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マレーシア マイセカンドホーム  -シニア世代の海外ロングステイ-

マレーシアにロングステイする”マレーシアマイセカンドホームプログラム”の情報と解説のブログ。最新更新 2017年4月

クアラルンプール圏及びペナン島の住宅写真と地図の連載を始めました

2013年02月19日 | マレーシアの住居知識と情報

【住宅写真と地図シリーズを始めるにあたって】

マレーシア住宅不動市場の現況と近い将来の姿を示すために、細かな統計数字を使った記事を昨年以来2回掲載して、その(あくまでも)一端を紹介しました。そして今年はこの統計数字を使った記事をいくつか掲載して、マレーシア住宅市場の姿をさらに紹介していくつもりです。

加えて、この統計的手法とは別の方法でも、マレーシア住宅市場の現況を読者の皆さんに紹介していきます。それが今回の記事を第1回とする、住宅写真とGoogle地図による案内シリーズです。

クアラルンプール圏のいろんな地区をバスまたは電車で移動して、街を歩きながら住宅及びその地の代表的目印を写したものをネット上に掲載します。
自分の足で街歩きすることをモットーとするイントラアジアならではの手法です。

写真紹介の対象都市はまず、イントラアジアの居住地がクアラルンプールであるため泊りがけで出かける必要のない、クアラルンプール圏となります。加えて、時々訪れているペナン島も含めます(一部は既に撮影済み)。
さらに他の都市へも対象を広げるつもりですが、具体的にいつ頃になるかは予算の都合があるため(笑)、その都度決めます。

【Picasa のウエブアルバムを利用します】

撮影した写真を整理した後ネット上に掲載する際、当ブログまたはイントラアジアのホームページに掲載することを最初考えましたが、ブログの特徴上写真をたくさん載せると分かりにくくなることがありますし、加えて地図の表し方に難点がでます。ホームページの場合写真表示は向いているのですが、地図の示し方に難点が出ます。

そこでいろいろ考えた、探した末、Picasa のウエブアルバムを利用します。このプログラムの優れた点は、Google の地図に撮影した写真の位置を示せることです。Picasa アプリ類自体がGoogle のサービス下にあるからです。

それでは閲覧のための説明です:

  • 当ブログの記事内に Picasa ウエブアルバムの都市名ページのリンクを示します。
  • そのリンクをクリックすると別ページで開きます。
  • Picasaのメンバーに登録していなくても、もちろん閲覧できる。
  • 写真を1枚づつクリックするとその地理位置がGoogle 地図でわかる。
  • 地図は閲覧者が拡大したり位置を移動することができますので、読者の見やすい形でご覧になれます。
  • 写真をスライドショーにして連続してみることもできる。
  • 全ての写真には短い説明を付けました。

閲覧だけなら特に細かな Picasa操作知識は要りませんので、容易に閲覧できます。
詳しいことは、ウエブ上で Picasa のヘルプをクリックして知ることもできる。

注意点
1.Picasa ウエブアルバムでは閲覧者のOSまたはブラウザーの種類を判断して、自動的にカタカナが一部表示される仕組みになっている。これは非常におせっかいな機能です。カタカナ読みは間違いが多いので(おそらく何語であれ一律に英語読みするプログラムになっていることから、マレーシアにおける発音とかけ離れている)、一切無視してください。

2.Goole マップは決して最新地図情報を示していません。クアラルンプール圏だけを見ても比較的最近の情報と思える地域部分もあれば、5年以上前ではなかろうかと思えるような地域部分も一杯あります。ペナン島も同様です。最近の新興開発地・施設はほとんど表示されていないと考えておいた方が無難です。

この点を踏まえた上で、Googleマップは大いに有用な場所知識を与えてくれます。

【クアラルンプール圏の住宅と地図シリーズ 第1回】

クアラルンプール圏の住宅写真と地図 - シリーズ第1回

 

【住宅写真と地図シリーズは非定期的に掲載し、長く続く】

国内で最も住宅数の多いクアラルンプール圏ですから、この住宅写真と地図-案内シリーズは、今後長く続きます。ただし次の掲載予定時期を示さない非定期的な掲載になりますことは、承知おきください。

当ブログは以前から記事内で強調していますように、
”ロングステイ地ではその地のスタイルにできるだけまたはある程度は馴染もうとされる方、日本人コミュニティーと付かず離れずに暮らしたい方”、 ”マスコミや業者が創り出している海外ロングステイのイメイージにこだわらない人” を応援します。 ”日本人コミュニティー内だけで暮らすつもり、暮らしたい”場合のことは扱いません。
21世紀の現代は携帯電話、スマートフォン、ネット接続パソコンを使えば、(隣近所ではない)離れている在マレーシアの日本人とも容易につながりは持てますよね。

従いまして、住宅写真を撮る際に、日本人が居住している、居住していない、有名である、有名でない、といったことは全く撮影上の考慮点ではありません。


コンドミニアム/アパート及び2階3階建てテラスハウスに関して、4つの州・都市を比較する

2013年01月23日 | マレーシアの住居知識と情報

昨年12月2日の記事 『クアラルンプールにおける住宅不動産の状況を統計数字を基にして分析する』 で、クアラルンプールの住宅不動産事情を、細かな統計数字を使って紹介しました。

今回は、WPクアラルンプール、それを取り囲むスランゴール州、日本人の間にも好きな人の多いペナン州、この数年積極的な開発が進行している経済開発特区の影響で注目度が高まるジョーホール州、この4つの州・都市の住宅不動産の現状と開発状況を示す数字を示して、全体から見てどういう重みを持つのかを説明します。
外国人が居住する、居住を好むのは、半島部ではこの4つの州・都市が圧倒的に高い比率を持つことは知られた事実でもあります。

当記事で引用する統計の出典は、『クアラルンプールにおける住宅不動産の状況を統計数字を基にして分析する』と同じく、マレーシア財務省翼下にある Pusat Maklumat Harta Tanah Negara(全国不動産情報センター)が公表している公式統計です。2013年1月時点で得られる最新情報を基にします。

【重要ことばの説明】

WP Kuala Lumpur とはマレーシア語 Wilayah Persekutuan の省略形であり、その意味は連邦直轄領です。首都 WP Kuala Lumpurはどの州にも属さず連邦政府の直轄下にあります。

コンドミニアムと中高級なアパートは1つの種類として、”Condominium/ Apartment "として分類されています。さらに一般的または大衆的なアパート、及び低コストアパートはそれぞれ別の種類として統計されています。

詳しくは『クアラルンプールにおける住宅不動産の状況を統計数字を基にして分析する』及び『マレーシアに住むための住宅不動産用語と賃借、購入に伴う費用の説明-前編』を参照してください。
住宅分類の説明を上の記事であらかじめ確認されてから、この記事をお読みください。

【コンドミニアム/アパート、及び2階3階建てテラスハウスを WPクアラルンプール、スランゴール州、ジョーホール州、ペナン州で比較する】

さてロングステイ者の第一の選択は圧倒的にコンドミニアムですよね。 以前の記事でも説明しましたように、高級なアパートとコンドミニアムの区別は法的にはありません、さらに実際どこで線引きするかも人によって多少違うはずです。両者とも多層階共同住宅であることに変わりはありません。

ロングステイ者が2番目に選択を考慮するのは、おそらく2階3階建てテラスハウスではないでしょうか。ただし1番からかなり離れた2番目です。言うまでもなく、バンガロー(一戸建て)、準一戸建ても選択の1つであることはわかりますが、当然ながら2階3階建てテラスハウスより高額になる。

ちなみに全国の住居を対象にした住宅分類中で現ユニット数が最多の種類は、2階3階建てテラスハウスで約21%、次いで2番目に多いのが1階建て(平屋)テラスハウスの約19%、3番目が低コスト住宅で13%、そして4番目がコンドミニアム/アパートで約10.5%です。

つまり2階3階建てテラスハウスは最も一般的な住宅種であり、コンドミニアム/アパートはユニット数でみると、全体の1割だということです。

またコンドミニアム/アパートの現ユニット数において、WP クアラルンプール、スランゴール州、ジョーホール州、ペナン州で全体の実に約85%も占める
2階3階建てテラスハウスの現ユニット数において、WP クアラルンプール、スランゴール州、ジョーホール州、ペナン州で全体の約70%を占める

今回の記事では以上のことから、住宅種としてはコンドミニアム/アパート、及び2階3階建てテラスハウス の2種類だけを対象にし、地域としてはこの4州・都市の数字だけを載せます。当ブログではグラフを使えないので、数字をたくさん並べると見にくいという点もあります。

日本人ロングステイ者が多くはなくても、居住しているまたは居住を希望するサバ州、ペラ州、パハン州といった他州のことは、またいつか扱うことにします。


【コンドミニアム/アパート】

・2012年各四半期時点における現ユニット数(過去に完成して既に住居として使われている):最初の数字が第2四半期、2番目の数字が第3四半期です
WPクアラルンプール:146,812ユニット.  146,838ユニット
スランゴール州:200,436ユニット. 201,049ユニット   
ジョーホール州:27,196ユニット.  27,196ユニット  
ペナン州:38,716ユニット. 39,098ユニット
全国: 485,084ユニット.  486,171ユニット.

この4か所で全体の85%も占めるということから、コンドミニアム/アパートがいかに4州・都市に集中しているかがおわかりでしょう。

・2012年の各四半期時点に完成したユニット数:最初の数字が第2四半期、2番目の数字が第3四半期です
WPクアラルンプール:1,569ユニット. 26ユニット.
スランゴール州:  1,170ユニット. 613ユニット.
ジョーホール州:  ゼロ、ゼロ
ペナン州: 954ユニット, 382ユニット.
全国: 3,781ユニット. 1,087ユニット.

・今後住宅市場に提供される予定の、2012年各四半期時点におけるユニット数:最初の数字が第2四半期、2番目の数字が第3四半期です
WPクアラルンプール:15,324ユニット. 16,211ユニット.
スランゴール州:  29,341ユニット. 29,134ユニット.
ジョーホール州:  8,726ユニット. 9,026ユニット.
ペナン州:6,008ユニット. 7,651ユニット
全国: 86,179ユニット. 90,006ユニット

今後住宅市場に提供される予定のユニット数でみると、この4州・都市で全体の約70%を占める。

今後住宅市場に提供される予定の内で既に建設中である、2012年各四半期時点におけるユニット数:最初の数字が第2四半期、2番目の数字が第3四半期です
WPクアラルンプール:14,320ユニット. 15,298ユニット
スランゴール州:  26,328ユニット. 28,728ユニット.
ジョーホール州:  8,726ユニット. 8,726ユニット.
ペナン州:5,348ユニット. 5,626ユニット.
全国: 80,596ユニット. 85,092ユニット

注記:今後住宅市場に提供される予定のユニット数 = 既に建設中であるユニット数 + 建設に取り掛かったばかりのユニット数

今後住宅市場に提供される予定の内で、その四半期に建設に取り掛かったばかりユニット数は省略します。

・まだ計画中の建築プロジェクトにおけるユニット数、2012年各四半期時点:最初の数字が第2四半期、2番目の数字が第3四半期です
WPクアラルンプール:9,673ユニット. 10,801ユニット.
スランゴール州:  24,649ユニット. 24,593ユニット.
ジョーホール州: 8,269ユニット. 8,269ユニット.
ペナン州:6,697ユニット. 4,980ユニット
全国: 81, 475ユニット. 80,520ユニット.

【イントラアジアの説明】

WPクアラルンプールとスランゴール州が現ユニット数においてはいうまでもなく、どの範疇をとっても、ジョーホール州とペナン州の数倍以上の規模であることがおわかりですね。この2か所は首都圏として、住宅市場規模は飛び抜けて大きい。

またスランゴール州はクアラルンプールを取り囲む大きな州であり、面積と人口の両面でWPクアラルンプールを上回りますので、統計数字でも上回っているのは不思議ではありません。 
WPクアラルンプールとスランゴール州の境界地域は切れ目なくつながっており、行政上の所属に違いはあっても、両地域に目立った変化がないのが普通です。

今後住宅市場に提供される予定のユニット数は、建築プロジェクトが途中で放棄されるか完成遅延となる物件を除いて、今後数年以内に完成して住宅に使われることになる。
そこでこの 4州・都市においてはどこもかなりのユニット数がコンドミニアム・アパート市場に新規に加わることになる。

さらに計画中の建築プロジェクトの数字にも注目してください。WPクアラルンプールを別にして、スランゴール州、ジョーホール州、ペナン州の3州はいずれも今後住宅市場に提供される予定のユニット数に近似していますね。 それだけ需要を期待した建築意欲が高いことがわかります。

WPクアラルンプールの数字だけは、今後住宅市場に提供される予定のユニット数よりかなり少ないのは、以前の記事でも説明したように、開発する土地が既に限られている理由が大きいはずです。


【2階3階建てテラスハウス】

・2012年各四半期時点における現ユニット数(過去に完成して既に住居として使われている):最初の数字が第2四半期、2番目の数字が第3四半期です
WPクアラルンプール:65,403ユニット.  65,403ユニット
スランゴール州:403,271ユニット. 404,729ユニット   
ジョーホール州:153,077ユニット.  153,509ユニット  
ペナン州:56,833ユニット. 57,520ユニット
全国: 977,823ユニット.  981,874ユニット.

スランゴール州だけで全体の実に4割も占めています。スランゴール州では2階3階建てテラスハウスの選択が極めて豊富ですね。つまり地域、価格の選択幅が広い。

・2012年の各四半期時点に完成したユニット数:最初の数字が第2四半期、2番目の数字が第3四半期です
WPクアラルンプール:ゼロ、ゼロ
スランゴール州:  1,504ユニット. 1,458ユニット.
ジョーホール州:  1,474ユニット. 432ユニット.
ペナン州: 487ユニット, 687ユニット.
全国: 5,221ユニット. 4,051ユニット.

・今後住宅市場に提供される予定の、2012年各四半期時点におけるユニット数:最初の数字が第2四半期、2番目の数字が第3四半期です
WPクアラルンプール:1,099ユニット. 1,271ユニット.
スランゴール州:  33,499ユニット. 34,177ユニット.
ジョーホール州:  24,173ユニット. 25,191ユニット.
ペナン州:10,206ユニット. 9,969ユニット
全国: 116,763ユニット. 120,640ユニット

今後住宅市場に提供される予定のユニット数でみると、この4州・都市で全体の約60%を占める。とりわけスランゴール州とジョーホール州の2州だけで全体の約半分も占めている。WPクアラルンプールでは土地の少なさと高騰から、2、3階程度の住宅はもうあまり建設されないということが読み取れます。

・今後住宅市場に提供される予定の内で既に建設中である、2012年各四半期時点におけるユニット数:最初の数字が第2四半期、2番目の数字が第3四半期です
WPクアラルンプール:1,042ユニット. 1,099ユニット
スランゴール州:  30,664ユニット. 32,041ユニット.
ジョーホール州:  22,439ユニット. 23,741ユニット.
ペナン州:9,656ユニット. 9,519ユニット.
全国: 109,375ユニット. 112,712ユニット

注記:今後住宅市場に提供される予定のユニット数 = 既に建設中であるユニット数 + 建設に取り掛かったばかりのユニット数

今後住宅市場に提供される予定の内で、その四半期に建設に取り掛かったばかりユニット数は省略します

・まだ計画中の建築プロジェクトにおけるユニット数、2012年各四半期時点:最初の数字が第2四半期、2番目の数字が第3四半期です
WPクアラルンプール:801ユニット. 715ユニット.
スランゴール州:  24,234ユニット. 24,242ユニット.
ジョーホール州: 49,213ユニット. 49,872ユニット.
ペナン州:10,863ユニット. 11,651ユニット
全国: 120,301ユニット. 121,531ユニット.

ジョーホール州が、この2階3階建てテラスハウスの計画中ユニット数の多さで際立ちますね。

【イントラアジアのひとこと】

以上の数字を丁寧にご覧になれば、ロングステイ者の滞在候補地として圧倒的に多い、4州・都市:WPクアラルンプール、スランゴール州、ジョーホール州、ペナン州の住宅不動産の現状と近い将来の増加傾向が大体おわかりになったことでしょう。

今回の記事は数字が中心なので、住居としては賃貸だけを考えているという方にはあまり興味はわかないかもしれませんが、全体像を捉えるのに役立つでしょう。とりわけ住宅購入を考えている方、投資も考えている方には、参考になるはずです。


クアラルンプールにおける住宅不動産の状況を統計数字を基にして分析する

2012年12月02日 | マレーシアの住居知識と情報

クアラルンプールで新たに建築された住宅不動産において、2004年第1四半期から2012年第1四半期までの合計ユニット数(住居戸数と捉えてください)は 128,271です。その内の 55,631、つまり43%がコンドミニアム(のユニット=戸数)である、との記事をしばらく前に読みました。

おことわり:イントラアジアが読む、参照するのは一次情報、つまり全てマレーシアのマスコミや官庁などが発表する活字またはネット上の情報・記事です、従って必ずしも英語だけとは限らず、マレーシア語、華語のものもある。
専門書・研究書を除いて、どんなものであれ、二次、三次情報となる日本語のものは一切参照も関知もしません。
マレーシアの直情報だから全て信頼、利用に値するということにはなりませんから、20年以上マレーシアに日々生活者として関わり且つ膨大な情報に接してきた者として、これまでの知識と経験を基に情報を吟味し、判断し、整理して利用しています。


【クアラルンプールという地名の定義】

ここで言う、”クアラルンプール”とはマレーシアにおける行政上の呼称である、WP Kuala Lumpur を指します。WP はマレーシア語 Wilayah Persekutuan の省略形であり、その意味は連邦直轄領です。首都 WP Kuala Lumpurはどの州にも属さず連邦政府の直轄下にあります。

注:行政首都 Putrajaya も同様に連邦直轄領です。WPという単語はマレーシアの公的な文書やニュースには頻繁に出てくる基本単語ですので、ちゃんと覚えておきましょう。
クアラルンプールの略称は KL(ケイエルと発音)であり、マレーシア人の日常会話では普通こう呼びます。

なおややこやしいことに、クアラルンプールということばを使う時、伝統的な市域範囲を念頭にする場合もあります。つまり旧来のクアラルンプールの範囲だとみなしていいでしょう。

WP Kuala Lumpur という行政上の地理範囲は、伝統的クアラルンプールとその周りを不均一に取りまく地区、例えばSetapak, Ampang, Cheras, Batu などを含めた、面積243平方Kmの都市です。

一方、大クアラルンプール圏またはクアラルンプール圏という概念もよくつかわれます。マレーシアの用語では、Klang Valley という単語です。これを直訳しても日本人に限らず非マレーシア人には意味が通じませんから、わかりやすくクアラルンプール圏とか大クアラルンプール圏と訳しています。

大クアラルンプール圏というのは、WPクアラルンプール、及び近郊都市と近隣地方を含めた意味で使われます。WPクアラルンプールはスランゴール州にぐるっと囲まれているので、ここでいう近郊都市と近隣地方は行政上スランゴール州に属します。ただしスランゴール州の全てがクアラルンプール圏というわけではありません。

