らない状態
衝撃といえば衝撃だけど、じゃあこの情報でケミカル拒絶するかって聞かれたら
とりあえず体弱いからジクロメは勘弁って思う
消極的選択として、酢酸エチルなら仕方ない…でお茶濁すしかねぇな、いまのところ
食品添加物に不安を感じる方は、少々お値段が張るが、欧州基準では
クリッパー、クスミティー、USAトワイニング、テイラーズ・オブ・ハロゲイト、ディルマ
あたりがCO2法で脱カフェインしてます
テイラーズ・オブ・ハロゲイトでも、ヨークシャーティー・デカフェは、正規輸入してないんで怪しい。安いし
6.余談…
さて、調査中に面白いものを見つけた
「内閣府(経済企画庁)に対して、在日ドイツ商工会議所が出したクレーム」です(一部抜粋)
『ドイツからカフェイン抜きコーヒーを日本へ輸出しようとしたところ、コーヒーのカフェインを除去するために使用されている酢酸エチルは、食品添加物の使用基準上、香りつけの用途以外には認められていないことから、輸入できないものとなっている。しかし、酢酸エチルは、欧米においては安全な溶剤として使用されており、その性質に合わせたカフェイン除去技術も開発されている。酢酸エチル自体はもともと自然界に存在するもので、果実、野菜、ワインなどにも含まれており、その量はカフェイン除去後のコーヒー中に残留する量よりも多いことがある。』
『日本において科学的な根拠なくカフェイン除去目的での酢酸エチルの使用を認めないのは、日本へのカフェイン抜きコーヒーの輸入障壁である。したがって、厚生労働省に対して次の事項を求める
(1)食品添加物の使用基準を見直し、酢酸エチルを使用したカフェインレスコーヒーを日本に輸入できるようにして欲しい。
(2)酢酸エチルが食品添加物の使用基準上、香りつけの用途以外には認められていないことの科学的根拠を示して欲しい。』
平成12年12月13日
「改正はできるけど~まだ評価がなされてないから~」検討の方向 ①-ア
検討の方向①-アが何を示してるのかは不明
これに対する担当省である厚労省の答えは…平成12年からほったらかしかよ(笑)
ググっても文字化けしてキャッシュでしか見れないので、閲覧希望者は各自たどり着いてください
それに関して、コーヒーのサイトがあり、
http://www.espresso.jp/gokai02.htm
『ちなみに日本では、食品衛生法の規定に基づき食品添加物等の規格基準が設定されており、これに適合しないものの輸入、販売等は禁止されています。つまり、有機溶剤を使ったデカフェのコーヒーはそもそも輸入禁止なのです。欧州各国の業者からは塩化メチレンや酢酸エチルを使用したデカフェについては認めて欲しい旨の要望が出されていますが、日本の役所の審査手続を踏むのはよほど煩雑なのか、申請にコストをかけると安さのメリットが失われてしまうのか、その後の話を聞きません。』
こんな感じだそうです
という事は、日本で公式に売ってるデカフェ紅茶はCO2法か、スイス式だということですね
つまり、クスミティのアールグレイ・デテインはケミカル法ではないんだな
日本のカフェインレス・デカフェ紅茶業界も、基準値がない中、増えてはきています
割高で、カフェイン残留基準値はバラバラですが、欧州基準に合わせてきてるショップもある
こんなサイトもあります
カフェインレスの紅茶(茶葉、リーフ) 通販一覧
あとは、ユーザーの価値観ですね
なににこだわり、なにを目的とするか…
一概にケミカルが悪いとは思いませんし
歯切れが悪いですが、今回は書きっぱなしで(笑)
書いてるうちにどうでもよくなってきた(←くたびれたんで多少デカフェのゲシュタルト崩壊気味)
記事が長すぎるわ!
※先日読者様から、UKテトレーにはFAQがないというご指摘を受けました
FAQはあるんですが、デカフェの項目がないです
記事を書くときに、間違ってUSAテトレーのFAQを見てました
申しわけありません。
従ってテトレーは、酢酸エチルではなく、ジクロロメタンの可能性のほうが高いです
(2013.1.31)