肉魔神

野球と本の備忘録

「コーチ」(マイケル・ルイス著、ランダムハウス講談社、1260円)

2005年07月21日 00時51分12秒 | 
いわずとしれた「マネーボール」著者の新作だ。ルイスが「もし、なんでも自由に書いていいと言われたら何を書く?」と雑誌編集者に問われて書いたのが、この本だ。

ルイス高校時代の野球部のコーチ(日本で言えば監督=フィッツ氏)を描いている。読んでいくとずいぶんと厳しい人物のような印象を持ちがちだが、数年前に日本の高校野球の強豪校の練習をたくさん見た経験からすると、大したことはない。

とはいえ舞台は現代のアメリカ。走りこみを命じたり、厳しい練習をすると親からすぐに文句がくるらしい。ルイスがいたころは、親から文句がくるようなことはなかったらしい。その時代格差とコーチへの評価の違いがこの本のテーマだ。

フィッツはアスレチックスにドラフト1位で入団したほどの腕前。とはいえ技術論はほとんど出てこない。メンタルを鍛える場面ばかりだ。そこがちょっと食いたら無い。

薄い本なので、数時間ですぐ読める。文章は流麗だがマネーボールの面白さには遠く及ばない。

55点。

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