以上のように、クアラルンプールという単語を巡っては、複数の意味が混じっているので、読んだり聞いたりする情報の中で、その意味するところをはっきりさせる必要がある場合もあります。といっても民衆の日常会話の中で、いちいちそんなことを厳密に定義しないのは当然であり、あくまでも行政上、論議上、統計上など区別すべき時は、きっちりと区別しなければならないということです。逆に言えば、きちんと区別できないような人たちの話には気をつけた方がいいですよということです。


【クアラルンプールで近年建築された住居ユニットの4割強は高層住宅】

文頭で書きました、8年間に新たに建築された住居ユニット数は13万戸弱で、その43%はコンドミニアムだった、という数字が示唆するのは、新たに開発できる土地はもはや限られており、当然土地価格も高騰しており、WP クアラルンプールでは新たに建築する住宅はやはり高層住宅が主体になるということでしょう。

今回の記事では、WPクアラルンプールでの住宅不動産(住居)の統計を基にします。出典はマレーシア財務省翼下にある Pusat Maklumat Harta Tanah Negara(全国不動産情報センター)が公表している公式統計です。
多岐に渡って非常に数多く載っている統計から該当部分を抜き出して引用し(ウェブアドレス //napic.jpph.gov.my/portal)、イントラアジアが分析を加えました。

【WPクアラルンプールでの総戸数とコンドミニアムの比率】

2012年第1四半期時点における住居数
WPクアラルンプール: 総ユニット数(総戸数)415,597、その内コンドミニアムのユニット数(戸数) 143,762 (総ユニット数の約35%)
その内で伝統的クアラルンプール市域:ユニット数 92,735 (22%)、その内コンドミニアムのユニット数 33,793 (ユニット数の約36%)

2012年第2四半期時点における住居数
WPクアラルンプール: 総ユニット数(総戸数)419,585、その内コンドミニアムのユニット数(戸数) 146,812 (総ユニット数の約35%)
その内で伝統的クアラルンプール市域:ユニット数 92,918 (22%)、その内コンドミニアムのユニット数 33,793 (ユニット数の約36%)

2012年第3四半期時点における住居数
WPクアラルンプール: 総ユニット数(総戸数)420,815、その内コンドミニアムのユニット数(戸数) 146,838 (総ユニット数の約35%)
その内で伝統的クアラルンプール市域:ユニット数 92,918 (22%)、その内コンドミニアムのユニット数 33,793 (ユニット数の約36%)

この数字だけを見ても傾向がお分かりでしょう。
・WPクアラルンプールでは中心部と言える伝統的クアラルンプール市域の住居戸数は5分の1にすぎず、5分の4はその周囲に存在する。
・戸数に占めるコンドミニアムの比率は、WPクアラルンプールでも伝統的市域でもほぼ同じである。
・伝統的クアラルンプール市域ではユニット数もコンドミニアムのユニット数もほとんど変化がない

WPクアラルンプールにおいて、住居分類した比率を多い順にみると、1番目がコンドミニアム 約35%、2番目が低コストアパート 約23%、3番目がテラスハウス(リンクハウス)約21%、4番目が一般アパート 約12% となる。

低コストアパートとは公営や民営の低所得者層向けアパートと見なせます。テラスハウスは当ブログの2012年11月1日付け記事『マレーシアに住むための住宅不動産用語と賃借、購入に伴う費用の説明-前編』で解説しましたね。

当記事におけるコンドミニアムという単語の範疇 
なおその記事内で説明しましたように、コンドミニアムと高級なアパートの区別は法的にはありませんし、実際あいまいです。
よってこの統計では中級及び高級なアパートもコンドミニアム範疇に含まれていると捉えても間違いではないでしょう。

【新規住宅とコンドミニアムの供給増加数】

ここで住宅とコンドミニアムの供給変化をみます。
WPクアラルンプールの総ユニット数(総戸数)と直前の四半期と比べた増加ユニット数
2012年第1四半期:415,597、1032ユニット増
2012年第2四半期:419,585、3988ユニット増
2012年第3四半期:420,815、1230ユニット増

WPクアラルンプールのコンドミニアムのユニット数(総戸数)と直前の四半期と比べた増加ユニット数
2012年第1四半期:143,762、1032ユニット増
2012年第2四半期:146,812、3050ユニット増
2012年第3四半期:146,838、 26ユニット増

建築していた住居が完成したことによる増数には四半期毎に波があることがわかります。さらにコンドミニアムの占める割合が高い。

【住宅不動産の取引数及びコンドミニアムの取引数】

住宅不動産の取引数つまり売買数の統計に目を移します。
2011年第4四半期が 6387ユニット
2012年第1四半期が 6010ユニット
2012年第2四半期が 6309ユニット
2012年第3四半期が 7203ユニット
2012年第3四半期は取引が増えていますね。

コンドミニアムだけに注目すると、2011年第4四半期が 3366ユニット、2012年第1四半期が 3346ユニットです。つまり総取引数の半分以上を占めていることがわかる。2番目に多い住宅分類は一般アパートで、それぞれ932ユニット、889ユニットです。次いでテラスハウスがそれぞれ 878ユニット、757ユニットです。
官庁の公表情報から得られる最新時期である、2012年第2と第3四半期におけるコンドミニアムの取引数はそれぞれ 3543ユニット、4458ユニットです。
コンドミニアム範疇でも2012年第3四半期は取引が増えました。

コンドミニアムの取引数の内で、伝統的クアラルンプール市域での数は、
2011年第4四半期が 1315ユニット(39%)
2012年第1四半期が 1213ユニット (36%)
2012年第2四半期が 1343ユニット(38%)
2012年第3四半期が 1562ユニット(35%)
要するに、伝統的クアラルンプール市域以外での取引数の方が多いということです。

【売り出された住宅不動産で売れ残っている数】

それでは、WPクアラルンプールで売り出された住宅に対して四半期時点で売れ残っているユニット数、及びその内でコンドミニアムの場合をみましょう。なお原統計資料で使われている "tidak terjual" という表現に従います。(英訳語は語感が幾分違う)
1番目の数字が売れ残っている住宅不動産のユニット数、2番目がその内売れ残っているコンドミニアムのユニット数です。カッコ内のパーセントは各価格帯における割合を示す。

2012年第2四半期
RM 15万以下: なし
RM 15万を超え20万まで:497ユニット(27%)、 30ユニット (3%)
RM 20万を超え25万まで:229ユニット(12%)、229ユニット(21%)
RM 25万を超え50万まで:252ユニット(13%)、134ユニット(12%)
RM 50万を超え100万まで:284ユニット(15%)、138ユニット(12%)
RM 100万を超えるもの:613ユニット(33%)、583ユニット(52%)
合計:1,875ユニット, 1,114ユニット
(パーセントは四捨五入しました)

2012年第3四半期 (数字が多少変化する可能性もある仮統計値)
RM 15万以下: なし
RM 15万を超え20万まで:497ユニット(27%)、 30ユニット (3%)
RM 20万を超え25万まで:229ユニット(12%)、229ユニット(23%)
RM 25万を超え50万まで:269ユニット(14%)、74ユニット(7%)
RM 50万を超え100万まで:246ユニット(13%)、100ユニット(10%)
RM 100万を超えるもの:617ユニット(33%)、581ユニット(57%)
合計:1,858ユニット, 1,014ユニット
(パーセントは四捨五入しました)

第2期と第3期の傾向はほとんど同じといえるぐらいですね。
興味深い統計です。RM 100万を超える超高額物件が約3分の1を占める。RM 50万‐100万の高額物件が13%から15%を占める。従って外国人が購入できる価格帯の物件の比率が50%近いことがわかる。コンドミニアムの場合はさらにその比率が高くなり、60%から70%を占める

【住宅不動産の売買価格を分類する】

次にWPクアラルンプールにおける住宅不動産の取引全体を価格帯別に分類した数字を載せておきます(住宅分類別ではない)。これはその期に新たに販売された物件だけでなく、以前から繰り越されてきた売れ残り物件も対象になると理解できます。

1ユニット(住居1戸)の価格帯:1番目が2012年第2四半期(総数6309ユニット)、2番目が2012年第3四半期(総数7203ユニット)。カッコ内は各期における割合です。
RM 10万以下 省略
RM 10万を超え20万まで:1393ユニット(22%)、 1711ユニット (24%)
RM 20万を超え25万まで:574ユニット(9%)、703ユニット(10%)
RM 25万を超え50万まで:1709ユニット(27%)、1785ユニット(25%)
RM 50万を超え100万まで:924ユニット(15%)、964ユニット(13%)
RM 100万を超えるもの:605ユニット(10%)、683ユニット(9%)
(パーセントは四捨五入しました)

第2と第3の四半期間に傾向の面で特に違いはありません。RM 25万を超え50万までの価格帯が差のごく小さい最多価格帯であり全体の4分の1を占める、高額と言えるRM 50万-100万の価格帯は15%前後、超高額な物件は1割程度という姿がわかります。

【住宅価格指数と高層住宅価格指数の推移】

最後にWPクアラルンプールの住宅価格指数を紹介しましょう。
全種類の住居から成る住宅指数: 2000年を100とする。この指数の住居分類別構成比重:テラスハウス 49.3、 高層住宅 42.6、一戸建て 5.0、準一戸建て 3.1

2001年:101.6,  2002年:107.2,  2003年:108.2、 2004年:115.2、 2005年:122.7、 2006年:129.2、 2007年:139.4、 2008年:145.6、 2009年:142.0、 2010年:159.3、 2011年:178.7
指数が前年より下がった年もある。

全住宅、テラスハウス、高層住宅、一戸建て、分類別に指数の変化を各年の第1四半期時点の数字をあげます。いずれも2000年を指数100としており、隔年に示します。
以下の数字は、1番目が全住宅、2番目がテラスハウス、3番目が高層住宅、4番目が一戸建て、準一戸建ては省略。

2001年第1:99.4, 95.4, 94.2, 111.9
2003年第1:105.4, 111.7, 98.6, 95.2
2005年第1:120.7, 121.6, 109.6, 124.4
2007年第1:129.5, 140.0, 109.1, 135.5
2009年第1:141.1, 141.7,117.0, 161.7
2011年第1:165.2, 165.6, 142.3,180.7
2012年第1:195.0, 191.2, 174.0, 207.0

2001年と2003年が少し下がっている以外は、指数は上昇していますね、とりわけここ3,4年の上昇は著しい。
指数上昇が最も著しいのは、価格も最高である一戸建てです、一方指数上昇が最も穏やかなのは高層住宅であることがわかります。

【グラフの案内】
当ブログは表計算とグラフ機能が備わっていないので、残念ながらグラフを記事中に挿入できません。Excel に入力してグラフ化すれば、より視覚的に捉えやすくなります。
そこでイントラアジアのホームページにグラフを載せておきました。
「WP クアラルンプールの住宅不動産統計と分析記事から抜粋してグラフ化」 をクリックすると別ページで開きます。

【イントラアジアからのひとこと】

以上のように、WPクアラルンプールにおける住居の総数、最近の四半期毎の増加数、四半期毎の取引数、コンドミニアム範疇のそれぞれの数字、住宅不動産売買価格の分類、売れ残り数と比率、住宅価格指数の推移など、多岐に渡って紹介しました。

ここで引用したのは公式な統計数字ですから、これが一番信頼のおける数字といえます。ほとんどの読者の方は、こういう数字をこれまで目にされたことがないだろうと推測しています。
物事をよく知るには数字は欠かせませんよね。WPクアラルンプールの具体的な姿が頭に浮かばないであろう読者の皆さんにとっても、これらの数字はクアラルンプールの住宅状況をある程度知っていく上での一助になるはずです。今後ペナン州などに関しても分析することを考えています。

なお当ブログではどの記事も引用はご自由です。ただし (C)2009 イントラアジア でお願いします。

 


マレーシアに住むための住宅不動産用語と賃借、購入に伴う費用の説明-後編

2012年11月14日 | マレーシアの住居知識と情報

前篇から続く。
次に住宅不動産を購入する際の費用面について説明します。

【住宅不動産を購入する場合】

住宅不動産を購入すると、印紙税、弁護士費用などが掛かります。不動産売買には、必ず弁護士(Solicitor)が関わって一連の手続きを進めます。なお弁護士が関わらない例外はあるでしょうが、かなりの高額物件しか購入することが許されていない外国人が購入する場合は例外なしと捉えるべきです。以前にも触れたように、外国人は、低コスト住宅はもちろん、RM 30万程度の中級物件も規則上買えません。

参照:外国人が購入できる価格に関しては、2012年7月9日付け記事 『住宅を購入するために銀行で住宅ローンを申請する場合のこと』 内にあるイントラアジアのコメント部分をご覧ください。

【印紙税】
住宅不動産の売買・所有権移転を規定した書類に課される税金。
通常は購入価格を基にする(そうでない場合のことは省きます)。
計算法
1.最初のRM 10万までは 1%の税率
2.次のRM 40万までは 2%の税率
3.それ以降は 3%の税率

例:購入価格RM 60万の場合の計算式 = RM 10万 X 1% + RM 40万 X 2% + RM 10万 X 3%

なお印紙税は、その不動産購入に関して組んだ住宅ローンための元金法律文書(証券)にも課される。その場合の税率はローン金額のRM 1,000毎にRM 5となる。

【不動産売買契約書に掛かる弁護士費用】
The First Schedule of Solicitors' Remuneration Order 2005 (2006年1月施行)に、売買契約を扱う弁護士が徴収する費用が定められている。その弁護士費用は購入価格に基いて計算される:

基準料金表
1.最初のRM 15万に対して、率は 1.0%
2.次のRM 85万に対して、率は 0.7%
3.その次のRM 200万に対して、率は 0.6%
それ以上は省略します。

例:購入価格RM 60万の場合の計算式 = RM 15万 X 1% + RM 45万 X 0.7%

注:弁護士費用は基準料金表に従って計算され、弁護士(Solicitor)は売り手または買い手のどちらか一方からだけそれを受け取る、両者からではない。

住宅不動産をデベロッパーから直接購入する場合は、売買契約書は Housing Development Act 1966に定められた、該当する規定表を用いなければならない。この場合の弁護士費用は次の計算式を適用する:
1.購入価格がRM 10万から50万までの場合、上記基準料金表計算額の70%
2.購入価格がRM 50万を超える場合、上記基準料金表計算額の65%

例:購入価格RM 50万の場合の計算式 = { RM 15万 X 1% + RM 35万 X 0.7% } X 70%

注:弁護士費用は基準料金表に従って計算され、弁護士(Solicitor)は売り手または買い手のどちらか一方からだけそれを受け取る、両者からではない。

【住宅ローン契約書に関わる弁護士費用】
ローン契約に関しても弁護士費用がかかります。その弁護士費用は Solicitors' Remuneration Order 2005 (2006年1月施行)の定めるところによって次のようになる:

住宅ローンの金額に対して元金証券にかかる基準料金表
1.最初のRM 15万に対して、率は 1.0%
2.次のRM 85万に対して、率は 0.7%
3.その次のRM 200万に対して、率は 0.6%
それ以上は省略します。

このように弁護士費用は諸所にかかってきます。マレーシアの一般的な不動産売買において、弁護士を全く介さない契約はまずありえないでしょうから、こういう費用が発生することも知っておくべきですね。


最後に住宅不動産を賃借する際の費用面について説明します。

【住宅不動産を賃借する場合】

【住宅賃貸の一般論】
住宅不動産の賃借契約に固定された規則はありません。しかし慣行として、賃借契約を結ぶことで、保証金として2か月分の家賃と、前家賃1ヶ月分を貸主に払います、加えて電気代・水道代・下水道代の保証金として家賃1ヶ月分も貸主に払います。
ただしこれらは貸主と借主間の契約条件次第です。ですから、多少違った内容の場合も当然ありえる。

どのように支払うかも条件と貸主によって異なる。例えば、借主は毎月小切手などで貸主の口座に賃貸料を入金する、何ヶ月か分の先付け小切手(その月数の枚数となる)を貸主に渡しておく、貸主または貸主の代理人が毎月賃貸料を集金する、など方式に違いはある。

なお個人が銀行に当座預金口座を開設して小切手を発行することは、普通に行われていることです。プログラム参加者は既に好みの銀行に定期預金口座と普通預金口座を開設しているので、当座預金口座は簡単に開設できる。

【印紙税】
全ての不動産賃借契約は印紙税を支払うことが必要とされる。これを怠ると、争いになった場合、賃借契約が裁判所で証拠として認められないことになる。

印紙税の額は、支払うべき各月の賃貸料及び賃借期間が基準になる。契約書原本に掛かる印紙税額の計算は、Stamp Act 1949に定められた計算法によって行われる:

保険料や罰金を含めず、平均賃貸料と他の支払いは1年間分にして計算する
・その計算額のRM 2400までの部分には、賃借期間の長さに関係なく印紙税はかからない

・その額のRM 2400を超える部分に対しては、印紙税はRM 250毎に下記の値となる
賃借期間が1年以下の場合 RM 1.0
賃借期間が1年を超え3年を超えない場合 RM 2.0
賃借期間が3年を超える場合:RM 4.0

例:賃借期間1年で月賃貸料 RM 2,000の契約の場合(従って年間賃貸料は RM 24,000となる)
計算式=RM 24,000からRM 2,400を差し引き、それをRM 250で割ってRM 1.0を掛ける

【弁護士費用】
不動産賃借契約を作成する弁護士への費用は、月賃貸料を基準にする。Solicitors' Remuneration Order 2005 (2006年1月施行)に弁護士が徴収する費用が定められている。

賃借期間が3年を超えない場合の弁護士費用
・月家賃の最初のRM 1万に対して、家賃の25%

当ブログの読者にはまず関係ないので、月家賃のRM 1万を超える部分に関しては省略します。
(更新ではなく)1つの契約の賃借期間が3年を超える契約はまずしないはずですから、省略します。

例:この費用計算法は簡単ですね。家賃がRM 2,000であれば、弁護士費用はRM 500になります。

おことわり:今回の記事を書く際に、マレーシアマイセカンドホームプログラム当局発行の不動産ガイド小冊子を参考にしましたが、単に翻訳しただけではありません。


マレーシアに住むための住宅不動産用語と賃借、購入に伴う費用の説明-前編

2012年11月01日 | マレーシアの住居知識と情報

マレーシアに住めば、必然的に住宅を賃借するまたは購入することになります。住宅選びをする際、住宅の分類名または種類名がいくつもありますので、それらの意味をきちんと知っておかれた方がいいでしょう。

そこで今回は、マレーシアにおける住宅種の各呼称を説明または定義しておきます。米国やオーストラリアなどでの呼び名とは違う名称、違う意味合いもありますから、あくまでもマレーシアでの呼称とその定義になります。

住宅不動産は大別すれば、土地付住宅と高層(多層階)共同住宅に分けられます。

【土地付住宅】

テラスハウスまたはリンクハウス(Terrace house / Linked house)
1軒1軒の住宅が境界壁を共有することで横につながった形状であり、高さも一定である。左端と右端の住宅だけは片側だけがつながっていることになり、corner house とも呼ばれ、通常は中間に位置する各住宅よりやや大きい。

一般にテラスハウス(リンクハウス)は10軒から12軒ほどがつながっているが、軒数に多寡はあり、1階建て、2階建て、3階建てがある。マレーシアの住宅でごく一般的な住宅です。高級なリンクハウスから、低価格リンクハウスまで種類も多い。
通常テラスハウス(リンクハウス)は前部と後部が空いた場所(敷地内の非建築面積)になっている。従って前庭は駐車する場所としても使える。

