肉魔神

野球と本の備忘録

「野球バカ」桑田泰次著、講談社、2000年

2010年02月26日 03時11分28秒 | 
今、とてつもなく面白い野球本を読んでいる。それが表題の「野球バカ」だ。先日、火災で亡くなった桑田の父が書いた本だ。

まず、父の履歴が面白い。中学で野球部をドロップアウト。プールに忍び込んで泳いだため、退部させられたそうだ。それからは草野球に燃え、高校でも遊びたいために野球部を退部。さらに就職も草野球の腕を買われて決まったとか。さらに2年ほどで会社を辞め、川合幸三(元阪急)田川豊(元大映)と組んで、草野球の助っ人をしていたという。さらに、何かにつけてけんかをしていたため、20歳まで保護観察下にあったというのだから、なかなか数奇というか、まあまともではなかったのだろう。

長男の桑田が生まれ、小学3年で八尾フレンドというボーイズで野球を始めた。「365日練習せい」と伝えると、小学4年時には「うちの子は勉強が嫌いで野球が好きだから、授業を受けんでもいい、と言ってやってくれ」と担任の教諭に直談判し、了承を得た。それからは、授業に出ず、練習と給食を食べるためだけに学校に通ったという。

めちゃくちゃだ。でも面白い。

ただし、6年生からは授業に出たという。

中学は部活に準硬式野球部があり、毎日野球をやるために部活に入ったという。中学3年のはじめには高校の争奪戦が始まり、授業料、寮費免除の特待生で、PL入りが決まったという。

すると、野球部の同期生3人が「僕もPLに入りたい」と、言い出した。野球部の顧問は「わしがみんなPLに入れたる」とタンカをきった。いわゆる「抱き合わせ」だ。「ドラゴンクエストが買いたいなら、バルーンファイトもセットじゃないと売らないよ」という商売をしていた、杉田のおもちゃやのような、悪辣さだ。

ここからの描写が細かくて、実に面白いのだが、夜も遅いので続きはまた。

とにかく、この本は最近読んだ中では、飛びぬけて面白い。

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