注:マレーシアには、日本でいう車庫証明のような規定は存在しません。

準一軒家(Semi-detached house)
2軒1組の住宅が境界壁を共有することで横につながった形状。一般に2軒の住宅は左右対称となる。
それぞれの住宅は前部と後部に空いた場所(敷地内の非建築面積)を持ち、片側は必ず道または空き空間となる。

一軒家(Bungalow / Detached house)
1軒が独立した形状の家。従って前後左右の四面が空いた場所(敷地内の非建築面積)となる。平屋建て、2階建て、3階建てといった階数に違いがあっても呼称はバンガローとなる。

その他の住宅分類名
・タウンハウス/ タウンホーム(Townhouse/ Townhome)
本来の意味とは違って、近年は郊外に建てられる非一様な住宅の意味に変わってきている。タウンハウス/ タウンホームは一世帯ホームを念頭に設計されている。また各住宅のサイズが大きくなってきた。

・クラスターハウス(Cluster-house)
タウンハウスの1種であり、住宅が平面上に2ユニットまたは4ユニット集合した形状であり、各ユニットはそれぞれ角になる。つまり正方形の立方体を4等分したような形状。

・スーパーリンク(Superlink)
横につながった住宅または準一軒家における特大サイズの住宅を言う。この種の住宅はしばしば、土台部分で構造的につながっているが、地上部分では各ユニットがつながっておらず独立している。


【高層(多層階)共同住宅】

コンドミニアム(Condominium) またはアパート(Apartment)
法律上はコンドミニアムとアパートの区別はありません。慣習的にまたは商業的観点から高級な多層階共同住宅をコンドミニアムと呼んで差異化している。

短縮形としてコンドとも呼ばれるコンドミニアムは多層階ビルの住宅であり、一世帯分の区画(ユニット)が個々に所有される。廊下・通路や階段やレクリエーション用施設のような共用領域は各ユニット持ち主の共有となる。

コンドミニアムは各階のユニット数がアパートに比べてずっと少なく、敷地の四方が壁などで仕切られ且つ出入り口に常駐守衛所が設けてある。さらに水泳プール、テニスコートのようなレジャー施設が備わっている。

参考:中級クラスのアパートに守衛(ガードマン)が常駐していることは珍しくないが、水泳プールはない。

コンドミニアム内のユニットの種類
・ストゥディオ(Studio)
ワンルーム型のユニット。居間とキッチンと寝室が一体となった1室であり、通常バスルームだけは小さな別の部屋となる。

・ペントハウス(Penthouse)
高層共同住宅ビルの屋上階に位置するユニットであり、他の住宅ユニットとは異なる形状となる。さらに屋外テラス、専用出入り口を有したり、天井がより高いなどの違いを持つこともある。従って、言うまでもなく最高価格のユニットです。

・ツーフロアある複層ユニット(Duplex)
1ユニットが上下の階(フロア)に分かれており、その階(フロア)は互いに室内階段で連絡している。

注意:Condominium を一般に日本語でマンションと呼びますが、できるだけコンドミニアムと呼称すべきです。その理由は、マレーシアで Mansion と呼ばれる住宅は、広大な敷地面積に建ち、非常に多くの部屋を有した極めて豪華な独立した建築物を指すからです。マレーシアにはマレーシアの呼称があることを知っておきましょう。

おことわり:今回の記事を書く際に、マレーシアマイセカンドホームプログラム当局発行の不動産ガイド小冊子、英語紙の不動産解説記事などを参考にしましたが、単に翻訳しただけではありません。

【住宅不動産広告は参考になる】

英語新聞の不動産広告ページには、住宅不動産だけでも千を超える物件が毎日載っています。その中から多くの物件を抜き出して当ブログの以前の記事で紹介しています。内容や価格、賃貸料が 1,2年で変わるようなことはありませんので、今回の記事で説明した知識を下に、再度または初めてご覧になってください。
クアラルンプール圏中心の住宅不動産市場の様子をある程度知ることができますよ。

左欄のカテゴリーから 『マレーシアの住居知識と情報』 項目をクリックしてください。


後編に続く


クアラルンプール圏で住宅を求める場合、電車網の知識を持っておきましょう-後編

2012年09月03日 | マレーシアの住居知識と情報

初めての方は前編から先にお読みください。

【クアラルンプール圏に全く新たに電車路線を建設する巨大プロジェクトが進行中】

現在、既存の路線網とはまったく別の大きな公共交通プロジェクトが進行中です。これはクアラルンプール圏の新しい公共交通システム、その名称をMRT と呼ぶ、の下で新たな電車路線を建設するプロジェクトです。公共交通システムとしては史上最大のプロジェクトです。
 
MRTは、従来の高架鉄道LRT、モノレール、及びRapid KL翼下の全バス網と統合してクアラルンプール圏に新公共交通システムを確立させることが目的です(そしてKomuter電車とも連係する)。名称 ”My Rapid Transit” の略称が ”MRT” です。

新規に建設する電車路線はスランゴール州の Kajang からクアラルンプールの中心部を突き抜けてスランゴール州の Sungai Buloh までの51Km という、現在のLRTより長い路線です。クアラルンプールを南東部から北西部へ突き抜ける形の路線になる。

MRTでは 1編成の輸送量が高架電車LRTより多く、電車速度も LRTより速い、といった特徴から、いわゆる Mass Rapid Transit(大量輸送機関)という英単語にかけてあります。
MRTは政府が力を入れる非常に大きな公共交通プロジェクトであり、現在発表されている新規建設電車路線は下記の1路線です(将来的にはさらに 未定の2路線を建設する計画のようだ)。

このプロジェクトがひとまず竣工する2017年にはクアラルンプール及び近郊の電車路線がこれまでとは違った方向に広がることとなります。新規建設電車路線は現在の LRT路線及び延長LRT路線との交差駅における乗換えが組み込まれていますので、電車利用者の便利度がさらに向上し、同時に利用者の飛躍的増大が期待されています。

【新公共交通システムMRT 下の近未来路線図も参照しましょう】

MRT (My Rapid Transit) 発表の新規建設路線のデータ:
・Sungai Buloh - Kajang 路線:長さ 51km、その内クアラルンプールの中心部を走行する 9.5kmは地下路線となる。
・建設する駅の数:31駅、 
・電車の最高時速:100km/時、
・輸送乗客能力:300人乗りの車輌を4輌編成

部分的開通も考えられますので、2016年頃にはひょっとして一部区間で運行が始まるかもしれませんね。

新規建設路線では、例えば次のような変化も期待できます:高級な商業・住宅地区として人気がたいへん高い、しかし現在は電車路線がなく且つバス路線が不十分である Bandar Utama地区に線路と複数の駅が建設される。これによって、自家用車を持たない人にも住宅地選択の候補に入れ易くなるはずです。

Sungai Buloh - Kajang 路線を細かに”Googelマップで見る” をクリックしてご覧ください。これは MRT Corpが提供している地図におとした路線図です。

ただしクアラルンプール圏の地理がわからないと、具体的な場所が頭に浮かんできませんが、クアラルンプール圏電車網の近未来図としてその存在を是非覚えておきましょう。

Intraasia注:なおMRTの新建設路線には総論賛成各論反対という声が根強くある。各論反対の中心は路線の線引きによって影響を受ける人たちです、例えばクアラルンプールのチャイナタウンの一部のビル持ち主やビル使用団体及び地区保存を訴えるグループ。
Taman Tun Dr. Ismail地区では、近隣に線路と駅ができる建設プランを知った住民の反対運動によって、線路の敷きかたが一部変更された事例も起きた。駅ができると人と交通の往来が多くなり迷惑だという理由です。

以上、前編から渡って長々と説明してきました既存の電車・モノレール・Komuter各路線と新規建設の電車路線を全て表示した路線図を示しておきます。こちらは管轄官庁である SPAD(陸上公共交通庁)が提供しています。
Klang Vallery Rail Transit Map(クアラルンプール圏電車路線図)  をクリックすると別ページで開きます。

これが2018年になった時点でのクアラルンプール圏の全電車路線になります。加えて Rapid KLバス網を始めとして 100を超えるバス路線が圏内で運行されています。

Intraasia注:バスに関してはそのうちいつか扱うつもりです。

【電車路線の知識があれば、住居選びに役立ちます】

今後数年以内にマレーシアマイセカンドホームプログラムに申請して参加する、第一希望としてクアラルンプールまたはその近郊に住むことをお考えの方は、クアラルンプール圏の電車網、できればバス網も、の知識をそれなりに持っておかれれば、住居地選びに大いに役立ちます。
日本人ですから誰でも電車網の便利さは十分ご存知ですよね、この利点は強いてイントラアジアが説明するまでもありません。

なおエクスパトリエイトの集中する、例えば Mont Kiara、 KLCC,  といった最高級地区だけが唯一で絶対の希望地である、そういう地区以外には住むつもりは全くないので電車路線に左右されない、という方がいらっしゃることは承知しています。 こういう方たちに関しては、既に何回も書きましたように、個人の自由ですから当ブログの関知するところではありません。


【自家用車を持つべきか、持たぬべきか】

マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加する場合、自家用車を保有する、保有しないで迷われる方もいらっしゃるでしょう。

マレーシアマイセカンドホームプログラムでは参加者の得られる特典の1つとして自動車に関する特典があります。当ブログでは既に 2010年2月7日付けの記事で詳細に解説しました: カテゴリー「プログラムに関わる事柄の説明」をクリックして 『マレーシアマイセカンドホーム参加者として、新車をマレーシアで購入する際の特典とその解説』 をまずご覧ください。

コンドミニアムは当然全世帯に最低1台の駐車枠付です。中級以上の土地付住宅であれば、最低1台の自家用車が駐車できる駐車場所を敷地内に確保できます。つまり門を入った庭が駐車場所になります。扉を開けたらいきなり家屋という形態の土地付住宅は、低コスト住宅になります。

なおショップハウスの場合だと地上階が店になり、上階が住居ですから、駐車する余地は自分の敷地内にはない方が普通です。しかしながらプログラム参加者でショップハウスに住もうという方はまずいらっしゃらないのではないでしょうか。

自家用車を保有できる経済的余裕があれば、あって邪魔になるものではないので、車はあるにこしたことはないと言えそうです。ただし、年齢その他の要因、マレーシアの運転態度は日本よりずっと荒い、自動車は比較的高価、日本の自家用車を持ち込むつもりはない、といったことから、自家用車を保有しないマレーシア生活をお考えの方も少なくないはずです。

そういう方こそ、クアラルンプール圏で住居を探される場合は電車網、とりわけ駅の位置をよく確認しながら検討されることをお勧めします。
電車路線の近辺に住めば、自家用車はなくても行動する足の確保がかなり容易になります。

一方少なからずの人は、とりわけ中流階層以上のマレーシア人は、車は必須だと言います。クアラルンプールまたはその近郊に10年、20年と暮らしながら、バスなど一度も乗ったことのない、電車でさえもめったに乗らないマレーシア人は一杯います。そういう人たちにとって、電車とりわけバスは依然として貧者の交通手段という捉えかたです。

同様にクアラルンプールまたはその近郊に3年、5年と住みながら、電車はめったに使わない、バスには乗れない日本人も珍しくないようです。車がないとどこへも行けないという思考に陥っている人たちもいます。

住宅不動産を売る人たちや日本人コミュニティー内だけで暮らす人たちであれば、当然思考がその立場を反映したものになるでしょう
 読者の方が話したりまたは相談するマレーシア人や日本人がどういう行動タイプでどんな立場の人かを見極めてから、その人の意見を参考にしましょう。

繰り返します。自家用車を持っておれば、例え日々使わなくても、何かの時にはより便利であることは間違いないと言えます。
しかしマレーシアマイセカンドホームプログラム参加者の皆さんが全て運転免許を持っていることはありえないし、夫婦のどちらかしか免許を持っていないカップルもあります。そういう方の場合1人で行動する時は車を使えないということになる。
車はもう運転したくない方もいらっしゃるし、自家用車を持つ余裕がない方もいらっしゃいます。

なお自家用車を持たなくても、気に入ったタクシー運転手を懇意にして、必要な時は電話で呼び出す、半日程度借り上げ利用する、といった方法も取れます。マレーシアのタクシー運転手はタクシー会社に一挙一動を報告する制度下にありませんので、この種のことは歓迎されます(もちろん交渉する料金次第です)。

参加者によって置かれた事情はこのように様々です。だからこそイントラアジアは、電車路線について前回と今回に渡って詳しく説明しました。

マレーシアマイセカンドホーム代理業者にプログラム申請から住宅紹介・斡旋まで全てを一任するという方は別にして、クアラルンプール圏で住宅を探そうとお考えの方は、電車網の知識をつけておきましょう。

マレーシアを事前訪問した時は、是非複数の電車路線に乗っていくつもの駅で下車してみませんか。
これは、イントラアジアが常々お勧めする、まず自分の足で、自分の目で確かめるあり方を徐々に体得していく方法の基本です。


クアラルンプール圏で住宅を求める場合、電車網の知識を持っておきましょう-前編

2012年08月17日 | マレーシアの住居知識と情報

1990年代後半にクアラルンプール及び近郊で複数の電車路線が建設されて運行を始めました。これはもちろんマレーシアで初めてのことです。
イントラアジアは1990年以来、マレーシア全土で、とりわけクアラルンプール圏のバス網、電車網に文字通り乗りまくってきました。クアラルンプール圏だけでもこれまでに乗ったバス路線は軽く100を超え、電車網はもちろん全路線です。バス、電車の乗車回数は少なく見積もっても5千回を超えます。

そこでクアラルンプール圏に住宅を求めるために大いに役立つ予備知識として、クアラルンプール圏の電車網に関する情報をまず書きます。

【クアラルンプール圏の電車路線の開通とそれが生んだ変化のあらまし】

電車路線開通の略歴
1.KTMのKomuter電車:1995年10月開通
2.高架電車 LRT Ampang 路線(2005年までの名称はSTAR Line):1996年12月開通
3. 高架電車 LRT Kelana Jaya路線(2005年までの名称はPUTRA Line):1998年8月開通
4. モノレール KL Monorail: 2003年8月開通

Komuter 電車はマラヤ鉄道(KTM)の既存線路を複線電化したものであり、クアラルンプールの中心部をかすめる形で郊外とを結んでいます。これはマラヤ鉄道の線路の敷かれ方ゆえ、仕方のない面もあります。ただ非効率さの目立つマラヤ鉄道の運行ということで、クアラルンプール及び近郊市民の行動様式をそれほど大きく変えませんでした。

しかしLRTと略称される2系統の高架電車路線の開通によって、クアラルンプール及び近郊住民の公共交通への見方が徐々に変わり、2000年前後頃から公共交通での行動様式に明らかな変化が生まれました、つまり高架電車路線に依存する人たちがぐっと増えました。
さらにクアラルンプールの中心部だけを走行するモノレールの運行開始によって、高架電車との乗継ができる、中心部へより行きやすくなった、という面が生まれました。

高架電車は準公共企業体が建設して運行していましたが、2系統が全く別々に運営されるという非効率さがありました。
そこで2002年に財務省の持ち株会社である Prasarana(Syarikat Prasarana Negara Bhd)が両高架電車を買収して翼下に収めました。それ以後現在に至るまで両高架電車は Rapid KLの下で運営されています。Rapid KL は Syarikat Prasarana Negara Berhad の直系子会社として、クアラルンプール圏のRapid KLバス、高架電車(下写真)、モノレールを一手に運営しています。



KLモノレールは建設と運行が純民間会社によって担われていました。しかし運行会社が負債に苦しんでいたこと、及びクアラルンプール圏の公共交通網一元化を進める政府の意向の下で、KLモノレールは2007年になって経済省の持ち株会社である Prasarana (Syarikat Prasarana Negara Bhd) に買収されて、その翼下に入りました。
つまり現在では2系統の高架電車と同様に1つの運営体 Rapid KL傘下にあります。

これによって Komuter電車を除く高架電車とモノレールは1つの公共企業体翼下に入ったわけです。2011年から2012年にかけて、両高架電車の切符販売システムが一元化され、乗換えに際する改札はなくなりました。モノレールの切符販売も近々中に一元化運賃システムに加わる予定です。将来はRapid KLバスも一元化運賃システムに組み込まれる計画です。
なお運賃プリペード式ICカードはすでにRapid KL翼下のバス網と電車網で共通に利用されている。

上記で述べたように、2000年代が進むにつれてクアラルンプール及び近郊市民は毎日の通勤と通学及び買い物、遊び、訪問などの足に電車網をより利用するようになってきています。 
電車交通に生まれた時から慣れている、というよりごく当たり前の交通手段として受け入れている日本人と違って、クアラルンプール圏住民の間には当初電車路線にかなり懐疑的な声がありました。

しかしそういった声も既に少数派になり、今ではごく普通に電車を利用している市民が多くなったことがわかります (といって懐疑や電車路線を歓迎しない声がなくなったわけではない。あくまでも比較少数ということです)。

市民の間に電車網への依存が高まるにつれて、新規に建設される住宅の動向にも影響を与えるようになりました。 つまり広告文句に駅至近などといった文句を見かけるようになったのです。ある意味では当然のことですが、電車路線の歴史の浅いマレーシアでは、こういう傾向が出るまでに初の開通以来7,8年はかかったと言えます。 (下写真はLRT車内の様子)



【まず電車路線図と地図を手元に用意する】

さて日本人であれば、誰でも電車の便利さは体験上よくご存知ですよね。そこでクアラルンプール及び近郊に住もうという方は、是非電車路線図を手元において、地図といっしょに眺めながら住居選びをしてみませんか。

マレーシアで無料で配布されている地図の中には、載せている電車路線の引き方や駅名が間違っていたりというものがありますので、地図は複数種を参照しましょう。
市販の一枚もの地図といえども最新の情報は抜けています。残念ながらマレーシアの市販地図は頻繁に改定されないので、どうしてもこういう点が目立ちます。

電車路線図は運営会社 Rapid KL サイトのものが最良です。LRT、モノレール、Komuter、KLIA空港とを結ぶ空港電車、の全路線が載っており、路線毎に駅名を調べることもできます。
Rapid KL サイトの電車路線図ページ をクリックすると、別ページで開きます。

この路線図ページでは PDF版がダウンロードできるようになっているので、印刷して手元で見るのがお勧めです。

なお Googleマップは決して最新の情報ではありません。細部を調べるには大いに役立ちますが、時々建物名や位置などに間違いや過去情報がありますので、その点を承知して利用しましょう。
Googleマップではある特定の建物などに自動的にカナフリが表示されていますが、マレーシアで実際に発音される発音とは違う、つまり間違いの方が多いので、カナフリは一切無視すること。

以上で説明しましたように、1つの地図だけを見ていては不十分です。 路線図と見比べながら、紙の地図で場所を確かめ、細部は Googleマップで、というような使い方もできます。

【高架電車LRTの路線が延長される】

さて高架電車 LRTの路線が延長されます。すでに延長工事に取りかかかりましたので、数年後には利用者がより増えます。延長プロジェクトの大きな特徴は、Ampang 路線とKelana Jaya 路線の両方が延長され、 新設される Putra Heights 駅で両路線がつながることです。

イントラアジアの『マレーシアの新聞の記事』ブログから引用しておきます。

【高架電車 Kelana Jaya 路線の延長工事が始まる】- 2012年2月28日付け
(クアラルンプール圏の高架電車(LRT)は2路線あり、その1つ) Kelana Jaya 路線は終点駅 Kelana Jaya 以遠方向に17kmの路線延長がすでに決定しています。延長路線には13の駅が新設され、Subang Jaya市とUSJ地区を通って終点駅は Putra Heights になります。この路線延長プロジェクト下で予定している延長路線オープンは2014年12月です。
追記:2015年8月時点でも延長路線は未だオープンしていない。予定より遅れることは特にめずらしいいことではない。

2月末から延長工事が開始されます、今回の対象建設区間 3kmは Subang Jaya のPersiaran Kewajipan に沿った地区で今年12月まで続きます。LRTの保有会社であるPrasarana によれば、建設に伴う道路閉鎖はないとのことです。

(Intraasia注:クアラルンプールの郊外都市であるペタリンジャヤを走る、Kelana Jaya路線は発展目覚しいスバンジャヤへ延びることになります。いくつもの中流住宅・商業地域や公共的な施設を通る延長路線となりますね。その延長効果はかなり高いでしょう。)

【高架鉄道LRT は路線延長プロジェクトが進行中】- 2012年3月6日付け
クアラルンプール及び近郊都市に乗り入れている高架鉄道 LRTでは路線延長プロジェクトが進行しています。
LRT の路線が35km延長されるこのプロジェクトでは、Ampang 路線では10の駅を増設、Kelana Jaya 路線では12の駅を増設します。これによって現在1日の利用者数30万人に 50万人が加わることになる予定です。

総建設費RM 70億のこのプロジェクトの竣工は2014年末の計画です。完成時には、Ampang 路線とKelana Jaya 路線が新設される Putra Heights 駅でつながることになります。
以上

ここまでは既存の高架電車とモノレール、及びKomuter電車によってクアラルンプール圏公共交通(電車)網が整備され、利用者がかなり増えてきた、とまとめることができます。

後編に続く


マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加してペナンに住宅を求める場合

2012年08月01日 | マレーシアの住居知識と情報

ペナンは外国人一般にとって、観光面だけでなく、マレーシアマイセカンドホームプログラムなどを利用して住む地としても人気あることは、マレーシアのマスコミが数多く伝えていることです。 今回はその人気地ペナン州とりわけペナン島の住宅について書きます。 
住宅を求めるとは、住宅を賃借する、住宅を購入するの両意であり、住宅価格が高騰すれば賃貸価格も上がることはいうまでもありませんね。

【住宅価格が最も高い3つの地方の1つがペナン島】

住宅不動産価格が国内で最も高いグループ属する地方、つまりそれだけ需要が高い地方は3つあります:クアラルンプール、スランゴール州、ペナン島(ペナン州本土側を除く)、

首都が一般的に住宅不動産と商業不動産の両方で最高価格帯に属するのは、いわば当たり前の現象と言えますよね。スランゴール州はクアラルンプールを取り巻く形で位置し、首都圏のベッドタウン、商業タウン、工業面で国内で最も発展した州という性格を持つことから、不動産価格で上層部に属するのは当然といえるでしょう。 ペナン島の人気の高さは、その自然環境と歴史と民族構成にあるといえそうです。

この3つに続くのは、近年Iskandar 経済開発特区という形で巨大開発を足早に進めているジョーホールバル及びその近隣地区をあげることができます。

さて、今回はペナン島の住宅不動産に的を絞っています。マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者が購入できる不動産は住宅ですから、商業不動産には触れません(マレーシアで起業する人は種々条件を満たせば商業不動産も購入できます)。

【ペナン島の人気は有名な北東部の海浜地区だけではない】

ペナン島で代表的な人気ある住宅地区としては、ジョージタウンに近い島北東部の地区がよく言及されます。いわゆる海が間近に見えるまたは海岸に近接した地域であり、例えば  Gurney Drive, Tanjung Tokong, Tanjung Bungah といった地名です。ジョージタウンからバトゥフェリンギに続く道路からは、高級なコンドミニアムが建ち並んでいる光景が嫌がおうにも目に入ります。道路から少し中に入れば、たくさんの住宅地があります。

島の北東部だけでなく、島の中部東側や南東部にもコンドミニアムが続々と建設されてきたし現在も進行しているようです。イントラアジアはペナン島在住ではありませんから、クアラルンプール及びその近郊・周辺に比べれば、ペナン島の知識は劣ります。

ただこの20年ほどの間に何回もバスであちこちを訪ねた結果、コンドミニアムの建ち並ぶ風景を目にしました。日々マレーシアマスコミのニュースを追う者として、新聞で読むペナンの不動産ビジネス記事は、そういう印象を裏付けることにもなります。
何よりもイントラアジアは人一倍マレーシア各地を巡り、精力的に町と街を歩き回ってきた来た人間です。ペナンという特徴はあれど、マレーシアの町ということに変わりはありません。

ところで、ここで名をあげた地区だけが住むのに適していると決め付けるのはおかしいと言えます。
なぜならあくまでもどのような住居環境を求めるかは、人によって価値観が違いますから、ある人には大いに好む地であるが、別の人にはそれほど食指が動かない地ということにもなりえます。

ですから単に不動産の平均価格だけを比較するのは、不動産業界たる不動産デベロッパー・業者にとって及び実際に住むことなく住宅投資だけが目的の人にとっては大いに意味があっても、実際に住む人には必ずしも同程度の価値があることにはならない、と言えるのではないでしょうか。

【住宅不動産価格の高い代表的な地区での値上がり具合】

それでは、今年(2012年)6月上旬に英語新聞に載った記事を紹介します。
コンドミニアム価格の比較
・Pulau Tikus, Gurney Drive, Tanjung Tokong, Tanjung Bungah
2007年 RM 45万、2012年 RM 55万

・(島の南東部である)Bayan Baru, Sungai Ara, Batu Maung、(島の中部である)Minden Heights,
2007年 RM 30万、2012年 RM 45万

テラスハウスと準一戸建て(別々の家屋だが2軒がつながった形状)
・Pulau Tikus, Gurney Drive, Tanjung Tokong, Tanjung Bungah
2007年 RM 55万、2012年 RM 62万 - RM 100万

・(島の南東部である)Bayan Baru, Sungai Ara, Batu Maung、(島の中部である)Minden Heights,
2007年 RM 45万、2012年 RM 62万

Intraasia注:Bayan Baru とSungai Ara は互いに近接。Minden Heights は島中部の東側でペナン大橋の陸上部分に比較的近い。Batu Maungはペナン空港のある Bayang Lepasのすぐ南に位置し、現在建設中であるペナン第2大橋の陸上部分となる地区。

ペナン島地図 で是非各地区の位置を確認してください。クリックすると別ページで開きます。

【人気住宅地区を分析する新聞記事】

記事は続く:
ペナン島は土地が狭く、観光地として魅力を持ち、引退した外国人のセカンドホームでもある、こうしたことから島の住宅不動産はこの5年間で価格が25%以上も上がった。
(複数の)不動産鑑定士は、ペナン島の住宅不動産はマレーシアでも有数の高価格だと鑑定しています。

海に面した地区である、Gurney Drive, Tanjung Bungah、Batu Ferringhi では、コンドミニアムの取引価格が非常に高騰しています、中にはユニットの床面積 1000平方フィート(92.9 平方メートル)あたりRM 200万からということもある。

ジョージタウンの市域内、例えば Campbell通りに建つ戦前からの建物でさえ、まるで先を争うかのように買い求められており、その書い手の多くは非ペナン人である。そうして購入した建物をブティックホテルに改造したり、建築美の価値からそのまま保持することもある。

こうした家々は2007年に約RM 50万であったものが 2012年の現在はRM 80万ぐらいにまでに急上昇した。これは約30%の値上がりです。

大手不動産会社のRaine & Horne Malaysia は次のように分析します:
ペナン島で住宅価格が上昇している中で、最も急上昇している地区は Pulau Tikus, Gurney Drive, Tanjung Tokong, Tanjung Bungah の各地区住宅地である。こういう地区ではコンドミニアムは25%以上値上がりました。

その他地区で、コンドミニアム及びテラスハウスと準一戸建ての両分野で最低でも25%は値上がりしたのは Bayan Baru, Sungai Ara, Minden Heights, Batu Maung である。

次に列挙したペナン島ジョージタウン市街地における中級住宅建設計画でも価格上昇の波から外れていません: MacCallum通り、Burma通り、Jelutong通り、Sungai Pinag
こういう地域にあるアパートの価格は2007年にRM 18万だったのが2012年にはRM 25万に上がっています。

Raine & Horne Malaysiaは、ペナン島での住宅不動産が価格上昇したことで、(ペナン州本土側である)Seberang Peraiに住宅を求める人が多くなったと説明しています。Seberang Peraiの住宅価格は島側のそれに比べれば3分の1ぐらいだからです。ただ Seberang Peraiの住宅価格も上がりつつあるとのこと。

ペナン州本土側の町バタワースでは、アパートをみると2007年にはRM 18万であったものが今ではRM 25万に値上がり、テラスハウスでは2007年にはRM 30万であったものが今ではRM 50万はします。
以上記事から

参考:通貨リンギット(RM)の外為市場における対日本円相場は、2012年7月末時点で 1万円の両替でRM 395 前後を得ます。言うまでもなく外為は常に上下するので、あくまでも参考値です。

マレーシアに住もうという方には、あらかじめコンドミニアム、土地付住宅であればテラスハウスと準一戸建てを実際に見ておくことを、強くお勧めします。文字で説明してもイメージがわかないはずです。写真で見ればイメージはわきますが、まだ不十分です。

テラスハウスと準一戸建ては標準的な仕様に基いていますから、ペナン州でもクアラルンプールでもジョーホール州でも基本的構造は同じであり、もちろん外見の高級さと内部の造りに大いに違いがでる。マレーシアを訪問した際に、是非実物を近くから見ておきましょう。

【ペナン島だけがペナンではない】

ペナン州はペナン島と本土側(Seberang Perai という名称)から成ります。観光地としても住む地としても、昔から島側の方が圧倒的に人気が高いことが知られています。 地図をご覧になれば一目瞭然、本土側の面積の方がずっと広い。

風光美を備えた海に面した地に住むというだけなら、Seberang Perai の海岸近くに住宅を求めるという手もあります。しかし人は単に海を眺めることだけに満足しないのであり、島の持つ評判の良さ、商業が盛んで生活面での便利さ、個人的満足感から、やはりペナン島の住宅の方が価格も人気もずっと高いという傾向は今後も揺るがないでしょう。

現在ペナン島と本土側を結ぶ第二大橋の建設が進行しています。ペナン大橋を渡る車窓からも見えますよ。

参考: イントラアジアが発信する、『マレーシアの新聞の記事から』2012年7月5日付けより
ペナン第2大橋の進捗状況
ペナン第2大橋は 2008年11月に建設が始まりました。 本土側のBatu Kawan地区 と島側のBatu Maung 地区を結ぶ橋は全長 23.6Km、その内海上部分が16.8km、地上部分が6.8kmになります。この橋は東南アジアで最長の橋となり、新たな観光資源にもなります。

総工費RM 45億のペナン第2大橋の建設を請け負うのは、 UEM Builders Bhd と(確か中国企業の)CHEC Pembinaan (M) Sdn Bhdです、現時点での進捗率は 79.5%になります。

Intraasia注:ペナン国際空港がある地区に比較的近い地に橋ができます。ペナン島へ渡るのがさらに便利になるでしょうが、交通量増加も確実だと批判する人もいます。ここでも中国の技術と資本力が展開されている。
以上

この建設工事に伴ってBatu Kawan地区では住宅建設プロジェクトが進行しているとのニュースを読みました。イントラアジアはBatu Kawan地区を2回ほど訪れたことがありますが、歩き回ったわけではないので、昔風の家々が並び、海鮮料理の店店が人気を呼んでいた程度の記憶しかありません。そのBatu Kawan地区は第2大橋のプロジェクト進行によって、島との交通面で便利な地区に変貌するため人気が上がっている、といった記事も目にしました。

【ガーニードライブからバトゥフェリンギに至る高人気の海浜地区】

ペナン島に戻ります。
Gurney Drive には最高級クラスともいえるコンドミニアムが建ち並んでいます。ジョージタウンからバトゥフェリンギに向かう一本道を走ると、Gurney Driveを過ぎれば、まもなくTanjung Tokong, 次いで Tanjung Bungah になる。

ペナン島の花形地区とも言える Tanjung Tokong, Tanjung Bungah には観光ホテルも数ありますから、読者の中には実際に泊まられた方もいらっしゃるかもしれません。イントラアジアが去年訪れた時、Tescoのような大きなショッピングセンターができたことを知りました。道路に沿っていくつもの住宅地が出来上がっており、それらには商業店舗がたくさん入居したショップハウス街が付随しているのが普通です。

この1本道は頻繁に乗り合いバスが運行されています。90年代の旧式バス車輌はすっかり姿を消して、クアラルンプールのRapid KL バスと同じ冷房付新型車輌が使われている。バス番号によって多少の違いはあれど、この1本道をほとんど外れることのない走行ルートなので、初心者にも乗りやすいと思われます。一方そのことが一本道に近接したコンドミニアムか土地付住宅に住む人たちには便利であっても、一本道から内陸へ入った地に住む人には、バス停からかなり歩かなければならないということになる。

クアラルンプール及びその近郊と違って、ペナン島には電車路線はまったくありません。建設プロジェクトの話はあっても具体的に予算は全然付いていないので、3,4年後にできあがるというものではありません。

マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者・参加希望者は、自家用車を持つ暮らしをするのか、しないのかによって、希望地のどのあたりに住宅を求めるかをよく考えるべきでしょう。

もちろんこれはペナン島に限りませんが、電車路線がまったく存在しないペナン島ではクアラルンプールに比べて、自動車の必要性はより高まると言えます。常にタクシーを使う選択もありますが、面倒、使いたい時に使えないという面もあります。
自家用車を持つのはなにも必要性という要因だけに限らないことは、もちろん承知しています。社会的ステータス、ドライブ好きという趣味の面、便利さ、も大きな要因です。

【ペナン島の道路建設プロジェクトのあらまし】

なおペナン島の人気地区である Tanjung Tokong, Tanjung Bungahから Batu Ferringhiを過ぎて Teluk Bahang(トゥルックバハン)までの道路では公共土木プロジェクトが一部進行中だそうです。

参考:「新聞の記事から」の2011年11月15日付け記事より
ペナン州政府は近い将来の州プロジェクトである4つの道路建設またはトンネル工事プロジェクトのために、建設業者向けの事前審査を行います。
4つのプロジェクトの内容は:
・Gurney Drive - Tun Dr. Lim Chong Eu 道路のバイパス 4.2Km
・Tun Dr. Lim Chong Eu 高速道路 - Bandar Baru Air Itam バイパス 4.6Km
・ペナン島ガーニードライブ辺り -バタワース北部地区間の海底トンネル 6.5km
・タンジュンブンガ - トゥルックバハン を結ぶ道路 12km

州公共土木部門の長は語る、この事前審査過程で経験あり信頼できるそして財務状況の良い会社を選ぶためです。「総工費RM 80億になるこれらのプロジェクトが始まるのは2015年になります。」  建設会社がこの事前審査に応募する期限は2012年14日です。

ペナン州州首相の発言、「州政府にとって最大のインフラ建設となるこれらのプロジェクトに要する費用はデベロッパーの入札にもよるが、RM 50億から80億になる。州政府が金を払うことなく、デベロッパーは一等地を手に入れることができる。これは双方両得の方策です。 州政府はプロジェクトの完成を2020年と予定しているが、早まることもありえる。プロジェクトは手の込んだ実現可能性調査を行うので、開始は2015年になるでしょう。」
以上

別の記事も引用しておきます:
ペナン州の公共土木工事などを管轄する委員会の議長はこのプロジェクトについて説明します。「 Tanjung Bungah から Batu Ferringhiまでの区間は優先度が一番高い、なぜなら渋滞とりわけ週末の渋滞を軽減することに多いに役立つからです」

「現にこの区間中の部分、部分は民間デベロッパーによってすでに完成しています。ですからそうした完成部分をどうつなげていくかなのです。」

現存の海岸際を走るTanjung Bungah から Teluk Bahangへ続く道路と並行する形で、新しく中央分離帯を設けた道路ができることになる。これはペナン州政府が提案している、4つの交通緩和プロジェクトの1つです。
以上

タンジュンブンガ - トゥルックバハン を結ぶ道路は、このように現実には一部工事が既に進行しているようです。つまり海底トンネルのような不確定なプロジェクトと違って、ずっと早く完成が確実されているようです。この区間の道路は交通量が多く、且つ観光産業に欠かせない道路ですから、並行するような形でもう1本道路ができるのは、道路周辺の地区の住民にも大いにプラス効果を与えることでしょう。

ペナン島有数の高人気地区である Tanjung Tokong, Tanjung Bungahは将来もその高人気を維持することは確実のようです。つまり住宅価格も高止まりということでしょう。

【丘陵地の開発が進む一方、南東部にも住宅人気地がある】

こういうことから、ペナン島では丘の傾斜地での住宅開発が増えているそうです。
ペナン自治体評議会がこの2年間で承認した、丘の傾斜地を開発して建てる住宅開発は38箇所ある、と評議会の議長が明らかにしています。開発申請の全部を認めたわけではなく、17箇所は却下したとのこと。

こういう傾斜地の開発を批判する勢力や人たちがいるのは当然でしょう。だからマスコミはそういうニュースも伝えています。

海浜から離れた島の中部東側、といっても内陸深くということではない、にもたくさんの住宅地があります。例えば上記で紹介した Minden Heightsは、イントラアジアは具体的に知りませんが、人気あるん地なんですね。同じく上記で紹介した、南東部の海岸に近いBayan Baru, Sungai Ara, Batu Maung であれば、場所と建物高さによって海が眺められるコンドミニアムもあるのではないだろうか。なお空港に近いので航空機の影響を受ける場所も中にはあると、推測されます。

例えば、ペナン大橋の島側地上部にほど近い地区に、まだ新しいショッピングセンターであるQueensbay Mall などの商業施設が集まった場所がある。そのすぐ先がペナン島のバスターミナルがある Sungai Nibong です。Queensbay Mall には JUSCO(AEON)が入居している。こういう大きなショッピングセンターが近辺にあれば便利なのはいうまでもないでしょう。近辺に住宅地やコンドミニアムがあることから、大きな商業施設が開発され、それがまたあらたな住宅開発需要を呼ぶという相乗効果がありそうです。

一番人気の島北東部だけに捉われずに、中部東側、南東部にも目を向けてみるのもいいのではないでしょうか。
こう書くと必ず出てくる反応の一つに、周りに住んでいる日本人がいないかごく少ない地は嫌だというのがあります。 そういう方は島北東部なり日本人集中地区に固執すればいいのであり、そういう方を説得するつもりは全くありません。個人の自由ですから当ブログの関知するところではありません。

6月23日付けブログ記事 『マレーシアマイセカンドホームプログラムは富裕層でなくても日本の中流層も十分参加が可能だ』 で書きましたように、当ブログは 「日本人コミュニティーだけに閉じこもらない、そんなロングステイ者を当ブログは応援します。」というブログです。

21世紀の現代は携帯電話、スマートフォン、ネット接続パソコンを使えば、離れている人、ここでは在マレーシアとりわけ在ペナンの日本人、とも容易につながりは持てますから、ペナン島では北東部だけが住むのに向いていると”思い込まれて”いたり、”思い込まされている”方に、考えるきっかけまたは選択肢としてアドバイスしています。

そのうちに書く予定のクアラルンプール圏編でも同じことなので、わかりやすい例を1つあげましょう。 
最も有名な Mont Kiara のような外国人エクスパトリエイトの集中地だけが、マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者に向いているなんてことはありません。それは、高額な不動産を売りたい、できるだけ高い賃貸料のコンドミニアムを賃貸ししたい、不動産業界側の観点であり、それが可能な富裕層で且つ日本人コミュニティーだけにこだわる人たちの捉え方でしょう。もちろんそういうあり方を好むのは個人の自由ですから、当ブログの関知するところではありません。

当ブログは、マスコミと業者が作っている、広げているイメージに対して、違った面を求める方、惑わされたくない方、気が付いていない方、選択肢を求める方に向けています。ですからペナンの住宅についてもイントラアジアの視点と論点は同じです。


住宅を購入するために銀行で住宅ローンを申請する場合のこと

2012年07月09日 | マレーシアの住居知識と情報

マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者が住宅を購入する場合、銀行ローンが得られることは、2012年4月17日付け当ブログ記事 『マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加後コンドミニアムを購入する-前編』で触れました。

以前イントラアジアは、プログラムの趣旨から参加者が住宅ローンを得られるのはかなり難しいのではと思っていたのですが、近年の情報ではそうでもないことが感じられます。というか恐らく近年になって、プログラム参加者に住宅ローンをより認める方向になったのかもしれません。

ツーリズムマレーシアが発行しているマレーシアマイセカンドホームプログラムの簡単紹介パンフレット(1枚もの)には、プログラム参加者は、(その信頼性が評価されることを前提に)住宅価格の最高80%まで住宅ローンを得ることができる、と書かれています。

(銀行業務に関する)素人考えでも、プログラム参加者であれば誰でも 80%もの住宅ローンが得られるとは思えませんから、どのような申請・審査条件があるのかを知りたくなりました。

しかしマレーシアマイセカンドホーム公式サイトは住宅ローンのことに一言も触れていません。つまり参加者が住宅ローンを得られる、得られないということすら書いてありません。 マレーシアマイセカンドホームセンターが発行している(英語)文書類にもまず見当たりません(触れている文書があるかもしれないが、イントラアジアは手にしたことがない)

こういった点が、イントラアジアが以前から主張しているように、マレーシアマイセカンドホームプログラムの公開規定・条件は不充分であり、網羅したものではないという例です。

当ブログの方針
当ブログでは、翻訳する場合はあくまでも原サイトである英語ページまたはマレーシアマイセカンドホーム当局発行の英語文書を基にして訳し、それに独自の取材と解説及び分析を加えて、ここに掲載しています。原サイト日本語版ページや日本語情報が基準になるわけではないので一切参照及び関知はしません。


【銀行は融資の具体的な条件を記したパンフレットを発行していない】

そこでまず、マレーシアの2大銀行:MayBank, CIMB の支店へ行って住宅ローンに関する小冊子を求めたのですが、見あたりません。窓口で尋ねると、住宅ローンに絞ったパンフレットや小冊子はないので、ローンの担当者に会って尋ねてくれとのことでした。

ということで別の日に、CIMB銀行のクアラルンプール中心部にある支店を訪れて、ローン担当者に話を聞きました。イントラアジアは CIMBにも口座を持っているので、たまに使う支店を訪ねたわけです。どの銀行支店でもそうですが、日常業務窓口とは別に、それぞれ部門担当者がいます。

【CIMB銀行支店でローン担当者から話を聞く】

質問趣旨はマレーシアマイセカンドホームプログラム参加者が住宅ローンを得られる条件のあらましです。

以下はローン担当者の話を基にします。
住宅ローンに関する規定文書は、一般向けに発行していないとのこと。理由としては、様々なケースがあってそれらを全部規定できない、ローン申請者の提出する書類に基づいて担当者を窓口として銀行が審査・判断するからということのようです。

担当者の女性はとりたててマレーシアマイセカンドホームプログラムに詳しいわけではないことは会話からすぐわかりましたが、銀行がマレーシアマイセカンドホームプログラムの審査に関与するわけではないので、それは問題ではありません。

マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者向けの”特別な”住宅ローンはありません。外国人にも、多少の違いはあるが基本的には一般国民銀行利用者向けのローン条件と審査を適用するということです。中でもマレーシア国民と違うのは、その外国人の自国での資産と収入を審査の条件にするという点でしょう。マレーシアでビジネスを展開している外国人であれば、審査用資料の提出自体は容易になるはずですが(英訳の必要はないし、会計事務所から得やすい)、日本人プログラム参加者の場合はまず当てはまらないので、ここでは関係ないでしょう。

マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者は確かに最大で80%のローンを得られるが、あくまでもそのローン申請をいろんな必要条件から審査した上で決めるので、何パーセント得られるかは、申請者によって異なる、と担当者は言っていました。

参加者にビジネス収入があればそれが一番良いが、もちろん資産が十分ある、具体的には銀行口座に十分な残高があればそれも条件を満たすことになる。
プログラム参加者は一般に引退者・退職者が多い、とりわけ日本人の場合は定収入的なビジネス収入がない人が多いと伝えました。

【住宅ローン申請の条件と要項】

主要な点をまとめますと:
・申請時に(自国の)銀行口座残高を証明する必要がある。
直近6ヶ月間の口座取引明細書を提出。口座が複数あればその合計額でみる。もちろん英訳して証明を受ける必要がある。このあたりの手続は申請者がマレーシアマイセカンドホームセンターに提出する書類と同様です。

・銀行側はその6ヶ月間の各月残高を平均することで、月平均残高を算出する。 

・ローンを受ける際の基になる金額は その月平均残高の 20%です。
そこでイントラアジアは、複数口座の合計でリンギット換算 RM 100万になる例を上げて確認しました。 月平均残高がRM 100万ですから RM 20万のローンを得られるということです。参考:2012年中頃の外為市場レートなら、RM 100万は2600万円前後になる

・銀行口座以外にも、保有する国債も資産に認めるとのことです。もちろんこういったことは全てそれを銀行側に文書で証明する必要があります。

では株券、社債などはどうかは尋ねませんでしたが、銀行が手元資産として認めるかどうかは保証の限りではありません。個々の申請交渉の場で尋ねてください。

・ローン期間
借主が70歳になるまでの年数。つまり借主が60歳であれば、最長で10年間。

・ローン形式
通常の借主が1人の場合(プログラムの主参加者が借主になる場合)の他に、共同借主という形も取れる、つまり配偶者との連名で融資を受ける。

・ローン金利
2012年6月時点での銀行の基本貸し出し金利は年利6.6%
住宅ローンの場合はこの基本貸し出し金利からいわばボーナス割引が適用される。
割引率はローン金額によって異なる。

CIMB 提供のローン金利早見表から抜粋(2012年1月から3月末まで適用と書かれている)
住宅不動産の対象地:クアラルンプール、スランゴール州、ペナン島(ペナン州本土側を除く)
住宅ローン保険の有無に関係なく、 固定期間 3年、
・ローン融資額 RM 20万未満:基本貸出金利 - 1.70%
・ローン融資額 RM 20万以上:基本貸出金利 - 2.0%
・ローン融資額 RM 35万以上:基本貸出金利 - 2.2%
・ローン融資額 RM 50万以上:基本貸出金利 - 2.4% ただし固定期間なし

その他の対象地の場合は省略しますが、金利がわずかに違う程度です。
Intraasia注:こういった数字は時と共に変化することはご承知ください。

ローン担当者からの注意点
住宅ローンを受けようとする人は、不動産デベロッパー、不動産代理業者に住宅購入のための手付金を支払う前に必ず銀行でローン申請の相談をすること。 なぜなら対象不動産の価格は不動産デベロッパー、不動産代理業者の提示価格ではなく、あくまでも銀行側が評価する市場価格だからです。
ローンの借り手は不動産代理店などと話を全て進めてから銀行ローンの申請をする、ようなことはすべきではない。


【CIMB 公式サイトにおける不動産ローンに関する情報】

次はCIMB の公式サイト(www.cimbbank.com.my)から住宅ローンに関する情報を探しました。CIMB は東南アジア諸国に系列銀行を展開していますが、ここではもちろんマレーシアサイトだけを参照します。
サイトの個人向け部門の中に不動産融資という項目がある。言うまでもなく、全て英語ページです。特に関係ありそうな部分を抜粋して紹介しておきます。

次のような一節がある:

マレーシアに住宅を持とうとする外国人は(FICと呼ばれる)外国投資委員会の承認を得ることなく、価格RM 25万以上の住宅不動産を買うことができます。RM 25万を下回る時は、FICの承認が必要です。CIMB はマレーシアに住む外国人が住宅を購入するための融資を提供します。

CIMB銀行はまたマレーシアマイセカンドホームプログラム参加者にマレーシアマイセカンドホーム融資パッケージを提供しています。このパッケージは CFと呼ばれる”住居に適合証明”が発行されている完成住宅で且つその価格がRM 25万以上の住宅に対してです。融資期間は5年から20年間または70歳になるまで、そのどちらかが先に達した方を適用します。融資は最大で85%までとなる。

これに申請するためには、必要箇所を全て記入した申請書、パスポート、観光省発行のマレーシアマイセカンドホームプログラム参加者であることを証明する文書、住宅売買契約書をそろえて、お近くのCIMB銀行支店に提出します。


【イントラアジアのコメント】

皆さんもきっと気づかれたように、購入できる最低価格が依然としてRM 25万以上と書かれている。実はイントラアジアが会って尋ねた上記担当者もRM 25万以上だと言っていました。イントラアジアは、RM 50万以上に既に変更されたと伝えたが、彼女は気にしていない様子でした。なお最大融資割合は80%なのか、85%なのかは大して問題ではありませんね。

内閣直属の経済企画部が1年半ほど前に、外国人が購入可能な住宅不動産の最低価格は RM 50万以上と変更したので、それ以来マレーシアマイセカンドホームプログラム当局はこの数字を引用しています。当ブログで既に掲載している、経済企画部の発表内容を参考資料としてここにも載せておきます:

参考資料
Guidelines On The Acquisition Of Properties (effective on 1 January 2011)
Economic Planning Unit, Prime Minister's Department

GUIDELINE ON THE ACQUISITION OF PROPERTIES
Acquisition of residential unit by foreign interest valued at RM500,000 and above.This acquisition, however, do not require the approval of the Economic Planning Unit, Prime Minister's Department but falls under the purview of the State Authorities

不思議なことは、トップ銀行たる CIMBの公式サイトでは未だに旧来のRM 25万以上という数字が使われていることです。CIMB側の単なる更新情報確認・訂正のミスなのかもしれません。それとも現実には依然としてこの額で審査が行われているのかもしれません。(あくまでも推測ですよ)

外国人購入の住宅不動産の承認は昔は FIC が行っていたが、現在では規定条件を外れた物件以外はFICの承認不要です。よって FIC がチェックしないのでどの機関が行うのだろうか? ということは銀行がローン申請を認めてしまえば、そのまま売買契約は進行するのだろうか? このあたりの実務に関してはイントラアジアは知りません。

【銀行の提供する融資パッケージを選ぶことでローンを受ける】

またCIMBサイトに戻ります。
CIMB の人気ある商品として、いくつかの商品つまり不動産融資パッケージ名を列挙し、それには早見表形式で簡単な説明が付いている。マレーシア人や外国人が不動産を購入する場合、このパッケージを利用することで銀行融資が得られるということになります。
「あなたに最も合ったホーム融資パッケージが必要になります。ぴったりあったパッケージを選ぶことが大切です」 と書いてある。

その商品中つまり融資パッケージ中、マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者が購入できるのは、2つだけです。なおイスラムバンキング部門でもプログラム参加者が購入できる融資パッケージが2つあるが、日本人参加者にはまず関係ないでしょうから省きます。

2つの融資パッケージとは、商品名 HomeLoan と HomeFlexi です。早見表から抜粋します(よく意味がわからない点は省略):
HomeLoan
・当初の返済は低額を望まれる方向け、または元本の半額を返済期間中に返済し、残り半額を返済期間終了時に一括返済される方向け
・返済期間の最初3年間は利子だけを支払う
・最初の3年間または5年間だけは固定金利を選択できる
・上限を定めた金利を選択できる、最初の3年間または5年間 基本貸出金利が上限

HomeFlexi
・返済に柔軟性があることで、お好きな額をいつでも返済
・融資口座と当座預金口座を複合することで余分なお金を引き出せる
・小切手帳を発行します
・最低融資額はRM 15万

こういったCIMBサイトに載っている、住宅ローンの簡単な説明と早見表にも、融資に必要な条件は書かれていません。つまりローン申込者の年収が幾ら以上とか資産額はいくら以上という具体的な必要条件は一切書かれていません。あくまでも窓口であるローン担当者が申請者の状況をその場である程度判断し、申請書類を銀行内部で審査するということでしょう。こういうことから、不動産ローンを受けるための具体的な必要条件を書いた、パンフレット・小冊子を銀行は発行していないのであろう、と推測できます。

【CIMBの不動産ローン申請書式(Property Financing Application) 】

銀行で入手した申請書を jpeg 画像の形で別ページに掲載していますので、ホームページのマレーシアマイセカンドホーム項目にある 不動産ローン申請書式 をクリックしてご覧ください。申請書全4ページの内の3ページ分です。ここに掲載すると画像が縮小されてしまい文字が読みづらいので、別ページに掲載です。

【ローン担当者と面談で質問し、準備する】

どの銀行のサイトでも同じようなものでしょう、CIMBサイトの不動産融資ページは、専門・業界用語と用法が織り込まれた文章なので、読解だけで内容を十分に理解するのはかなり難しいと言えます。 従って間違い解釈を避けるために、(銀行業務、とりわけ融資業務に詳しくない)イントラアジアはこれ以上のことは書きません。

CIMB サイトでも次のように書かれている:Face to Face with our CIMB Home Financing Consultant (CIMBのホーム融資コンサルタントと面談)
このように、住宅ローン申請を考えている方はまず銀行支店を訪れて、面談の形で詳細を尋ねる、ローン申請内容を詰めていくことが必須と言えそうです。

最後に購入する住宅に掛ける保険についてもサイトは説明していますので、抜粋して紹介しておきます。

【住宅ローン用保険もある】
あなたの住宅を守るための保険

住宅保険が必要ですか? 住宅保険の種類
CIMB銀行では、あなたが住宅を購入される時に3種の保険を提供しています。

1.団体抵当条件保険 (GMTA) と団体抵当条項タカフル(GMTT)
この保険は、不幸な出来事が起きて死亡または永久全身障害になられた場合に、あなたの住宅ローンを解決します。

2.住宅オーナー保険
この保険は、火災、落雷、荒天の影響によって建物が損壊または損傷することに対してあなたの住宅を補償します。

3.ホームガード
これは、火災、落雷、爆発、航空機による被害、台風など、突風、地震、火山活動、洪水、盗難または空き巣によって起こされた家財道具と身の回り品の損失または損傷に対して被保険者に補償するための保険です。

Intraasia注:Maybank のサイトを見ると、融資を受ける人は(団体抵当条件保険 GMTAと似ような)保険 MRTAに加入しなければならないと書いてある。ということは、CIMB でも同じだろうと推測されます。

【イントラアジアのひとこと】

外国人が住宅ローン申請する際は、1回の申請でしかも30分程度の時間で全て片付くようなことはまず難しいと思われます。かなりの準備が必要ですし、あらかじめ相談も必要です。 まして国情も違い、言語も違うので、時間がかかることは十分予期されておくべきです。

ここに例示したのはCIMB の場合ですから、マレーシアの他の銀行ではもちろん幾分違う点があるはずです。しかしながら、基本は同じと考えていいのではないでしょうか。

2大銀行のもう1つ Maybankサイトの該当ページを見ると、情報の現し方が違います。例えば、ウエブ上で返済月額を計算するサービスがある。ただしこれはマレーシア人で給与やビジネスでの定収入者を主対象としたものなので、マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者の場合は、その機能をそのまま使えないでしょう。

そのうちに、他の銀行での住宅ローン申請に関する情報も書いてみようと思っています。ただしいつになるかは全く未定です。


マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加後コンドミニアムを購入する-後編

2012年06月01日 | マレーシアの住居知識と情報

初めての方へ
全体的な背景説明、基本的な知識と用語の解説などは前編に載せていますので、先に前編をお読みください。

おことわり
6月1日に重要な追記 【外国人が購入できる住宅不動産の最低価格に関する変更発表はない】を下段に加えましたので、掲載日を5月初旬から6月1日に変更しました。

【コンドミニアムの売り物件広告から】

KLCC 231TR: 834sf 2部屋2浴室 家具付 Pavillion に近い、RM 73万
KLCC Bintang Goldhill: 1485sf 3部屋 家具付 中層階、RM 89万
KLCC DC202: 1600sf 3部屋2浴室 バスタブ、フル装備のキッチン KLCCまで徒歩10分、 RM 87万
KLCC Hampshire Residence: 2399sf  3+1部屋 高層階、RM 85万
KLCC Marc Residence: 840sf  2部屋2浴室 趣味良い家具付、RM 107万
KLCC Parkview : スタディオ/1部屋/2部屋で広さ500sf - 943sf  家具付、価格 sf あたりRM900

Kota Damansara D'Rimba: 1200sf  3+1部屋 改修済み バルコニー3つ、RM 51万
Kuchai Lama 288 Residence: 1215sf 3部屋2浴室 RM 52万、1440sf 3+1部屋 RM 62万。 どちらもエアコンとキッチンキャビネット付
Maple Sentul West :1569sf  2+1部屋 モダンなキッチン、バルコニー、駐車枠2台分、RM 99万
Menara BKT Ceylon: 1570sf  2+1部屋2浴室 一部家具付き、RM 85万
Menara Duta :1706sf  3+1部屋3浴室 一部家具付 状態良 RM 51万

Mont Kiara Angkupuri : 1550sf 3+1部屋2浴室 中層階 お買い得、RM 68万
Mont Kiara Astana : 1408sf  3部屋1浴室 家具付 木の床 ガーデン側 RM 71万、1690sf 3+1部屋3浴室 プール見える側 改修済み、 RM 86万
Mont Kiara Ayuria :1605sf  3+1部屋 改修済み、RM 95万
Mont Kiara Ceriaan:1828sf 3+1部屋 中層階または高層階, RM 78万
Mont Kiara Gateway Kiaramas :742sf  家具付 高層階、RM 66万
Mont Kiara Kiara Designer Suite: 1252sf 角ユニット プールが見える側、高層階、RM 71万8千

Mont Kiara Kiaramas Sutera: 1850sf プール見える側、お買い得 RM 86万
Mont Kiara Kiaraville: 1868sf  3+1部屋 プール見える側、RM 118万
Mont Kiara La Grande : 2000sf 4+1部屋4浴室 ま新しい 家具付、RM 99万8千
Mont Kiara Laman Suria: 1000sf  2部屋2浴室 家具付、RM 52万
Mont Kiara Palma:1208sf 3部屋2浴室  バルコニーあり、状態良、RM 65万
Mont Kiara Pines: 1428sf  3部屋2浴室 家具付 改修済み ジャクジーあり、RM 69万8千
Mont Kiara Solaris Dutamas Park Tower: 1145sf 2部屋2浴室 家具付、RM 71万

Mutiara Damansara Surian: 1302sf 3部屋2浴室 改修済み 基本設備、RM 85万
Old Klang Road Casa Desa: 1192sf 駐車枠2台分、RM 58万
Opal Damansara: 1420sf 1+3部屋3浴室 駐車枠2台分 改修済み RM 68万
Pandan Perdana: 2147sf  5部屋3浴室 ペントハウス KLCC見える側 駐車枠2台分、RM 60万
Papillion Desa Hills: 2059sf  3+1部屋3浴室 一部家具付き 24時間セキュリティーの駐車場 RM 110万

PJ Astana Sec17: 935sf 2部屋2浴室 一部家具付き 地上階角ユニット ハイウエー近く、RM 50万
PJ Dataran Prima: 1616sf 3+1部屋3浴室 駐車枠3台分 高層階 北向き、RM 69万
PJ Gasing Heights Fraser Tower: 2300sf 3部屋2浴室 改修済み 一部家具付き、RM 90万
PJ Mutiara Oriental: 1398sf 3部屋3浴室 低層階 眺め良し、RM 55万
PJ Prima 16: 1155sf から1975sf  改修済み RM 58万から98万まで
PJ SS2 Jasmine Towers: 1408sf 3部屋3浴室 高層階 駐車枠2台分 RM 54万8千
PJ Tiara Damansara: 1323sf 3+1部屋3浴室 プール見える側RM 51万5千

Ridzuan cond: ペントハウス重層型住宅 4部屋 最近改修済み 一部家具付き、RM 49万Saujana Residency: 883sf 2部屋2寝室 南向き、RM 78万
Segambut SutraMas: 1850sf 5部屋3浴室 家具付、RM 92万5千
Sentul 1: 1355sf 高層階 3部屋2浴室 KLCCが見える側、RM 56万
Sentul East Tamarind: 1348sf 高層階 KLCCが見える側、RM 60万
Sentul One: 1081sf  3+1部屋3浴室 駐車枠2台分 状態良 Sentul市場が近い、RM 53万

Seri Titiwangsa: 1719sf 改修済み 駐車枠2台分 KLCCが見える側、RM 78万
Setapak Prima II: 1666sf 4部屋3浴室 改修済み 作りつけキッチン施設 駐車枠2台分RM 59万5千
Sungai Busi Midfields: ペントハウス2092sf  3+1部屋3浴室、RM 76万
Sri Hartamas Puncak Prima: 1286sf 3部屋2浴室 改修済み、RM 58万8千
Sri Hartamas Waldorf: 1130sf 2+1部屋3浴室 家具付 真新しい、RM 68万
Sri Hartamas Windsor Tower: 1230sf  3部屋2浴室 改修済み 家具付 全エアコン装備 KLCCが見える側、RM 85万
Sri Hartamas Windsor: 640sf 1部屋1浴室 高層階 KLCC見える側、 RM 56万8千

Subang Casa Tiara SS15 : 3部屋2浴室 改修済み デザイン秀逸 南向き、RM 65万
Subang Laman Baiduri: 1625sf 4部屋3浴室 高層階 池に面した側、RM 79万5千
Subang Olives Residence: 1459sf - 3124sf 真新しく広々している スタジオは独立した入り口あり 全エアコン装備 キッチンキャビネット ユニットの選択多し RM 60数万から
Subang USJ19 Rhythm Avenue:1664sf 4部屋4浴室 Carefourの近く、RM 61万
ペナン島 Seri Tanjung Pinang にあるSuites Waterside: 1800sf ゆったりした2部屋3浴室 マリーナに面している 広いバルコニー、RM 175万 
Intraasia注:この広告だけペナン島の物件です
Summervilla: 1890sf 3+1部屋3浴室 高層階 池に面した側、RM 55万
Sunway Palmville: 1600sf 3+1部屋3浴室 駐車枠2台分 クラブメンバーシップ付、RM 64万
Sunway South Quay Nautica : 1783sf   RM 105万

Taman Desa Casa Desa: 1355sf RM 60万、 916sf RM 48万
Taman Desa OPBD Garden Towers: 1647sf 3部屋2浴室 一部家具付き 2階、RM 85万
Taman Tun Sinaran: 1580sf  2+1部屋 17階 KLCCが見える側、RM 93万
Taman Tun Villa Flora: 1500sf  3部屋2浴室、 RM 85万
The Zest Puchong: 1210sf 屋外駐車場 RM 55万
Times Square : 5星クラスのサービススイート 1部屋または2部屋 家具付、RM 50万から
Titiwangsa Sentral: 1100sf 3部屋2浴室 高層階 家具付あり LRT駅近く たくさんのユニットあり RM 49万から

Taman Desa Casa Desa: 1110sf 3部屋2浴室 駐車枠2台分 RM 60万、重層型ユニット1300sf 2部屋2浴室 RM 72万
Taman Desarina :1337sf 3部屋2浴室 真新しい Mid Valleyが近い、RM 49万5千
Taman TTDI Plaza: 1890sf 3+1部屋3浴室 駐車枠2台分 一部家具付き、RM 92万
Tropics Loft 1: 重層型ユニット 2+1部屋2浴室 直ぐ入居可、RM 83万
Villa Lagenda : 3669sf ペントハウス 重層型ユニット 駐車枠4台分 Selayang 市場gが近い、RM 63万
Vista Komonwel: 1400sf 3+1部屋3浴室 ゴルフ場に面している LRT駅近く、RM 45万
Villa Residency: 1200sf 高層階 RM 51万
Wisma Cosway: 2000sf  3+1部屋 Pavillionショッピングセンターが至近、価格 sfあたりRM 550

【不動産の登記形態には2種類がある】

コンドミニアムの売り広告には、売値がRM 5,6万からRM 300万を超える幅広い価格帯の物件が載っています。RM 50万未満の物件は数多くありますが、前編で説明しましたように、外国人が購入することはできませんので省きました。

あるコンドミニアムが建っている土地の登記形態には2種類あります:Leasehold と Freehold(永久地契)。 

Leasehold のリース期間は30年, 60年, または99年間(まれに999年)です。その土地を民間が特定目的で使用してもよろしいという土地です。通常はリース期間が更新されることが前提になっている。リース期間が満期になると、その地に建つ不動産の持ち主は一定の式で計算されたリース更新料を払うことになる。
Freeholdは民間がその土地を永久に使用してもよろしいという土地です。 リース更新料は当然ありません。

広告の中にはその建物の土地がどちらに属するかを書いている広告もあります。常識的にいえば、Freehold の方が良いでしょう。しかしLeasehold の地に建てたコンドミニアムが数十年後にリース契約の更新ができずに使えなくなる、リース更新料を払おうとしない、なんてことを予測して建設するまたは不動産を購入することはありえないはずです。

Leasehold と Freehold の違いは不動産価格に当然影響を与えますが、30年も50年も住むことはない日本人購入希望者にはあまり関係ないので、記載から省きました。


最後に、最近ちょっと気になるニュースが現れましたので、イントラアジアのブログ『マレーシアの新聞の記事から』の2012年4月10日付け記事を紹介しておきます。

【外国人が購入できる住宅不動産において最低価格が引き上げられるかもしれない】

外国人が購入を許される住宅の最低価格は現在RM 50万です。消息筋によれば、不動産価格の上昇を抑える努力の一環としてこの最低価格をRM 100万に上げることを政府が検討しているとのことです。

これに関する決定はもうすぐ行われ、内閣府直下にある経済計画ユニットがその実施を行うことになる、と政府の消息筋は説明する。「この件での新しい指針は大臣レベルで話し合われた。もし実施に移されれば、外国人が購入を許されるのは住宅価格がRM 100を超える物件だけとなる。現在の外国人用最低価格 RM 50万というのは、現状を考えれば少し低い。」
「中央銀行が不動産価格の急騰を抑えるために対処策を発表しましたが、不動産市場での価格は依然として上がっているのが、現状です。手に負えなくなる前に行動しなければなりません。」

別の消息筋によれば、特定の経済開発地域における外国人購入の住宅最低価格は見直し後は RM 80万になるだろうというものです、この背景には(国の推進する)経済開発回廊の発展と成功を確実にする狙いがあります。

中央銀行の引き締め策が発表されたにもかかわらず、住宅平均価格が2011年第4四半期は7%も上昇しました。財務省の副大臣は述べる、「不動産価格がバブルをもたらさないかと政府は心配しています。銀行は不動産部門に貸し過ぎないように願っている。」

不動産業界筋を新聞社が調査したところ、マレーシアの不動産を買う主な外国人は、韓国人、日本人、シンガポール人、中国人です。「最低価格の引き上げはマレーシアの中位所得層に有利となる。外国人と競う必要がなくなるからです。」 とある業界人。「しかし、実施されれば韓国人と日本人購入者は減るかもしれない。欧米人は一般に買うより賃借を好みます。

マレーシアの公式統計を眺めると、2011年住宅不動産の取引においてRM 100万以上の物件は全体の2.4%に過ぎません。従って、最低価格の引き上げの影響は不動産市場に小さいであろうと推測されます。 財務省の担当庁が先週発表した不動産市場報告2011年では、住宅不動産の取引件数は269,789 で総額がRM 618億でした、これはこの5年間で最多でした。

不動産市場報告2011年から
取引件数が 18.9%、取引総額 RM 22.1%の伸びでした。全住宅価格指数は 2010年第4四半期の147.2から2011年第4四半期は156.9に上昇した。土地付住宅は上昇傾向にある。」 「クアラルンプールのテラス住宅は8%-13% の上昇を記録した。ペナン島の土地付住宅の価格上昇は明らかです。」

2011年住宅不動産取引、価格帯別の比率
RM 5万以下:16.7%、 RM 5万を超え10万まで:20.5%、 RM 10万を超え20万まで:29.8%、RM 20万を超え50万まで:24.9%、RM 50万を超え100万まで:5.7%、RM 100万を超える:2.4%
以上

【イントラアジアのコメント】

コンドミニアムのユニット価格RM 100万以上という物件はそれなりの数がありますが、その場所が限られてしまいます。具体的には KLCC周辺、Mont Kiara などいわゆる外国人エクスパトリエイトが集中している地区と有名高級地が主たる候補地にならざるを得なくなるでしょう。つまり購入物件の候補地の選択が大きく減ってしまいます。

上の新聞の記事に引用されている統計でも、RM 100万を超える価格帯の取引は全体のわずか2.4%に過ぎないということですから、いかに富裕層が対象かがわかります。
マレーシアマイセカンドホームプログラムの目的が、富裕な外国人に長期滞在を許す見返りにどんどんマレーシアでお金を使ってもらうということはわかります。ただ現実として、RM 100万を超える不動産を現金購入できる参加者は、かなり少数になるのではないでしょうか。

まだ決まったわけではないが、最低購入価格RM 100万以上というのはいささか高値すぎると感じます。

【6月1日の重要な追記:外国人が購入できる住宅不動産の最低価格に関する変更発表はない】

読者の中には、(マレーシア語や英語で発表された)ごく重要な原情報をご自分で探すことができない方が多いことは想像できます。原情報を取るためには、かなりマレーシアに通じていないとどこを探したらいいかわからないからです。そこで噂やいわゆる業界・業者筋に聞いた話を鵜呑みにされる方々が時々いらっしゃいますので、読者の皆さんに注意のアドバイスをこめて原情報をここに掲げておきます。

内閣直属の経済計画部がその公式サイトに掲げているお知らせです。www.epu.gov.my

The Economic Planning Unit, Prime Minister’s Department (EPU,JPM) wishes to respond to an article in The Star, Starbiz dated Tuesday, 10 April 2012, titled "RM1 mil Floor Price? Govt May Double Minimum Price Of Houses Foreigners Can Buy". The response is as follows:

The Economic Planning Unit, Prime Minister’s Department, (EPU) wishes to inform that there is no revision to the Guideline On The Acquisition Of Properties to increase the minimum price from RM500,000 to RM1 million as stated in The Star dated Tuesday, 10 April 2012 for houses that foreigners are allowed to purchase. The EPU would like to reiterate that the minimum price of RM500,000 as stated in the Guideline On The Acquisition Of Properties, effective from 1 January 2011, is still valid.

ここでいう不動産取得のガイドラインの内容は同じく経済計画部の発表している PDFファイルに書かれています、該当部を引用します:
Guidelines On The Acquisition Of Properties (effective on 1 January 2011)
Economic Planning Unit, Prime Minister's Department

GUIDELINE ON THE ACQUISITIOONF PROPERTIES

Acquisition of residential unit by foreign interest valued at RM500,000 and above.This acquisition, however, do not require the approval of the Economic Planning Unit, Prime Minister's Department but falls under the purview of the State Authorities

要するに外国人が特別な許可なく購入できる住宅不動産は RM 50万以上であり、今のところ政府はこれを引き上げるつもりはないということです。
いうまでもなく、これは今のところであり、将来も不変ということではありません。ですから政府が見直すことも当然あるでしょう、ただしそれがいつかは誰にもわかりませんね。

最低価格が下がることはまずないでしょうから、いつかは上がる可能性の方が高いとイントラアジアも思います。それをかなり近い将来と見るか、何年もずっと先のことと見るかは、その人の考え方次第であり、投資する人は自分の責任で行えばいいわけです。

ということで、外国人が購入できる住宅不動産の最低価格の変更は公式に発表されていません。
それでも噂やいわゆる業界・業者筋の情報を信じるという方は、お好きにどうぞというしかありませんね。

【2013年11月の追記】

外国人が購入できる住宅不動産の最低価格の変更が、2013年10月下旬に発表された2014年度政府予算案て明らかにされました。

法案通過によって正式に1ユニット(1戸)の最低価格が RM 100万に引き上げられ、2014年1月初めから実施されます。詳しくは 『マレーシア政府が実施する/した、中高級住宅不動産市場に対する3つの過熱抑制策』 -2013年11月6日付け記事 を是非ご覧ください。

 


マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加後コンドミニアムを購入する-前編

2012年04月17日 | マレーシアの住居知識と情報
マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加を認められてマレーシアに住むことになります。当初の1,2年は賃貸コンドミニアムに住むつもりだが、早い時期にコンドミニアムまたは土地付住宅を購入したいという方も中にはいらっしゃることでしょう。

マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者に限らず、外国人はある一定価格以上の住宅を買うことができます。その一定価格はコンドミニアムにも土地付住宅にも同様に適用されます(つまりマレーシアに住まなくても住宅不動産は買える)。

情報訂正と追記:マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者は、ローン審査が通ることを条件に、住宅購入のために銀行ローンを最大で 80%まで得ることができる、とツーリズムマレーシアのパンフレットは書いています。しかしどのような条件がつくのかは、マレーシアマイセカンドホーム当局のサイトは一切載せていませんし、触れてさえいません。各銀行に尋ねるしかなさそうです。

【外国人は一定価格以上の住宅不動産を買うことができる】

住宅購入に関して、マレーシアマイセカンドホームプログラム公式サイトは次のように掲げています:

外国人はマレーシアの住宅不動産をいくつでも購入することができます。ただし各州が外国人が買うことのできる最低価格を独自に設定しています。
ほとんどの州では2010年1月1日以降 1ユニット(1軒)の最低購入価格をRM 50万と定めています。

土地に関することは各州の管轄下にありますので、購入する前に該当州の法規を確認することが大切です。定められた最低購入価格に州間で違いがあるからです。

マレーシアマイセカンドホームプログラム当局は、CFと呼ばれる”住むことに適している証明書”が既に発行されている住宅を購入することをお勧めします。デベロッパーから購入することをお考えの場合は、評判の良い会社であることを確かめてください。

さらに購入者側の弁護士が(不動産登記などを管轄する公的機関である)その地方の土地管理事務所で、購入する不動産に関して購入者が所有権を取得できることを十分に確認してください。
なお不動産を売却した際の利益に掛かる税金、不動産利得税、の税率は5%です。
以上

Intraasia注:最低購入価格RM 50万が変更されるかもしれないというニュースは次回の「後編」に載せます。まだ決定したわけではなく、あくまでもニュース報道の段階です。

さらに当ブログで以前に載せた記事の中からも関係箇所を引用しておきます。
【住宅の購入に関する問答】

質問:プログラム参加者は何か特別な権利が得られるのですか?

答え:参加者は誰でも居住用不動産を購入することができます。その際外国人が買うことができる(居住用不動産の)最低価格は各州政府が設定しています。2010年1月時点における最低価格は、ほとんどの州でRM 50万となっています。

イントラアジアの解説
低所得者層向けであるRM20万以下の住宅はもちろん、中流層が主たる購買層であるRM20万から50万の住宅も、マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者は購入できないということです。つまりプログラムにおいて住宅購入の最低価格を設定している狙いは、マレーシア国民大多数の住宅購入機会に影響を与えないという配慮です。外国人が購入できる居住用不動産つまり住宅の最低価格はずっと以前はもっと低い価格に設定されていましたが、その後段々と引き上げられたという経緯があります。

以上で住宅購入に関する大枠はおわかりになったことでしょう。

【新しい/中古コンドミニアムの売り物件を分類広告で見つける】

そこで今回の記事では、実際にコンドミニアムの価格はどれぐらいだろうという疑問に答えるために、できるだけたくさんの物件例を紹介します。

建設中または建設前の物件はもちろんいろいろありますが、銀行ローンを組まずに一度に現金払いする外国人にとってより一般的なのは、転売目的の新規物件か中古物件を購入する方法でしょう。
そこで、ここでは建設前と建設中物件は対象にしません。

マレーシアでは売ってから建てる方式です。建設前にまたは途中で放棄された建設プロジェクトがクアラルンプール圏だけでも何百と起きてきたので、社会問題となっています。もし建設前物件を購入する場合は、きちんとした建設歴を持ったデベロッパーだけの物件にすることが必須といえます。

有名英字新聞の分類広告欄には、クアラルンプール圏の売却用コンドミニアムだけでも毎日7百、8百の物件が三行広告の形で載っています。不動産広告の豊富さでは英語紙が華語紙、マレーシア語紙を圧倒しています。そこで当ブログ記事ではこの英語紙分類広告から適当に物件を抜き出します。

これらの物件は持ち主の代理である不動産代理店・会社または不動産エージェントが広告を出しています。大別すると、投資目的で購入したマレーシア人やシンガポール人などが最初からまたはある期間賃貸した後で転売する場合と、その住宅に住んでいる持ち主が売りに出している場合があります。

基礎知識としてマレーシアにおける住宅不動産の用語説明と状況を知っていただくために、当ブログで 2011年5月23日から3回に渡って掲載した 『マレーシアの住宅市場を知る一助としてたくさんの広告を取り上げてみた -前、中、後編』 をあらかじめ是非ご覧ください。

ここで紹介するのはクアラルンプール圏の物件です。クアラルンプール圏という意味は連邦直轄領クアラルンプール市に隣接したまたはごく近接した自治体も含まれます。例えば下記で現れる Ampang は行政上はクアラルンプール市ではなく、クアラルンプールに隣接した自治体に属する地区名でもあります。交通面、通勤や買い物・娯楽での人々の行動範囲、経済上の結びつきから、隣接自治体は十分にクアラルンプール圏に属しています。

【コンドミニアムの売り物件広告から】

Amaya Saujana: 1569sf - 1808sf 4部屋4浴室 エアコン5台 キッチンキャビネット、RM 82万から110万
Amcorp Cond: 732sf 2部屋2浴室 高層階 LRT駅近く Petaling Jayaの良い場所、Strata title (ユニットの所有権)付、 RM 60万 
Ampang 20Trees: 1984sf 真新しい 3部屋 緑が見える側、RM 84万
Ampang Impiana: 2000sf 4部屋3浴室 ゆったりとしている、中心部に行き易い、RM 67万
Ampang Menara Mutiara, Taman TAR: ペントハウス重層型ユニット 2137sf 4部屋+1、RM 59万 
Ampang Sri Maya: 1414sf 3部屋2浴室 高層階 家具付、RM 65万 
Ampang Suria Jelatek: 1420sf 3部屋2浴室 駐車枠2台分 KLCCが見える側 新しい、RM 61万
Intraasia注:Ampang とだけ書いてある場合、クアラルンプール市内のアンパン通り界隈を指すときと、隣接自治体のアンパン地区を指すとき、の2つがある。

【基礎知識のおさらい】
不動産の三行広告を含め、不動産業界では床面積、土地面積の単位は平方フィート(square feet)を用います。広告における”数字sf” の "sf" とは square feet の略号です。
度量換算:100 平方フィート = 9.29 平方メートル(平米)
つまり平方フィートに 0.0929 を掛ければ平米に換算できます。
例: 1236sf X 0.0929 = 115 平米

一般に浴室はシャワー区画とトイレが設置されたバスルームです。特に付記してない限りバス、トイレは別々ではない。
またバスタブを必須と考えないマレーシア人は多いので、バスタブがなくシャワー設備だけと捉えておく方がよい。高級なコンドミニアムになればなるほど購入したオーナーが自分の好みで設置できるようにしているか、バスタブ付が多くなるでしょう。

通常1部屋の床面積は日本の何々LDKという部屋の面積より広い。
以上

Angkasa Imipiana: 1530sf  3+1部屋 家具付 KLCCが見える側, RM 63万
Balakong Juta Miens: ペントハウス 2108sf 加えてルーフトップの空きスペース1906sfがある 4部屋3浴室 駐車枠3台分、RM 90万
Intraasia注:マレーシアでペントハウスとはコンドミニアムの屋上に独立した一軒家式のユニットのこと。このコンドミニアムはかなり豪華そうですね

Bandar Utam Pelangi Utama: 920sf 3部屋2浴室 改修済み、RM 50万
Bangsar Gaya: 671/784/1223/1610sf 1部屋から3部屋まで各種 高層階から低層階あり、価格はsf当たりRM 760、高架電車PutraLRT駅が近い
Bangsar Park Rose: 1250sf 2部屋2浴室 KLCCの見える側またはペタリンジャヤ側、好立地 RM 71万
Bangsar Tivoli: 1087sf 2+1部屋 高層階、家具付 プールの見える側、RM 70万
Bandar Utama Laman Ara Utama: 986sf 3部屋3浴室 駐車枠2台分、ショッピング便利、RM 61万
Bukit Bintang Sri Bukit Ceylon Summerset Residence: 1146sf 2部屋2浴室 19階 KLCCの見える側、RM 88万

Brickfields 633 Residency: 1195sf  2部屋2浴室 家具付、RM 74万
Brickfields Sri Impian: 1500sf  3部屋2浴室、RM 65万
Bukit Bintang Mutiara Villa; 1087sf  2部屋2浴室 RM 54万、1323sf 2+1部屋、RM 65万
Bukit Ceylon: 1500sf  2+1部屋  家具付、RM 82万
Casa Damansara : 1043sf  2+1部屋2浴室 ショッピングセンターの隣、RM 50万8千
Casa Indah 1: 1237sf 4部屋3室 ゴルフ場とプールの見える側、改修済み、RM 64万
Casa Tropicana:1200sf 2部屋2浴室 プール見える側 家具付 RM 57万、1217sf ゴルフ場見える側 RM 62万
Cheras Prima Midah Heights: 1460sf 4部屋2浴室 家具付 改修済み キッチンキャビネット、エアコンなどRM 58万

Damansara Perdana Armanee Terrace: 2436sf 重層型ユニット 3+1部屋3浴室 家具付、RM 85万
Damansara Perdana Metropolitan: 1462sf 4部屋3浴室 駐車枠2台分 一部家具付き RM 59万
Damansara Perdana Emerald: ペントハウス 4部屋3浴室 家具付、RM 76万
Dataran Prima :1407sf 角ユニット 3部屋2浴室 駐車枠2台分、RM 63万
Gasing Heights Fraser Tower: 2300sf  3部屋3浴室 改修済み、RM 91万
Gasing Maxwell: 1860sf  3部屋3浴室 中層階 バルコニー南向き、RM 75万

Jalan Kuching Sri Putramas 2: 1295sf 3部屋2浴室 高層階、RM 50万8千
Jalan Ampang Holiday Villa :984sf サービスコンド 2部屋1浴室、RM 55万
Jalan Ipoh Rivercity: 1650sf 5部屋3浴室 最大のユニット、RM 57万から
Jalan Ipoh Sentul West, The Maple: 1707sf  3+1部屋3浴室 高層階 公園の見える側の眺めは最高、RM 110万

Kelana Jaya Shang Villa: 1281sf  2部屋2浴室 デザイン家具付、RM 50万
Kelana Jaya Sterling: 1442sf  2部屋2浴室 駐車枠2台分 一部家具付、RM 61万
Kelana Jaya Sterling : 1442sf  3+1部屋3浴室 改修済み 家具付 状態良、RM 68万
KL Capsquare: 1076sf 2部屋2浴室 LRT駅とKLCCまで5分、RM 78万5千
KL Choo Cheng Kay: 1700sf  3部屋3浴室 高層階 KLCCが見える側、RM 52万
KL Seri Maya: 1926sf 重層型ユニット LRT高架電車駅の横、RM 86万
KL One Sentul: 1081sf - 1355sf、駐車場屋外、 RM 48万から55万

次回掲載の『後編』に続きます。


マレーシアの住宅市場を知る一助としてたくさんの広告を取り上げてみた-後編

2011年06月14日 | マレーシアの住居知識と情報
今回は土地付きの家(家屋)つまり"Houses" という分類の三行広告を掲載します。
前編と中編で掲載したコンドミニアム・アパート広告は全て賃貸広告でしたが、販売広告も相当な数が載っています。

ところが家の広告の場合、コンドミニアム・アパートの広告と違う大きな点は、賃貸広告よりも販売広告の方がはるかに多いということです。それも価格RM 100万を超える物件が主流です。

しかし家の販売広告を載せてもまずほとんどの読者には当面は関係ないでしょうから、賃貸広告にしました。その理由は、マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加する当初からかなり高額な家を購入される方は、まずいないだろうということです。参加してしばらくしてから家の購入を検討される方は、少数であってもいらっしゃいますね。

なお外国人が購入できる住居不動産は、2010年1月以降は一部の州で違うもののほとんどの州で、ユニット(家屋であれば1軒)価格がRM 50万以上と決められています。つまりコンドミニアムでも家屋でもその価格以下の物件を外国人が買うことはできないということです。

【土地付き家(家屋)賃貸編】

Ampang Suring Ukay: 2階建て 22 x 80ft 5部屋5浴室 家具付き RM 4000 
Serenia Garden (Ampang ?): 2階建て 20 x 70ft 4部屋3浴室 RM 1600
Bandar Utama BU6/BU7: 家具付き 2.5階建て 4部屋から5部屋 食器棚 自動ゲート 警報器 全室エアコン付き RM 2000-3600
Bangsar : ショッピングセンター近く 2階建てリンクハウス 5部屋3浴室 家具付き エアコン 水温機 自動ゲート エクスパトリエイトに好適 RM 3800
Bangsar Park: 一戸建てリンクハウス 家具なし 基本設備のみ 4部屋2浴室 交通の便よし RM 2100
Bukit Damansara: 22 x 100ft 2階建て 3部屋3浴室 食器棚 基本設備のみ 維持状態良しできれい RM 2300
Country Heights: 一戸建て 中にはプール付きもあり RM 7000-15000

一口知識
前編で書きましたように、不動産業界の度量単位はフィート(ft) ですから、面積は平方フィート(square feet, 記号はsf)となります。土地の大きさの表し方として、面積ではなく 間口 X 奥行きft 表示の広告もあります。
度量換算:1フィートは30.48cm 従って 100フィートは3048cmつまり30.48m 
100 平方フィート = 9.29 平方メートル(平米)
つまり平方フィートに 0.0929 を掛ければ平米に換算できます。

Damansara Heights: 居心地良い2階建て 改修済み 5部屋 RM 3500
Damansara Heights: 4+1部屋 2階建ての一戸建て 土地面積6000sf 近くに店舗あり RM 8300
Desa Park City Adiva/Adora: 3部屋3浴室 RM 3500から 
Desa Park City:Amelia  2階3階建て RM 3000-6000、 Nadia 2階建て3階建て RM 3900-4500、 Zenia  2階3階建て RM 4900-8000、 当方は賃貸専門です
Desa Park City Nadia/Valencia: 2階建て 2300-2900sf 並びの真ん中または端のどちらもあり 4+1部屋3浴室  一部家具付きまたは家具付き RM 4100-6800
Damansara Heights: 一戸建て 土地面積7700sf 建築面積3800sf 4+1部屋 新しい食器棚とバスとカーテン RM 4800
Federall Hills: 2.5階建てリンクハウス  ガードマン駐在の住宅地 すばらしい眺め 家具付き きれいに改修済み RM 6000

一口知識

土地付きの家(家屋)を形状から大別すると3種になります:それぞれ独立した家であるが何軒かがつながった形のリンクハウス、2軒がつながった準一戸建て、 一戸建て
いずれも部屋は広く、且つ部屋数は十分あります。2人カップルだけで住むと多分部屋が余るでしょう(笑)。家族や友人がマレーシアに訪ねて来た際、泊める部屋に困らないはずです。

Taman Mastiara (Jalan Ipoh): テラスハウス 20 x 70ft 4部屋4浴室 LRT駅近く RM 1000
Kenny Hills: 準一戸建て 広々とした庭 4+3部屋 高台 RM 7000交渉可
PJ SEC14 : 1階建てリンクハウス 3部屋1浴室1トイレ 基本設備のみ 家族世帯を希望 RM 1200
PJ Sec5 Petaling Garden : 2.5階建てリンクハウス 4部屋3浴室 エアコン2台 温水器 RM 1300 車用ポーチも得られます
Puchong Puteri12: 塗装直し済み エアコン 一部家具付き RM 1200から
Seri Petaling: 2.5階建て 5部屋4浴室 作り付けのキャビネット RM 1500
Subang Jaya SS17: 2階建て 台所とリビングが拡充している エアコン2台 RM 1350

一口知識
温水器は一般にバスルーム用です。都市ガス供給のある地区は、クアラルンプール圏でもごく一部にすぎませんので、温水器とは電気温水器のことです。
ガードマン駐在の住宅地とは、簡単にいえば、その住宅地の住民が共同でガードマンを雇って住宅地の出入りを管理させている宅地です。管理方法として、宅地出入り口となる道路に手動遮断機を設置している場合が多い。

Taman Tun Dr. Ismail: 2階建てリンクハウス 最近改修済み 一部家具付き 便利な場所 2ユニットあり RM 2000-2300以上
TTDI Hills(Taman Tun Dr. Ismail): 準一戸建て 最良地 土地面積3600sf 5部屋4浴室 駐車スペース十分 一部家具付き ガードマン駐在の住宅地 RM 5800
Tropicana Green Indah: 2階建て 準一戸建て 6部屋5浴室 一部家具付き RM 5000
Ukay Heights: 一戸建て 改修済み 静か きれい 大きな庭 RM 8000-10000、プール付きはRM 11000-15000
USJ 13: 2階建て 20 X 60ft 3部屋3浴室 塗装したばかり 維持状態良 RM 1400
USJ 2: 1.5階建て 3部屋2浴室 最近改修と塗装 家具付き RM 1350
USJ 20: 2階建てリンクハウス 24 x 75ft ガードマン駐在の住宅地 RM 1300
USJ 9: 24 x 75ft  3+1部屋 エアコン1台 温水器1台 タイル張り 維持状態良 RM 1400
IOI Resort City Victoria: 一戸建て 土地面積21000sf 建築面積8600sf プール付き RM 13800 ゴルフリゾート地の敷地内にある ショッピングセンターまで10分

おことわり
ここに掲載した広告はほぼ賃貸料が RM 1万以下の物件を選びました。付け加えておけば、最後の例のような、掛け値なしに高級な邸宅を探すのは難しくありません。RM 2万でも3万でも物件があります。
一方賃貸料RM 1千以下の低所得者層向けの家屋を探すのも難しくありません。ただこの新聞の三行広告にはまず載っていないので、当ブログでは掲載しませんでした。


マレーシアの住宅市場を知る一助としてたくさんの広告を取り上げてみた-中編

2011年06月02日 | マレーシアの住居知識と情報
初めての方は、このブログ記事を読むのに必要な知識を得ていただくためにもぜひ前編からお読みください。

Derozel(Kota Damansara): 1000sf 3部屋2浴室 RM1250
D'Shire (Kota Damansara):1000sf 3部屋2浴室 一部家具付き 1階 エアコン4台 RM1600
DeRozelle(Kota Damansara): 1000sf  一部家具付き 3部屋2浴室 RM 1200
De'Tropicana (Kuchai):1100sf  3部屋2浴室 プールが見える側 改修済み 食器棚 RM 1300 
Menara Seputeh: 1000sf  3部屋2浴室 家具付き MidValley近く RM 1800net
MidValley:1355sf/1814sf/1905sf/2600sf/3466sf  一部家具付きまたは趣味良い家具付き RM 3900-11000
Angkupuri(Mont Kira): 1250sf  2+1部屋2浴室 家具付き 状態良 塗り直し済み RM 3000+ すぐ入居可能
Cendana (Mont Kiara):1605sf  3+1部屋家具付き 中ぐらいの階 RM 4000
One Mont Kiara(Mont Kiara): 980sf  高層階 プール側 RM 3200
Palma (Mont Kiara):1390sf  3部屋2浴室 家具付き RM 3600
Verve Suites(Mont Kiara): 1または2部屋 633sf - 861sf 家具付き RM 2800-4000

一口知識

法律上はコンドミニアムとアパートの区別はありません。分類広告でも Apartments とだけ分類されています。なお土地付きの家(家屋)は Houses という分類です。不動産業界や人々が、高級な集合住宅をある一定水準以上にあると見なすことでそれをコンドミニアムと呼んで、アパートと差異化しています。
一般的に、周囲を壁で囲み、出入り口にある守衛所で入出を管理している、1つの階にあるユニット数が少ない、プールやテニスコート、トレーニングジム室などが備わっている、ミニコンビニなどの小さな店舗がある、高層ビルでは必ず複数機のエレベーターが設置されている、などという条件を満たしている場合でしょう。

しかしこれらの条件も恣意的なものであり、ミニコンビニが必ずなければならないというような規則はありません。少し極端に言えば、持ち主会社がコンドミニアムと呼べばコンドミニアムなのです。もっともプールがないとか、周囲の壁も不十分であれば、人々からコンドミニアムとは認識されないことになりますね。

MYHABITAT(Ampang): 1500sf 3部屋 一部家具付き 高層階 LRT駅近く RM 5000
Union Heights(OUG): 一部家具付き 3部屋2浴室 1100sf エアコン4台 角部屋 RM 1300
Palm Spring: RM 1000から、部屋多数あり
Pantai Panorama(Bangsar South City): 1450sf 3部屋2浴室 家具付き LRT駅近く RM 2800
Pelangi Utama: 一部家具付き RM 1700から
Casa Damansara(PJ): 一部家具付き Tropicana近く RM 1900
Crimson (PJ): 3部屋 基本設備のみ RM 1000、一部家具付き RM 1200-1500
Tiara Apartment(PJ Sec16): 3部屋 家具付き 部屋密度が低い RM 2200
Tropics Tropicana(PJ ): 2部屋2浴室 食器棚 エアコン RM 1800

一口知識
ここでの掲載形式:最初にコンドミニアム名、( )内が地区名または地域名または住宅地名です。地区・地域名などを書かない広告は多い。また PJとだけ書いてる場合は ペタリンジャヤ市の略称です。三行広告ゆえに、例えば OUG のような略称表記が多い。
場所として特に何も言及していない広告は、ほとんどがクアラルンプールの住所です。

Ridzuan : 890sf 2+2部屋 家具付き RM 1400、Sunway Pyramid に面している
Saujana Bungaraya(Subang) : 1668-1800sf 家具付き RM 3000から プールとゴルフ場が見える側
Saujana Residency(Subang) : 740sf 家具付き RM 2700-3000
Sentul Utama : 877sf 3部屋2浴室 KLCCが眺望できる高層階 駐車場は屋根付き RM 950net
Robson Height(Seputeh): 家具付き 2+1部屋3浴室 非常に良い状態 RM 3000交渉可
Serai Saujana: 1817sf 高層階 3+1部屋4浴室 一部家具付き RM 4500、家具付きはRM 6500
PV8 (Setapak): 1800sf 5部屋3浴室 高層階 KLCCが眺望できる高層階 新しい家具付き RM 2600
Solaris Dutamas (Mont Kiara):1238sf 3部屋2浴室 角部屋 趣味良い家具付き RM 4500
Sri Duta: 1800sf 2+1部屋2+1浴室 駐車2台分 RM 3800

一口知識
こういう不動産三行広告主は不動産代理店・会社か不動産エージェントが大多数を占めます。オーナーが直接広告を出している場合もあります(この場合は仲介にはなりませんね)。

会社として不動産代理店業をするには当局に登録する必要がある。そうすると登録番号が与えられます。例: E (3)4桁か5桁数字
個人として登録した不動産エージェントは、E5桁数字 といった登録番号が与えられます。
従って登録番号を持たないエージェントの仲介は、非法行為となります。

テナントつまり賃借人は賃貸借契約にあたって、不動産代理店・エージェントに仲介手数料を支払う必要はありません、家主が代理店・エージェントに手数料を払うのです。一般に礼金という慣行はありませんが(例外はあるようです)、敷金はもちろんあります。

Dorchester(Sri Hartamas): 410sf 家具付き RM 1300、825sf 2部屋 基本設備のみ RM 2000
Winsor (Sri Hartamas): スタディオ 640sf 家具付き RM 2500交渉可
Winsor Tower(Sri Hartamas): サービスアパートメント 500sf RM 1900、オーナー自身の広告
Sri Putramas: 1050sf プールが見える側 家具付き RM 1500
Suasana Sentral: 1550sf 4部屋3浴室 一部家具付き エアコン RM 3800 静か
Subang CRT10 :1073sf 3部屋2浴室 駐車場 エアコン プールが見える側 家具付き RM 1300
Subang CRT6 : 地上階 3部屋2浴室 食器棚 エアコン 塗り直し済み RM 900
First Subang(Subang SS15): ソーホー 458-621sf エアコン2台 食器棚 バス RM 1500から
Perdana (Sunway Lagoon): 853sf 3部屋2浴室 RM 680から
Ridzuan (Sunway) : スタディオ 家具付き RM 1000、2部屋2浴室 RM 800から、3部屋2浴室 一部家具付き RM 1300
Suria Jelatek:真新しい 858-1420sf LRT駅近く KLCCまで10分 RM 1600から

一口知識
この種の三行広告には、広告主の電話番号が必ず付記されています。加えて短く名前が書いてある場合が比較的多いが、電話番号だけの場合も珍しくない。そしてエージェントの登録番号が書いてあるはずです。
当ブログ記事では、この3つは全て省略して掲載しています。

実際に住居を探すときは、まず電話して広告内容を確かめる。さらに興味が増せば、エージェントが物件見学に連れて行ってくれますので、その日時を打ち合わせます。広告物件以外にもいくつかの物件を紹介しようとするエージェントが多いはずです。もちろん、見学したからといって賃借を決める義務はない。
ご自分で問い合わせや交渉ができない方は、Intrasiaに通訳を依頼するのもいいかもしれませんよ、もしそうなればイントラアジアの家計が多少なりとも助かりますのでね(笑)。

Desa Villa (Taman Desa):1200sf 3部屋 家具付き RM 2000
Tiara Faber (Taman Desa) :高層階 1238sf 3部屋2浴室 一部家具付き KLCCが眺望できる側 RM 1600
Desa Kiara(Taman Tubn): 1300sf 3部屋2浴室 上質の家具付き RM 2400
Kiara Park (Taman Tun): 1400sf 低層階 RM 2800、 
Villa Flora(Taman Tun): 3部屋 プール側 家具付き RM 2800
Times Square : 5星ホテルのサービススイート、 美しい屋上ガーデンプール、モノレール駅、RM 2500-3000
Faber Heights(Taman Desa): 1250sf 3部屋3浴室 改修済み 一部家具付き RM 1800
Rhythm Avenue (USJ19): 1部屋から2部屋、3部屋まで 基本設備から家具つきまで RM 700-1800 Carrefour と7ーEleven が近い
Indera (Subang USJ6): 1700sf 3+1部屋3浴室 家具付き 改修したばかり RM 3500交渉可
Villa Wangsamas: 家具なし 14階プール側 エアコン3台 3部屋3浴室 1280sf RM 1700
Vista Kiara : 1200sf-1400sf 家具付きまたは一部家具付き RM 2000から インターナショナルスクールの反対側
Lojing Heights (Wangsa Maju):3部屋2浴室 1500sf 家具付き 食器棚 駐車2台分 RM 2300

おことわり

このブログ記事で載せた住宅の三行広告はクアラルンプール圏の物件ばかりです。それは参照した新聞が半島部中部で発行されているいわば首都圏版なので、広告主がクアラルンプール及びその周辺の物件だけを広告に出しているからです。

ペナン州の物件を見るには、ペナン州などで発行されている半島部北部版を見る必要があります。ジョーホール州の物件であれば、半島部南部版ということになります。またサバ州の物件であれば、サバ州で発行されている地元紙か全国紙のサバ版が最適だと思われます。
新聞では一般に、半島部は中部、北部、南部、東海岸部と大きく4つに版が分かれていますので、三行広告のような広告は版毎に違いがあります。


次回の後編では、土地付きの家(家屋)の三行広告を取り上げますよ。

マレーシアの住宅市場を知る一助としてたくさんの広告を取り上げてみた-前編

2011年05月23日 | マレーシアの住居知識と情報
今回は住宅の固有名をたくさん列挙して、具体的にユニットの内容や賃貸価格などを例示します。全3回シリーズです。

【はじめに】

ここに取り上げた住宅はすべて、新聞の分類広告ページから抜き出したものです。新聞、とりわけ主要英語紙には非常にたくさんの不動産広告が載っています。トップ華語紙にもそれなりの数が載っていますが、この面では英語紙を見るのがお勧めです。マレーシア語大衆紙には、部屋貸し三行広告が載っていますが、コンドミニアム類の広告はごく少ない。

日本の新聞とは不動産広告の載せ方が非常に違います。なんだ三行広告かという捉え方をしないでください。三行広告欄ページは不動産、車、特定物品売買、各種サービス、その他など、いくつもの分類から構成されています。いずれの三行広告欄も毎日実に多くの広告が掲載されていることから、見る人の多さがわかります。三行広告は上手に利用すれば、暮らしに有用となり、またいろんな情報収集手段としても使えます。

当ブログで参照した、半島部中部で発行されているいわば首都圏版では、不動産三行広告(家屋、コンドミニアム・アパート、オフィス、店舗などの売買及び賃貸)だけで毎日少なくとも二千個前後は載っています。

なお三行広告といっても実際は5行、6行、それ以上になる広告もありますよ(笑)。なぜなら一定の文字数毎によって広告料金が決められているからです。これらの広告に使われている英語自体はごく簡単なものですが、三行広告独特の表現が使われているので、ある程度知識がないと意味がよくわからないでしょう。そこでIntraasia が、一口知識の形で細かく解説しておきました。

絶対的な記述要件があるわけではないので、広告によって載せている内容に違いがあります。価格を載せていない場合も珍しくありませんが、当ブログ記事では価格未掲載の広告は省きました。床面積を載せる、載せないの両方があります。エアコン付きと書いてる広告もありますが、エアコン付きでもわざわざそれに触れない場合が多いはずです。その他、新しく改修した、状態が良い、きれいだ、モダンな家具、食器棚付き、駐車枠いくつ、などという宣伝文句を混ぜる広告もあります。要するに何を記述するかは全て広告主次第ということです。

ですからIntraasia が載せたそれぞれの広告の内容が一律でないのは、このためです。
それではゆっくりと目を通してくださいね。

【コンドミニアム・アパート賃貸編】

Ampang Holiday Villa: 672sf 1部屋 家具付き 長短期可 RM2300から
Ampang Menara Polo: 3部屋 家具付き RM 2000
Ampang One Avenue East:8階 3部屋2浴室 1228sf エアコン4台 家具付き 状態良し RM 3000
Bangsa Cascadium: Bangsarショッピングセンターの反対側 2部屋2浴室 家具付き RM 3300
Bistari Condo:LRT駅とMallショッピングセンター近く 2+1部屋 家具付き RM 2800
Bujkit Jalil Greenfield :2+1部屋2浴室 家具付き RM 1700、 一部家具付き 1000sf RM 1300
Bujkit Jalil Arena Green:2部屋2浴室 家具付き RM 1500
Brickfields Villa Scot: 3部屋 RM 2700、4部屋3浴室 RM 3300
Bukit Bandaraya Casa Vista: 3+1部屋3浴室 1335sf 家具付き RM 3500
Bukit Jelutong Elaies 2: 3部屋2浴室 950sf エアコン 一部家具付き RM 1500
Bukit OUG: 1222sf 3部屋2浴室 最近改修 RM 1180

一口知識
浴室とはバストイレのある部屋です。コンドミニアムの格・クラスや年代または主たる想定購買層によって造りに違いがあります。バスタブがなくシャワー設備だけの場合も少なくない。高級なコンドミニアムになればなるほどバスタブ付が多くなるでしょうが、だからといって必ずしも全てバスタブが設置してあるということにはならない。購入したオーナーが自分の好みで設置する場合もあるし、バスタブを必須と考えないマレーシア人は多い。

駐車場のないコンドミニアムはありえない。各ユニットに駐車枠は必ず1つは付いているので、三行広告ではあえてそのことに触れませんが、枠が2つあるような場合にはそれを強調していることがあります。

Casa Indah 1: 1215sf 2+1部屋 RM 1800 基本設備のみ、1160sf 2部屋2浴室 一部家具付き エアコン3台 RM 1500
Casa Tiara: 880sf 家具なし RM 2200
City View(Cheras):1020sf 3部屋2浴室 家具付き RM 1600
Damansara Heights: 2部屋 新しいキッチンとモダンな浴室 RM 3600、
Damansara Perdana Ritze 1 &2: 382-849sf 家具付きまたは一部家具付き RM 1200から
Damansara Perdana Ritze 1: スタディオ 406sf エアコン 食器棚 衣装ダンス RM 1150
Duta Mas Solaris : 997sf, 672sf, 1236sf 家具付き 2+1部屋2浴室 RM 2500から
Endah Promenade (Sri Pertaling): 739-1279sf スタディオ、3+1部屋 RM 1500-2500
Endah Ria (Sri Pertaling): 家具付きまたは一部家具付き 3部屋2浴室 RM 1800
Flora Damansara: 1部屋1浴室 ブロックA-H RM 400-600

一口知識
不動産の三行広告を含め、不動産業界では床面積、土地面積の単位は平方フィート(square feet)を用います。広告における”数字sf” の "sf" とは square feet の略号です。
度量換算:100 平方フィート = 9.29 平方メートル(平米)
つまり平方フィートに 0.0929 を掛ければ平米に換算できます。
例: 1236sf X 0.0929 = 115 平米

Kelana Mahkota: 1352sf 3部屋2浴室 新品家具付き エアコン 衛星テレビ RM 2650
Kelana Puteri: 1050sf 2+1部屋 エアコン 食器棚 RM 1500
Kiara Park(Taman Tun Dr. Ismail) : 3部屋2浴室 1360sf RM 2600 家具付き
UBN Tower(KL 中心部):2400sf 3+1 部屋 高層階 家具付き RM 5500
Seri Bukit Ceylon Residence(KL 中心部): 1部屋RM 3800、2部屋 RM 5500 衛星テレビ メイドサービス
Kenaga Point(Pudu): LRT駅近く 3部屋2浴室 860-1060sf 一部家具付きまたは家具付き RM 1100-1600
KL Maytower: スタディオ LRT駅近く 家具付き RM 2000
Mutiara Villa: 1000sf 2部屋2浴室 家具付き 塗装したばかり、ブキットンビンタン街が近い RM 2500から
KL Plaza(現在名称はFahrenheit 88):2部屋1浴室 改修したばかり 高層階 一部家具付き RM 3200から
Sausana(KL Sentral):エレガントな家具付き 3+1部屋3浴室 RM 4000から 

一口知識
”3+1部屋”の"+1"の意味:普通の部屋より狭い部屋で、半分から3分の1ぐらいと見なしておけばいいでしょう。といっても4畳半ぐらいあるのが普通ですが、コンドミニアムによって違いはあります。一般に住み込みメイドの部屋にあてがう、物置にする、なんらかの特定用途に用いるという使い方が多いようです

Taragon Puteri(Times Squareから至近):オープンしたばかりのサービスアパート 1部屋から5部屋 522sf-2175sf RM 2000から
Vistana(Jalan Pahang):クアラルンプール総合病院の反対側 LRT駅近く 3+1部屋 2浴室 1400sf 家具付き RM 1900
D'Mayang(KLCC): 1140sf 2部屋2浴室 家具付き LRT駅近く RM 4000、
Corintian (KLCC): 1500sf 2+1部屋2浴室 家具付き RM 4500
Hampshire(KLCC):LRT駅へ徒歩3分 新しくゴージャス、1部屋1浴室、2部屋2浴室などいろいろある RM 3500から
Jelita Court (KLCC): 1500sf 2+1部屋 RM 2500 家具付き KLCCまで徒歩の距離
Mark Residence (KLCC):1部屋から3部屋 RM 3000から
Menara Avenue(KLCC) : CitiBankとLRT駅近く 1部屋/2部屋/3部屋 家具付き RM 2300/3200/4500
Park View(KLCC):420sf スタジオ、880sf 2部屋 家具付き 短期契約可 RM 2300から
TR 231(KLCC): 2部屋2浴室 高層階 KLCC に面している 家具付き RM 4500
The Meritz(KLCC): 1359sf 2部屋2浴室 家具付き 場所が良い RM 5800

一口知識
表示賃貸料は全て1ヶ月の賃貸料です。この広告文句だけからは管理費が含まれるか、含まれないかははっきりしない。中には RM数字net と書いて、その金額が支払う全てであることを示している広告も数少なくあります。一般的には管理費はオーナーが支払うが、それを賃借人に負担させる場合もあるし、賃貸料にあらかじめ含めている場合もあるでしょう。不動産エージェントにこの点はしっかり確認しましょう。

おことわり
当ブログ記事で載せる物件は、ほぼ全て賃貸料RM 5千以下のものを選びました。掲載した物件をイントラアジアがお勧めする、お勧めしない、といったことではなく、情報と説明のための単なる例示ということです。
いうまでもなく、新聞にはRM 5千を超える物件も数多く載っていますが、RM 5千あたりが賃貸額の上限の目安になるのではないだろうか、というIntraasia の判断です。

次回の中編でもたくさんの物件を載せますよ。

マレーシアにロングステイ(中長期滞在)するために、住居選びの事前知識を得ましょう

2009年12月05日 | マレーシアの住居知識と情報
マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加しようとお考えの方は、まずどこに住もうかということになるでしょう。恐らくほとんど方は大体住みたい地方は心積もりとして持っていても、具体的にどんな住居に住むかの選択に迷われる方が多いのではないでしょうか。
11月の記事で説明しましたように、マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加しなくたってマレーシアに中長期滞在できますから、マレーシアマイセカンドホームに参加不参加を問わず、マレーシアに中長期住むための住居の探し方についてアドバイスを今回は書いていきましょう。

ある地区の何々というコンドミニアムだけが住居の候補であるという方はここでは対象にしません。さらに、最初から日本人向け不動産エージェントか当地の知り合い日本人の紹介に限るという方もこの場では対象にしません。

この場で対象にするのは、大体住みたい場所や程度は希望としてあるが、具体的に選択するためにどうしたらいいか、という情報をお求めの方です。

物件を決めるのはいつでもできます。焦らずに探しましょう。住居を購入するつもりの方も当初はまず賃貸してからの方がいいのではないでしょうか? 資金に困らないので即購入されたいという方であれば、もちろんどうぞお好きにということです。

マレーシアに来ましたら、英字紙の分類広告ページの中にある、不動産三行広告ページをご覧ください。毎日何千件もの賃貸、売買広告が載っています。
日本でこの広告はほとんど閲覧できませんから、マレーシアのインターネットサイトで探すのがいいでしょう。不動産広告を載せているサイトはいくつもありますが、その中で最近 Intraasia が見つけて、なかなかお勧めだなというサイトを1つ紹介しましょう。尚このサイトがベストであるとか、このサイトで探すべきだという意味ではありませんよ、お勧めの1つだということです。

どの不動産探しサイトでも大体同じでしょうが、地理をある程度知らないとどうにもなりません。 新聞の三行広告ではコンドミニアム名程度しか載っていませんので、その名前で推測が付かなければ、具体的な地区を知るためにはその広告主である家主やエージェントに電話して聞くことになります。

この下で紹介するインターネットサイトの場合、地区名または道路名または中には完全な住所まで載せている物件もあります。どの物件も、部屋数は載せています、多くはその住居の広さも提示しています:例 1100 sq.ft.  マレーシアの住居の表示は常に平方フィートですから、これを平方メートルに換算する必要があります。近似値計算法は 11で割ることです。例 1100 sq.ft 割る 11 = 100平米 という近似値が得られます。 

furnished というのは家具付きであり、 partially furnished 一部家具付きとなります。 通常は家具付であれば,エアコンは含まれるはずです。どの程度まで家具付かは、実際にその物件を見学する時に確認することになります。

さらにそのコンドミニアム施設の説明、その住宅の説明も載っています。首都圏やペナンなどは英語での説明が主流ですが、東海岸州などではマレーシア語説明が主流になります。 Monthly rent: が月額賃貸料です。 それ以外に隠れた費用が多少あるかどうかは、最終的に物件見学の際に確認すべきです。

それではブラウザーの別ページを開いて、次のアドレスを貼り付けて、Mudah.my のサイトを開きます
www.mudah.my/li?cg=2040&w=3&th=1

・上部の選択ボックスの中で Apartments (コンドミニアムを含む高層集合住宅のこと)または Houses(土地付き住宅のこと。一軒家も連結住宅もこの範疇に含まれる) を選びます。
・次に Kuala Lumpur, Selangor (州)、Penang(州)といった州別区分を選択します。もちろんどこでも構いません、ご自分のお好みの州を選んでください
・そして for Rent (賃貸用)にチェックを入れて、bed room 数を選び Search をクリックします。 
Space はきちんと機能していません、それは選択単位と 投稿者の単位が違うからです

投稿された新しい物件から順に表示されます。 表示項目がずらっと並んだ一番下に  Next page というのがありますから、これをクリックしていけばたくさんの投稿物件を見ることができます。 クアラルンプールのような物件の多い州は20ページほどもあります。小さな州は数ページ終わってしまいます。

まず写真を掲載した物件を優先的に見ていくのがいいでしょう。そうすればある程度のイメージができあがりますからね。物件によっては詳細な説明が書いてあるものもありますし、簡単な説明の物件もあります。
不動産は地区によってその価格が多いに上下するのはマレーシアも同じです。 有名地、高級地が高めになるのは言うまでもありません。そういうことにこだわらず、高架電車駅に近いところ、Jusco のようなスーパーが近い場所、バス便の便利な所を主体に探すという方法もあります。 これは探す方の好みですね。肝心の物件の場所を大体知るためには、地区名をメモして、 Google の地図サイトでその地区名を入れて探すという方法があります。

このMudah.my のサイトでたくさん物件を見ておけば、ある程度の相場や物件のイメージがつかめるようになるはずです。もちろんそれで十分足りるということではありませんが、マレーシアの都市部における、コンドミニアム、アパート、土地付き住宅のかなりの事前知識を得られると思いますよ。

ですから、マレーシアに到着して、具体的に物件を見て廻る時の参考になるということです。尚エージェントや家主は当然無料案内しますから、いくつも見学してから候補を絞り込んでいきましょう。 そのためにはまず最低2週間から1ヶ月程度はホテルに滞在する計画にしておくべきです。焦って決めないほうがいいと思いますよ。

自分たちだけでインターネットサイトや三行広告に載っている不動産エージェントや家主に連絡して、さらに交渉できる方はごく少ないことでしょう。そういうときには、日本人向けにビジネスを行っているマレーシアマイセカンドホーム代理業者やマレーシアにそれなりに詳しい知人に頼むことは自然なことでしょう。頼まれればお手伝いをIntraasia が引き受けることもやぶさかではありませんが、ここでそれを売り込んでいるのでは全然ありません(お好みの代理業者に依頼してください)。

尚紹介手数料は家主がエージェントに払うのが、マレーシア流です。 どこの国でも同じでしょうが、当然前家賃払いです。賃貸は1年契約か2年契約か、それは家主次第ですし、ご自分の意向に沿わなければ交渉すべきです。最初から3年契約以上の長い契約はまずないはずです。あるコンドミニアムの複数のユニットをそれぞれ別のエージェントが請け負って広告を出している場合がよくありますから、あるユニットが折り合いがつかなかったからそのコンドミニアムで賃貸できる可能性はもうないということには必ずしもなりません。

それではここで取り上げたサイトで、あれこれ検索して候補を選んでみるのもいいと思いますよ(事前知識を得る目的で)。